アパート経営に興味を持ったものの、あまり良い噂を聞かないため、始めることに踏み切れない人も多いかと思います。「家賃収入で儲かる」「不労所得が得られる」と言われても、「そんな上手い話があるわけがない。落とし穴があるのではないか?」と疑ってしまうのも無理はないです。
それでは、実際にはアパート経営にはどのような失敗があるのでしょうか。この記事ではアパート経営が失敗する理由やその回避策、アパート経営で実際にあった大家さんの失敗談、失敗する人の特徴について紹介します。
- 【監修者からのコメント】これから土地活用を始めようと思う人たちは、自分の身近な人たち、また自分と環境が似ている人たちの意見を聴いてみたいと思うことが多いようです。サブリースのリスクや⻑期にわたって安定した収入を得ることが難しいという現実も書かれた、アパートメントオーナーの生の声が聴ける良い記事だと思います。
- 想定通りの家賃収入が得られない
- 売却してもローンを返済しきれない
- 家賃保証の減額で自己破産に至る
・アパート経営失敗の原因と回避策
失敗の原因 | 回避策 |
---|---|
施行会社選びに失敗するため | ニーズに合わせたアパート設計を自分で行なう |
情報が不足しているため | 立地調査を入念にしておく |
管理会社選びに失敗するため | 管理会社が管理しているアパートを確認する |
資金繰りが甘いため | 予備費を見込んだ収支計画をたてておく |
入居者トラブルが発生するため | 入居審査をおこなう・対応のいい管理会社に依頼する |
ローンの返済ができなくなるため | 実質利回りで収益の判断をする |
サブリースを理解していないため | 契約条項をきちんと確認しておく |
災害発生のため | 火災保険や地震保険に入っておく |
アパート経営が失敗する理由と回避策
アパート経営について、失敗する理由を把握しておくことにより成功のイメージも掴めると思います。以下がアパート経営が失敗する理由としてよくあることです。
- 施工会社選びに失敗するため
- 間取りの選定を間違えるため
- 知識が不足しているため
- 情報が不足しているため
- 管理会社選びに失敗するため
- 資金繰りが甘いため
- 入居者トラブルが発生するため
- ローンの返済ができなくなるため
- サブリースを理解していないため
- 災害発生のため
これらの失敗する原因について回避策も一緒に紹介していきますので、アパート経営を考えている人はぜひ参考にしてください。
施工会社選びに失敗するため
アパート経営が失敗する理由で特に多いのが、「施工会社選びに失敗するから」です。施行の質が悪いと、漏水や悪臭が発生したり、音の反響が大きかったりなど、アパート全体に問題を抱えてしまうことになります。
このような施行の質の低いアパートは入居者がなかなか入ってこなかったり退去が早まったりしてしまいます。建築費を抑えようと安いアパートを建てると後悔することになるため、高品質の施行をしてくれるハウスメーカーに依頼しましょう。
因みに、施工品質が高いからと言えど建築費があがるわけではありません。国内の大手ハウスメーカーは工業化工法を取り入れて殆どの部品を工場で作成しているので、施工品質が高く建築費の低いアパートを供給可能なのです。
回避策:ニーズに合わせたアパート設計を自分で行なう
入居者が住みたいと思うアパートを建てるためには、ニーズに合わせたアパート設計が大切です。
子連れ世帯が多いエリアで一人暮らし向けアパートを建てても入居者が集まりづらいように、その土地周辺に住む人に合わせた間取り・設計・外観を意識したアパートを設計することが重要です。
ニーズに合わせたアパートを設計するためには、先ほど紹介した立地の市場調査は必要不可欠です。立地調査をもとに、「この人たちはどんなアパートに住みたいのか」を考えて設計に活かすようにしましょう。その際、入居者のニーズを調査するためにも、近くの不動産会社に尋ねてみて、周辺アパートの空室率を聞いてみるのもおすすめです。
間取りの選定を間違えるため
地域に合ったニーズを理解していないせいで間取りの選定を間違えることも、失敗する理由で多いものです。
例えば、新築時に3LDKなどのファミリータイプを選んだとすると、ファミリータイプは面積が広くて家賃も高いため、賃貸需要がそもそも低いのです。
アパート経営ではまず1Kや1LDKなどのような小さな間取りからまず始めるべきです。また、間取りはエリアによって最適なものが異なるため、そのエリアに合った間取りを選びましょう。
知識が不足しているため
アパート経営に関する知識不足が失敗を招くこともあります。アパート経営は新しく建築したり物件を購入したりさえすれば簡単に収入を得ることができる、というわけではありません。
物件取得時に組んだ融資のことを考慮すれば、最終的に家賃収入が諸々の支出よりも多くなる必要があります。また、相続や贈与が関係する場合、検討すべき項目がさらに増えます。
