アパート経営を検討している方の中には。
「実際アパート経営ってどれくらい儲かるの?」
「家賃収入だけで生活することってできるの?」
と思っている方もいらっしゃると思います。
そこでこの記事では、アパート経営の収入について解説します。
また、アパート経営の収入と支出の内訳や収入のシミュレーション、手取り収入を増やすためのポイントまで解説していますので、是非参考にしてください。
アパート経営については以下の記事をご覧ください。
アパート経営の平均収入は約540万円/年
国税庁の申告所得税標本調査結果によると、令和2年のアパート経営の平均収入額は約540万円とされています。
また、令和元年の平均収入額は約521万円、平成30年の平均収入額は約518万円、平成29年の平均収入額は約517万円、平成28年の平均収入額は約512万円とアパート経営の収入は年々増加しています。
年度 | 平成28年 | 平成29年 | 平成30年 | 令和元年 | 令和2年 |
---|---|---|---|---|---|
平均収入額 | 5,120,638円 | 5,170,151円 | 5,181,407円 | 5,207,633円 | 5,399,575円 |
参考:国税庁 申告所得税標本調査結果
ただ、こちらは不動産所得を調査しているものであることから、アパート経営以外にもマンション経営や戸建賃貸経営の収入も含まれています。そのため一概にアパート経営の収入額の平均といえるわけではありません。
また、不動産所得は「家賃収入などから経費などを差し引いた所得」を表しており、この数字からさらに税金を引くと手取り収入を算出できます。
所得階級 | 不動産所得を得た人数 | 割合 |
---|---|---|
70万円以下 | 15,183人 | 1.43% |
100万円以下 | 40,857人 | 3.84% |
150万円以下 | 98,860人 | 9.29% |
200万円以下 | 104,107人 | 9.78% |
250万円以下 | 96,590人 | 9.08% |
300万円以下 | 86,645人 | 8.14% |
400万円以下 | 145,348人 | 13.66% |
500万円以下 | 111,101人 | 10.44% |
600万円以下 | 80,430人 | 7.56% |
700万円以下 | 59,514人 | 5.59% |
800万円以下 | 44,901人 | 4.22% |
1,000万円以下 | 60,081人 | 5.65% |
(中略) | (中略) | (中略) |
20億円以下 | 1人 | 0% |
合計 | 1,064,255人 | 100% |
参考:国税庁 令和2年 申告所得税標本調査結果
所得階級別の所得金額の構成割合をみると、不動産所得者全体のうち「300万円超400万円以下」が13.66%と最も割合が多く、「400万円超500万円以下」が10.44%とその次に多くなっています。さらに800万円以上の不動産所得を得ている人もある程度いることがわかります。
アパート経営を始める可能性が出てきたら、複数の企業にプランを提案してもらうことをおすすめします。なぜなら、アパート経営は建築費の見積もりや賃料設定など経営のプランによって収益が1,000万円以上も変わってくることがあるからです。
建築費がいくらなら収益性の高いアパート経営ができるのか、利回りはどのくらいが適切なのか、気になるところを建築会社に相談してみましょう。
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活用事例:住民の暮らしを豊かにする 賃貸住宅のまちなみ
エリア | 千葉県 |
土地面積(㎡) | 1909 |
延べ床面積(㎡) | 1323.79 |
千葉県船橋市。駅から10分ほどの場所に15世帯のファミリー向け賃貸住宅のまちなみが完成しました。ヨーロッパの邸宅を感じさせる佇まいに、思わず目を奪われます。
オーナーさまはローマで暮らしていた経験があり、大いに影響を受けたそうです。
「ローマではテニスコートやプールが家の側にあり、休みの日はテニスをしたり、泳いだり、余暇を楽しむ風習がありました。広い敷地を活用して、そのような住民の憩の場となるコミュニティをつくりたいと考えました」。
そうしてプールとテニスコートを併設させた賃貸住宅をすでに30年以上前に実現させたオーナーさま。老朽化から相続対策を兼ね、今回の建替計画は後を継ぐご子息に任されました。ご子息は前職でテーマパークの企画を担当していたこともあり、その手腕が大いに発揮されました。
「京都のイギリス村のような雰囲気のある賃貸住宅の構想がありました。そこでスケッチブックに完成予想図を描き、イメージを具現化していきました」。
賃貸住宅に入居する住民はもちろん、近隣の住人にとっても好印象を与えるような、地域のランドマークとなる賃貸住宅づくりを目指しました。そこでハウスメーカー3社に相談をすることに。(ミサワホーム株式会社の土地活用事例)
