田舎の土地を売る方法は4種類あり、①近隣住民に打診する、②買取を依頼する、③空き家バンクを利用する、④仲介を依頼する方法です。
売るためのコツは色々ありますが、状況に合わせて取捨選択する必要があります。
田舎の土地を売るための方法を選ぼう
田舎の土地を売るための方法は4種類あります。この章では、それぞれの方法がどんな人に向いているかについて解説します。
まずは、この中から自分の条件に合った売却方法を選んでみましょう。
以下のフローチャートを使って、自分に合った売却方法を見つけてみてください。
ここからは、それぞれの売却方法について詳しく解説していきます。以下をクリックすると、各方法を説明している箇所に飛べるようになっています。
③「空き家バンク制度と仲介を併用する」になった方は、方法③「空き家バンク制度を利用する」と方法④「不動産会社に仲介を依頼する」の2つを併用して進めてみてください。
田舎の土地を売るための方法4種
ここからは、田舎の土地を売るための各方法について詳しく説明します。ご自分に合った売却方法についての理解を深めましょう。
方法①近隣住民に打診する
1つ目の方法は、近隣住民に打診するです。
ひと続きの土地の面積が広がれば、家を広く建て替えたり、別々に購入するより高い資産価値を得られることになったりするため、近隣住民への売却も需要があります。
特に、田舎においては同族が近くに住む傾向があるため、都心部に住んでいた子供が親の近くに引っ越してきて新築するようなケースも考えられるでしょう。
近隣住民で土地を広げたそうにしている人がいる場合は、その方に売却を打診してみましょう。
方法②不動産会社に買取を依頼する
2つ目の方法は、不動産会社に買取を依頼するです。
買取は不動産会社に土地を買ってもらう方法です。簡単に言うと、買主が不動産会社になるということ。
不動産会社に買ってもらえれば買主を探す必要がないので、早くて1ヶ月で田舎の土地を売ることが可能です。
また、仲介で土地を売る際は契約と土地の状態に不備がある時には契約不適合責任が発生しますが、不動産会社に土地を売った場合は責任を問われることはありません。
ただし、普通に買主を探して契約するよりも売却価格が3割ほど下がってしまいます。
方法③空き家バンク制度を利用する
3つ目の方法は、空き家バンク制度を利用するです。
空き家バンク制度とは、空き家物件の情報を地方公共団体がホームページ上で一括して提供する仕組みのことで、自治体によっては更地の情報も提供している場合があります。
この空き家バンクは登録されている物件が比較的少ないことが特徴で、売りたい空き家や土地を登録すれば田舎で空き家を探している人が購入してくれる確率が高まります。
一方で、空き家バンクは自治体が売主と買主を仲介することはないため、買主と直接交渉する必要があります。そのため、ある程度不動産知識がある方におすすめの方法です。
方法④不動産会社に仲介を依頼する
4つ目の方法は、不動産会社に仲介を依頼するです。
仲介とは、不動産会社に土地の売却を依頼して個人の買主を探してもらい、売買契約を結ぶ方法です。
売主と買主の間に不動産会社が立つことで、売却の相談に乗ってもらったりアドバイスを受けたりすることが期待できます。
あなたの不動産、
売ったらいくら?
