シニア世代で増えているアパート経営。現役世代でも、リタイア後は賃貸の管理人として生活を安定させようと、シミュレーションしている方も多いのでは?ただし、プロフェッショナルの間では「アパート経営はおすすめできない」という声も多く、実際にアパート経営で損をするケースも少なくないようです。
ここでは、アパート経営が積極的に勧められない理由や、アパート経営以外の副業のパターンについて詳しく掘り下げていきます。
- 自己資金0では不安
- 経営は収入が不安定
- 確実にもうかる保証はない
アパート経営で注意すべき点は、以下の記事をご覧ください。
アパート経営のための自己資金はありますか?
アパート経営をゼロからはじめるにあたり、まずシミュレーションすべきことは、自己資金と利益のバランスです。シニア世代であれば、退職金を元手にしてアパート経営をはじめることもできます。しかし、「賃貸経営は儲かる」というイメージから、自己資金がゼロに近い状態で、経営に乗り出すパターンも少なくありません。自己資金ゼロでのアパート経営のデメリットとリスクについて、具体的にシミュレーションしたうえで、「アパート経営はするな」と言われる背景について探っていきましょう。
自己資金ゼロの経営者のデメリット
アパート経営そのものは、自己資金ゼロの状態であったとしても、物件さえあれば始めることができます。ただし、自己資金がゼロということは、一般企業に例えると「余力がまったくない」ということと同じです。そのため、初期段階でさまざまなトラブルに見舞われることは目に見えています。自己資金ゼロから始めるアパート経営は、プロフェッショナルの視点から見ても非常に不安要素が多く、極めてリスクの大きい選択肢であると言われています。
アパートローンなどの借入金ではじめる場合
自己資金ゼロの状態でアパート経営を始めるということは、必然的にほぼすべての運転資金を、借入金によってまかなう必要があります。充分な自己資金が用意できない方のために、アパートローンなどの仕組みが用意されていますが、安易にローンに申し込むことは、決して得策とは言えません。単純に考えて、借入金よりも純利益のほうが上まわれば、経営はひとまず成功と言えます。しかし、現実のアパート経営では、すぐに利益が出ることはほとんどありません。むしろ、借入金ばかりが一方的に膨らんでいくということが現実のようです。
親などから相続した物件を経営する場合
両親から物件を相続すれば、物件探しの手間が省けますが、老朽化のリスクに注意が必要です。このような不動産は空室期間が長くなり、占有率が低下します。欠員を無理して補充しようとしても、以前と同じ賃料で入居者が集まることはないので、結果として賃料が引き下げられることになります。また、アパート経営にあたっては、あらかじめ適切な賃料についてシミュレーションしておくことがポイントです。賃料をシミュレーションするうえで検討すべきことは、将来的な空室率と賃料の下落リスクです。
空室率については、おおよそ「10室につき1室が、1年のうちに入れ替わる」と考えることが妥当なラインです。仮に、同じ物件を10年間管理したとすると、得られる純粋な賃料収入は(10室×12カ月×10年-10室分の賃料)という計算式によって算出できます。
仮に空室が10年間でまったく生じないとすると、その間の賃料は(10室×12カ月×10年)という式で導き出されます。上の例では「1年間のうちに1室」、つまり10年間で10室の空室が生じるわけですから、10年分の賃料から空室分を差し引くことで、正しい賃料が計算できることになります。
賃料の下落率については、物件の立地や利便性にもよりますが、目安としては5年ごとに10%程度カットされていくと考えられています。それを基準に家賃改定をしていくと、物件そのものの価値とずれが生じることはありません。
これらが継続すれば利益は減少するため、定期的に修理するための資金を確保することも困難になります。老朽化のリスクを最小限に抑える方法として、平時から修繕積立金を計画的に準備しておくことをお勧めします。修繕積立金がなければ、突然大きな修繕費が発生することになり、入居者の不信感にもつながります。
副業や不労収入に対する安易な考え方は危険
「働かずに収入を得たい」と考えることは、人間として自然な感情ではありますが、だからといって「アパート経営なら確実に儲かるだろう」と考えることは、非常に危険です。アパート経営には、空室リスクや債務超過などのリスクがつきまといます。そのため、経験豊富なプロフェッショナルでも5年、10年という長期的なスパンでなければ、利益が出せないことが現状です。アパート経営を始める可能性が出てきたら、複数の企業にプランを提案してもらうのがおすすめです。
なぜなら、アパート経営は建築費の見積もりや賃料設定など経営プランによって収益が1,000万円以上変わることもあるからです。
