アパート経営は、不動産投資や土地活用の方法として最もポピュラーなもののひとつです。長期的に安定した賃料収入を得られる可能性は非常に魅力的です。
しかし投資にはリスクがつきものです。シェアハウスの”かぼちゃの馬車問題”が話題になったようにサブリース契約に罠にはまったり、入居者が想定通り入らず当初の収支計画とはかなり異なる状況になっている実例もあります。
この記事では「アパート経営がどういったものか」が概ねわかるようになり、さらに皆さんが気になる疑問にも解決しています。以下が本記事で知ることのできる内容です。
- アパートの部屋を賃貸してその入居者から家賃収入を得る不動産投資のこと。
- マンションとの違いは簡単に言うと規模の違いで、大体アパートは木造か鉄骨造、マンションは鉄筋コンクリート造か鉄骨鉄筋コンクリート造である。
- 節税効果や生命保険の代わりになるといったメリットがある。
- 一方で空室や老朽化、災害や金利上昇といったリスクもある。
- ローンを組むのに必要な頭金の目安は建築費の10%~20%程度。
アパート経営の4つのメリット
アパート経営を始めるメリットは大きく分けて4つあります。
- 長期的に安定した家賃収入を得られる
- 相続税の節税効果がある
- 生命保険の代わりになる
- 成功率が76.3%と高い
長期的に安定した家賃収入を得られる
国税庁の申告所得税標本調査結果によると、令和2年のアパート経営の平均年収額は約540万円とされています。
また、平成28年の平均年収額は約512万円、平成29年は約517万円、平成30年は約518万円、令和元年は約521万円とアパート経営の年収は年々増加しています。
年度 | 平成28年 | 平成29年 | 平成30年 | 令和元年 | 令和2年 |
---|---|---|---|---|---|
平均年収額 | 5,120,638円 | 5,170,151円 | 5,181,407円 | 5,207,633円 | 5,399,575円 |
ただ、こちらは不動産所得を調査しているものであることから、アパート経営以外にもマンション経営や戸建賃貸経営を行っている人の年収も含まれています。
アパート経営では、ワンルームマンション経営と違い、アパート一棟を運用することになります。
もし、どこかの部屋で家賃の滞納や空室が発生したとしても、すべての部屋が空室にならない限り、家賃収入が途切れることはありません。
そのため、ワンルームマンション経営よりも空室のリスクを減らして、不動産投資を始めることができます。
アパート経営は、退職後の生活資金や資産を活用した不労所得として長期的な収入が見込めることからも、人気な不動産投資方法となっています。
詳しいアパート経営の収入や利回りについて知りたい方は、「アパート経営の収入」や「アパート経営の利回り」の記事をご覧ください。
相続税の節税効果がある
アパート経営を始めることで、相続税の節税効果を得ることができます。
土地や建物といった不動産は、相続発生時に現金よりも2割~3割ほど安く評価されたうえでの課税になります、
また、土地にかかる相続税もアパート経営をしていることで特例措置が適用されるため、現金で相続するよりも支払う税金を抑えて遺産を相続することができます。
アパート経営の節税方法について詳しく知りたい方は、「アパート経営の節税」の記事をご覧ください。
生命保険の代わりになる
アパートローンを利用する際には、団体信用生命保険(団信)への加入が融資の条件となっていることが多いです。
団体信用生命保険とは、加入者が死亡、あるいは重度の障害などを抱えた際に、残っているローンの返済を免除される保険となっています。
そのため、加入者にもしものことがあったとしても、土地や建物を残すことができることから、残った家族が経営を引き継ぐことができます。
アパートローンについて詳しく知りたい方は、「アパートローン」の記事をご覧ください。
成功率が76.3%と高い
※ここでは「満足している=成功している」とします。
