3階建てアパートの建築を検討していて、「費用はどれくらいかかるだろう。」「3階建てで変わることって何だろう。」などと考えている方もいるのではないでしょうか。
3階建てアパートは耐火建築物にしなければならない特殊建築物に分類されます。そのため、地盤改良のための工事が必要なこともあり、建築費が少し高くなってしまいます。
しかし、3階建てアパートが建築できるのであれば、その収益性の高さから3階建てアパートを建築することをおすすめします。この記事では、3階建てアパートの費用や3階建ての特徴などについて解説しています。
3階建てアパートの建築費はいくら?
3階建てアパートの建築費は木造では56万円~73万円、鉄骨造では83万円~108万円が1坪あたりの相場です。100坪の土地に3階建てアパートを建てるとすると、木造では1億80万円~1億3,140万円、鉄骨造では1億4,940万円~1億9,440万円の建築費がかかります。
構造 | 坪単価 |
---|---|
木造 | 56万円~73万円 |
鉄骨造 | 83万円~108万円 |
鉄筋コンクリート造(RC造) | 83万円~108万円 |
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造) | 96万円~125万円 |
構造 | 2階建て | 3階建て |
---|---|---|
木造 | 6720万円~8760万円 | 1億80万円~1億3140万円 |
鉄骨造 | 9960万円~1億2960万円 | 1億4940万円~1億9440万円 |
RC造 | 9960万円~1億2960万円 | 1億4940万円~1億9440万円 |
SRC造 | 1億1520万円~1億5000万円 | 1億7280万円~2億2500万円 |
(※建ぺい率は60%とする)
坪単価は、建物が頑丈になればなるほど値段が高くなる傾向があります。また、地域によっては差があり、都心部にいけばいくほど高くなっていきます。
坪単価については以下の記事をご覧ください。
建築費は坪単価×延べ床面積で求めることできる
アパート建築費は、坪単価×延べ床面積で概算することができます。
仮に10坪の部屋が9部屋ある木造3階建てのアパートを建築しようとした場合、(10坪×9部屋)×56~73万円/坪=5040~6570万円となります。
また、坪単価で求めることができる建築費は、本体工事費のみとなっており、付帯工事費やその他の諸費用もかかることに注意が必要です。この本体工事費や付帯工事費、諸費用については次の章で解説していきます。
自分の土地でアパートを建てた場合、建築費がいくらになるのか知りたい場合は、こちらのツールで試算してみましょう。
アパート建築費シュミレーター
新築アパートを建築する際は、アパート本体(躯体)、仕上げ、設備それぞれに建築費用がかかってきます。
試算条件を入力していただくと過去の建築事例をもとに、建築する際の概算費用を試算することができます。
試算条件を入力し、「この条件でシュミレーションする」をクリックしてください。 予想建築費が、画面下部に表示されます。
坪数
坪
建ぺい率
%
容積率
%
未記入(不明)の場合は建ぺい率60%、容積率200%で自動試算
土地所在地
構造
坪単価
万円
<参考>構造別坪単価
木造 : 坪単価 73万円
軽量鉄骨造 : 坪単価 125万円
重量鉄骨造 : 坪単価 108万円
鉄筋コンクリート造 : 坪単価 108万円
予想建築費 万円
内訳
(坪数 × 建ぺい率 × 容積率) × 構造別の坪単価*1 = 予想建築費
*1 構造別の坪単価は、建築着工統計調査 住宅着工統計 第34表中の 「共同住宅」における「工事予定額」に基づいています。
- 本当にシュミレーション通りの建築費用で建てられるかな?