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活用事例:住民の暮らしを豊かにする 賃貸住宅のまちなみ





エリア | 千葉県 |
土地面積(㎡) | 1909 |
延べ床面積(㎡) | 1323.79 |
千葉県船橋市。駅から10分ほどの場所に15世帯のファミリー向け賃貸住宅のまちなみが完成しました。ヨーロッパの邸宅を感じさせる佇まいに、思わず目を奪われます。
オーナーさまはローマで暮らしていた経験があり、大いに影響を受けたそうです。
「ローマではテニスコートやプールが家の側にあり、休みの日はテニスをしたり、泳いだり、余暇を楽しむ風習がありました。広い敷地を活用して、そのような住民の憩の場となるコミュニティをつくりたいと考えました」。
そうしてプールとテニスコートを併設させた賃貸住宅をすでに30年以上前に実現させたオーナーさま。老朽化から相続対策を兼ね、今回の建替計画は後を継ぐご子息に任されました。ご子息は前職でテーマパークの企画を担当していたこともあり、その手腕が大いに発揮されました。
「京都のイギリス村のような雰囲気のある賃貸住宅の構想がありました。そこでスケッチブックに完成予想図を描き、イメージを具現化していきました」。
賃貸住宅に入居する住民はもちろん、近隣の住人にとっても好印象を与えるような、地域のランドマークとなる賃貸住宅づくりを目指しました。そこでハウスメーカー3社に相談をすることに。(ミサワホーム株式会社の土地活用事例)
アパート経営の落とし穴

「ハイリスクノーリターン」とまで言われているアパート経営。一見するとリスクが少ないように思えるアパート経営ですが、なぜそんなにも「初心者にはおすすめできないビジネス」として指摘されているのでしょうか。
サブリース会社との一括借上げ契約と実情
日本でもここ数年で増えつつある、賃貸物件のサブリース契約。家賃保証などの大きな魅力があり、これまで「アパート経営は危ない」と考えていた人たちにとっても、参入のハードルが大きく下がっています。物件の一括借り上げを基本とする、サブリース契約について掘り下げていきます。満室時の賃料の8割以上の保証があり管理もしてくれる
サブリース契約は、通常の賃貸経営とは異なります。サブリース会社が一旦、物件を一括で借り上げ、会社のほうが経営者に、月々の賃料収入を支払うという形式になっています。月々の家賃のうち、1~2割程度が保証金や手数料などの名目であらかじめ天引きされます。したがって、経営者が実際に手にするのは、サブリース会社が設定した賃料の約8割となります。
家賃保証や空室保証は長期継続されないのが実情
8割近い賃料が、毎月保証されることが魅力のサブリース契約。一見すると、安定したアパート経営が可能になる、夢のようなシステムに思えます。しかし実際には、契約当初に設定された賃料が、長期的に保証されることはほとんどありません。また、もうひとつの柱である空室保証も、物件の価値下落などによってうやむやにされてしまうことが多いようです。アパート経営者の借金返済が困難になる危険性が高い
サブリース契約は、契約当初の賃料収入が永久的に保証される前提であれば、非常にメリットの大きいシステムと言えます。しかし、いったん賃料が下落に転じた場合には、その不利益はすべて経営者本人が背負う仕組みになっています。そのため、現実的にはデメリットのほうが大きくなってしまうと言われています。なぜなら、経営者のほとんどは契約当初の賃料を基準にして、借金返済のプランを組み立てているためです。あとになって賃料収入が下がってしまうと、単純に返済にまわせる資金が減ってしまい、最終的には借金を返せなくなってしまう場合があります。
契約の更新により家賃収入が下がる
サブリース契約であっても、年数の経過とともに物件の賃料が下げられていくことは、通常の賃貸経営と変わりません。サブリース契約では言ってみれば、自分の資産を前もってサブリース会社に預けているのと同じです。よって、賃料収入の下落はダイレクトに収入の減少につながり、いわゆる「ジリ貧」の状態に近づいていきます。サブリース会社の倒産による損失
物件の借り上げ契約を結んでいるサブリース会社の倒産は、当然、契約者本人の大きなリスクにもつながります。契約中のサブリース会社が倒産をした場合、契約時に支払った敷金が変換されることはまずありません。さらに、その時点で家賃未滞納の入居者がいた場合、その分の補填リスクは、原則として契約者本人が背負うことになります。サブリース契約は、親会社ともいえるサブリース会社の経営が、順調なうちは理想的なシステムといえます。しかし万一にも、サブリース会社のほうにトラブルがあったり、契約そのものに悪意があったりする場合には、契約者自身が損をする仕組みになっていますので、あまりおすすめはできません。
