- 家の売却相場はエリアや築年数、物件種別によって大きく変動します。
- 家の売却相場を知るには複数の不動産会社に査定してもらうのが一番。
- 国内利用者数No.1の「イエウール」なら、スマホで簡単一括査定!
家の売却価格は物件の状態だけでなく、社会情勢や周辺環境などによっても変動します。
家族構成やライフスタイルの変化で住み替えの需要が増す中、自分の家がどのぐらいの価格で売却できるのか気になるものですよね。
家売却の正しい相場を知っておけば、物件の売れやすい価格設定や売却後の資金計画づくりにも役立つため、売却を検討する際には売却価格の相場を知っておきたいところ。
本記事では「自分の家がどのくらいの価格で売却できるのか知りたい」という方に向けて、あなたの家の売却相場を知る方法や最新の家売却相場を解説します。
家売却の相場を自分で調べる方法
売却価格の調査ツールを使用する
自分で物件の相場価格を調べる際には「信頼性の高い相場検索ツール」を使い、売却したい物件に似た特徴の物件がどれくらいの価格で売却されているのかを把握するのが重要です。
レインズ・マーケット・インフォメーション
(出典: レインズ・マーケット・インフォメーション)
ツール名 | レインズ・マーケット・インフォメーション |
提供元 | 公益財団法人 不動産流通機構 |
こんな方におすすめ! | 実際の成約データに基づいたリアルな取引価格を確認したい方 |
おすすめ度 | ★★★★★ |
レインズ・マーケット・インフォメーションは、国交大臣指定の不動産流通機構が運営している不動産取引価格の情報提供サイトで、トップページから必要な情報を入力すると、実際に行われた不動産取引の成約価格に基づいた「参考売却価格」を確認することが可能。
算出される売却価格は過去の取引データに基づいたものですが、実際の不動産取引でも物件の売却価格は過去の取引事例から決定されることが多い(取引事例法)ため、家の売却を検討している人にとっては、かなり信ぴょう性の高いデータが手に入ることが予想されます。
東急リバブル 不動産売却データ
(出典: 周辺売出相場検索|東急リバブル株式会社)
ツール名 | 不動産売却データ 周辺売出相場検索 |
提供元 | 東急リバブル株式会社 |
こんな方におすすめ! | 自分の家があるエリアの、ざっくりとした家売却相場を知りたい方 |
おすすめ度 | ★★★★☆ |
東急リバブル株式会社が提供する「周辺売出相場検索」を使うと、売却したい物件があるエリア(市区町村)ごとの不動産取引価格の相場が確認できます。
算出される不動産価格の相場は、間取りや物件の所在地が似ている東急リバブル株式会社の販売物件をもとに判断されるため、売りたい家があるエリアのざっくりとした不動産相場を知りたいという方にはおすすめのツールです。
東京カンテイ 不動産価格天気図
(出典: 東京カンテイ 公式サイト)
ツール名 | 不動産価格天気図 |
提供元 | 株式会社東京カンテイ |
こんな方におすすめ! | 不動産投資を行っていて、都道府県別の取引価格の推移が気になる方 |
おすすめ度 | ★★★★☆ |
株式会社東京カンテイが月に1度、市況レポートにて公開する「不動産価格天気図」では、前月から今月にかけての不動産取引価格推移が都道府県別で天気図のように確認できます。
家の相場価格を明確に知りたい場合には若干不向きなところもありますが、今後の不動産価格を予測するため多くのデータを収集する投資家の方には、かなりおすすめのツールです。
このように、上記のようなサイトでは売り出し中の物件が多数掲載されており、近い条件の物件がいくらで売り出されているのかを検索することが可能です。
ただし、ポータルサイトに載っている価格はあくまでも「売り出し価格」であって「成約価格」との間には差があるという点は注意が必要です。
価格種類 | 解説 |
売出価格 | 売主が買主に提示する「物件の販売価格」のこと。 |
成約価格 | 売主と買主の交渉により決定される「取引成立価格」のこと。 |
査定価格 | 不動産会社が売主に提示する「売却価格の見積り」のこと。 |
不動産一括査定サイトを利用する
また、既に本格的に家売却を検討しており、不動産会社に直接査定に来てほしいという方は「不動産売却査定の一括査定サイト」を利用するべきかもしれません。
不動産一括査定サイトとは
まず、不動産一括査定サイトとは、全国の不動産会社にサイト上から一括で売却価格の査定を依頼できるサービスのことを指します。
このようなサイトではユーザーが登録した情報をもとにユーザーと「ユーザーの要望に合った不動産会社」のマッチングが行われ、目的に適した不動産会社が紹介される仕組みです。
不動産一括査定サイトのメリットと注意点
項目 | 内容 |
メリット |
|
注意点 |
|
不動産一括査定サイトにはデメリットというデメリットが存在しないものの、不動産会社からかかってくる確認の電話に対応する必要があるなど、いくつかの注意点が存在します。
不動産の一括査定についてもっと詳しく知っておきたい方には以下の記事がおすすめです。

家の査定には机上査定と訪問査定の2種類がある!
