家を売りたいもののいくらくらいで売り出せばいいのか分からず、「自分の家を売ったらいくらくらいになるんだろう?」と気になる方も多いのではないでしょうか?
家の売却相場は、築年数や購入価格、エリアなど様々な条件によって決まり、例えば築15年の家の売却相場は新築での購入価格と比べて約79%になります。
この記事では、家の売却相場がいくらか知りたい方に向けて、築年数・購入価格別の相場や自分で詳しい相場を調べる方法、売り出し価格を決めるコツについて解説していきます。相場を活用して売り出し価格を決められるようになりましょう!
「まずは家を売る基礎知識を知りたい」という方は、こちらの記事をご覧ください。
築年数別の家売却相場はいくら?
家は築年数が経つにつれて資産としての価値が下がっていくため、相場も下がっていきます。購入時の価格ごとの相場の下落率や金額は以下の表から分かります。
築年数 | 下落割合 | 新築での購入価格 | |||
---|---|---|---|---|---|
2000万円 | 3000万円 | 4000万円 | 5000万円 | ||
築5年以下 | 90% | 1800万円 | 2700万円 | 3600万円 | 4500万円 |
築6~10年 | 82% | 1642万円 | 2463万円 | 3284万円 | 4105万円 |
築11~15年 | 79% | 1574万円 | 2361万円 | 3148万円 | 3935万円 |
築16~20年 | 73% | 1468万円 | 2202万円 | 2936万円 | 3670万円 |
築21~25年 | 71% | 1422万円 | 2133万円 | 2844万円 | 3555万円 |
築26~30年 | 58% | 1160万円 | 1740万円 | 2320万円 | 2900万円 |
築31年以上 | 43% | 858万円 | 1287万円 | 1716万円 | 2145万円 |
※新築から築5年になると価格が10%減少すると仮定し、築6年以降の下落割合を計算
※東日本不動産流通機構レインズ「首都圏中古マンション・中古戸建住宅地域別・築年帯別成約状況(2023年10~12月)」 を基に作成
下のグラフは、首都圏の一戸建てが実際にいくらで売却が成立しているのかを表したものです。
(出典:東日本不動産流通機構レインズ「首都圏中古マンション・中古戸建住宅地域別・築年帯別成約状況(2023年10~12月))
ここからは築年数ごとの相場と売却時のポイントを解説します。
築5年未満の家売却相場
築5年の家の売却相場は、新築での購入価格と比較して90.0%程度です。
築5年未満の家を売る時は、売却時にかかる税金比率がポイントになります。
家を売却すると、売却で発生した利益に対して税金が発生します。これを譲渡所得税といいます。譲渡所得税の税率は家の所有期間によって異なります。
具体的には、所有期間が5年以下の「短期譲渡所得」では税率が約39%なのに対し、所有期間が5年を超える「長期譲渡所得」では税率は約20%となります。
つまり、所有期間によって支払うべき税金の額が2倍近く変わってくるのです。そのため、所有期間が5年間際の場合は、所有期間が5年を超えてから売ることも検討しましょう。
ただ、注意点が一つあります。それは、所有期間の基準になるのは毎年1月1日時点で家を所有していた人になります。つまり、2018年7月に購入して2023年12月に売却する場合、実際の所有期間は5年を超えていますが、税金の計算では所有期間5年未満と計算されるのです。
築5年~築10年の家売却相場
築10年の家の売却相場は、新築での購入価格と比較して82.1%程度です。
築10年の家を売る時は、住宅ローン控除がポイントになります。
住宅ローン控除とは、住宅ローンを利用して家を購入した場合購入後約10年間はローン残高の1%が所得税/住民税から控除され税額が軽減される制度のことです。
(出典:「国税庁」住宅ローン控除を受ける方へ)
そのため、新築で購入した場合築10年を過ぎタイミングまでは住宅ローン控除が適用されますが、10年を超えると適用されなくなるため、控除が切れるタイミングで住み替え等を検討すると良いでしょう。
築10年~築15年の家売却相場
築15年の家の売却相場は、新築での購入価格と比較して78.7%程度です。
築15年の家を売る時は、住宅ローンの返済が完了するかがポイントになります。
築10年までと比較して築10~15年は資産価値の下落幅が大きくなります。一方で、住宅ローンの平均返済年数は約16年となっており、築10年~15年で完済する方が一番多いです。
そのため、この築年帯で売却した価格で残りの住宅ローン額を返済できるかどうかを確認して売却を検討すると良いでしょう。
(参考:住宅金融支援機構「2020年度住宅ローン貸出動向調査」)
築15年~築20年の家売却相場
築20年の家の売却相場は、新築での購入価格と比較して73.4%程度です。
築20年の家を売る時は、適度な修繕/補修がポイントになります。