アパート経営の手取り収入の目安を試算
まずは、アパート経営の手取り収入の目安を試算します。あくまで目安なので、アパートの条件によって数字の前後はあるものとして認識していただければと思います。
- 総戸数:8戸
- 現入居戸数:7戸
- 家賃額:8万円/戸
- 礼金:1万5千円
- 退去者:1名(5月退去)
- 新規入居者:1名(6月入居)
- 月額駐車場料金:3千円/月
- 駐車場契約台数:3台
- 返済比率:30%
- 月々のローン返済額:19万2千円
それでは、以下の条件でのアパート経営の年間の収入額を試算してみましょう。
アパート経営の収入目安
アパート経営の収入となる項目には、家賃収入や礼金、駐車場費用などがあります。
この条件をまとめると、年間のアパート経営の収入は以下のような数字になります。
- 家賃収入:6,640,000円
- 礼金:15,000円
- 駐車場代金:108,000円
- 収入合計:6,763,000円
上記のアパート経営の場合、年間の総収入は、6,763,000円と試算できました。家賃が8万円で7戸が入居している状態は、エリアによっては、新築アパートとしては珍しくありません。そのため、初年度~10年間程度は収入として上記の数字は十分に期待できるでしょう。
アパート経営の支出目安
前年度も同じ収入だったと仮定すると、このアパートの支出額は以下のように試算できます。
- ローン返済額:2,304,000円
- 修繕積立金:384,000円
- 光熱費:120,000円
- 修繕費用:100,000円
- 広告費:50,000円
- 管理手数料:384,000円
- 仲介手数料:40,000円
- 固定資産税:150,000円
- 所得税・住民税:1,564,650円
- 支出合計:5,096,650円
年間の支出額は、退去者の数や築年数、設備のメンテナンス時期などに応じて異なります。
国土交通省の「民間賃貸住宅の計画改修ガイドブック」によると、30年間で1KのRC造であれば戸あたり177万円、1Kの木造であれば戸あたり174万円の改修費用が必要と試算されています。
アパート経営の手取り額の目安
アパート経営の手取り収入は「手取り収入=総収入ー総支出(経費や税金を含む)」という計算式で算出できます。
今回であれば、「6,763,000円(総収入)ー5,096,650円(総支出)=1,666,350円(手取り収入)」が年間の手取り収入となるため、1ヶ月あたり138,862円の収入と計算できます。満室時の家賃収入と比べておよそ20%が手取り収入となっています。
また、ローン返済費用や修繕費用は家賃収入の何%と相場がある程度決まっており、それぞれの項目を差し引くと、手取り収入は「家賃収入の約15%」が目安となりやすいです。
アパート経営では、家賃以外に収入源がないため、手取りに収入を増やすためには、支出額を抑える必要があります。しかし、ローンの借入額や老朽化の進み具合、退去者の有無などによって、築年数が経つにつれて支出額は高くなります。
さらにアパート経営では、築年数や周辺環境の変化によって、家賃収入や支出額が増減する可能性があります。アパート経営を考える際には、手取りがいくらなのかという点まで必ず試算しておきましょう。
アパート経営の収入内訳・項目
アパート経営の収入は、「家賃収入」か「それ以外」の2つに分けられます。それぞれの項目の内訳について解説します。
アパート経営の収入はほとんどが家賃収入
アパート経営で得られる収入のほとんどは家賃収入です。そのため、家賃額の変化によってアパート経営の収入額は大きく異なります。アパート経営において家賃額が変わりやすいタイミングは以下の3つです。
- 新たに入居者をつけるタイミング
- 新築ではなくなったタイミング
- 周辺に競合物件ができたタイミング
家賃は一度家賃を下げてしまうとそこが相場となってしまうため、再度引き上げるということが難しく、築年数や立地によってほとんど決められてしまいます。
そのため、退去者をできるだけ出さないことは、目の前の家賃収入を減らさないだけではなく、将来的な家賃収入を守ることに繋がります。家賃額と似た項目に、共益費や管理費という項目がありますが、毎月受け取っている場合には家賃収入と同様に考えても良いでしょう。
ただし、家賃相場は築年数に応じて徐々に下がっていきます。実際に、株式会社価値総合研究所の「家賃住宅市場の実態について」によると、賃貸マンションの家賃相場は新築時から年間平均1%程度は家賃下落するとされています。つまり、10年後には、家賃収入は新築時から平均での10%以上も下がってしまう可能性があるのです。
また、築年数以外にも周辺に競合となる新築アパートが建ってしまえば、競争力を維持するために家賃額を下げる必要があります。