また、査定には「机上査定」と「訪問査定」の2種類があります。
査定種類 | 特徴 |
机上査定 | 立地や築年数などの条件と「市場データ」に基づいて、おおよその売却可能金額を見積もってもらう方法のこと。 |
訪問査定 | 実際に物件を訪問し、間取りや日当たりなどを見ながら、机上査定よりも正確な売却可能金額を算出する方法のこと。 |
正しい売却額を把握し行動することで、相場よりも数百万円ほど高い金額での売買が実現することもあるため、家売却を行う際には複数不動産会社からの見積りを取り寄せましょう。
査定依頼を出す際に「どの不動産会社がいいのか分からない…」という方には、スマホ1台で一括査定を依頼できる国内利用者数No.1の査定サイト「イエウール」がおすすめです。
家の売却価格の決まり方
前項では家売却の価格相場を調べる方法について紹介しましたが、査定を行う不動産会社はどうやって家の売却価格を決めているのでしょうか。
ここでは不動産会社が家の売却価格を判断する際のポイントについて解説していきます。
家の売却価格の決まり方
不動産会社が家をはじめとする不動産の査定を行う際には、公益財団法人不動産流通推進センターの作成する「価格査定マニュアル」が査定の基準になることが一般的。
同マニュアルによると、不動産の査定は「原価法」「取引事例比較法」「収益還元法」のいずれかによって行われます。
査定方法 | 査定用途 |
原価法 | 戸建て住宅の査定を行う際に利用されます |
取引事例比較法 | マンションや住宅地の査定を行う際に利用されます |
収益還元法 | 家賃収入が見込まれる投資物件を査定する際に利用されます |
また、上記のうち、戸建て住宅の査定には原価法が、マンション・住宅地の査定には取引事例比較法が用いられることが不動産流通推進センターの公式サイトにて公表されています。
(引用: 調査・研究|不動産流通推進センター)
戸建て住宅に使われる「原価法」
原価法とは、査定対象の物件を取り壊してもう一度立て直した場合の価格(再調達原価)から、今の住宅設備の老朽化状況に応じた金額を差し引いて物件の価値を評価する方法です。
原価法による評価額は、後に紹介する取引事例比較法による評価額よりも実数的な根拠に基づいている反面、計算方法が煩雑で、一人で評価額を分析するのには不向きかと思います。
原価法による戸建て住宅の評価額が知りたい場合には、不動産会社に物件の査定を依頼するのがよいでしょう。
マンションに使われる「取引事例比較法」
取引事例比較法は、査定対象のマンションとエリアや間取りの似ているマンションが過去にどれくらいの価格で売却されたかをもとに査定価格を決定する査定方法で、不動産会社による査定の方法としては最も一般的です。
ただし、過去の取引において比較対象の物件が「なぜその価格で売却されたのか」という点は考慮されない点がデメリット。
もしも比較対象の物件の売主が転勤等で急いで家を売らなければならず「低価格でもいいから」と安い価格で家を売っていた場合にも、その価格が比較データに使われてしまいます。
売りたい家に類似した物件が過去にどれくらいの価格で取引されたかを知りたい場合には、国土交通省が提供している「不動産取引価格情報検索システム」の利用がおすすめです。
(引用: 不動産取引価格情報検索|国土交通省)
家の取引方法には「仲介」「買取」の2種類がある!