そのため、アパート経営で失敗したくないなら、セミナーに参加したり書籍を読んだりなどして、アパート経営の基礎知識を身に着けておかなくてはいけません。
情報が不足しているため
慣れ親しんだ場所ではないところでアパート経営を始める場合、情報不足が失敗の理由となります。
例えば、近くに大学などのキャンパスがあって入居者の多くが学生だとしたら、学校の在籍期間が終わると退去してしまうため、長期的に居住する可能性は低いです。
このような周辺情報の収集を怠ると、経営開始当初は黒字だったとしても、途中から満室が維持できず経営状態が悪化してしまう可能性があります。
回避策:立地調査を入念にしておく
知識不足・情報不足を解消するため立地調査を入念にしておきましょう。立地調査をアパート経営が成功するかどうかは立地次第といっても過言ではありません。近くに駅やスーパー、コンビニといった施設が何もない土地にアパートを建てても、人気にならないことは想像できるでしょう。
入居したいと思う人が集まらないアパートは自然と空室率が増加してしまいます。場合によっては、どれだけ家賃を下げても入居者が集まらないこともあります。
そのため、立地を意識してアパート経営を始めるか否かを判断することは非常に大切になります。立地調査をする際には、以下のようなポイントを詳しく調べておくことが重要です。
- どのくらいの人通りがあるのか
- 近くにある施設(会社があるのか、学校があるのか、駅近なのかなど)
- 周辺のアパートや賃貸住宅の所在、間取り
- 土地周辺にいる住んでいる人の特徴(一人世帯か家族世帯か、若い人か年配の方かなど)
立地調査をすることで、まず次に続くアパート設計の参考にすることができます。また、立地調査次第では、「そもそも入居が見込めないのでやめておくべき」という判断になることもあります。
管理会社選びに失敗するため
管理会社には入居者の募集や審査、物件の維持管理、家賃の回収などの仕事を任せられます。特に管理会社の力が問われるのは、入居者の募集や審査です。
空室が半年以上などある程度の期間が続いていれば、普通であれば家賃の引き下げやリフォームなどの提案をしてくるでしょう。しかし、管理会社から何の提案もない場合、それは管理会社選びに失敗した可能性があります。
同じ物件でも管理会社を変えることによって、今まで空室だった部屋が埋まるといったこともあります。
回避策:管理会社が管理しているアパートを確認する
詳しく管理会社の対応を見ておきたい場合は、すでにその会社が管理しているアパートを確認することがおすすめです。
清掃部分や共用部の管理、張り紙など、細かなところまでチェックして管理が行き届いているかを見ておくことで、その管理会社の丁寧さをある程度予想することができます。内見に来た希望者が住みたくないと感じたり、入居者がもう住みたくないと思わないようにするために、対応の良い管理会社を選ぶようにしましょう。
合わせて、普段の管理業務の丁寧さだけでなく、経営状況や集客に関する相談までできる管理会社だとより親切であるといえるでしょう。優良な管理会社に出会い、二人三脚でアパート経営を進めていけるパートナーを見つける必要があります。
資金繰りが甘いため
近辺に新しくマンションが建てられたり、ニーズの変化により郊外の広い物件の人気が高まったりして入居者が流れてしまうこともあります。
建物の価値だけでなく社会の風潮から入居者のニーズが変化することがあります。この場合、入居者確保のために家賃を引き下げたり、敷金・礼金をなくしたりといった対策が必要となりますが、これにより収入は下がってしまいます。
このような状態でも、修繕費などの出費は変わらないため資金繰りが厳しくなる人がいます。様々なパターンを読んで資金繰りをしなければ破産することになります。
回避策:予備費を見込んだ収支計画をたてておく
入居者がなかなか決まらなかったり、想定外の出費に対応したりするためには、あらかじめ余裕を持った収支計画を立てておきましょう。
修繕費用や修繕積立金などは当初から見込んでいるかと思いますが、それとは別に「予備費」「貯蓄分」といった形で、別途費用を見込んでおくことがおすすめです。
何か想定外の出費が発生した際は、この予備費から捻出することである程度対応することができます。
入居者トラブルが発生するため
オーナー側に問題がなかったとしても、入居者トラブルによって退去してしまったり、空室が多くなったりしてアパート経営が失敗することがあります。
入居者トラブルの代表的なもとしては、騒音トラブル・共用部分の破損・上階からの水漏れ・入居者からのクレームなどが挙げられます。
特に良く見られるのは騒音トラブルで、適切に対応できないと入居者が退去してしまったり、最悪の場合裁判沙汰にまでなってしまったりするので注意しましょう。
