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国内外の転勤などで家を離れることになったとしても、リロケーションを活用することで、安心して家の管理を任せることができます。さらに、リロケーションによって収入を得ることも可能になるのです。
リロケーションとはいったいどのようなシステムなのでしょうか。この記事ではリロケーションの仕組みやサブリースとの違いなど、解説していきます。
リロケーションとは
一般的にリロケーションとは、海外や田舎、離島などへ移住する際に耳にする言葉ですが、不動産賃貸の場面におけるリロケーションは、使われている意味がやや異なります。
現在マイホームを持っている方や将来マイホームを建てようと思っている方であれば、リロケーションについて知っておいてなんら損はありません。ここからは、リロケーションの意味や具体的な内容について解説していきます。
転勤者などの留守宅を一定期間レンタルするサービス
リロケーションとは、国内外に転勤になり引っ越しを行う際、残された自宅を賃貸に出して有効活用することを意味します。
リロケーションは、あくまでも転勤後再び自宅に戻るまでの、期間限定のレンタルサービスです。リロケーションを行えば、転勤後自宅を空き家にしておくことなく、他人に貸し出して賃料収入を得ることができます。
したがってリロケーションは、期間を限定した不動産投資の一種であると言えます。
普通の賃貸と違って安心して家に戻れる
自宅を他人に貸し出す際は、物件のオーナーは賃借人と賃貸借契約を交わします。
リロケーションの場合は通常の賃貸借契約ではなく、転勤後再び自宅に戻ってくるまでの期間限定の契約なので、貸主は安心して再び自宅に住むことができます。
貸主側に有利な契約内容となっているのが、リロケーションの特徴なのです。
1.2.1 普通の賃貸は借主が有利
一般的な賃貸借契約は「普通借家契約」と呼ばれ、何か信頼を害するような特別な事柄がない限り、借主は家賃を支払えば契約更新してそのまま住み続けることができます。
貸主側が契約の更新を拒絶できる場合は、家賃の滞納がある場合や借主としての注意義務を怠った場合などに限定されており、基本的には契約の更新を拒むことはできません。普通借家契約では借主の契約更新意思が尊重されるのです。
したがって「普通借家契約」は、借主にとって有利な契約方式だと言えるでしょう。
1.2.2 リロケーションは定期借家契約
リロケーションの賃貸借契約は正式には「定期借家契約」に該当します。この定期借家契約においては、あらかじめ設定していた賃貸期間が満了した時点で、借主は貸主に家を明け渡さなければなりません。
なお、貸主が定期借家契約の解除を行う際は、期間が満了する半年から1年前までに、期間満了に伴い契約を解約することを借主に通知する必要があります。万が一この通知がなければ、貸主は借主に契約の終了を主張できなくなるので注意が必要です。
類似サービスであるサブリースとの違い
リロケーションと似たサービスに「サブリース」があります。サブリースは「又貸し」や「転貸(てんたい)」と呼ばれており、不動産経営の手法の一つとして幅広く活用されています。
今回紹介したリロケーションとサブリースには、一体どのような違いがあるのでしょうか。ここからは、リロケーションとサブリースの違いについて具体的に解説します。
1.3.1 契約形態が一部異なる
リロケーションとサブリースの最大の違いは、契約の形態にあります。サブリースの場合は物件オーナーとサブリース業者が賃貸借契約を交わし、さらにサブリース業者が賃貸人となり入居者と賃貸借契約を交わします。
転貸の場合はサブリース業者が契約の当事者となり、様々な管理を行います。
一方でリロケーションはサブリースと同様に転貸を行うだけでなく、直接契約する場合もあります。この場合、物件オーナーと入居者が直接賃貸借契約を行い、管理会社が物件オーナーと代理委託契約を交わして物件の管理を行います。
代理委託契約では管理会社はあくまで物件オーナーの代理人であり、管理に関する責任は全て物件オーナーに及ぶことになります。
1.3.2 契約期間による違い