当社が現役大家さん101名を対象に実施したアンケートでは、全体の76.3%の人がアパート経営に満足していると回答しています。
実際にアパート経営を始めるときには、様々なリスクがあることを理解し対策するため、経営破綻のような取り返しのつかない状況になる可能性は低くなっています。
アパート経営を成功させるためには、何といっても事前準備が重要です。
アパート経営に関する知識を身につけたり、立地調査を行ったり、資金計画を立てたりなど、やるべきことはたくさんあります。
より詳しい成功へのノウハウを知りたい方は「アパート経営の成功率」の記事をご覧ください。
\建築費は?初期費用は?/
アパート経営の4つのリスク
アパート経営は不動産投資の1つのため、もちろんリスクが存在します。
アパート経営の代表的なリスクは以下の通りです。
- 空室リスク
- 老朽化による高額修繕費のリスク
- 地震などの災害リスク
- 金利上昇リスク
空室リスク
アパート経営で最大のリスクは、空室が発生する可能性があることです。
アパート経営の収入の大部分は家賃収入になっていることから、空室が長引くほど想定していた収益を得られなくなります。
また、空室が発生している間はオーナーが部屋の管理をする必要があり、管理のコストも増加してしまいます。
対策として、客付け力の高い仲介会社と契約してアパート経営を始めることをおすすめします。
空室リスクで家賃収入に不安がある方は、「アパート経営は儲からない?」の記事も参考になります。
老朽化による高額修繕費のリスク
アパート経営では、年数が経過するにつれて建物が老朽化してしまいます。
老朽化した部分は修繕が必要になることから、その度に数十万円~数百万円の修繕費がかかります。
対策として、前もって大規模修繕を含めた長期的な視点で資金計画を考えておきましょう。
20年~30年おきに大規模修繕を実施することになるため、大規模修繕に備えて月々の家賃収入から修繕費を積み立てておくことをおすすめします。
実際に多額の借金を抱えてしまった体験談を知りたい方は「アパート経営の地獄」の記事をご覧ください。
また、アパート経営で実際にどのような失敗例があるのか、大家さんの生の声を聞きたい方は「アパート経営の失敗」の記事をご覧ください。
地震などの災害リスク
アパート経営には、地震や火災、台風などの災害リスクもつきものです。
災害によってマンションが損傷や倒壊した場合は、不動産価値の減少や資産の消失も考えられます。
契約内容次第では、入居者に対して補償が必要なこともあります。
対策として、火災保険や地震保険に加入しておくこと、また突発的な費用発生に備えて資金を貯めておくことをおすすめします。
火災保険と地震保険は、カバーできる災害や保障の範囲が異なります。必要に応じて、入居者に家財保険などに入ってもらうのも良いでしょう。
金利上昇リスク
アパートローンを組んでアパート経営を始める場合、金利上昇のリスクもあります。
アパート経営は初期投資費用として、数百万円~数千万円の高額な資金が必要となるので、アパートローンを組む方がほとんどでしょう。
アパートローンは、経済情勢による影響によって金利が変動するため、契約時よりも金利が上がり、支払いの負担が増える可能性があります。
アパートを建築する可能性が出てきたら、早い段階で施工会社から建築プランと建築費用の見積もりを取得しましょう。
施工会社に提案される建築プランには建築費用の見積もりだけでなく設計図面や収支計画が含まれています。複数の施工会社の建築プランを比較することで、客観的に利回りを算出することもできますし、自分の土地でどのようなアパートを建てられるかイメージが湧くようになります。
イエウール土地活用なら一度の簡単な情報入力で複数の大手ハウスメーカーから提案を受けることができます。
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アパート経営はなぜ儲からないと言われる?