回避策:入居審査をおこなう・対応のいい管理会社に依頼する
入居希望者が決まったタイミングで、その入居者をきちんと審査しておくようにしましょう。その際、入居希望者の年収や勤続年数は必ず把握しておく必要があります。
より丁寧に審査する場合は、源泉徴収の提出を依頼したり、所属企業に在籍確認をしたりするという方法もあります。入居希望者が決まったタイミングで、入居手続きを不動産会社だけに任せることなく、自分の目で確認しておくことも大切です。
また、管理体制の厚い管理会社に依頼することも大切です。入居者同士のトラブルが発生するのは、入居者が不満を持ったまま住み続け、次第にその不満に耐えきれなくなってトラブルにつながってしまう場合が多いです。そのため、小24時間サポート体制を敷いていたり、直接入居者のもとへ訪問して対応してくれたりするような会社を選ぶ良いでしょう。
ローンの返済ができなくなるため
アパート経営に限らず不動産投資で多くの人が心配するのが、ローンの返済ができなくなり、物件を売却しても返済しきれずに借金が残ってしまうことです。
このような失敗をしないためには、「物件の評価額の妥当性を検討する」「経費を見込んだ収支計画を立てる」「自己資金額を増やす」といったことが必要です。
これらのことを踏まえてローンの返済計画を立てるようにしましょう。
回避策:実質利回りで収益の判断をする
ローンの返済ができなくなることヘ回避策は、実質利回りで収益の判断をすることです。まず、利回りには2種類の計算方法があります。それは表面利回りと実質利回りです。
表面利回りとは、物件の購入価格に対する年間家賃収入の割合です。
この表面利回りでは、アパート経営の大まかな収益性を判断することができますが、実際手元に残る金額での利回りは考慮されていません。
一方で、多くの不動産会社や賃貸経営サイトでは、この表面利回りが記載されていることが多くなっています。そこで、より詳細な利回りを確認するためには、実質利回りを確認することが重要です。
実質利回りは以下の計算式で求めることができます。
表面利回りの良い物件が魅力的なのは当然ですが、もし利回り10%以上など高利回りのものを見つけた場合には飛びついたりせず、実質利回りを見極めることが大切です。
特に中古アパートや築古アパートの場合、購入価格が低いため、表面利回りは高いけれど実質利回りは低いということがよく起こりえます。アパート経営における実質利回りは、おおよそ5%ほどをキープできていると良いといわれています。
アパート経営を進める場合は、かかる費用やコストを算出して実質利回りを計算し、より良い経営状態をキープできるようにすることが大切です。
サブリースを理解していないため
サブリースとは管理会社がオーナーの物件を一括借り上げして賃貸経営を行なうもので、もし空室が発生したとしてもオーナーの元には毎月一定の家賃収入が支払われます。その代わり、満室時の想定賃料の1割~2割程度が手数料として引かれます。
これだけを聞くとオーナーにとってかなり安心できる契約ですが、デメリットを理解しないでサブリース契約を結ぶのはとても危険です。
家賃保証や空室保証とよく謳っていますが、免責期間によっては家賃も空室も保証されないことがあり、加えて空室が増えると管理会社からオーナーに対して家賃の減額請求が行なわれることもあります。
回避策:契約条項をきちんと確認しておく
サブリース契約を結ぶ際は、契約条項をきちんと確認しておくようにしましょう。
契約書を隅から隅まで目を通すのは面倒かもしれませんが、目を通さないと損してしまうのは自分です。
どんな契約体系なのか、家賃引き下げの要求をされる可能性はあるのかなど、きちんと契約段階で管理会社と確認しておくようにしましょう。
- 修繕費や管理費用はどちらがもつのか
- 契約期間はどのくらいか
- 家賃保証金額の変更はできるのか
- 契約を解除する際の手数料はどのくらいなのか
災害発生のため
不動産投資のリスクとしても知られていますが、災害の発生によりアパート経営が失敗するケースもあります。
地震・台風などの自然災害だけではなく、入居者の過失などで起きる火災についても想定しておかなければなりません。被害が大きいと、修繕費として数千万円もの金額がかかるケースもあります。
回避策:火災保険や地震保険に入っておく
アパート経営を始める際には、アパート用の火災保険や地震保険に加入しておくようにしましょう。必須な場合と任意な場合がありますが、自然災害は決して避けられないものである以上、保険に入っておけると安心です。
火災保険で全部保険に入っている場合、支払われる保険金の相場はおおよそ建物時価の80%です。
そのため、全損した場合でもある程度の費用は賄うことができ、再度アパート経営を始めることも十分可能です。なお、保証範囲は保険会社やその契約内容によって異なるので、適用範囲を事前に確認しましょう。
アパート経営に失敗したらどうなる?