サブリースとリロケーションは、契約期間が異なります。一般的にサブリースは数年〜数十年での長期契約となる一方で、リロケーションは2〜3年ほどの短期契約となります。
サブリースの場合、物件オーナーは不動産経営の一環として転貸を行うため長期間になる傾向があります。一方リロケーションはあくまでも、転勤などの理由で数年間家を離れる際の一時的な賃貸借であるため、期間が短くなる傾向にあるのです。
1.3.3 保証による違い
サブリースとリロケーションは、それぞれ保証の内容も異なります。サブリースの場合はサブリース業者が家賃保証を行うのが一般的であるのに対し、リロケーションは管理会社によって対応が異なります。
管理会社の中には空室の際の家賃保証は行わず、入居者が家賃を滞納した際の家賃滞納保証のみ行うなど、保証の対応は管理会社によってまちまちです。
リロケーションの流れ
リロケーションを行うと決めた後、物件オーナーは実際に何から手をつける必要があるのでしょうか。
自分の家を貸しに出すのであれば、正しく段取りを組んで順番に作業を行うことが成功のポイントになります。ここからは、リロケーションの全体の流れを解説していきます。
リロケーション会社を選ぶ
リロケーションを行うと決めた後は、まずはリロケーションを得意とする管理会社や不動産会社を探します。
リロケーションを行う会社には、リロケーション専門会社やリロケーションを業務の一部として行う不動産会社があります。会社によって対応も異なることから、冷静に比較検討する必要があるでしょう。
まずは一括査定サイトなどをうまく活用して、できるだけ多くの会社に問い合わせて、話を聞くことをおすすめします。
必要に応じてクリーニングやリフォームする
リロケーション会社が決まった後は、必要に応じて自宅のクリーニングを行います。損傷が目立つ場合や建物があまりに古い場合には、リフォームを行うこともあるでしょう。
自宅のクリーニングやリフォームが必要かどうかは自分たちだけで判断するのではなく、管理業務のプロフェッショナルであるリロケーション会社に相談すると良いでしょう。
クリーニングやリフォームを行う際は、専門の業者に依頼する必要があります。場合によってはリロケーション会社から知り合いの業者を紹介してもらえるかもしれないので、お願いしてみることをおすすめします。
入居者を募集する
管理会社が決まり入居の準備が整ったら、いよいよ入居者の募集を開始します。そもそも入居者が決まらなければ賃料収入を確保できないことから、入居者の募集は非常に重要な運営業務と言えるでしょう。
実際に入居者の募集活動を行うのは管理会社の仕事になります。入居条件に応じて管理会社が広告宣伝を行い、問い合わせ対応や内覧対応、入居審査などを行います。
契約締結でリロケーションが開始
無事に入居者が決定したら、物件オーナーと入居者が賃貸借契約を締結し、さらに物件オーナーは管理会社と代理委託契約を締結します。無事に契約が交わされた後、いよいよリロケーションが開始します。
リロケーションを開始したとしても、毎月きちんと家賃が支払われるのか心配な物件オーナーもいることでしょう。契約で決まった期日になると、管理会社へ支払われる管理委託費用が引かれた金額の家賃が指定の口座へ送金されます。
その他状況に応じて物件の修繕費が発生する場合があります。管理会社から修繕費発生の連絡があった際には、内容を確認して対応します。
契約方式の違いも知っておこう
先述したように、リロケーションには具体的に以下の2つの契約方式があります。
- 代理委託方式
- 転貸借方式
契約ごとに物件オーナーが行うべき役割は変わることから、両者の違いを正しく認識した上で、自分にとって適切な契約方式を選択する必要があります。ここでは、リロケーションにおける2つの契約方式をそれぞれ解説します。
代理委託方式について
代理委託方式では、管理会社は賃貸借契約の契約者ではなく貸主の代理人になります。したがって、管理会社には物件の管理責任が発生することになりますが、賃貸人としての責任は発生しません。
あくまで賃貸借契約自体は貸主と借主で締結されるため、契約上の様々なトラブルは契約者同士で対応する必要があります。
転貸借方式について