実際の建築費用の見積もりは坪数やアパートの材質だけでなく、建築会社の工法や設備のグレードによって大きく変動します。
建築費用の見積もりをとる際は、複数の建築会社で相見積もりをおこなって比較・検討をしましょう。
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3階建ての2階建てとは異なる特徴
3階建てのアパート建築に関して、2階建てとは異なる知っておくべき基礎知識は以下の2つです。
②木造は木三共の設計基準を確認する
①3階建てアパートは耐火建築物でなくてはならない
3階建てアパートは建築基準法により、耐火建築物でなくてはなりません。耐火建築物とは主要部分に耐火性能のある材質などが使用されている建物のことです。
火災発生時に、主要部分が入居者の避難まで燃え落ちることなく性能を維持することが耐火建築物の要件となっています。この耐火性能は2階建てアパートには求められないものであるため、3階建てアパートの建築費は割高になります。
また、耐火建築物の条件は満たしていないものの、それに準じた耐火性能がある建築物のことを準耐火建築物と言います。
②木造は木三共の設計基準を確認する
木造で3階建てのアパートを建築する場合は設計基準をよく確認しましょう。
木造3階建て共同住宅は「木三共」と呼ばれる特殊な建築物で、4つの基準を満たして「準耐火建築物」として認められる必要があります。
これまではかなり厳しい基準として認識されていましたが、2019年の法改正により木造3階建てアパートが建築できる可能性は広がりました。
以下の記事では木造3階建て共同住宅について詳しく解説しているので参考にしてください。
アパートを建築する可能性が出てきたら、複数の企業の建築費用の見積もりを比較しましょう。アパートの建築費用は設計や工法によって大きく異なり、建築のプランによって将来の利回りも変わります。建築費がいくらなら収益性の高いアパート経営ができるのか、気になるところを建築会社に相談してみましょう。
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3階建てアパートの建築費用内訳
アパートの建築費は、本体工事費・付帯工事費・諸費用の3つに分けられます。これらの費用はどんな費用なのかを確認していきましょう。
本体工事費
本体工事費とは、アパートそのものを建築するときにかかる費用のことで、アパート建築費の総額のうち約80%が目安と言われています。
本体工事費には、基礎工事や仮設工事といった躯体工事費、内外装や塗装・左官工事・建具工事などの仕上げ工事費、電気設備や給排水衛生設備といった設備工事費が含まれています。
また、建築費も本体工事費のことを指しています。一般的に、アパートの建築費として表示されている金額も、本体工事費を指していることが多いです。
実際のアパート建築費は、これから紹介する付帯工事費や諸費用がかかるため、本体工事費の金額よりも多くなってしまうので注意が必要です。
付帯工事費
付帯工事費とは、本体工事費とは別に必要になる工事費用のことで、アパート建築費の総額のうち約10~20%が目安となっています。
付帯工事費には、水道やガス、電気といったインフラを整備するための工事費や冷暖房、堀、門扉、カーポートなどをを設置するための工事が含まれています。
諸費用
アパート建築には本体工事費や付帯工事費のほかに、税金や保険料などの諸費用が発生します。
アパート建築をすると、不動産取得税や印紙税、登録免許税といった税金が発生します。また、アパート建築の諸費用には、アパートローンの手数料や解体費、設計料なども含まれています。
これらの諸費用はアパート建築費の総額の約10%が目安とされています。それぞれの費用が目安を超えていると、建築費自体が高額になっていることがあるため、建築プランが届いたらしっかりと内訳まで確認しましょう。
3階建てアパートの建築にかかる追加費用
3階建てアパート建築では、ほかにも追加で費用が発生することがあります。
これから解説するボーリング費用や杭工事の費用は、最初から建築プランに含まれていることもあるため、しっかりと確認が必要になります。
ボーリング調査費
3階建てのアパートになると建物の重量が増えるため、地盤の弱い土地では、地盤の強さをはかる調査や地盤改良工事が必要になります。