アパート経営が儲かるか儲からないかに関しては、立地条件や家賃設定など様々な要素によって決まるため一概には言えません。
ただし、一般的に「アパート経営は儲からない」「アパート経営はやめたほうが良い」と言われることには理由があります。本章ではその理由について解説します。
ローンの返済に追われるから
アパート経営が儲からないと言われる最大の理由は、ローンの返済に追われて収支がマイナスになってしまうと考えるためです。
アパート経営を始めるときは数千万単位の初期費用がかかるため、大多数の人が金融機関からローンを借り入れるでしょう。このような規模のローンを背負うことは中々ないので、アパート経営をしたことのない人からすると返済することができるのかと不安になるのです。
実際、空室ばかりで家賃収入を得られていない場合はローンの返済で手いっぱいになり、最悪大切な財産を売ってまでローンの返済に追われることもあります。
入居者の維持が難しいから
入居者の維持が難しい点もアパート経営が儲からないと言われる理由の一つです。
新築時は入居者が簡単に集まったとしても、築年数が経つにつれて空室が増えていきます。築15年ほどを過ぎると空室を埋めることが急激に難しくなり、得られる家賃収入も減っていきます。
また、東京都内や地方を問わずにアパートの空室率は全体的に増加傾向にあるため、こういった中で入居者を維持し続けるのは至難の業と言えます。
黒字化までに長い時間がかかるから
アパート経営は初期投資に自己資金やローンを含めた多額の費用がかかるため、自己資金を回収して黒字化するまでに長い期間を要します。そのため、すぐに儲けが欲しいという人にとっては「儲からない」と思われる投資でしょう。
アパート経営が黒字化するまでの目安は10年ですが、これはアパートの建築費や家賃設定、空室率など経営状況によって変化します。アパート経営は最初の数年は赤字覚悟が必要であり、長期的な視点で考えなければならないのです。
アパート経営をしないほうが良い人の特徴とは
アパート経営を始めてもうまくいかない人には特徴があります。アパート経営をやめておいたほうが良い人の特徴は以下の通りです。
- 最低限の自己資金を用意できない
- 浪費癖がある
- 堅実に準備を進められない
詳しく解説します。
最低限の自己資金を用意できない
アパート経営に関して、最低限の自己資金を用意できない人は始めないほうが良いでしょう。アパート経営はローンを借り入れて始めることができますが、最低でも建築費の10%~20%は用意しましょう。
最低限の自己資金を用意できない場合は、そもそもアパート経営を始めることすら難しいことに加えて、始められても空室が増えたり修繕費が必要になったりしたときに対応できなくなります。
そうなってしまうと修繕費が支払えないため建物は劣化していく一方で、ますます空室が増え家賃収入が入らなくなり、ローンの返済もままならないという負の連鎖に陥ってしまいます。
浪費癖がある
お金を浪費してしまう癖がある人も、アパート経営はやめておいた方が良いです。
前述した通り、黒字化までには長い期間が必要です。それにも関わらず、キャッシュフローで浮いたお金を私用で使ってしまったり、むやみに投資に使ってしまったりすると、突発的な修繕費や税金の支払いなどに苦労することになります。
アパート経営は無駄にお金を使用してしまう人には向いておらず、事前に計画を練ってシミュレーションをしっかり行なえる人でないといけません。
堅実に準備を進められない
アパート経営の準備を堅実に進められない人も不向きです。堅実に進めるというのは具体的にいうと、アパートを建築する前に賃貸需要に基づき計画を立てたり、競合物件の家賃相場を調べて家賃を決める際の参考にしたりと、コツコツと経営のための準備を行なうことです。
こういった堅実性に欠けると、調査不足で需要に合わない建物を建ててしまったり、妥当な家賃を決められなかったりして空室が続くことになってしまいます。
また、建築プランの見積もりを複数の会社からもらうことを怠ってしまうと、建築会社に都合の良いように建物や金額を決められかねません。
アパート経営に必要な費用と資金
この章では、アパート経営にかかる初期費用や維持費用、また自己資金について紹介します。
アパート経営にかかる初期費用