アパート経営に失敗してしまうと、多額の借金を背負うことになってしまうでしょう。
ここでは、実際にアパート経営に失敗してしまうとどうなるのか、あり得るシチュエーションについて詳しくご紹介します。
貯金や退職金で借金を返済することになる
空室が目立ち家賃収入よりも毎月の支出が上回るようになってくると、自分の貯蓄や退職金などからマイナス分を補填する必要が出てきます。毎月マイナス分を補填できる余裕があればいいのですが、返済が苦しい場合は売却を検討することになるでしょう。
しかし、アパートの時価によっては、売ってもローンを完済できない状況もあります。この状態がオーバーローンです。オーバーローンとなると基本的に売却を行うことができません。
オーバーローンとなったアパートを売却するためには、自分で不足分を返済できる資金を用意する必要があります。残額によっては、貯蓄や退職金をすべてつぎ込まないといけなくなるでしょう。もしくは、任意売却が成立すれば少しづつ返済をしてくことができます。基本的には、返済できないと判断された場合はアパートが競売にかけられます。
任意売却とは
任意売却とは、ローンを借りている金融機関と相談して一般の不動産市場で売却を行うことです。オークション形式で安く買いたたかれる競売とは異なります。競売よりも高く売却できるため、返済額をより減らすことができるというメリットがあるでしょう。
ただし。ローンの債務者に加えて金融機関と不動産仲介それぞれの担当者の強力的でないと任意売却は成立しづらいです。
新しい借金が生まれる
アパートの経営状況がマイナスになったり、アパートを売ってもローンが残ってしまう場合、その返済をするために新しい借金を作ってしまうことも考えられます。
また、借り入れの理由がアパート経営の失敗によるものだと審査が厳しくなる可能性が高いです。大手金融機関よりも金利の高い消費者金融などに頼らざる負えなくなるでしょう。何よりも、雪だるま式借金が増えてしまう可能性があり大変危険です。最悪の場合、訴訟に発展し給与なども差し押さえられてしまいます。
金融機関からでなくても、親や知人から借金をすることもできるかもしれません。しかし、大切な人たちとの関係が悪化することは避けられない事態です。
債務整理をするしなければならなくなる
アパート経営の失敗によって借金を自力ですぐ返済できないケースも多くあり、この場合には債務整理を行う必要が出てくるでしょう。債務整理を行うことで、借金が減額されたり返済義務がなくなります。
債務整理には、以下の3種類あります。
- 任意整理
- 民事再生(個人再生)
- 自己破産
これら3種類の債務整理は、それぞれの内容やできる人の条件が全く異なります。また、債務整理を行うと信用情報機関のブラックリストに最大10年間登録される、
クレジットカードや賃貸契約の審査に通らないといった状況になる確率がとても高くなります。
続いて、3種類の債務整理をするとどうなるのか、それぞれ詳しく解説します。
任意整理
任意整理をすると、金利が引き下げられ最大5年をかけて返済をすることになります。
借金の返済義務はされませんが、自宅や車などの資産を差し押さえられることはありません。また、私的な整理方法であることから会社などにもバレルことはありません。
ただし、任意整理は「安定した収入があること」、「5年程度で完済できる見込みがあること」などの条件を満たす必要があります。
民事再生(個人再生)
民事再生をすると、借金が1/5となり3年かけて返済を行うことになります。
民事再生は、任意整理に比べてより多くの借金を減額させることができます。また、資産を差し押さえられることもありません。
ただし、返済を継続できる見込みがないと個人再生はできません。また、裁判所による手続きとなるため官報に名前と住所が載ります。官報を見ている方はあまり多くありませんが、場合によっては会社や家族にバレてしまう可能性もあるでしょう。
自己破産
自己破産を行うと、借金の返済が免除されます。借金をゼロにすることにより、新たな再スタートを切ることができます。
ただし、マイホームや車など20万円以上の価値をもつ資産は手放す必要があるでしょう。差し押さえの対象となる資産は裁判所によって異なりますが、概ね20万円以上の価値があるものになるようです。
アパート経営で実際にあった失敗談