転貸借方式は「一括借り上げ方式」とも呼ばれており、管理会社と入居者が賃貸借契約の当事者となります。転貸借方式は代理委託方式と比較して、物件の管理に関する物件オーナーの負担が少なくなる特徴があります。
転貸借方式では契約上のトラブルが発生した場合、物件オーナーを介することなく管理会社と入居者同士で対応することになります。
一般的にリロケーションを活用しているオーナーは、遠方へ転勤しているケースが多く、自分でトラブル対応するのは時間的・物理的に困難な側面があります。
しかし、転貸借方式であれば留守中のトラブル対応も管理会社が行ってくれるため、安心して管理を任せることができておすすめです。
リロケーション活用のポイント
転勤になり家を離れることが決まったら、空き家になる前に早めにリロケーションを活用することが大切です。
ここからは、リロケーション活用に関する重要なポイントを紹介します。
一括査定サイトで複数社へアプローチ
リロケーション業者を探す際は、1社ずつ個別に依頼するのではなく一括査定サイトを活用して、同時に複数の業者へ見積依頼することをおすすめします。
一括査定サイトであれば一度必要な情報を入力してワンクリックするだけで、同時に複数の会社にアプローチすることが可能です。効率よく業者を選定できるため、時間の節約にもなるでしょう。
期間に余裕をもって動く
管理会社に依頼したとしても、すぐに入居者が見つかるとは限らないため注意が必要です。リロケーションを活用するのであれば、転勤が決まったタイミングでできるだけ時間的な余裕を持って行動すると良いでしょう。
信頼できる会社を選ぶ
管理会社を選定する際は、できる限り複数の会社にアプローチした上で、比較検討してもっとも信頼できる会社を選びましょう。
リロケーションをお願いする会社を選ぶ際の判断基準となるポイントを、4つ紹介します。
4.3.1 実績の有無
まずはその会社のリロケーション管理実績を確認しましょう。具体的には現在手がけているリロケーション管理戸数やこれまで手がけてきた戸数、経験年数を確認することが大切です。
実績が豊富であればリロケーションに関するノウハウも十分であることから、安心して依頼できるでしょう。
4.3.2 最低契約期間の確認
業者に問い合わせた際は、契約における最低契約期間を確認しましょう。管理業者の中には極端に契約期間が長く、自分自身の赴任期間と契約期間に大きなズレが生じる場合があります。
契約期間が自分の赴任期間と比較的合う業者や、多少ズレがあっても話し合い次第で柔軟に対応してくれる業者を選ぶことをおすすめします。
4.3.3 確定申告関連の代行はあるか
リロケーションで得られた収益は課税対象となるため、確定申告が必要です。しかし現実的に貸主は会社員であるケースが多く、自分自身で手続きを行うのは負担になることでしょう。
業者の中には確定申告の代行手続きを行っているところもあります。確定申告関連の代行の有無を確認してみましょう。
4.3.4 疑問に答えてくれる担当者であるか
リロケーションを活用する場合、担当者の人間性やお互いの相性は重要です。経験が浅く知識不足である場合や対応に問題がある担当者では、信頼関係を構築するのが難しいことからあまりおすすめできません。
こちらの些細な質問に対しても分かりやすく丁寧に教えてくれるような、信頼できる担当者がいる業者を選びましょう。
一括査定サイトならイエウール土地活用がおすすめ
リロケーション業者を選ぶ際は、一括査定サイトを活用して効率的に手続きを進めることをおすすめします。
不動産情報サイトであるイエウール土地活用には、必要な情報を入力すれば複数の業者に数十秒でアプローチしてくれる一括管理システムが搭載されています。
イエウール土地活自体が日本有数の不動産情報が詰まったサイトであることから、利用者も多く安心して利用できます。転勤が決まった忙しい状況下においても、リロケーション活用の作業をサポートしてくれるでしょう。
リロケーションを活用して、心にゆとりをもって転勤しよう
今回はリロケーションに関する基本的な知識を解説してきました。
せっかく購入したマイホームから離れることになっても、その期間中は有効に活用したいものです。リロケーションに興味があるのであれば、是非とも今回の記事を読み込んで、今後の参考にされることをおすすめします。
記事のおさらい