結論から言うと、アパート経営にかかる費用はおよそ4,000万円~6,000万円です。
初期費用の大部分を占めるのが、アパートの建築費です。
イエウール土地活用を利用して複数の企業からアパート経営のプランをもらうと、以下のようにプランを比較することができます。
例えば、木造アパート経営の場合、初期費用は約4,600万円、鉄骨造アパートの場合は約5,500万円、RC造(鉄筋コンクリート造)の場合は約9,000万円、といったように、自分の土地の広さや初期費用に合わせたプランを提案してもらうことができます。
活用種別 | 初期費用 | 収入 |
---|---|---|
木造アパート経営 | 約4,600万円 | 約900万円(4室×3階) |
鉄骨造アパート経営 | 約5,500万円 | 約1150万円(4室×3階) |
RC造アパート経営 | 約9,000万円 | 約1300万円(4室×4階) |
アパート建築費
アパートの建築費はアパートの構造によって決まります。
アパート建築費の坪単価は、木造なら56万円~75万円、鉄骨造なら83万円~110万円、鉄筋コンクリート造なら83万円~110万円、鉄骨鉄筋コンクリート造なら96万円~125万円が相場です。
構造 | 坪単価 |
---|---|
木造 | 56万円~75万円 |
鉄骨造 | 83万円~110万 |
RC造 | 96万円~125万円 |
建築費を見積もる時は、利回りも同時に見積もることをおすすめします。
アパート建築費以外の初期費用
アパート建築費以外で必要な費用は、アパート建築費のおよそ10%~20%かかります。
アパートの建設費以外で必要な初期費用は以下の通りです。
費用項目 | 目安 |
---|---|
不動産取得税 | 固定資産税評価額×税率(3%) |
印紙税 | 1000円~6万円 |
登記費用 | 30~50万円程度 |
各種保険料 | 50万円程度 |
アパート経営にかかる維持費用
続いて、アパート経営にかかる維持費用を解説していきます。
主にかかる費用は以下の通りです。
支払いタイミング | 費用項目 | 目安 |
---|---|---|
毎月 | 光熱費 | 1万円程度 |
損害保険料 | 1~10万円程度 | |
管理費 | 家賃の5% | |
随時 | 修繕費 | 1~100万円程度 |
リフォーム費 | 10~300万円程度 | |
仲介手数料 | 家賃の半月分 |
このように、アパート経営を始めた後もまとまったお金が必要になるタイミングがあります。そのため、アパート経営中はキャッシュフローがマイナスにならないように注意しながら運営すると良いでしょう。
より詳細な費用を知りたい方は「アパート経営の費用」の記事をご覧ください。
アパート経営に必要な自己資金
アパート経営を始める際に必要な自己資金額は「ローンを借りるのに必要な資金(頭金)+その他諸費用」です。
アパート経営を始めるにあたり、まずはアパートを建築する必要があります。アパートの建築費はローンを借りて補いますが、ローンを組むには自己資金(頭金)が必要になります。
ローンを組むのに必要な資金(頭金)の目安は建築費の10%~20%が目安とされています。
さらに、アパート経営を始めるにあたり建築費以外にもローンの手数料や登録費用など、その他諸費用がかかります。諸費用の目安は建築費の約5%といわれています。
よって、アパート経営を始めるのに必要な自己資金額は「ローンを借りるのに必要な資金(頭金)+その他諸費用」となり、例えば建築費5000万円のアパートを経営するとなると自己資金は最低でも750万円必要になります。
アパート経営を始める際の資金シミュレーション
アパート経営を始める際に必要な資金について、一概にいくらということは出来ませんが、ある程度の費用をシミュレーションすることは可能です。
【アパート経営を始める際の自己資金目安】
建築費 | 4500万円(頭金450万円) |
不動産所得税 | 約68万円 |
登記費用 | 約20万円 |
印紙税 | 1万円 |
ローン手数料 | 約81万円 |
保険料 | 50万円 |
費用算出にあたり相場の最低ラインを目安に計算(例:自己資金₌建築費×10%)
経営開始時に必要な自己資金670万円=