一口に「失敗」と言っても、アパート経営のおける失敗とは複数存在します。アパート経営に興味がある人にとっては、どういった条件でどういった失敗があるのかが気になるところでしょう。
ここでは、アパート経営を行なった結果、「失敗した」と感じている大家さんから聞いた失敗談について説明しています。実体験であるため、生の声を聞きたい人はぜひ確認してください。
賃貸ニーズや周辺環境の調査を怠って失敗
賃貸ニーズや周辺環境の調査を怠って失敗した人の体験談について紹介します。
- 基本情報
土地の広さ | 20坪 |
---|---|
構造 | 鉄骨造 |
初期費用 | 2,000万円 |
年代・性別 | 30代・男性 |
- 体験談
アパートを建てる・購入する前にその場所の賃貸ニーズや周辺環境を調査しなかった結果、最初の1年こそ順調だったものの、入居者が一度引っ越すと新しい借り手がなかなか見つからないといった事態に陥ってしまいました。これは本人の言う通り、駅から徒歩15以上と遠く、15年以上という築年数が原因と言えるでしょう。当然駅からの距離は近いほうが良いですし、築年数も浅いほうが好まれます。
アパート経営をおこなうのが初めての場合、アパートを建てるのに適さない立地でアパート経営を初めてしまうことがあります。また、入居者ニーズの調査不足で、そのエリアで人気が出ない間取りや設計にしてしまうこともあるでしょう。1人暮らし世帯が多いエリアでファミリータイプの4LDK、5LDKの物件を建ててしまうといったケースが当てはまります。
ニーズに合わせたアパートを設計するためには、先ほど紹介した事前の市場調査は必要不可欠です。調査をもとに、「この人たちはどんなアパートに住みたいのか」を考えて設計に活かすようにしましょう。
地域の特性を理解せず失敗
地域の特性を理解せずにアパート経営を行なって失敗した人の体験談について紹介します。
- 基本情報
土地の広さ | 100坪 |
---|---|
構造 | 木造 |
自己資金 | 1,200万円 |
借入額 | 0円 |
年代・性別 | 30代・男性 |
- 体験談
事前に調査を行なわず、自動車社会という地域の特性を理解していなかった結果、駐車スペースが足りないという予想外の事態により入居者からの不満が生まれ、隣の土地の購入・新たな駐車場の確保で200万円という想定外の出費を受けることとなりました。
今回のケースの場合、事前に調査をしていれば、充分な駐車場スペースを用意したうえでアパート経営を始めることができたでしょう。
前述した通り、事前に調査を行ない、その土地周辺に住む人に合わせた間取り・設計・外観を意識したアパートを設計することが重要です。入居者のニーズを調査するためにも、近くの不動産会社に尋ねてみて、周辺アパートの空室率を聞いてみるのもおすすめです。
内容を把握せずにサブリースの契約をして失敗
内容を把握せずにサブリースの契約をして失敗した人の体験談について紹介します。
- 基本情報
土地の広さ | 60坪 |
---|---|
構造 | 鉄骨造 |
自己資金 | 1,000万円 |
借入額 | 3,000万円 |
年代・性別 | 30代・男性 |
- 体験談
契約内容をよく理解せずにサブリースの契約をした結果、家賃・家賃保証共に減額することになり、一方で人件費の高騰を理由に管理費が増額され、それに維持費も加わり経営が赤字に…という状況になってしまいました。
サブリース契約とは、管理会社にアパートを貸し、アパートを経営してもらう代わりに家賃収入を受け取るという契約方法です。「一括借り上げ」とも呼ばれます。管理会社は自分でアパートを管理し、家賃収入を得つつ契約した際の料金をオーナー側に支払います。
そして、このサブリース契約の中には家賃保証型の場合が多く、「家賃が保証されているならやってみようかな」と思って始めた結果、落とし穴に気づかず失敗してしまうのです。
この家賃保証は金額まで保証されているわけではなく、上記の事例のように数年経った頃に家賃保証の減額を要求されるというのはよくあるケースです。
サブリース契約を結ぶ際は、契約書を隅から隅まで目を通すのは面倒かもしれませんが、目を通さないと損してしまうのは自分です。どんな契約体系なのか、家賃引き下げの要求をされる可能性はあるのかなど、きちんと契約段階で管理会社と確認しておくようにしましょう。
アパート経営を始める可能性が出てきたら、複数の企業にプランを提案してもらうのがおすすめです。
