新築で購入した一戸建てが築10年になり、そろそろ売却したほうがよいのかもう少し様子を見たほうがよいのか迷っている方もいるでしょう。
築10年の一戸建ての建物部分は新築時の約半分まで価値が下がっています。売却を迷っている場合は築10年のうちに売却することがおすすめです。
この記事では、一戸建ての売却価格と築年数の関係について詳しく解説しました。
「まずは家を売る基礎知識を知りたい」という方は、こちらの記事をご覧ください。
築10年の一戸建ての価値は新築の約半分
築10年の一戸建てをお持ちの場合、築10年ならまだまだ高く売却できるのではないかと考えている方もいるでしょう。しかし、実際には築10年の一戸建ての建物部分は新築時の約半分の市場価値となっています。
この章では築年数の経過によってどのように一戸建ての市場価値が変化するのか詳しく解説します。
一戸建ての市場価値と築年数の関係
築10年の一戸建ての市場価値は新築と比べると半分程度しかありません。
築年数と一戸建ての市場価値を表した濃ゆいオレンジ色の線を見てみると、築10年の一戸建ての建物の価値は新築時の約45%まで減少すると言われています。
つまり、3000万円（建物価格2000万円、土地価格1000万円）で購入した一戸建てを築10年で売却する場合、売却価格は約1900万円まで下がってしまうのです。
一戸建てを売却する場合、土地の価格は築年数の影響を受けませんが、建物部分は築年数が経過するにつれて価値が減少します。築5年の一戸建ての建物部分の価値は新築と比べて約70%、築9年の時点で建物部分の価値は新築時の約50%しかありません。
一戸建てを高く売却するためには築年数の浅いうちに売却することが重要となるのです。
築10年は一戸建ての売却に適したタイミング
一戸建てを少しでも高く売却するためには築年数の浅いうちに売却することが重要であることが分かりました。将来的に一戸建て売却を検討していた方は早めに売却活動を始めることをおすすめします。
築10年を過ぎてしまうと、一戸建ての市場価値はどんどん下がり、木造一戸建ての耐用年数である築22年には建物部分の価値は0とみなされてしまいます。
築年数が経過するにつれ高く売却できる機会を逃してしまうため、少しでも高く売却したい方は築10年のうちに売却することが重要です。
また、築年数以外の観点から考えても、築10年は一戸建ての売却に適したタイミングだと言えるでしょう。
築10年を過ぎると住宅ローン控除の期間が終了してしまうからです。住宅ローン控除は年末時点での住宅ローンの残高の1%が入居時から10年にわたって所得税や住民税から控除される制度のことを言います。新築で一戸建てを購入した場合、築10年は入居時から10年が経過し、住宅ローン控除が終了するタイミングとなります。住宅ローン控除の対象から外れるため住宅ローンを完済し売却することを検討してもよいでしょう。
東京都江戸川区の築10年の一戸建て売出事例
| 不動産種別 | 一戸建て |
| 売出価格 | 5880万円 |
| エリア | 東京都江戸川区 |
| 築年 | 2013年 |
| 駅徒歩 | 西葛西駅 17分 |
| 建物面積 | 96.45 |
| 土地面積 | 87.5 |
埼玉県さいたま市の築10年の一戸建て売出事例
| 不動産種別 | 一戸建て |
| 売出価格 | 3980万円 |
| エリア | 埼玉県さいたま市 |
| 築年 | 2013年 |
| 駅徒歩 | 上尾駅 22分 |
| 建物面積 | 122.54 |
| 土地面積 | 117.95 |
兵庫県伊丹市の築10年の一戸建て売出事例
| 不動産種別 | 一戸建て |
| 売出価格 | 3380万円 |
| エリア | 兵庫県伊丹市 |
| 築年 | 2013年 |
| 建物面積 | 100.84 |
| 土地面積 | 76.01 |
一戸建てを売却する際には、まず初めに不動産会社の査定を受ける必要があります。優良不動産会社と提携している不動産一括査定サイト「イエウール」を使って査定依頼をし、売却のパートナーとなる不動産会社を見つけましょう。
あなたの不動産、
売ったらいくら？
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築10年の一戸建て売却時は住宅ローン残債に注意
築10年の一戸建ての売却を検討している方の中には、住宅ローン残債が残っているため家を売却できないのではないかと不安に思っている方もいるでしょう。
住宅ローンが残っている一戸建てであっても、家の売却活動を行うことはできますが、家を売却し引き渡すときには住宅ローンを完済しておく必要があります。
この章では住宅ローン返済中の一戸建ての売却について解説します。
住宅ローンを完済しなければ売却できない
一戸建てに限らず不動産を売却するためには、住宅ローンを完済し不動産に設定されている抵当権を抹消しなければなりません。
抵当権とは、住宅ローンの名義人が住宅ローンの返済を滞納した際に、住宅ローンの融資元である銀行によって行使される権利のことを言います。
住宅ローン名義人が住宅ローンを滞納し抵当権が行使されると、銀行は抵当権が設定された家を差し押さえ、競売することによって貸付金を回収する仕組みになっています。抵当権が設定されたままの不動産を売却すると、売却後に家の差し押さえなどのトラブルが起こる可能性があるため、不動産会社は抵当権付きの不動産を売却することを許可しません。
不動産に設定された抵当権を抹消するためには住宅ローンを完済する必要があります。よって、一戸建てを売却するためには住宅ローンを完済しなければならないのです。
住宅ローン中の一戸建て売却時に確認すべきこと
住宅ローン中の一戸建てを売却することが決まったら、まず初めに現状確認として以下の3つのことを調べましょう。
- 住宅ローン残債額
- 一戸建ての売却価格
- 売却価格で住宅ローンは完済できるのか