- サブリースの魅力は家賃保証
- サブリースは賃料カットも
- 契約時は将来の地価を見越す
アパート経営は年数経過と比例して収益が減少する

アパート経営の構造的な問題として、年数経過による収益の減少が挙げられます。建物は古くなるほど、需要が低くなることはある種の必然でもあります。そのうえで、一定の賃料収入を確保するためには、こまめに修繕をする、アパートそのものに、新たな付加価値をつけるなどの対策が必要となります。
故障個所やそれ以外の修繕費がかかる
すべての建物は物理的な老朽化を免れず、経年劣化にしたがって階段や壁紙が傷んだり、骨組みそのものがゆがんできたりなど、不可逆的な不具合が生じてくるものです。アパート経営者としてはもちろん、それらの故障個所が見られた場合には、その都度修繕を行う義務があります。突発的な故障に備えて、ほとんどのアパートでは入居者から支払われた敷金の一部を、修繕積立金として留保するシステムを採用しています。ただ、築30年以上の物件となると、どうしても修繕が追いつかず、修繕費のほうが賃料収入を上まわってしまうことにもなりかねません。
初期の家賃収入を継続するのは難しいことが現状
アパート経営は「長く続けるほど損をするビジネス」と言われています。どんな物件でも、経年劣化による需要の低下は避けられず、物件そのものの市場価値も、年数とともに下落していきます。そのためアパート経営において、継続的な利益をキープするためには、計画的かつ戦略的なプランが必要となります。例えば、「数年おきに新しい物件を購入して、ベースの賃料を維持し、老朽化した物件の赤字を補填する」「地価が下がりにくいエリアの物件を、あらかじめ確保しておく」などのプランが挙げられます。これらの戦略なしで、安易に経営に乗り出すことは危険と言えます。
- 物件の老朽化に備える
- 敷金から修繕積立金を留保
- 複数物件確保も有効
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アパート経営をせずに不動産を有効に活用する方法は?

アパート経営で利益を得ることが難しいのであれば、不動産の有効活用をという流れになります。不動産の活用といった場合、どのようなアプローチが考えられるのかをみていきたいと思います。
不動産物件の等価交換
土地と建物をセットで買い取ってくれる事業者に、一旦不動産を売り、建物の所有権のみを取得する形で、事業をスタートさせることができます。広い土地で地価が高い土地を持っている方であれば、有利なシステムといえます。しかし、土地と建物にそもそもの価値が低い場合には、売却そのものができないことも少なくありません。不動産全部を売却して現金化する
土地を使って、新たな事業を始めるつもりがないのであれば、不動産ごと売却してしまい、まとまった現金を手に入れるという選択肢も考えられます。土地の価格については、その時々の地価や経済状況によって、刻々と推移します。そこで、複数の不動産会社から見積もりを取ることによって、土地の基本相場が把握できるので、売却の際には必ず3社以上の業者に見積もりを依頼しましょう。
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おすすめしたいのは、査定をしてもらい売却するといくらになるのか確認しつつ、活用すると収益はいくらになるのかプランを取り寄せて、どちらがいいか比較する方法です。
売却すると一時的に現金は手に入りますが、資産は手放すことになります。活用すると、固定資産税などはかかってきますが、長期的に安定した収入を得られるかもしれません。
また、アパート経営など賃貸経営は、家賃収入からローン返済ができるため、無料で賃貸物件を手に入れられます。
まずは、カンタンな情報の入力を済ませて、企業からアパート経営だけではなく幅広い活用プランなど無料で資料を取り寄せてみましょう。
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アパート経営以外にも不動産を有効活用できる手段がある
アパート経営は経験とテクニックがあれば安定した利益を生み出せますが、一方で赤字の慢性化など構造的なリスクがあり、最初から専業ではじめるのは危険と言えます。余っている土地や建物を活用する方法はアパート経営以外にいくつかのアプローチがありますので、ライフスタイルに合わせて無理なくつづけられるものを選択しましょう。
土地活用を検討している方は、プロに相談して一度相性の良い土地活用を調べてもらうという手もあります。
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記事のおさらい