なぜなら、アパート経営は建築費の見積もりや賃料設定など経営プランによって収益が1,000万円以上変わることもあるからです。
建築費がいくらなら収益性の高いアパート経営ができるのか、利回りはどのくらいが適切なのか、気になるところを建築会社に相談してみましょう。
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利回りの見積もりを甘く見て失敗
利回りの見積もりを甘く見た結果失敗した人の体験談について紹介します。
- 基本情報
土地の広さ | 70坪 |
---|---|
構造 | 鉄骨造 |
自己資金 | 4,000万円 |
借入額 | 6,000万円 |
年代・性別 | 40代・男性 |
- 体験談
不動産の知識に多少自信がありアパート経営に踏み切りましたが、利回りの見積もりが甘く見た結果、アパートローンの返済にかかる費用の回収に思っていた以上の年数がかかることになってしまいました。
空室が何戸出たらどれくらいの収入が減るのかという空室のリスクに対する準備を怠り、10%という甘い利回りの見積もりをしてしまったことで後悔することになりました。
最初は高い利回りに期待してアパート経営を始めたものの、実際に経営を始めると空室が多発し想定通りの利回りにたどり着かず、手取り金額が少なくなってしまうことがあります。アパート経営をする場合は、実質利回りで見積もりをすることが大事です。実質利回りで5%を超えているかどうかがアパート経営において成功かどうかの目安になります。
修繕費を甘く見て失敗
修繕費を甘く見た結果失敗した人の体験談について紹介します。
- 基本情報
土地の広さ | 80坪 |
---|---|
構造 | 鉄筋コンクリート造(RC造) |
自己資金 | 900万円 |
借入額 | 5,000万円 |
年代・性別 | 40代・男性 |
- 体験談
知り合いがアパート経営で儲かっていて、働かないで簡単にお金が儲かるなら自分もという気持ちで始めた結果、予想外の修繕費の高さに家賃収入だけではローンの返済ができず、給料から捻出せざるを得なくなり生活に困窮することとなりました。
まず、「働かずに簡単に儲かる」というアパート経営の認識が間違っていたのは前提として、経年劣化による修繕が複数回続くことで、修繕費が上がることを予想できなかったことが一番の原因です。アパート経営は、最初の計画通りに進むことはほとんどありません。築年数が経つにつれて修繕費が上がっていくのと、それに加えて老朽化したアパートは需要がなくなっていくため、入居率も減っていきます。その結果ローンを返せれば御の字、という状況になってしまったのです。
想定外の出費によって資金繰りが出来なくなり失敗、というのはよくあるケースです。想定外の出費に対応するために、あらかじめ余裕を持った収支計画を立てておきましょう。
管理会社選びで失敗
管理会社選びを間違えた結果失敗した人の体験談について紹介します。
- 基本情報
土地の広さ | 45坪 |
---|---|
構造 | 鉄骨鉄筋コンクリート(SRC造) |
自己資金 | 400万円 |
借入額 | 0万円 |
年代・性別 | 50代・女性 |
- 体験談
アパート経営を始めると、多くの方が管理会社に管理業務を委託することになります。管理会社はどの会社も丁寧に管理対応をしてくれるかといわれるとそうではなく、中には清掃もせず家賃滞納者の催促もしてくれない管理会社もあります。そんな対応の悪い管理会社に依頼してしまうと、入居者がそのアパートで住みづらく感じ、退去してしまうことにつながります。
管理会社を選ぶ際は、管理体制の厚い管理会社に依頼するようにしましょう。具体的には、24時間サポート体制を敷いていたり、直接入居者のもとへ訪問して対応してくれたりするような会社だと手厚いといえます。詳しく管理会社の対応を見ておきたい場合は、すでにその会社が管理しているアパートを確認することがおすすめです。清掃部分や共用部の管理、張り紙など、細かなところまでチェックして管理が行き届いているかを見ておくことで、その管理会社の丁寧さをある程度予想することができます。
アパート経営を始めようか考えたとき、どのようにアパートを設計すればいいのか見当がつかないのではないでしょうか。
例えば2階建てにするか3階建てにするか、間取りの設計をどうするかについては土地の条件やアパート経営の目的によって変わります。