築15年を過ぎると、外壁/屋根・室内の水回り設備に古さが目立つようになります。仮に外壁/屋根・給湯器や便座などの設備の塗装や交換を行う場合、約100~150万円ほどかかります。
家の状態を見ながら、場合によっては修繕や補修をせずにそのまま売却してしまった方が結果的に得をする可能性もあるため、不動産会社に相談してみましょう。
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築20年~築25年の家売却相場
築25年の家の売却相場は、新築での購入価格と比較して71.1%程度です。
築25年の家を売る時は、家を魅力的に見せることがポイントになります。
そのため、不動産ポータルサイトなどで魅力的に見せるように物件アピールや写真を豊富に使って販売活動を行うようにしましょう。
(参考:東日本レインズ「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2023年)」- 築年帯別構成比率 )
築25年~築30年の家売却相場
築30年の家の売却相場は、新築での購入価格と比較して58.0%程度です。
築30年の家を売る時は、購入希望者が安心できる工夫をすることがポイントになります。
築25年を過ぎると、家を買うときに住宅ローンの融資が下りにくくなってしまうため、なかなか買い手がつきにくくなってしまいます。
ただ、住宅診断を受けたり瑕疵担保保険などをつけ、家の安全性を保障することで金融機関からの評価も付きやすく買主が安心して家を買いやすくなります。
築30年~築40年の家売却相場
築40年の家の売却相場は、新築での購入価格と比較して42.9%程度です。
築40年の家を売る時は、売却方法を検討することがポイントになります。
築40年にもなると、一戸建ての状態が悪くなっていることもあると思いますがその場合は「古家付き土地として売却」するとよいでしょう。
古家付き土地とは、土地を購入したい人に向けての表現で売主は解体費用をかけずにそのまま売却することが出来ます。
築40年~築50年の家売却相場
築50年の家の売却相場は、新築での購入価格と比較して42.9%程度です。
築50年の家を売る時は、耐震診断を受けることがポイントになります。
1981年6月1日以前に建築確認された建物は現行の「新耐震基準」ではなく「旧耐震基準」になります。
そのため、耐震性が低く、家を買うことを躊躇される可能性が高いです。ただ、耐震診断を受けることで安全性を証明して売却しやすくなります。
家売却相場を自分で詳しく調べる方法
ここまでで、築年数ごとに相場がどれくらいになるかが分かったかと思います。ただ、あくまでもざっくりとした相場を表しただけで、具体的にご自身の家がいくらくらいで売れるのかまでは分かりません。
そこで、この章では家の売却相場を自分で詳しく調べる方法をご紹介します。
方法は主に2つあり、
- 過去の成約事例の中から、自分の家と似た物件を調べる
- 売却データベースを使って、条件を絞ったうえで相場を調べる
です。ここからは、それぞれの方法を詳しく紹介していきます。
過去の成約事例から似た物件を調べる
1つ目は、過去の成約事例の中から、自分の家と似た物件を調べる方法です。
自分の家と条件が似ている物件が過去いくらで売れたか調べることで、自分の場合大体いくらで売れるか予想することができます。
過去の成約事例を調べられるサイトは
の2つあります。
レインズマーケットインフォメーションとは国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営・管理しているサイトであり、土地総合情報システムとは国土交通省が運営・管理しているサイトです。どちらのサイトも、過去に売買が行われた家の成約価格を調べることができます。
レインズマーケットインフォメーションでは、地域や沿線、駅からの距離、面積、間取り、築年数などを入力すると、その条件に当てはまっている過去の成約事例を見ることができます。
土地総合情報システムでは、「不動産取引価格情報検索」をクリックし、地域や最寄り駅を入力すると、過去の成約事例を見ることができます。
データベースを使って条件別の相場を調べる
2つ目は、売却データベースを使って、条件を絞ったうえで相場を調べる方法です。
国内No.1の不動産一括査定サイトであるイエウールでは、地域別の家の売却相場をまとめており、簡単に相場や過去の事例を見ることができます。
ここでは、都道府県別の最新の家売却相場を紹介しておきます。都道府県の横に最新の家(一戸建て)の売却相場も示しています。
ご自身の家がある都道府県をクリックすると、さらに詳しい条件での売却相場や実際の売却事例を見ることができます。
※これらのデータは、国土交通省の不動産取引価格情報をもとに表示しています。(データ更新日:2024年1月31日)
さらに詳しく納得できる家の売却相場を知りたい方は、査定を依頼してみましょう。
利用者数No.1の不動産一括査定サイト「イエウール」なら、いつでも簡単に複数の不動産会社に査定依頼を申し込めます!