頭金450万円+その他諸費用220万円
アパート経営を始める際の自己資金は最低でも670万円が必要になります。
詳しくは「アパート経営の資金」の記事をご覧ください。
アパート経営を始める可能性が出てきたら、複数の企業にプランを提案してもらうのがおすすめです。
なぜなら、アパート経営は建築費の見積もりや賃料設定など経営プランによって収益が1,000万円以上変わることもあるからです。
建築費がいくらなら収益性の高いアパート経営ができるのか、利回りはどのくらいが適切なのか、気になるところを建築会社に相談してみましょう。
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アパート経営を始めよう!始めるまでの流れ
アパート経営の事前準備
アパート経営するにあたって、事前
- アパート経営の知識を身につける
- 目標を明確にする
- ターゲットを決める
- 収支計画を立てる
- アパートの管理方法を決める
アパート経営の知識を身につける
アパート経営の目標を明確にしたら、アパート経営に関する知識を身につけましょう。
物件の選び方や物件の購入手順から、管理や税金といった知識まで、アパート経営に必要な知識はさまざまです。
知識のつけ方として以下の方法があります。
- 本を読む
- 不動産業者と話す
- 大家さん同士の交流会に参加する
- インターネットで調べる
最初は、アパート経営の概要がわかるような本を1冊読み込むことがおすすめです。
アパート経営のだいたいの流れや戦略がわかったら、不動産業者と話したり、大家さん同士の交流会などに参加して、アパート経営のリアルな意見を聞いてみましょう。
また、インターネットで調べれば、不動産投資や土地活用について発信しているサイトや動画が多くありますので、まずはそこから知識をつけるのもおすすめです。
アパート経営始める前に、より専門的な知識をつけたい方は「アパート経営の資格」の記事を御覧ください。
目標を明確にする
はじめに、アパート経営を行う目的を明確にします。
アパート経営は不動産投資の1つであり、リスクがつきものです。最初の時点で、「老後に年金以外で安定した収入を得るため」「◯年までに◯円の利益を出す」など目的や目標を明確にしておきましょう。
ターゲットを決める
アパート経営を始めるときには、どのような物件を建築/購入するかを決めなければなりません。
その際に重要なことが、ターゲットを決めることです。
例えば、大学が近い土地のアパートであれば、大学生をターゲットとした一人暮らし向けのワンルームを中心としたアパート。近くに小学校や中学校があるならば、ファミリー層をターゲットとした2LDK~4LDKのアパート、といった具合です。
さらに、その土地の将来性や市場性、入居者のニーズを考えた上で設定すれば、長く安定して賃料収入を得られる上に、アパート売却時もあまり困ることがないでしょう。
また、物件を選ぶときには、運用目的に照らし合わせて、新築か中古か、都心部か地方かを決めることをおすすめします。
収支計画を立てる
アパート経営は、不動産投資の1つであり、投資の目的は利益を得ることです。収支がプラスになるように、必ず事前に収支計画を立てましょう。
アパート経営の収支計画を立てるために、以下の項目について明らかにしておく必要があります。
- 出資可能な自己資金額
- 借入金の利息を含めた借入金の返済計画
- アパート経営にかかる初期費用(購入費、建築費など)
- アパート経営にかかる維持費用(管理手数料、修繕費など)
- アパート経営で得られる収入(家賃収入、礼金など)
物件を取得するためにいくら必要か、自己資金はいくら用意するのか、融資を受けるならどの金融機関からいくら借りるのかなどを決めていきます。
そして、アパート経営開始後には、管理費や修繕費がかかるため、これらも含めてシミュレーションすることが大切です。
また、アパート経営では「いかに物件を高く売却するか」といった出口戦略も考えておき、インカムゲイン(家賃収入)とキャピタルゲイン(売却益)を合わせて黒字化することが重要になります。
実際にどんなアパートが建てられる?
実際にお持ちの土地にアパートを建てるとすると、どんなアパートを建てられるのでしょうか?