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国・自治体に売るのは難しい
他の売却方法として国や地方公共団体に売る方法もありますが、成功する確率はかなり低いです。
国や地方公共団体が土地を買い取るのは、その土地が公共の福祉のために使える場合に限られています。また、買い取ってしまうと固定資産税が徴収できなくなってしまうため、簡単に買取を決断することはありません。
そのため、この売却方法はあまり当てにせず、まずは別の方法を検討してみましょう。
田舎の土地を売るためのコツを7つから選ぼう
売却方法が決まったら、実際に売却活動をスタートさせます。この章では、土地を売るためにした方がいいことを皆さんに合わせてご紹介します。
自分に合ったコツを選ぼう
まずはご自身に合ったコツを選んでいきましょう。売却方法ごとに売るコツが異なってきます。
気になるコツを押すと詳細について説明している項目に飛ぶことができます。
ここから、それぞれのコツについて説明していきます。
コツ①余裕を持った売却スケジュールを立てる
どの方法であっても、余裕を持って売却スケジュールを立てることが重要です。
一般的な土地でも、売るには3ヶ月~6ヶ月かかると言われています。
株式会社Speeeによるアンケート調査より(対象225人)
しかし、田舎の土地は条件が良くないケースも多いため、場合によっては1年以上の期間を要します。
そのため、田舎の土地を売却する際は、できるだけ余裕をもったスケジュールを立てましょう。
コツ②田舎の土地の売却に強い不動産会社を探す
不動産会社に仲介や買取をしてもらう場合は、田舎の土地の売却に強い不動産会社に依頼しましょう。
都市部のマンション・田舎の戸建てなど、不動産会社にはそれぞれ得意とする分野があります。得意とする分野ならば売却経験も豊富で、さまざまな田舎の土地に対応ができます。
より的確にアドバイスを貰えることが多いので、得意分野と売りたい土地の特徴が合った不動産会社を選ぶと良いでしょう。反対に、その土地の売却に弱い不動産会社に売却を依頼すると、買主を見つける力が弱いため売却価格も安くなり、サポートも期待できないでしょう。
得意分野は不動産会社のHPにある売却事例を見て判断できます。
コツ③媒介契約は「一般媒介」を選ぶ
不動産会社に仲介を依頼する際、売主と不動産会社間で媒介契約を結ぶ必要があります。
媒介契約には専任媒介・専属専任媒介・一般媒介の3つの種類があります。
専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 | 一般媒介契約 | |
---|---|---|---|
複数業者との契約 | × | × | 〇 |
自己発見取引 | ○ | × | 〇 |
田舎の土地の売却でおすすめなのは、一般媒介契約です。
上の図をご覧いただけばわかる通り、一般媒介契約は複数の不動産会社と契約することができます。また、自分で買主を探して契約を結ぶ「自己発見取引」も可能であり、幅広く買主を探すことができるのです。
さらに、不動産会社が報酬を得られるのは買主と売主が売買契約を締結した時のみ。そのため、一般媒介で複数社と契約を結んでも、仲介手数料は買主を見つけてくれた不動産会社にだけ払えば良いのです。
媒介契約について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
コツ④適切な売出価格を定める
仲介の場合や空き家バンクを利用する場合は、売出価格の設定が重要です。
一般的に成約価格は売出価格よりも低くなります。「売出価格」とは、土地を売り出す際に売主側が希望する価格のこと。一方、「成約価格」は実際に売買が成立した時の価格のことです。
こちらは過去10年間における土地の成約価格と売出価格(新規登録価格)を表したグラフです。
出典|公益財団法人 東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2022年)」
ご覧のように、いずれの年も成約価格は売出価格より低く推移していることがわかります。
