戸建賃貸の建築費の相場はいくら?費用の抑え方も解説

戸建賃貸の建築費の相場はいくら?費用の抑え方も解説

戸建賃貸は、土地や空き家を所有している方におすすめの不動産投資方法です。

戸建賃貸の建築費は、建てる家屋の構造や工法で大きく変わります。収益性を高めるためには、費用を抑えて戸建てを建てるのがポイントです。

この記事では戸建賃貸の建築費の相場や、賃貸経営の初期費用・ランニングコスト、建築費を効果的に抑える方法について解説します。

先読み!この記事の結論
  • 戸建賃貸の建築費は木造の2×4工法が1番安い!

  • 建築費用は、ハウスメーカーよりも工務店のほうが抑えやすい!

戸建賃貸経営についてより詳しく知りたいという方には、こちらの記事もおすすめです。

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戸建賃貸の建築費の相場

戸建賃貸住宅の建築費の相場は、坪単価と延べ床面積から概算できます。

坪単価の相場は、建物の構造や工法、施工会社によって異なります。この章では建築費の概算補法と、それぞれの坪単価相場と計算例をご紹介します。

建築費の計算方法

建物の建築費は、坪単価と建築する建物の延べ床面積をかけ合わせることで概算できます。

建築費=坪単価(万円/坪)×延べ床面積(坪)

坪単価とは、実際の建物本体の建築費用を、延べ床面積1坪(約3.3㎡)あたりの金額に直したものです。

延べ床面積とは、建物の各階の床面積の合計値のことです。建物面積ともいいます。

たとえば30坪の土地に、坪単価45万円で延べ床面積30坪の一般的な戸建賃貸住宅を建てるとすると、建築費は以下のようになります。

建築費=45万円/坪×30坪=1,350万円

建築費の坪単価相場

建築費の坪単価相場は、主に家屋の構造や工法によって異なります。構造や工法の違いが、使われる建材や工期に影響するからです。

また、建築の施工をハウスメーカーに依頼するか、工務店に依頼するかによっても相場は変わります。

構造・工法別の坪単価相場

戸建賃貸用の家屋の構造には、主に木造や鉄骨造が用いられます。

また、木造家屋の工法には、昔ながらの在来工法以外にも、2×4工法(ツーバイフォー工法)という手法があります。

戸建賃貸の構造坪単価相場
木造(在来工法)50万~60万円/坪
木造(2×4工法)20万~50万円/坪
鉄骨造(軽量鉄骨)70万~80万円/坪

(※イエウール編集部調べ)

戸建賃貸の建築は、ハウスメーカーや工務店が用意している既製の設計プランを元に「オーナーの所有している土地に合わせて建築するにはどうするか」ということを相談して施工します。そのため、オーナーの希望に合わせて1から設計していく注文住宅に比べると相場は大幅に安くなります。

なお、アパートと戸建てを比較すると、構造別の坪単価相場はアパートの方が全体的に高くなります。これは、アパートの場合は部屋ごとに浴室やトイレなどの住宅設備を設置するため、費用がかさむためです。

【参考:アパート建築の坪単価相場】

  • 木造:74万~105万円/坪
  • 鉄骨造:80万~120万円/坪
  • 鉄筋コンクリート造:95万~125万円/坪

※イエウール編集部調べ

施工会社別の坪単価相場

戸建賃貸の建築費の相場は、建築を依頼する施工会社によっても異なります。

施工会社坪単価相場
ハウスメーカー40万~100万円/坪
工務店30万~75万円/坪

(※イエウール編集部調べ)

※同じ規模の家屋の建築を、それぞれ依頼した場合の建築費を元に坪単価相場を計算しています。実際の建築費は構造・工法によって変動します。

一般的には、ハウスメーカーに比べて工務店の方が建築費が安い傾向にあります。全国的に展開しているハウスメーカーは建築費に広告宣伝費や営業経費などを転嫁しているため、坪単価相場も割高になります。