また、家を売る際の方法には「仲介」と「買取」の2種類があり、どちらの方法を選ぶかで家の売却価格が大きく異なります。
取引方法 | 取引の特徴 |
仲介 |
|
買取 |
|
成約まで時間がかかるが理想の家売却が見込める仲介と、早く物件が売れるがその分売却益が安くなる買取、資金等の状況に合わせて自分に合った方法を選ぶことをおすすめします。
売却査定時の主なチェックポイント
家売却の相場は、あくまでも査定を行った時点での、市場の状況(外的環境)と物件自体の状態(内的環境)を踏まえて決定される「参考価格」であり、確定の数字ではありません。
そのため、市場をコントロールすることはできなくても、物件自体の状態を整備し、不動産会社の担当者に「高く売っても買い手が見つかる物件」と思わせることができれば、相場以上の金額で売却活動を開始することも可能です。
物件の売却を希望する際には、以下の基準に着目して点検を行いましょう。
家の劣化具合
築年数の経過は家の売却価格に強い影響を及ぼします。
特に戸建て住宅はマンションよりも資産価値の低下が早いため、戸建て住宅の売却を検討している場合には早めに複数社への査定を依頼することが必要です。
(参考: 首都圏築年帯別成約状況|東日本不動産流通機構)
また、雨漏りや壁の汚れ、キズが目立つ場合には家の評価額も下がっていきます。
家の管理状態が良い場合には相場以上の評価が出る可能性もあるので、家の売却を検討している場合には日ごろから丁寧に家を利用するのがよいでしょう。
日当たりと家からの眺め
家の価値を決める要素としては上記の他にも「日当たりや家からの眺め」が挙げられます。
日当たりが良く暮らしやすいため、南~東の方角に窓のある家は資産価値が上がりやすい一方で、その逆は、資産価値が上がりにくいと言われています。
周辺環境の利便性
周辺環境の利便性により物件の資産価値は変化します。
しかし「利便性」というのは、都心だから良い、地方だから悪いということを意味するものではなく、環境の公共性や近隣住民に与える影響が主な評価軸になります。
評価項目 | 評価のポイント |
商業施設の有無 | 家からスーパーやデパートといった商業施設までの距離が近いほど、物件の資産価値は上昇します。 しかしゲームセンターなど一定の治安悪化が想定される施設は、近い=良いわけではありません。 |
工業施設の有無 | 家の近隣に工業施設がある場合、工場の従業員など一定の人口確保が見込めるため、物件の資産価値は上昇します。 しかし施設から騒音や環境の汚染などが想定される場合に関しては、評価が下落する可能性があります。 |
医療施設の有無 | 病院や老人ホームといった医療施設が家から近い距離にあるとき、物件の価値は上昇する傾向があります。 |
教育施設の有無 | 学校との距離が近い場合は、学生やその家族など一定の人口が見込めるため、物件の価値は上昇します。 |
交通のアクセス | 駅やバス停といった交通アクセスの起点に近い場合、そうでない物件に比べて不動産の価値は上昇します。 |
リフォームや増改築の有無
過去数年以内にリフォームが行われている場合、築年数の経過にかかわらず相場よりも高い価格で売却を進められる可能性があります。
リノベーションや増改築を行った場合にも同様のことが言えるため、そのような工事を実施した場合には増改築等工事証明書など、関連の書類を全て保管しておくようにしましょう。
接道との関係
建築基準法では、建築物を建てることのできる土地の条件が規定されています。
建築基準法 第2節 建築物又はその敷地と道路又は壁面線との関係等 より引用
建築物の敷地は、道路(次に掲げるものを除く。第四十四条第一項を除き、以下同じ。)に、二メートル以上接しなければならない。
第44条
建築物又は敷地を造成するための擁壁は、道路内に、又は道路に突き出して建築し、又は築造してはならない。
これらの法律に反した設計をしている家はそもそも売却ができない可能性がある上に、売却が可能としても高価格での売却査定を望むことは難しいでしょう。
また、家の入口が道路から1.5~2メートル高い場合には、家に入るために小階段の設置が必要となることから資産価値が微減することがあります。
建築物に関する他の法令についても確認したいという方には、総務省行政管理局が管理する電子政府の総合窓口 e-Govにて、現行の建築基準法を確認しておくことをおすすめします。
なお、上記はあくまでも物件の価値を計測する基準の一例であるため、不動産取引の査定基準をもっと深く知りたい方は、自分のニーズに合った不動産会社を見つけ、相談してみるのがよいでしょう。

家を“相場以上に”高く売る方法
ここまでに紹介した内容を元に算出した家相場が、満足のいくものであっても、そうでなくとも、自分の家が「相場以上の金額」で売れたら嬉しいですよね。
以下では、売却対象の物件を相場以上の金額で売却する方法について解説していきます。