つまり、いくら高い価格で売り出したとしても、成約する際には10%ほど値引きする可能性があるということです。
また、田舎の土地は都会の土地に比べれば買主が見つかりにくいのも事実です。そのため、高い価格で売り出しても買主が見つからないことは大いに考えられます。
高すぎず、しかし低すぎず、適切な価格で売出価格を定める必要があります。
コツ⑤自分の土地が活躍しそうな用途をアピールする
田舎の土地には様々な用途が考えられます。どんな売り方でも、自分の土地はどんな用途で使いやすそうか考え、それをアピールすることでスムーズに売ることができます。
田舎の土地には以下のような需要があります。
- 移住用
- 事業用
- 荷物置き場
移住用
まず、都市部から田舎に住みたいと移住してくる層や、別荘地として検討している人による移住用途です。
仕事を退職して、老後を静かに暮らしたい層だけでなく、インターネット環境が十分であれば、安いお金で過ごせる住居地として田舎に暮らしつつ仕事をするようなライフスタイルも若者から注目を集めています。
療養目的や子育てに適した環境を求める人にも一定の需要があるでしょう。
事業用
次に、事業用として、様々な方法で活用したいと思っている人も増えています。
例えば、体験宿泊施設や介護施設、飲食店、地域のコミュニティスペースなど、空き家を古民家として活用するケースです。貸主の金銭的メリットは薄いですが、地域貢献に役立つことができ、さらに管理の手間を省くことができます。
また、太陽光発電用地としての活用する手もあります。個人で発電を行うか、業者や個人に太陽光発電用地として売却しても良いでしょう。
荷物置き場
最後に、荷物置き場としての需要です。
近くの土地で事業を行っている人が資材を置いたりトラックを駐車したりするのに、田舎の土地が使われることがあります。
また、近隣住民の方が倉庫を増やすために使いたいと思っているかもしれません。
コツ⑥3か月経っても売れなければ価格を多少妥協する
仲介や空き家バンクで売り出しているときに、売却期間が予定以上に伸びてしまえば、周辺の土地を探している買主には「なかなか売れない土地」という印象を与えてしまい、敬遠されてしまう可能性があります。売却活動が長期化すればするほど、ますます売りづらい状況を作ってしまう恐れがあります。
よって、売却活動をあまり長期化させないためにも、田舎の土地は買主が現れたら多少値引きしても売ると考えていた方が良いでしょう。
コツ⑦契約時は不動産会社にアドバイスを貰う
近隣住民に売る場合や空き家バンクを利用する場合、契約時は不動産会社にアドバイスを貰うようにしましょう。
近隣住民と契約を結ぶ場合は個人で売買する形になりがちです。空き家バンクの場合も同様に、空き家バンクを運営している地方公共団体は売主と買主の間を取り持つことはしないため、契約は自分たちのみで行う必要があります。
しかし、土地の売却契約は契約不適合責任など細かなルールが様々あるため、細かな知識を補うためにも不動産会社に聞くようにしましょう。
田舎の土地を売る流れ
土地をスムーズに売却するために、土地を売る際の手順の流れを把握しておきましょう。流れを把握することで、次に何をするべきか分かるのであたふたすることがありません。
売却方法によって流れが若干異なるため、その違いについても解説していきます。
測量
田舎の土地を売却する際には、まず測量が必要です。
測量を行うことによって、正確な土地の面積や境界線を確定することができます。測量の結果は土地の査定や売買契約において重要な要素となりますので、信頼性の高い測量士に依頼することが大切です。
測量の費用や手続きについては、測量会社に相談して詳細を確認しましょう。また、不動産会社に相談することもおすすめです。
土地を査定
仲介や買取を進める場合は、測量をしたらまずは不動産会社に土地の査定を依頼しましょう。
土地の査定では、土地の立地や面積、周辺環境などを考慮して適切な売却価格を算出します。不動産会社に依頼することで、より正確な査定価格を得ることができます。
査定価格は土地の魅力や需要と供給のバランスによって変動するため、市場の動向にも注意しながら査定を受けることが重要です。
あなたの不動産、
売ったらいくら?