地盤の強さをはかるために、最も行われている調査がボーリング調査となります。
ボーリング調査とは、地中の性質や杭工事に必要な杭の長さを決めるために行う調査のことです。ボーリング調査の費用は、測定箇所の数や地層によって費用に差が生まれるものの、1ポイント当たり15~25万円程度が相場となっています。
またボーリング調査は、かなり大掛かりな調査のため、狭い土地では実施することができません。
杭工事
ボーリング調査を実施し、地盤の改良が必要と判断されたのであれば、杭工事が必要になります。
杭工事とは、地盤の弱い土地が建物の荷重に耐えられるように杭を打ち込む基礎工事のことです。事前に行ったボーリング調査で決定した長さの杭を地盤に打ち込みます。
杭工事の費用は、アパート建築費の総額の約10%が相場となっています。また、杭工事にかかる期間は1週間から10日ほどが目安とされています。
アパート建築費についてより詳しく知りたい方は、こちらの記事がおすすめです。
そこで建築プランを比較にするのにおすすめなのが、一括見積もり請求サービスイエウール土地活用です。
イエウール土地活用では、土地所在地を入力するだけで複数の大手ハウスメーカーの建築費や将来の収益性を含めたアパートの建築プランを比較することができます。
安く高品質なアパートを建てたい方は、ぜひ一度、イエウール土地活用で建築プランを比較してみましょう。
3階建てアパートの建築例
本章では実際に3階建てアパートを建築した例を紹介していきます。
例1.木造3階建てアパート
- 性別:男性
- 年齢:40代
- 坪数:35坪
- 建築費:4,100万円
- 構造:木造
- 部屋数:12戸
- 目的:老後の資産形成のため
- こだわりのポイント:学生が多い地域のため、ファミリー層より学生や単身者をターゲットにアパートを建築した。
この例では部屋数を増やすことで収益をあげることができ、ターゲットを絞った設計をすることで入居者も見込めます。これはニーズを理解した土地活用と言えるでしょう。
例2.鉄骨造3階建てアパート
- 性別:女性
- 年齢:40代
- 坪数:50坪
- 建築費:7,900万円
- 構造:鉄骨造
- 部屋数:9戸
- 目的:使ってない土地を活用するため
- こだわりのポイント:共用部分を最小限にして部屋を多くとった、採光と通風がいい部屋にした。
部屋数を多くして収入をあげるということが重要であり、これは2階建てにはない3階建ての工夫です。
また、採光と通風が良い部屋とのことで、入居者の住みやすさを意識した造りとなっています。
例3.軽量鉄骨造3階建てアパート
- 性別:男性
- 年齢:30代
- 坪数:90坪
- 建築費:6,200万円
- 構造:軽量鉄骨造
- 部屋数:11戸
- 目的:使ってない土地を活用するため
- こだわりのポイント:・満室狙いのためペット可、浴室乾燥機などの設備の充実をした。全体的にマンション風のコンセプトで施工・壁、床は快適な住空間になるように遮音性を重視。台風などの自然災害対策のため全室にシャッター設置。
90坪の土地を生かし様々な施策をすることでニーズを満たせるという事例になります。
アパートを建てようか考えたとき、どのようにアパートを設計すればいいのか見当がつかないのではないでしょうか。
2階建てにするか3階建てにするか、間取りの設計をどうするかについては土地の条件やアパート経営の目的によって変わります。
イエウール土地活用なら土地所在地を入力するだけで複数の大手ハウスメーカーから提案を受けることができます。
3階建てアパートは収益性が高くておすすめ
3階建てのアパートは、地盤改良工事を実施するため、建築費が高額になり、建築期間も長くなってしまうデメリットがあります。しかし、これらのデメリットを加味しても、収益性の高さから3階建てアパートは建てる価値があるといえます。
また、木造でも3階建てアパートを建築できるため、高利回りのアパートを経営することも可能になっています。収益性の高い3階建てアパートを建築するためには、良い建築パートナーを見つけることが必要です。
是非、イエウール土地活用を利用して、あなたの土地で最も収益性の高くなる建築プランを見つけて、3階建てアパートを建築しましょう。
記事のおさらい