複数の不動産会社に家の査定を依頼する
まず、不動産会社に家売却の査定をお願いする際には、1社ではなく複数の不動産会社に査定を依頼するようにしましょう。
というのも、不動産の査定価格は他の取引事例との相対評価によって算出されることが多いため、物件査定の際には不動産会社によって査定の結果にバラつきが出ることが普通です。
不動産会社 | 査定価格 |
不動産会社A | 2,500万円 |
不動産会社B | 2,800万円 |
不動産会社C | 2,100万円 |
そのため、売りたい家を高値で売却してくれる良い不動産会社を見つける際には、1社だけではなく複数の不動産会社に査定を依頼し、査定結果を比較してみることが効果的。
また、売却査定の時こそ不動産会社の腕を確かめるチャンスですので、査定の際には評価額の判断理由を聞いたりして、対応の誠実さや相性を確認しておくことをおすすめします。
複数査定を効率的に行う方法
また複数の不動産会社に査定を依頼する際、良いと思った不動産会社に一つ一つ電話をかけて物件の査定を依頼して……なんてことをしていたら時間がいくらあっても足りません。
物件の複数査定を行う際には、前述の「不動産一括査定サイト」を使うようにしましょう。
一口に不動産の一括査定サイトといっても、大手不動産会社が運営するサイトや特定のエリアに特化したサイトなど数多くの種類がありますが、イエウールなら全国各地の物件を一括査定することが可能です。
家の売却を具体的に検討している場合には、一度不動産一括査定ツールを利用して、複数の不動産会社に物件の査定を依頼してみるのがよいかもしれません。
信頼できる不動産会社と「専任媒介契約」を結ぶ
信頼できる不動産会社と出会い、物件の売却活動を開始する場合には、あなたは不動産の「売主」として、売却活動を依頼する不動産会社と媒介契約を結ばなければなりません。
また、その際に売主側が選択できる媒介契約の種類は、以下の3つです。
契約方法 | 契約の主な内容 |
一般媒介契約 |
|
専任媒介契約 |
|
専属専任媒介契約 |
|
この時、一見すると複数の不動産会社と自由に契約を結べる「一般媒介契約」が良く見えますが、売主側のメリットが最も大きい契約方法は「専任媒介契約」です。
専任媒介契約を結ぶメリット
専任媒介契約を結んだ際に得られるメリットは大きく分けて次の2つです。
- 不動産会社がより高い動機を持って、売却活動に望んでくれること
- 1つの不動産会社と専任契約を結ぶ際のデメリットが、売主にはないこと
1つ目ですが、これは不動産会社の報酬形態が「成果報酬型」であることに起因します。
というのも、不動産会社が物件の売却活動を行う際、不動産会社に報酬である仲介手数料が支払われるのは、あくまでも「売買契約が成立したとき」です。
そのため、“売主が一般媒介契約を用い、複数の不動産と契約を結んでいる”という状況は、不動産会社からすれば「他の不動産会社が先に売り抜けた場合、いくら頑張ってもうちに入る報酬はゼロじゃないか……」という心境になるわけです。
不動産会社の担当者も1人の人間。このような心境で売却活動をされるぐらいであれば、専任媒介契約を結び、気持ちよく売却を進めていただいたほうが売主としてもお得ですよね。
定性的なメリットではありますが、これが1つ目のメリットです。
また、2点目の「専任媒介契約を結ぶデメリットが売主にはない」という話に関しては、現代の不動産取引のシステムが関係しています。
現代の不動産取引において、売主と不動産会社の間で売却契約が結ばれると、物件の情報は「REINS(レインズ)」という、不動産流通のためのポータルサイトに登録されます。
(引用: REINS TOWER|東日本不動産流通機構)
このREINSに登録されている物件の情報は、REINSに加盟している全国の不動産会社が自由に閲覧することができるため、1社と契約を結んでも、複数社と契約を結んでも、売却スピードに変化はありません。
それなら信頼できる1社と専任媒介契約を結び、物件の買主を探したほうがいいですよね。
これが専任媒介契約を結ぶことによる「2つのメリット」です。
信頼できる不動産会社の探し方
しかし1社だけに不動産の売却を依頼して、「もしもその不動産会社が、熱心に働いてくれなかったら……」という不安がつきまとう状態で待つのも嫌ですよね。
専任媒介契約を結ぶ以上、良い不動産会社に売却活動を依頼したい。
そんな時には「媒介契約の期間」を工夫することをおすすめします。
媒介契約期間設定のポイント
不動産会社との媒介契約期間は「最大3ヵ月まで」で設定することができ、契約の更新可否も、売主側で判断することが可能です。
この時に最初の契約期間を「1か月」で設定し、その1か月における不動産会社の働きが良かった場合には、その後「2か月、3ヵ月」と契約期間を伸ばしていくのが良いでしょう。