オーナー様の土地面積に合ったアパート建築事例を紹介します。
- 建築予算と土地面積を入力してね
アパート建築の流れ
アパートを建築する流れは以下の通りです。
アパートの建築を依頼してから建て終わるまで、着工から竣工までの建築期間は「階数+3ヶ月~5ヶ月」です。
建築が始まる前の設計・確認申請で5ヶ月、建築が始まると1フロアを完成させるのに1ヶ月、基礎工事で1ヶ月、最上階の内装・仕上げ工事に1~2ヶ月かかります。
また、地盤が弱かったり、周辺環境によっては建築期間が延びることに注意が必要です。
アパート建築を依頼できる会社
ハウスメーカー | 自社で建物の生産設備を持ち、アパートの建築を全国規模で展開している会社 |
---|---|
工務店 | 限られた地域での営業を行う地域に密着した建築会社 |
アパートの建築を依頼できるのは大きく分けて「ハウスメーカー」と「工務店」の2つです。
ハウスメーカーは、日本全国に支社・支店があり賃貸住宅では最も建築戸数が多い会社です。アパート建築から経営に至るまで長きに渡ってパートナーとして支えてくれるため、アパート経営を始めて行う方でも安心して契約することができます。
一方、工務店は、市内や県内など限られた地域での営業を行う地域密着型の建築会社です。工務店はハウスメーカーに比べ建築費用が安く、設計の自由度が高いです。そのため、希望通りのデザインや素材、間取りでの建築を行うことができます。
アパート経営を始めるなら最初の情報収集が重要です。日本最大級の土地活用プラン比較サイトイエウール土地活用なら、土地所在地を入力するだけでアパート経営のプランを取り寄せることができます。
アパート経営を成功させよう!アパートの管理方法
アパート経営を始める前に、建築したアパートをどうやって管理していくかを検討しましょう。
ここでは、アパートの大家の仕事内容と、アパートの管理方法について解説します。
アパート大家の仕事内容
アパート経営をする大家さんの仕事内容は、大きく分けて「建物の管理」と「入居者の管理」です。
建物の管理としては、以下の項目があります。
- 清掃
- 照明、エレベーター等設備の点検
- 建物のメンテナンス
また、入居者の管理としては、以下の項目があります。
- 家賃の集金
- 入居者の募集・契約
- 要望・クレーム対応
アパート大家の仕事は、管理業者に委託することもできます。次はアパートの管理方法について解説します。
アパートの管理方法
アパートの管理方法 | 特徴 |
---|---|
自主管理 | ・管理手数料がかからない ・入居者とコミュニケーションが取れる ・手間や時間がかかる ・専門知識が必要 |
管理委託 | ・すべての管理業務を委託できる ・必要な部分だけの委託もできる ・管理手数料がかかる ・家賃収入の5%が手数料の相場 |
サブリース(一括借り上げ) | ・アパート経営を完全に委託できる ・空室があっても一定の家賃収入を得られる ・一定期間ごとに賃料の見直しがある ・家賃収入の10%~15%が手数料の相場 |
アパートの自主管理
アパート経営では、入居者募集や審査、家賃の回収、入居者のトラブル対応、建物のメンテナンス、契約更新など、さまざまな管理業務があります。
これらの管理業務をオーナー自らが行う方法をアパートの自主管理といいます。
清掃などの日常的な管理も必要になってくるので、本業が別にあるケースや賃貸物件から遠方に住んでいるといったケースでは難しいとされています。
また、アパート経営で失敗しないためには、知識やノウハウが必要です。
そのため、時間ややる気の有無だけでなく、賃貸物件を複数運営しているなど、アパート経営に関する知識やノウハウに自信がある場合では自主管理を選択してもよいといえます。
アパートの管理委託
管理委託は、アパート経営を自分で行わず管理会社に管理業務を依頼して運営する方法です。
管理委託には、アパート経営における全ての管理業務を依頼するやり方と、一部を依頼するやり方があります。
どの部分を不動産会社に依頼するのかは、不動産会社と相談して決めることができるので、自分でも管理をしたいけど全ては難しいといった場合に検討すると良いでしょう。
サブリース
サブリースとは、サブリース業者が不動産オーナーの所有するアパートを一括して借り上げ、一戸単位で入居希望者に貸し出す際の仕組みのことです。
一般的に「又貸し(またがし)」や「転貸し(てんがし)」「転貸(てんたい)」といわれています。
サブリース業者がアパートそのものを借り上げてアパート経営を行うことから、オーナーはほとんどリスクを負うことなく家賃収入を得ることができます。
ただ、家賃収入を100%を受け取れるわけではないため、自分でアパート経営をするより収入は減ってしまいます。
アパート経営でかかる税金の基礎知識
