アパート経営を始めるなら「土地なし」で始めるより、「土地あり」で始める方が断然有利です。
「土地あり」のアパート経営では、すでに土地を持っていることから、新たに借金をして土地を購入する必要がありません。また、お持ちの土地が賃貸需要の高い土地であれば、高利回りのアパート経営になる可能性が高いです。そのため、「土地あり」のアパート経営ではローリスクハイリターンの例外的な投資が実現できます。
- 土地ありの場合、土地なしと比べて土地代だけで4,000万円~数億円ほど得する
本記事が、土地という大切な資産をアパート経営として活用させるかどうか判断する一助となれば幸いです。
アパート経営の利回りについては以下の記事をご覧ください。
アパート経営で土地ありが有利な理由
アパート経営において、「土地あり」が有利である理由は以下の5つです。
それぞれ詳しく解説していきます。
①土地の購入資金が必要ないため
「土地あり」が有利である最大の理由は、何といっても土地の購入資金が必要ないということでしょう。土地の大きさや場所にもよりますが、土地の購入には莫大な金額がかかります。
また、土地を購入する場合は土地の代金だけではなく、契約書にかかる印紙税や登記手続きの際の登録免許税などもかかり、初期費用が高額になります。
②借入総額を抑えることができ融資を受けやすいため
アパートローンは年齢や勤務状況などの条件をクリアしていても、際限なく借入が出来るわけではなく、減額されたりや断られたりすることもあります。
土地をすでに持っている場合は土地にかかる費用がないため、借入総額を抑えられ融資が通りやすくなるという利点があります。
③借入金を返済しやすいため
土地がなければ土地購入代金もローンを組み返済していく必要があります。
一般的に、アパートの建築における借入金は家賃収入で返済することが可能ですが、土地購入費用の借入金まで家賃収入から返済することは難しいものとなっています。つまりアパートの収益性は土地の借入金を返済できるほどではないということです。
このことから、安心してアパート経営が出来るのは土地を持っている人の方であるということが分かります。
④土地代の分を建築費に回せて建物の質をあげられるため
土地に支払うお金が必要ないため、その分建築にお金を回すことができます。
例えば、アパートを2階建てではなく3階建てにしたり、木造ではなく鉄骨造にしたりも可能です。
⑤ローリスクハイリターンで行えるため
土地を持っている人は、アパート経営をローリスクハイリターンで行うことができます。
都市部に関して、賃貸需要と土地代の高さを考えると、アパート経営を土地の購入から始める人にはローリスクローリターンであると考えられます。しかし、すでに土地を所有している人は高い土地代を支払う必要がなく、賃料も高く設定出来るためローリスクハイリターンとなります。
このことから「土地あり」の人、特に都市部に土地を持っている人はアパート経営をするべきだと言えるでしょう。
活用事例:幅広いニーズに応える 蔵のある賃貸住宅





エリア | 神奈川県 |
土地面積(㎡) | 983.1 |
延べ床面積(㎡) | 613.01 |
工法 | 木造 |
父が始めた土地活用。相続対策も抜かりなく
神奈川県横浜市。最寄り駅から徒歩14分とやや距離があるものの、賃貸ニーズの高いエリアです。以前は3階建ての賃貸住宅が建っていたのですが、築30年を超えていました。建替えに至った経緯をオーナーさまは次のように話してくれました。
「父の代から横浜周辺で賃貸住宅、戸建、駐車場など、土地の活用を行っておりました。今回は、修繕しようと思っていたのですが、修繕費が高額であったこと、また娘夫婦への相続も見据え、相続対策を兼ねて建替えるこにしました」。
オーナーさまが所有する物件管理を担当する管理会社から、ミサワホームを紹介されました。どんな賃貸を建てるかは、この土地を今後、相続する娘さまご夫婦に任せることに。
そこで娘さまご夫婦にもお話を伺いました。
「賃貸住宅を建てるのは、母も私たち夫婦も初めての経験でした。祖父が残してくれた土地や建物を私の代でもしっかり継承していきたいと思いました。そのためには安定経営が重要であり、入居者に長く住んでいただけるようなものを建てなくてはいけないと思いました」。
そんな娘さまご夫婦の心を掴んだのが、大収納空間「蔵」と6タイプの間取りを備えたプランでした。(ミサワホーム株式会社の土地活用事例)
土地の価格はいくら?土地の価格相場
土地ありは土地なしと比べて有利ですが、具体的にどのくらい有利なのでしょうか。ここでは土地の価格について説明します。
日本全国の地価平均価格は80万2,286円
2023年に国土交通省が発表した最新の公示地価によると日本全国の地価平均価格は80万2,286円 /坪単価になります。
東京都の地価平均は383万3,617円 /坪単価で都道府県別に見ると全国1位です。次いで2位が大阪、3位が京都、4位が神奈川になります。
アパートを建てるのに60坪の土地が必要だとすると、東京でアパート経営をするために土地を購入する場合、土地だけで2億3,000万円ほどかる計算になります。もちろん土地の価格はその地域によって変動します、あくまでも平均値での目安です。
全国的平均価格で考えても4,800万円ほどの土地代がかかります。