ほとんどの不動産会社ではこの契約期間を「3ヵ月」として設定しているため、契約期間を短縮する際には売主から不動産会社にその旨を交渉する必要があるものの、信頼できる不動産会社を丁寧に見極めたい場合にはおすすめの方法です。
ホームステージングで「価値の高さ」を演出する
ホームステージングとは、家具や小物などのインテリアを利用して住環境を整備することで、物件の価値を際立たせ、物件の早期売却や高値での売却を促進する取り組みのこと。
- 照明を明るくする
- 不要な家具を片づける
- キッチンなどの水回りを清潔にする
- 造園・インテリアペイント
日本ではまだ聞きなじみの薄い言葉ですが、北米では既に40年以上の歴史がある不動産売却時のノウハウであり、2011年に行われたHomeGain.comのリサーチによると、家売却の際にホームステージングを行ったことで以下の効果が得られていることがわかります。
- 1%のホームステージング投資により、5%を超える金額のリターンが得られた
- ホームステージングの実施により、物件の販売期間が105日から45日に短縮された
同調査によると、上記で紹介したホームステージングの手法は売却時に高い効果が見込めるとされているため、家売却を行う際にはこのデータを参考にしてみるとよいでしょう。
家売却の最新相場
記事の冒頭でも紹介したように、家の価格は物件の状態だけでなく、社会情勢や周辺環境など、複数の要因によって変動します。
公益財団法人東日本不動産流通機構(東日本レインズ)が2020年11月に発表した「月例速報 MarketWatch サマリーレポート」を参考に、最新の家相場を見ていきましょう。
エリアからみる最新の家売却相場(各地方+1都3県)
家の売却相場を決定する際には、その物件があるエリアの人口動態も大きく影響します。
公益財団法人東日本不動産流通機構の月例 Market Watch(2020年11月発表)によると、各地方+1都3県の中古マンション売却相場は、直近1年間で以下のように推移しています。
(参考: 月例速報MarketWatch|東日本不動産流通機構)
こうして見ると、各地方+1都3県の中古マンション売却相場には「東高西低」の傾向が見られ、首都圏を含む関東地方の相場価格は安定して2,000万円以上をキープしています。
しかしながら、関東地方においてもコロナ禍における緊急事態宣言が発令された2020年4月~5月の期間に関しては大幅に相場価格が下落しており、こうした点からも不動産の価格が人口動態や株価の変動といった外部要因によって変化しやすいことが伺えます。
築年数からみる最新の家売却相場
家をはじめとする建築物は築年数が経過するにつれて売却価格が下がっていくのが特徴。
以下は東日本不動産流通機構の「首都圏中古マンション・中古戸建住宅 地域別・築年帯別成約状況(2020年7~9月)」より引用した、東京都の築年数別㎡単価・物件価格の一覧です。
(参考: 東日本不動産流通機構 首都圏築年帯別成約状況)
戸建て・マンションともに築年数と物件価値の下落は比例していることが読み取れますね。
築年数により物件の売却価格には大きな差が生じるため、高い売却益を手にしたい場合には、売却までのスピード感が大切です。参考: 5,000万円の新築戸建て住宅を購入した場合の売却価格シミュレーション
築年数 | 売却価格 | 購入価格との比較 |
築5年経過時 | 3,889万円 | 77.78% |
築10年経過時 | 3,833万円 | 76.66% |
築15年経過時 | 3,638万円 | 72.76% |
築20年経過時 | 3,400万円 | 68.00% |
築25年経過時 | 2,789万円 | 55.78% |
築30年経過時 | 2,634万円 | 52.68% |
(参考: REINS TOPIC|東日本不動産流通機構)
また、物件種別ごとの売却相場で考えた場合、戸建て住宅の耐用年数が22年であるのに対しマンションの耐用年数は47年とおよそ倍以上。
マンションよりも戸建て住宅の方が物件価値の低下が早いと考えると、戸建て住宅の売却を考える場合には、より早くから売却の検討を進める必要があるでしょう。築年数 | 相場の下落速度 | 特徴 |
~築10年 | はやい | 一度でも誰かが住んだ物件は中古として扱われるようになり、新築5年以内の物件は特に家相場の下落が早いです。 |
~築20年 | そこそこ | 築13〜15年時点で新築価格の約30%、築18〜20年時点で新築価格の約20%程度まで家の相場が下がっていきます。 |
~築30年 | ゆっくり | 築20年を過ぎた物件に関しては売却を行うことは可能なものの、売却価格がかなり低くなる可能性があります。
一度物件の査定を行い、納得のいく査定結果が出ない場合には解体し、更地売却を行うのが良いかもしれません。 |

家の売却相場にコロナの影響はある?