一方で、ハウスメーカーでの戸建賃貸建築は、建築後のフォローが手厚いというメリットもあります。


今すぐご自身の土地でできる土地活用プランを知りたい方は、イエウール土地活用をご利用ください。

一度に複数の建築会社にまとめて建築費の見積もりを依頼できるため、比較検討した上で貸家を建築してもらう施工会社を選べます。

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戸建賃貸住宅の建築費用シミュレーション

戸建賃貸住宅の建築には、家屋そのものの建築費(本体工事費)以外にも付帯工事費や諸費用がかかります。

費用の内訳費用割合概要
本体工事費全体の70~80%家屋本体部分の工事にかかる費用。建物の構造や外観、内装、トイレ・浴室等の設備や電気・水道・ガスの設置工事にかかる費用を指す。
付帯工事費本体工事費の約20%本体工事に含まれなかった設備設置や、門・駐車場・庭といった外構の工事費用。また、古家の解体や地盤改良工事も建築会社が行う場合は付帯工事に含まれる。
諸費用本体工事費の約5~10%アパートローン借入の手数料や不動産取得税、登記費用、保険料といった、建築工事以外にかかる諸費用。
  1. 坪単価相場から概算できる建築費は、本体工事費を指します。
付帯工事費は本体工事費の2割程度、諸費用は本体工事費の1割程度かかるので、坪単価相場から費用の総額をシミュレーションできます。

ここでは、以下の条件で戸建賃貸の建築費用をシミュレーションしてみましょう。

・30坪の土地に2階建ての木造戸建賃貸を建てる
・建ぺい率60%
・容積率200%
・坪単価40万円

土地には用途地域ごとに建ぺい率と容積率が設定されていて、敷地いっぱいに建物を建てることはできません。

今回のケースでは、建ぺい率が60%なので建築面積の上限は「30坪×60%=18坪」、容積率が200%なので延べ床面積の上限は「30坪×200%=60坪」です。

2階建ての戸建賃貸を建築面積いっぱいに建てるとすると、建築費(本体工事費)は、以下の式で計算できます。

建築費(本体工事費)=坪単価×延べ床面積
=坪単価×1階あたりの床面積×階数
=40万円/坪×18坪×2
=1,440万円

更に、付帯工事費と諸費用が本体工事費の約3割程度かかります。

付帯工事費+諸費用=本体工事費×30%
=1,440万円×30%
=432万円

したがって、今回のケースで戸建賃貸の建築にかかる費用の総額は、以下のように計算できます。

戸建賃貸の建築費用の総額=本体工事費+付帯工事費+諸費用
=1,440万円+432万円
=1,872万円

同じ土地に戸建住宅を建てる場合でも、設計や導入する設備、施工会社によって費用は大きく変動します。戸建賃貸での土地活用を考えている方は、まずは建築プランの見積もりを依頼してみましょう。

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戸建ての賃貸経営の初期費用とランニングコスト

戸建賃貸を始める場合、必要資金をアパートローンで借り入れることが可能です。

それでは、実際に支払う初期費用と、月々のランニングコストはいくらになるでしょうか。この章では戸建賃貸経営にかかる初期費用とランニングコストについて解説します。

戸建賃貸経営の初期費用

戸建賃貸経営の初期費用としては、アパートローンの頭金と諸費用分の資金が必要です。

アパートローンの頭金

戸建賃貸の建築資金には、アパートローンの融資を受けることができます。

アパートローンの借入時には、建築費用の約10%~20%の頭金を支払うのが一般的です。

たとえば、前章のシミュレーション例の場合、180万~370万円程度が支払う頭金の目安です。

諸費用

戸建賃貸の建築時には、建築工事以外にも諸費用がかかります。金額の目安は、費用全体の5~10%程度です。

どのような費用がかかるかの内訳は、以下の通りです。


  • 不動産取得税:土地・家屋の固定資産税評価額×3%
  • 印紙税:1万~3万円程度
  • 登記費用:20万~40万円程度
  • ローン手数料:3万~6万円程度
  • 各種保険料:1年あたり10万円程度