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家売却相場を使って適切な売出価格を設定するコツ
自分の家の売却相場が分かったら、あとは売出価格を設定して実際に売りに出しましょう!
基本的には調べた相場の金額を売出価格にして問題ないのですが、売出価格が高すぎて売れ残ったり、逆に低すぎて損してしまったりすることを防ぐためのコツをご紹介します。
3つのコツを意識しながら、適切な売出価格を設定しましょう。
最低売却価格を決めておく
1つ目のコツは、最低売却価格を決めておくことです。
家の売却では、最初の売り出し価格のまま家を売却するとは限らず、人気が無くて売出中に値下げしたり買主の交渉に応じて値下げしたりすることがあります。
そのような場合に備えて、最低でもいくらで売りたいかを決めておくことが重要です。例えば、住宅ローンが残っている場合は何円以上で売らないと残債を返済しきれないかなど、シミュレーションを行ったうえで最低売却価格を決めておきましょう。
不動産会社に査定を依頼して正確な相場を調べる
2つ目は、不動産会社に査定を依頼して正確な相場を調べることです。
築年数ごとの相場を見たりご自身で過去の成約事例やデータベースを調べたりすることでも相場は分かりますが、あくまで他の事例を参考にできるだけであり、ご自身の家特有の条件まで考慮に入れることができません。
そこで、不動産会社に査定を依頼すれば、担当者が家の詳しい状況を見たうえで査定額を提示してくれるため、より正確な金額が分かります。
「どの不動産会社に依頼すればいいか分からない」という方は、不動産一括査定サイトを使ってみましょう。情報を入力すれば、複数の不動産会社に対して一気に査定を依頼することができます。
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値引き交渉される前提で価格を設定する
3つ目は、値引き交渉される前提で価格を設定することです。
家の売却では、ほぼ必ず値下げ交渉が行われます。値下げ交渉に応じれば買主の満足度が上がる一方で、本来自分が欲しかった金額に足りなくなる可能性があります。
そのため、売り出し価格の時点で値引き交渉されることを考慮して、少しだけ高めに価格を設定しておけば、値引きしてもお互い納得して売買を行うことができます。
家売却相場が築年数と購入価格で分かるシミュレーション
まずは自分で簡単に価格を調べてみたいという方は、売却相場のシミュレーションを使ってみましょう!
家の購入価格と家の築年数を選ぶだけで、簡単に売却相場が分かります。
「家の購入価格」を500万円単位で選択(もしくは詳細価格を入力)
「家の築年数」を1年単位で選択
「売却相場を見る」をクリック
家売却相場の94%が手残り金額の目安
ここまで、家売却相場を築年数別や購入価格別に紹介してきました。
また、2023年最新の全国の都道府県別の家売却相場についても紹介しました。
しかし、家の売却相場だけでは、仮に売却した際に手元にいくら残るのかはわかりません。
そこで、ここでは最後に、家売却相場を基に、仮に売却した際にどのくらいの費用や税金がかかり、最終的に手元に残る金額がどのくらいなのかも知れるシミュレーターを紹介しておきます。
「家売却相場シミュレーション」で分かった価格を売却価格欄に入力
「所有期間」「所得費」「諸経費」を選択/入力
「手取り金額を確認する」をクリック
未記入(不明)の場合は5%で自動試算
未記入(不明)の場合は5%で自動試算
売却価格
0万円
仲介手数料
0万円
諸経費
0万円
印紙税
0万円
譲渡税
0万円
手取り金額
0万円
※このシミュレーション結果はあくまでも概算になります。
売却価格 | - | 0万円 |
仲介手数料 | - | 0万円 |
諸経費 | - | 0万円 |
印紙税 | - | 0万円 |
譲渡税 | - | 0万円 |
手取り金額 | 0万円 |
※このシミュレーション結果はあくまでも概算になります。
売却価格-(取得費+仲介手数料+諸経費+印紙税)=譲渡益(譲渡所得)
0-(0+0+0+0)=0万円
(譲渡益-特別控除) ×税率 (所得税+住民税)=譲渡税
(0-0) × 0% [0%+0%]=0万円
※上記所得税の税率には、復興特別所得税として所得税の2.1%相当が上乗せされています。