まずは住宅ローン残債がいくら残っているのか確認しましょう。住宅ローン残債は銀行のウェブサイト・返済予定表・残高証明書で確認することができます。
次に、一戸建てをいくらで売却することができるのか確認しましょう。査定シミュレーションを使うことで簡単におおよその売却価格を調べることができますが、正確な売却価格が知りたい場合は不動産会社の査定を受けるとよいでしょう。
住宅ローン残債額と家の売却価格が分かったら、住宅ローンを家の売却価格で完済することができるのか確認しましょう。家の売却価格だけで住宅ローンを完済することができる状態をアンダーローン、家の売却価格では住宅ローンを完済できない状態のことをオーバーローンと言います。
アンダーローンの場合は住宅ローンを完済することができるため問題なく売却することができます。しかしオーバーローンの場合は住宅ローンを完済することができない状態のためこのままでば一戸建てを売却することができません。
売却するためにもローン残債額以上の価格で一戸建てを売却することが大切です。
家の売却価格で住宅ローンを完済できないときの対策
オーバーローンの場合、住宅ローンを完済するための対策を行わなければ一戸建てを売却することはできません。
おすすめの対策方法は自己資金を使って住宅ローンを完済する方法です。例えば、住宅ローン残債額が2500万円に対し家の売却価格が2000万円の場合は、残りの500万円を自己資金を使って返済するというものです。自己資金が減ってしまうというデメリットがありますが、新しい借り入れをすることなく住宅ローンを返済できる良い方法と言えるでしょう。
築10年の一戸建てを売却し新居の購入を考えている場合は、住み替えローンを利用する方法もあります。
住み替えローンとは、現在の住宅ローン残債と新居の購入資金を合わせて借り入れることができるローンのことを言います。オーバーローンでも一戸建てを売却することができる良い方法ではありますが、住み替えローンの金利は住宅ローンより高く、住宅ローン返済にかかる負担が大きくなってしまいます。
よって住宅ローンは一戸建ての売却価格と自己資金を使って完済する方法がおすすめです。
詳しく知りたい方はローン中の家を売る記事もご覧ください。
築10年の一戸建てを高く売るコツ
築10年の一戸建てを高く売却するためにはいくつかコツが必要です。最後に築10年の一戸建てを高く売却する方法を解説します。
複数の不動産会社に査定を依頼する
築10年の一戸建てを高く売却するために重要なことは、複数の不動産会社に査定を依頼することです。
査定価格は不動産会社によって異なるため、1社の査定結果だけでは適した査定価格なのか比較することもできず、相場より低い価格で売却してしまったり、高すぎる売り出し価格を設定していまい売れ残ってしまう可能性があります。
適切な価格で売却するためにも、最低3社以上の不動産会社に査定を依頼し、査定結果を比較して売却相場を把握することが重要となります。
複数の不動産会社に査定依頼をする際は、不動産一括査定の利用がおすすめです。不動産一括査定とは一度の申し込みで複数の不動産会社に査定を依頼することができるサービスのこと。中でもおすすめの不動産一括査定サイト「イエウール」では、最大6社まで同時に査定依頼をすることができます。
あなたの不動産、
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売り出し価格を少し高めに設定する
一戸建てを高く売却するために、一戸建てを売り出す際に決める売り出し価格は少し高めに設定しましょう。
不動産売却時には買主から値下げ交渉を受けることがよくあります。売り出し価格を売却希望価格と同じ価格に設定していた場合、値下げ交渉を受け入れてしまうと住宅ローン完済時に自己資金が必要になったり、値下げ交渉を受け入れなかった場合は売買成約の機会を逃してしまうことになります。
売り出し価格を少し高めに設定しておくことで、値下げ交渉を受け入れても希望の売却価格で売ることができ、さらに値下げ交渉がなかった場合は希望額以上で売却することができます。
しかし売り出し価格を相場より高すぎる価格に設定してしまうと、内覧希望者が集まらず売れ残ってしまいます。売り出し価格を設定する際は一戸建ての売却相場を理解した不動産会社と相談して決めるとよいでしょう。
一戸建ての売却が得意な不動産会社を見つける
不動産会社の中でも、一戸建ての売却が得意な不動産会社と契約しましょう。
一戸建ての売却が得意な不動産会社であれば、一戸建て売却のノウハウを知っていたり、一戸建てを購入したい顧客を抱えていたりと、高く売却する際に必要なサポートを受けることができるでしょう。
一戸建ての売却が得意な不動産会社であるか確かめるためには、不動産会社のホームページにある売却実績を確認しましょう。一戸建ての売却実績が豊富な不動産会社であれば安心して一戸建ての売却をお任せすることができます。
余裕のある売却スケジュールを組む
一戸建てを高く売却するためには、余裕のある売却スケジュールを組むことが重要です。
一戸建てを売りきらなければならない期限が決まっている場合、早く買主が見つかるように売り出し価格を下げたり、買主の値下げ交渉を受け入れなければならなかったり、売却価格の低くなる不動産買取を利用することになったりと、高く売ることが難しくなります。
一戸建ての売却にかかる期間は約4か月～6か月と言われています。余裕を持った売却活動を行うためにも、売りたい時期の半年前から売却に向けて準備を始めましょう。
内覧対策は念入りに行う
築10年の一戸建てを売却する際には、内覧対策を念入りに行いましょう。内覧対策の中でも掃除は欠かさずに行いましょう。
家の中でも水回り・キッチン・収納スペースは買主が内覧時に必ずチェックする部分です。水回りやキッチンの汚れは素人では掃除しきれないことも多いためハウスクリーニングの利用も検討しましょう。
また、一戸建ての内覧時には家の中だけでなく外も内覧で見られます。庭の雑草を取り除く、外壁の目立つ汚れも忘れずに掃除しておきましょう。