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\建築費は?初期費用は?/
入居者トラブルが発生して失敗
入居者トラブルが原因で失敗した人の体験談について紹介します。
- 基本情報
土地の広さ | 100坪 |
---|---|
構造 | 鉄筋コンクリート(RC造) |
年代・性別 | 50代・女性 |
- 体験談
特に多いのは騒音トラブルです。構造の問題で隣人の声が響くなど、騒音が原因でトラブルにつながるケースはよくあります。収益性を高めるために木造アパートを選んだ場合などは、音が伝わりやすく足音やテレビの音、騒ぎ声など隣の部屋の生活音が丸聞こえになってしまうことがあります。
入居希望者が決まったタイミングで、その入居者をきちんと審査しておくことが重要です。その際、入居希望者の年収や勤続年数は必ず把握しておく必要があります。より丁寧に審査する場合は、源泉徴収の提出を依頼したり、所属企業に在籍確認をしたりするという方法もあります。入居手続きを不動産会社だけに任せることなく、自分の目で確認しておくことも大切です。
相場を理解せず物件を購入して失敗
相場を理解せずアパートを購入して失敗した人の体験談について紹介します。
- 基本情報
土地の広さ | 60坪 |
---|---|
構造 | 木造 |
自己資金 | 1,500万円 |
借入額 | 2,500万円 |
年代・性別 | 40代・男性 |
- 体験談
失敗の原因は事前の調査不足です。アパートの購入の際に相場よりも高値で購入してしまい、そのせいで家賃も高く設定せざるを得なくなり、結果入居者が入らなくなりました。
アパートを購入する際は、「この場所で入居者が集まりそうか。」「購入費用は相場と比べて妥当か。」といったことを下調べをした上で考えるようにしましょう。物件を購入する場合は自分で相場を調べたり、同業者に確認してみたりすると良いです。
入居者に夜逃げされて失敗
入居差に夜逃げされて失敗した人の体験談について紹介します。
- 基本情報
土地の広さ | 120坪 |
---|---|
構造 | 鉄骨鉄筋コンクリート(SRC造) |
年代・性別 | 50代・女性 |
- 体験談
また、夜逃げをされたら、入居者が残していった家具や家電などの残置物を撤去する費用や、リフォーム・クリーニング費用が余計に必要になります。経済的な損失もありますが、精神的な負担もかなりかかることになります。
普段から入居者とコミュニケーションを取ったり、電気屋ガスが止まっていないか、家賃の支払いが遅れていないかなどを確認したりすることで入居者の変化に気づきやすくなります。あらかじめ保証会社を利用しておくのも一つの手でしょう。
節税目的で耐用年数の切れたアパートを購入して失敗
節税目的で耐用年数の切れたアパートを購入して失敗した人の体験談について紹介します。
- 基本情報
土地の広さ | 60坪 |
---|---|
構造 | 木造 |
年代・性別 | 30代・男性 |
- 体験談
節税効果と物件の安さに惹かれて、耐用年数の切れたアパートを購入した結果、投資額の改修に困難することになりました。
所得税や相続税を節税したいという目的が先走り、収益性の低いアパートで経営を始めてしまうというケースはよくあることです。そういった物件は賃貸需要が少なかったり、実質利回りに問題が合ったりする可能性が高いです。
アパート経営をする際に重要なのは資産を増やすということなので、収支のシュミレーションや長期的な計画を立てることが必要となります。
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\建築費は?初期費用は?/
活用事例:子育てファミリーの心を掴む、明るいメゾネット



エリア | 福岡県 |
土地面積(㎡) | 332 |
延べ床面積(㎡) | 243 |
工法 | 木質パネル接着 |
オーナー様は数多くの賃貸住宅の管理を手がける不動産会社の社長様。差別化のポイントをミサワホームと共に徹底的に検討。
周辺はワンルームアパートが過剰気味なので、あえて子育てファミリーをターゲットに。周辺では珍しいメゾネットタイプの間取りや、小屋裏収納、広いバスルームなど、ファミリーが喜ぶ仕様に特化しました。(ミサワホーム株式会社の土地活用事例)