不動産取得税とは、不動産を取得したときに課税される税金です。

印紙税は、契約書や領収書など、経済的な取引に伴って書類を作成する際に課せられる税金です。金額は、契約書に記載されている額に応じて変わります。

登記費用とは、不動産登記をする際に法務局に支払う登録免許税と、不動産登記を委任した司法書士に支払う報酬費用のことです。

また、戸建ての建築にローンを利用する場合には、金融機関に手数料を支払う必要があります。建築費の2%がおおよその相場です。

戸建ての火災保険や地震保険は、加入時に数年単位の長期契約を結んで一括で支払うと割安になるため、経営開始時に支払う方が多いです。なお、保険会社や地域によって費用の相場は変わります。

戸建賃貸経営のランニングコスト

戸建賃貸を継続していくためには、維持費用(ランニングコスト)がかかります。

  1. 初期費用だけでなく、ランニングコストまで考えた上で戸建賃貸経営の収支計画を立てる必要があります。

ランニングコストとしてかかる費用には、以下が挙げられます。


【月々かかる費用】

  • ローン返済金:数万円~
  • 管理会社への手数料:家賃収入の5%程度

【年ごとにかかる費用】

  • 固定資産税:固定資産税評価額×1.4%
  • 都市計画税:固定資産税評価額×0.3%(地域によって異なる)

【退去があった場合にかかる費用】

  • 修繕費(原状回復費用):数万円~
  • リフォーム費用:数十~数百万円
  • 客付け等にかかる費用

賃貸経営を始めると家賃収入が得られるようになりますが、安定した経営を続けるためには、毎年の出費をしっかり見込んだ上で収支計画を立てる必要があります。

戸建賃貸経営の利回りってどう?|メリットデメリットや注意点も解説

戸建賃貸経営のメリット

土地活用の手段としてアパートではなく戸建賃貸を選ぶことには、以下のようなメリットが挙げられます。


  • アパートよりも安く建てられる
  • 狭小地・変形地でも活用しやすい
  • 長期的な入居が期待できる
  • 共用部の管理が不要

アパートよりも安く建てられる

土地に賃貸住宅を建てる場合、アパートよりも一戸建ての方が建築費は安く済みます

戸建てはアパートに比べて構造上必要となる壁や柱が少なく、建材にかかる費用が少ないです。また、設備費の面でも割安になります。

なぜなら、アパートの場合は部屋ごとに浴室やキッチンといった設備を設置しなければなりませんが、戸建て住宅の場合は1棟につき1つずつ設備を導入すればよいからです。

狭小地・変形地でも活用しやすい

戸建てであれば、土地が小さくても賃貸住宅を建築できます

また、面積があっても形状が真四角でない土地には、ハウスメーカーの規格に合うアパートを建てにくいことがあります。しかしながら、土地の区画を分けて小さな戸建てを複数棟建てるといった活用方法なら、建築コストを上げずに賃貸経営ができます。

長期的な入居が期待できる

戸建てタイプの賃貸住宅の入居者は、ファミリー層が基本です。

単身者の学生やサラリーマンは、卒業や転勤に伴って退去する可能性があり、入居期間は短くなりやすいです。

一方で、ファミリー層の場合は家族構成が変わらなければ、入居後は比較的長期間暮らし続けてくれることが多いです。そのため、退去に伴うクリーニング費用や原状回復費用、修繕費等の支出を抑えやすいといえます。