アパート経営を始めるなら税金に関する知識もつけておく必要があります。この章では、アパート経営でかかる税金の基礎知識を紹介します。
アパート経営にかかる税金
アパート経営でかかる税金は、建築時・保有時・売却時といった3つのタイミングで異なります。
アパートの建築時にかかる税金
アパートの建築時にかかる税金は以下の通りです。
税金の種類 | 計算方法 |
---|---|
不動産取得税 | 固定資産税評価額 × 3% |
登録免許税 | 固定資産税評価額 × 0.4% |
印紙税 | 記載された契約金額によって異なる |
アパートの保有時にかかる税金
アパートの保有時にかかる税金は以下の通りです。
税金の種類 | 計算方法 |
---|---|
所得税 | 課税所得 × 税率 - 控除額 |
住民税 | 課税所得 × 10% - 控除額 + 均等割額 |
固定資産税 | 固定資産税評価額 × 1.4% |
都市計画税 | 固定資産税評価額 × 0.3% |
アパートの売却時にかかる税金
アパートの売却時にかかる税金は以下の通りです。
税金の種類 | 計算方法 |
---|---|
譲渡所得税 | 譲渡価額 -(取得費+譲渡費用)- 特例控除 |
アパート経営では確定申告が必須
アパート経営では、会社からの給与や年金以外に源泉徴収されていない部分の収入(不動産所得)が20万円以上ある場合には確定申告が必須となります。
そのため、毎年アパート経営をしているほとんどの方が確定申告をすることになります。
不動産所得の計算方法
アパート経営の確定申告では、1年間で得た総収入からアパート経営で発生した必要経費を差し引いた不動産所得を計算します。
もし、不動産所得が赤字になったとしても、他の所得と合算して総所得金額を下げること(損益通算)ができるため、アパート経営を始めたら確定申告は必ず行います。
青色申告で賢く節税
確定申告を行うときには、青色申告をすることをおすすめします。
青色申告とは、特定の条件を満たすことで最大65万円の所得控除を受けられるというものです。所得控除の他にもいくつか特典があるため、アパート経営を始めたら青色申告をしましょう。
実際に個人事業主としてアパート経営を始めようと考えている方は、「アパート経営で個人事業主として開業する」記事をご覧ください。
活用事例:幅広いニーズに応える 蔵のある賃貸住宅
エリア | 神奈川県 |
土地面積(㎡) | 983.1 |
延べ床面積(㎡) | 613.01 |
工法 | 木造 |
父が始めた土地活用。相続対策も抜かりなく
神奈川県横浜市。最寄り駅から徒歩14分とやや距離があるものの、賃貸ニーズの高いエリアです。以前は3階建ての賃貸住宅が建っていたのですが、築30年を超えていました。建替えに至った経緯をオーナーさまは次のように話してくれました。
「父の代から横浜周辺で賃貸住宅、戸建、駐車場など、土地の活用を行っておりました。今回は、修繕しようと思っていたのですが、修繕費が高額であったこと、また娘夫婦への相続も見据え、相続対策を兼ねて建替えるこにしました」。
オーナーさまが所有する物件管理を担当する管理会社から、ミサワホームを紹介されました。どんな賃貸を建てるかは、この土地を今後、相続する娘さまご夫婦に任せることに。
そこで娘さまご夫婦にもお話を伺いました。
「賃貸住宅を建てるのは、母も私たち夫婦も初めての経験でした。祖父が残してくれた土地や建物を私の代でもしっかり継承していきたいと思いました。そのためには安定経営が重要であり、入居者に長く住んでいただけるようなものを建てなくてはいけないと思いました」。
そんな娘さまご夫婦の心を掴んだのが、大収納空間「蔵」と6タイプの間取りを備えたプランでした。(ミサワホーム株式会社の土地活用事例)
\建築費は?初期費用は?/
アパート経営を始めるなら専門家に相談しよう
アパート経営を検討していても、アパート経営を本業にできる方は多くはないのではないでしょうか。多くの方は他の仕事の片手間でアパート経営を始めることが多いです。
しかし、アパート経営は初めが肝心です。長期的な収支計画をしっかり考える必要があります。
そんなとき頼りになるのは、アパート経営のプロである施工会社です。アパートの建築プランを提案してもらうだけでなく、経営の収支計画を提案してもらうこともできます。
アパート経営を始める際には、まずは複数の企業からプランを取り寄せる方法がおすすめです。複数のプランを比較することで相場がわかりますし、より最適なプランを見つけられます。まずは、企業から無料でプランを取り寄せてみましょう。
- 記事の要約を見たい方は、こちらの動画解説も参考にしてください。
記事のおさらい
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