よって、土地ありでアパート経営を始める場合、土地代だけで4,000万円~数億円ほど得することになります。
土地売出事例
実際に売りに出されている土地の価格を見ていきましょう。
東京都練馬区の土地売出事例
不動産種別 | 土地 |
売出価格 | 5370万円 |
エリア | 東京都練馬区 |
駅徒歩 | 石神井公園駅 13分 |
土地面積 | 80.98 |
埼玉県さいたま市の土地売出事例
不動産種別 | 土地 |
売出価格 | 3580万円 |
エリア | 埼玉県さいたま市 |
駅徒歩 | 北浦和駅 9分 |
土地面積 | 124.33 |
愛知県名古屋市の土地売出事例
不動産種別 | 土地 |
売出価格 | 2980万円 |
エリア | 愛知県名古屋市 |
駅徒歩 | 平針駅 24分 |
土地面積 | 230 |
以上は、実際に売りに出されている土地になります。土地価格は地域や土地の特性により価格が変動しますが土地代は決して安いものではありません。
土地ありの場合はアパート経営を始める時点で土地なしと比べて大きくリードしているといえるでしょう。
アパート経営に適した土地の特徴
アパート経営などの賃貸住宅経営を行う場合に確認すべき重要なこととして立地条件があります。
好立地だと多くの入居希望者が集まることが期待できるので、結果として収益に期待ができます。
アパート経営に適した土地の特徴は、以下の3つです。
それぞれ詳しく解説していきます。
駅や繁華街から徒歩10分以内にある土地
駅や、商業施設などが集まった繁華街から10分程であれば、アパート経営を行う立地として最適であるといえます。
駅近やショッピングモール等日常生活に欠かせない施設の近くの家は、多くの方が住みたいと思う条件の1つです。そのため、空室になりにくく安定した収益の確保がしやすくなります。
他にも病院、学校や市役所、郵便局などが近くにある土地も利便性の観点から入居希望者への訴求を行う際の強みとなります。
地価の値上がりが予想される土地
新しいターミナル駅や商業施設の建設、再開発によって将来的に地価の値上がりが予想される地域もあります。
このような立地にある土地を所有している場合、近い将来人気なエリアになる可能性が高いため、アパートを経営をおこなう上で期待が持てます。
周辺エリアにおいて、新しく建設されるものはないか、大型商業施設などの誘致はないかをチェックしておきましょう。
60坪以上の土地
アパート経営は、ある程度の広さのある土地でおこなう必要があります。
目安としては60坪ほどの広さがあるかどうかを確認しておくとよいでしょう。車を持っていない方も多い都心部において、60坪の広さであれば十分な数の戸数を確保できます。
ただし、駐車場付きのアパートで考える場合は100坪はほしいところです。
駐車場付きの住宅の需要が多い地方のエリアアパート経営をおこなう際には、100坪を基準に考える必要があります。
アパート経営を始める可能性が出てきたら、複数の企業にプランを提案してもらうことをおすすめします。なぜなら、アパート経営は建築費の見積もりや賃料設定など経営のプランによって将来の利回りも変わってくるからです。
建築費がいくらなら収益性の高いアパート経営ができるのか、利回りはどのくらいが適切なのか、気になるところを建築会社に相談してみましょう。
日本最大級の土地活用プラン比較サイトイエウール土地活用なら土地所在地を入力するだけで複数の大手ハウスメーカーのアパート経営プランを一括請求することができます。
\建築費は?初期費用は?/
土地ありからのアパート経営に必要な資金
今お持ちの土地にアパートを建てるとき、どのくらいの費用がかかるのかを詳しく見ていきます。
自己資金の目安
土地ありからアパート経営を始める場合、基本的には、物件価格の1割~2割を準備できればよいでしょう。
もちろん、1~2割以上用意しておくに越したことはありませんが、土地ありなら土地購入費が必要ありませんので、通常よりも少ない自己資金でも始めやすいといえます。
不動産会社より提示された建築プランにある建築費を確認しながら、手元に準備できる資金の目安を掴むことが大切です。
手元の資金に余裕があれば、それだけローン審査も通りやすく、経営開始後の収益性にもプラスにはたらきます。
また、物件の建築費はどのような構造でアパートを建てるかによって変わります。
アパートを建てる際は、どの構造方式を採用するのか確認しておきましょう。
建築費(本体工事費)
建築費用の割合の多くが本体工事費です。
アパートを建築するための工事費、必要な資材や人件費などが含まれます。
本体工事費は、坪単価と延べ床面積をかけ合わせることで算出できます。
坪単価は建物構造、部屋数や地区など多くの要素によって決まります。
建物構造とその坪単価の目安は、以下の通りです。
- 木造 : 56万円
- 鉄骨造 : 76万円
- 鉄筋コンクリート(RC)造 : 94万円
- 鉄筋鉄骨コンクリート造(SRC造) : 120万円
鉄筋コンクリート造や鉄筋鉄骨コンクリート造は、木造や鉄骨造と比べ頑丈で災害リスクにも強いですが、その分建築費がかさみます。
どの構造でアパートを建築するのかは、自己資金や融資額、土地周辺の状況や担当者との相談によって慎重に決めていきましょう。