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近隣住民に売る場合・空き家バンクの場合は相場を調べる
近隣住民に売る場合や空き家バンクを利用する場合は、この段階では不動産会社とやり取りする必要が無いため、ご自身で相場を調べましょう。
調べ方にはいくつか方法がありますが、一番簡単なのは実勢価格から調べること。
不動産取引価格情報検索のページに飛び、左側の時期・種類・地域を設定し、「この条件で検索」をクリックします。
リストとして表示される結果のうち「取引総額」の欄に書いてある金額が、実勢価格になります。

媒介契約を結ぶ
仲介で売る際には、不動産会社との間で媒介契約を締結する必要があります。
媒介契約は土地の売却代理を委託する契約であり、不動産会社が土地の販売活動を行うための基盤となります。
媒介契約では、契約期間や手数料、販売条件などが明記されますので、契約内容を確認して納得した上で締結しましょう。専門家のアドバイスを受けながら、適切な媒介契約を結ぶことが大切です。
近隣住民に売る場合は行わない
近隣住民に売る場合は不動産会社に仲立ちしてもらわないため、不動産会社と媒介契約を結ぶ必要はありません。
買取の場合は契約する不動産会社を選ぶ
買取の場合は不動産会社と媒介契約を結ぶ必要はありません。
しかし、買い取ってもらう不動産会社は選ぶ必要があります。どれくらいの価格で買い取ってくれるのか・信頼できるかを考慮しましょう。
空き家バンクの場合は自治体に登録を依頼する
空き家バンクを利用する場合は、不動産会社と契約するのではなく、自治体に登録を依頼する必要があります。
自治体の担当窓口で申請を行うと、自治体が提出した書類などを確認し、問題なければ登録されます。
土地の販売活動開始
ここから販売活動を開始します。
販売活動では、広告やインターネットなどを活用して土地の魅力を積極的にアピールします。
田舎の土地を売却する際には、土地の特徴や利点を的確に伝えることが重要です。不動産会社と協力しながら、効果的な販売戦略を検討しましょう。
興味を持ってもらえるような魅力的な広告や情報を提供することで、より多くの潜在的な購買者にアプローチすることが可能です。
近隣住民に売る場合・買取の場合は行わない
近隣住民に売る場合や買取の場合は既に買主が決まっているため、販売活動を行う必要はありません。
条件交渉
土地の売買契約を締結する際には、契約条件の交渉が行われます。
売主と買主が双方の利益を最大限に保護するために、価格や引き渡し時期、支払方法などの条件を話し合います。
価格の交渉では、土地の査定結果や市場の相場を考慮しながら適切な価格を決定します。
契約条件の交渉には専門知識や経験が求められるため、不動産会社のアドバイスを積極的に受けながら進めることが重要です。
売買契約を結ぶ
売主と買主が合意した契約条件に基づいて、売買契約書を作成し締結します。
売買契約書には、土地の詳細情報や売買条件、引き渡し時期などが明記されます。
契約書の内容は双方にとって公平で明確なものでなければならず、不明点や不安な点があれば遠慮せずに質問しましょう。
契約締結後は、契約条件に基づいて引き渡しや残代金の受領などの手続きが行われます。
境界の明示
田舎の土地を売った後は、境界の明示が非常に重要です。
売主と買主が明確な境界線について合意することで、後々のトラブルを防ぐことができます。測量結果や地籍図などを基に、境界線を確定し、必要に応じて境界標を設置しましょう。
境界の明示には法的な手続きが必要な場合もあるため、専門家の助言を仰ぐことが重要です。
引渡・決済
売買契約に基づいて土地の引き渡し時期が訪れると、売主は土地を買主に引き渡す責任があります。
引き渡し時には、残りの場一脚代金が支払われます。売主は土地の状態を確認し、引き渡しの手続きを適切に行うよう心がけましょう。
買主も引き渡し時に土地の状態を確認し、問題があれば速やかに対応することが重要です。引渡し完了後、残代金が受領されることで売却は正式に完了します。
確定申告
土地の売却によって得た所得には税金がかかります。売却益に対しては所得税や住民税が課税される場合がありますので、確定申告を行う必要があります。
不動産の売却に関する税金の詳細や手続きについては税務署や税理士に相談することをおすすめします。適切な確定申告を行うことで、税金に関するトラブルを未然に防ぐことができます。
田舎の土地を売却する際には、これらの手続きや条件に留意しながら進めることが重要です。不動産会社や専門家のアドバイスを積極的に受けながら、円滑な売却プロセスを進めていきましょう。
まとめ
田舎の土地の売却は一般的な不動産の売却と比べて難しいことが少なくありません。このような土地を所有したまま放置すると、管理費・維持費、固定資産税など無用なコストがかさむというデメリットがあります。
しかし、適正相場以下で価格設定すれば、売却することができます。
そのためには、価格を設定するにあたって、まずは適正な相場を掴んでおく必要があります。
イエウールは豊富な提携会社数を持っていることが特徴で、田舎の土地でも複数の不動産会社の紹介を受けられやすく、オススメです。
一括査定サイトを活用して適正な相場を把握したら不動産は持ち続けているだけでコストが発生するため、できるだけ早く売却することが得になると考えて、相場以下でもある程度許容して早く売ることが大切です。