空室リスクが大きいと言われる戸建賃貸ですが、新築時に長く住んでくれる人に入居してもらえれば、家賃収入も安定させられるでしょう。

共用部の管理が不要

戸建ての賃貸住宅には、アパートのように外階段や廊下などの共用部がありません

敷地内の掃除や管理も、入居者に貸し出した後は借主に任せることになります。

故障部品の交換や修繕の対応は必要ですが、日常的な共用部の掃除等の管理業務が発生しないため、戸建賃貸は自主管理でも比較的管理しやすいというメリットがあります。

戸建賃貸の建築費を抑える方法

戸建賃貸を始めるなら、なるべく建築費を抑えて高い利回りで経営を行いたいものです。

この章では、戸建賃貸における建築費を抑える方法を4つご紹介します。


  • 木造2×4工法で建てる
  • シンプルな間取りを意識する
  • 設備を豪華にし過ぎない
  • 複数の建築会社の見積もりを取る

木造2×4工法で建てる

費用を抑えるためには、2×4工法(ツーバイフォー工法)で総2階建ての木造住宅を建築しましょう。

木造家屋の建築方法には、現場で柱や壁を組み立てていく伝統的な在来工法(木造軸組工法)の他に、2×4工法(ツーバイフォー工法)という手法があります。

2インチ×4インチの規格化された木材と面材を工場で組み立てた資材を用いて建築するため、在来工法よりも工期が短く、コストを抑えて建築できる工法です。

2×4工法なら、規格化された資材を使うため建材費が安くなるだけでなく、作業効率がよく人件費も削減できるため、ローコストで戸建てを建てられます。

総2階建ては、真四角の形の2階建て住宅です。外壁に出っ張りやへこみがない分、施工にかかる資材も手間も省けるため、建築費を抑えられます。

2×4工法は、いまや木造建築においてメジャーな建築方法です。

既に、各ハウスメーカーが戸建賃貸向けにラインナップしている既製の設計プランには2×4工法が用いられていることが多いですが、建築費を抑えたいと考えている方は、建築会社に2×4工法の建築プランを提案してもらいましょう

シンプルな間取りを意識する

なるべく建築費を抑えたいのであれば、シンプルな間取りを意識した戸建賃貸を考えましょう。シンプルな間取りであれば、建築工事において難しい工程も少なくなり、建築費を抑えやすいです。

また、凝ったデザインだと好みがわかれてしまうこともあり、場合によっては入居者が獲得しづらくなることもあります。

シンプルなつくりなら万人受けしやすく、初期費用も安く抑えやすいため、賃貸経営の成功を目指しやすいです。

設備を豪華にし過ぎない

戸建て住宅に設置する設備も、コストパフォーマンスの良いものを選びましょう

設備は導入時にかかる費用だけでなく、故障した場合の修理費用も考慮しておく必要があります。一般的に、ハイグレードな設備は修理費用も高額になりがちです。

浴室やトイレ、キッチンなどの設備は、グレードによって価格に大きな差が出ます。また、ホームセキュリティーやモニター付きインターホンなど、住宅機能を追加すればするほど、費用は膨らんでいきます。

戸建て住宅のニーズを見極めたうえで、必要な設備・機能を導入するように心がけることで、建築費を抑えることができます。

複数の建築会社に見積もりを取る

戸建賃貸の建築会社は、初めから相談する会社を1社に絞ってしまうのではなく、まずは複数の建築会社に相談し、建築プランを比較した上で決めましょう。施工会社によっては、より安く建築できる可能性があるからです。

とはいえ、複数の建築会社に相談するのは面倒ですよね。イエウール土地活用では1回で複数の建築会社に戸建賃貸の建築費の見積もりを出してもらうことが可能です。

見積もり依頼は、まだ実際に建築するかどうか決めていない方でも、ご利用いただけます。見積もり時点では費用は一切発生しないため、お気軽にイエウールにご相談ください。

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戸建賃貸建築費を一括査定してみよう!

戸建賃貸は構造・工法・建築会社によって建築費が全然違います。一概にいくらとは言えないので、まずは複数の建築会社に建築費の見積もりを取ることをおすすめします。

とはいえ、複数の建築会社にわざわざ見積もりを取るのは面倒だという人もいると思います。イエウール土地活用では一度に複数の建築会社から戸建賃貸の建築費の見積もりを出してもらうことが可能です。

見積もりだけなら、完全に無料でご利用できるサービスです。戸建賃貸の建築を考えているのであればまずはイエウールにご相談ください。

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