新型コロナウイルスの感染拡大の影響は家の売却相場にも関係ありそうです。新型コロナウイルスの感染拡大後に公開された都道府県地価調査の結果は全国平均が3年ぶりに下落。地域によって異なりますが、多くの地域で地価が下落となりました。
また、商業地より住宅地の方が下落幅が大きいという結果に。これは、新型コロナウイルスの感染拡大により雇用不安などが広がり、買い控えが起きた結果ではないかと考えられます。
しかし、リーマンショック時ほど地価は下落しておらず、現状では大幅に下がらないでしょう。
詳しくは以下の記事をご覧ください。

家の売却相場を調査する際の注意点
相場を調べたうえで売却を行うのは大切ですが、中には注意点も。
ここでは、家の相場を調査する際の注意点について紹介していきます。
査定の際には相見積もりをとる
不動産会社へ家相場の査定をお願いする場合、必ず相見積もり(=複数社に査定を依頼すること)を取るようにしましょう。
有名だから、近くにあるからといった理由で、「1社だけ」の査定価格をもとに売買契約を結んでしまうと、もしもその1社が市場に適さない価格を提示してきた際に、その査定額が妥当であるかどうかの判断ができません。
中には、成約時の仲介手数料を目当てに、高額査定を出す不動産会社もあるため、そういった会社に騙されないよう、相見積もりを受け、条件を比較しましょう。
今の相場価格だけで判断してはいけない
また、査定から家売却を行うタイミングが開く場合、現時点の査定価格だけを参考に家の売却価格を決めてしまうことは危険です。
前述のように、家の相場価格は物件エリアに対する人口動態や都市開発の有無、施設の統廃合などによって大きく変動する可能性があります。
人口が大きく減っている(または減っていくことが予想される)エリアの家を売却する際にはあらかじめ売り出し価格を安めに設定しておくなど、配慮をすると良いかもしれません。
各都道府県における人口の動態は「RESAS 地域経済分析システム」から確認できます。
(引用: RESAS 地域経済分析システム)
自分で調べた価格はあくまでも参考までに
ここまで様々な家相場の調べ方を紹介してきましたが、正確な価格を出すのは難しいです。
たとえば戸建ての場合、土地と建物に分けて取引価格を調べ、自分の物件に合わせて補正をかけていき、市場で活きる適正な売却を見出すことは時間がかかります。
正確な価格を知る際には、やはり不動産会社に査定をしてもらうのが一番です。
自分で査定を行う場合には、査定額が適正であるかを確認する目的で最低限調べてみる、というスタンスがよいでしょう。
本記事のまとめ
家の売却相場と一口に言っても、
- 戸建て?マンション?
- エリアはどこ?
- 築年数はどのくらい?
などといった複数の要因によって相場額が変わることが予想されます。
築年数が浅いほど売却価格は高くなりますが、マーケットの状況を知っておくことが売却を成功させるコツとも言えるでしょう。
また、高く売るためには相場だけでなく、物件の良さをしっかりと評価して査定してくれる良い不動産会社を見つけることが大切になってきます。
不動産一括査定の無料サイト「イエウール」なら、オンラインで物件情報を入力するだけで、全国1,900社以上の不動産会社から「あなたのための」不動産会社が見つかります。
本記事を読んで家を売却する決心がついた方は、以下の記事で不動産売却の流れを抑えておくのがよいでしょう。