アパート経営で失敗する人の特徴
アパート経営で失敗する人にはある程度特徴があります。その特徴とは以下の通りです。
- 知識を得ようとしない人
- 家賃収入を得られるのが当たり前だと思っている人
- 不動産会社に言われるがままの人
- 利回りばかりを重視する人
- 節税を目的に始める人
- 管理会社を頼ろうとしない人
知識を得ようとしない人
アパート経営で失敗する人の特徴で共通して言えるのは、知識不足が招く結果だということです。学習不足を自覚しているならまだしも、そもそも知識を得ようとしないことは問題です。
アパート経営は自分の資産を投じて始めるものなので、最大限活かす方法を自分で考えることが重要です。つまり、人任せにせず自分で責任を持ってアパートを運用するために知識を得ることが必要なのです。
そのため、物件を手に入れて満足し、経営について考えようとしない人ほど失敗に終わる可能性が高くなります。
家賃収入を得られるのが当たり前だと思っている人
物件さえ手に入れば当たり前に入居者がいて、当たり前に家賃収入を得ることができると考える人は失敗します。
そういった人は、「物件を手に入れることがゴール」といった間違った思考になってしまっています。真に大事なのは物件を手に入れた後で、どうすれば空室が出ないかと戦略を練ることです。
物件を手にしてからがアパート経営のスタートと考え、発生しうるリスクにどのように対応するかを考えることが大切です。
不動産会社に言われるがままの人
どのようなアパートを建築してもらうべきか、またはどのような物件を購入すべきかなどを自分一人で考えるのは難しく、初心者であればなおさらでしょう。そのため不動産会社のアドバイスを仰ぐことは大切です。
しかし、すべてを不動産会社に言われるがままに進める人は失敗してしまうでしょう。特に、物件に関しては自分の要望や意見はしっかりと言うようにしないといけません。
不動産会社もビジネスでやっているため、最適な物件ではなく「売りたい物件」をすすめて来るでしょうし、中には悪徳な業者もいます。不動産会社の言われるがままに物件を選んだ結果、納得のいくアパート経営ができなかったと後悔することにならないようにしましょう。
利回りばかりを重視する人
物件についえ考えるときは利回りがポイントとなりますが、利回りばかりを重視していては失敗へと繋がってしまいます。
業者が使う「利回り」は満室を想定して計算されているため空室を考慮していないことに加えて、修繕費などの想定外の出費も考慮されていません。物件が安い場合は利回りは高く出ますが、老朽化などの問題を抱えていることがあります。
利回りの高さのみを考えた場合、ローンの利率が高くなったり修繕費用がかさんだりして実際の収益率は低くなってしまう、ということになりかねません。
節税を目的に始める人
「アパート経営で節税ができる」という謳い文句がよく言われていますが、節税目的で始める人は経営計画が成り立たず、失敗に終わる可能性が高いです。
アパート経営での節税とは、アパート経営の赤字を本業の給与所得と合わせることで課税対象額を少なくする、損益通算という仕組みを活かしたものです。減価償却費の計上で会計上の赤字を作り出して所得税を減らします。
しかし、会計上の赤字と言えどどこかで支出が発生しているため、節税以前に現金が尽きたら破綻してしまいます。加えて、年数が経つにつれて経費計上できる費用が減るので節税効果も薄れていきます。
管理会社を頼ろうとしない人
物件の維持管理や入居者トラブルへの対応などの、大家業を全て一人で行なおうとする人は失敗の危険があります。既にアパート経営の経験があるならまだしも、初心者で管理会社を頼らないのは良くありません。
管理会社に管理作業を委託すると手数料が発生しますが、信頼できる管理会社に任せることができれば、自分の負担を減らせる上に入居者から信頼されるようにもなります。
入居者の満足度の確保はそのまま空室リスクへの対策になります。手数料に関しては、初めから資金計画の中に組み込んでおくと良いでしょう。
アパート経営の失敗の要因や対策を理解しよう
アパート経営における失敗について、大家の実際の失敗談を解説してきました。「絶対に失敗してしまうのではないか」と考えてしまう人もいるかもしれませんが、成功している人がいるのも事実です。
アパート経営を考えている人は、どのような失敗があり、どうすれば失敗しないのかを理解しておきましょう。