建築費(付帯工事費)
付帯工事費はアパート本体の建築費用以外にかかるものです。
ライフラインの整備や地盤改良工事、外溝工事などが主になります。
付帯工事費は所有している土地の状態やアパートの設備により変わるので、具体的な金額を計算することは難しいですが、一般的にはアパート建築費用の10%~20%の割合になることが多いです
例えば、付帯工事費を20%として鉄骨造の平均建築費である9,522万円を基に計算すると、費用は19,044,000万円となります。
建築費(諸費用)
アパートの建築にかかる諸費用をみていきます。
アパートを建築する際にかかる諸費用は主に以下の通りです。
- 不動産取得税
- 印紙税
- 登録免許税
- 設計料
- 司法書士報酬
不動産取得税
アパートを建築し取得した際に、不動産取得税を1度だけ支払います。
不動産取得税は固定資産税評価額を基に決められます。一般的には、工事金額の50~60%です。
不動産取得税の軽減特例
新築で建物を取得した場合、不動産取得税が軽減されます。
対象建物が新築で、1戸あたりの床面積が40㎡~240㎡であることと定められています。
印紙税
主に契約書等の事務処理にかかる税金が印紙税です。
印紙税額は工事請負金額を基に、2万、6万、10万、20万円と変動します。
参考 : 印紙税額の一覧表 | 国税庁
登録免許税
アパートや土地の登記にかかる税金が登録免許税です。
課税標準額に税率0.4%をかけた値になります。
設計料
設計料に関しては業者間の差が大きいため、建築費に対してどのくらいの割合を示されているか一度確認したほうがよいでしょう。
ハウスメーカーの場合は、建築費に対して3%程度が一般的です。
司法書士報酬
登記処理に必要な書類への記入や、法務局への提出を代理で行ってくれる司法書士に対して支払うものが司法書士報酬です。
司法書士報酬に関しての金額の決まりはありませんが、10万円前後が一般的です。
「お持ちの土地がアパート経営に適しているか」、「今ある土地でアパート経営を始めたらどのくらいの収益見込みがあるのか」について確認するためには、複数の建築会社に相談し経営プランを確認すると確実です。
イエウール土地活用なら、たった60秒の簡単な情報入力で、創業50年を超える複数の大手ハウスメーカーから提案を受けることができます。
以下のフォームから無料の一括プラン請求を受けられるので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
\建築費は?初期費用は?/
アパート経営を始める時によくある失敗と対策
アパート経営を始めるためによくある失敗には、下記の3つがあります。
- アパートローンを借りすぎる
- 1社のみの相談で契約する
- 安易にサブリース契約を結んでしまう
それぞれ詳しく解説していきます。
アパートローンを借り過ぎる
アパート経営を始める際の失敗として、アパートローンの借り過ぎがあります。
借りる金額が多くなるほど、アパート経営が不安定になる可能性が高まるので注意してください。
アパート経営では突発的に費用がかかることが多いので、なるべく自己資金割合を増やして始めることが大切です。最低でも建築費用の1割以上は用意しておくようにしましょう。
適切な借入額を把握するためにも、自己資金額や収支見込みについて始める前にしっかりと考えておくことが重要になります。
1社のみの相談で契約する
アパートを建てる際、建築会社への相談を1社のみにすることは危険です。
提案されるアパート経営プランは、建築会社ごとで大きく異なります。そのため、1社のみだと比較対象がなくそのプランが自分にとってベストであるかどうか見極めることができません。
建築費用も統一されたルールはないため、比較検討しないと相場よりも高い費用が掛かってしまう可能性もあります。
そのため、アパート建築においては必ず複数の建築会社に相談すると良いでしょう。
安易にサブリース契約を結んでしまう
アパート経営において、その方法には自主管理・管理委託・サブリースの3つがあります。
このうち、サブリースは管理会社にアパート経営を任せることで毎月一定の賃料を受け取るという経営方法です。維持管理に手間もかからず賃料も一定であることから、サブリース契約でアパート経営をしてる方は多くいらっしゃいます。
しかし、サブリースの提案に二つ返事ですぐに契約をすることはおすすめしません。
サブリース契約でアパート経営を始めた方のなかには、管理会社から突然の賃料の減額請求によって赤字となってしまったというケースがよくあるからです。
アパート経営に失敗しないためには、どの経営方法が自分にとってベストなのか慎重に決めるようにしましょう。
土地ありのアパート経営は有利だが慎重に!
土地ありから始めるアパート経営は、土地購入費用がかからないことからローリスクハイリターンになりやすいという大きなアドバンテージがあります。
しかし、土地ありだからといって安易にアパート経営を始めることはおすすめしません。立地条件や十分な資金を用意できるかなど、アパート経営で成功するには入念な情報収集をする必要があります。
ご自身が無理なく用意できる資金額や調達方法について把握し、大切な資産である土地を後悔のないかたちで活用していただければと思います。