収入の試算をする際には、新築の初年度だけではなく、5年後や10年後、新築が建った場合など、様々な要素を踏まえて数パターンの試算をだしておきましょう。
家賃収入以外の収入
アパート経営の場合、収入のほとんどが家賃収入で構成されているため、それ以外の収入はあまり収支計画には含まずに考えられることが多いです。
家賃収入額以外の収入項目には、主に以下の4つが挙げられます。
- 礼金
- 更新料
- 太陽光発電による売電収入
- 駐車場代
- 自動販売機
礼金はオーナーと入居者が賃貸契約を交わした際に、初期費用として入居者から支払われる謝礼金のことです。礼金は入居者に返還されることのないお金となり、一般的に家賃の1~2ヶ月分が相場となっています。
しかし最近では、賃貸物件の空室が目立つようになり、入居者への負担を軽減させるために、礼金を0円にする物件も増えています。礼金はマストと考えるのではなく、空室率に応じて徴収するかどうかを判断しましょう。
更新料は、賃貸借契約書を更新する際に入居者から支払われる費用のことを指します。一般的に、更新時期は2年区切りとしている物件が多く、賃料の1~2ヶ月分が相場です。
しかし、更新料の支払いが理由で引っ越しを考える入居者もいるため、礼金同様に空室対策の一環として更新料を徴収しないと考えるオーナーも少なくありません。
アパート経営を始めようか考えたとき、どのようにアパートを設計すればいいのか見当がつかないのではないでしょうか。
例えば2階建てにするか3階建てにするか、間取りの設計をどうするかについては土地の条件やアパート経営の目的によって変わります。
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アパート経営の支出内訳・項目
アパート経営の支出項目には、経費と税金の2つがあります。手取り収入を計算する際にはすべて合算したものを総支出として、総収入から差し引きます。
ただ、築年数や計算方法によってもアパート経営の支出額は異なります。そのため、経費になる支出項目とならない支出項目の違いや、税負担などを押さえておかないと、納税額や資金計画で失敗してしまうのです。
収入の上限値が、戸数や家賃額によって決められているアパート経営では、ローン完済までの支出額をいかにうまく抑えるかが重要です。単純に初期費用を抑えるだけでは、10年後に支出が増えてしまうだけになるため、中長期的な計画を作成し適切な支出のタイミングをあらかじめ決めておきましょう。
アパート経営にかかる経費
アパート経営の支出項目には、経費となる項目が複数あります。アパート経営にかかる経費項目は主に以下の3つです。
- 建物修繕費用
- 賃貸管理費用
- 保険料
ここからは、それぞれの費用について簡単に解説します。
建物修繕・設備交換費用
建物修繕費用とは、定期的な建物の修繕にかかる費用です。建物修繕や設備交換にかかる費用は、タイミングや建物構造、戸数によって異なります。
目安としては、およそ家賃収入の10%~15%が、建物修繕・設備交換費用に充てられます。
アパート経営では、修繕費用が必要になるタイミングは主に3つに分かれます。
- ①入居者が退去し、入れ替わりが必要なタイミング
- ②設備が耐用年数を超え、交換や修繕工事が必要なタイミング
- ③基礎改修工事や外壁塗装など10年ごとの大規模修繕のタイミング
①<②<③の順番に必要な金額は大きくなります。額は小さいですが、住民が退去したあとに毎回発生するため、原状回復にかかる費用も修繕・清掃費用は決して見過ごせない費用です。下記では修繕費としてよく使われる費用についてまとめています。
- フローリングの張替え費用:2~6万円/畳
- クロスの張り替え:750~1,500円/㎡
- トイレの便座交換・温水洗浄便座設置:5~10万円
- ハウスクリーニング:1万5千~7万円
さらに、築年数が経過するにつれ、修繕や交換が必要となる箇所や設備が増えるため、交換や修繕費用は年々増加していきます。
また、10年に一度の大規模修繕では、基礎工事や外壁塗装、屋根の張替えなどを行うため、小さめの木造アパートでも100万円以上の費用が目安になります。大規模修繕はどんなアパートでも必要になるため、修繕積立金という形で毎月大規模修繕のために費用を積み立てます。
賃貸管理費用
賃貸管理費用とは、賃貸経営を行う上で必要になる様々な費用のことを指します。
賃貸管理費用は、ほとんどが管理会社に支払う管理手数料です。目安としては、家賃収入の5%~10%が賃貸管理費用として充てられます。
アパート経営では、修繕や設備交換だけではなく、入居付け、クレーム対応、家賃回収、共用部の清掃など経営のために様々な管理業務があります。
具体的には、以下の項目が賃貸管理にかかる費用項目です。
- 管理手数料:家賃の5%程度(毎月)
- 仲介手数料:家賃の50%(入居時)
- 広告料やバックマージン:家賃の20%程度(入居時)
- 光熱費:物件に応じて異なる
- 接待交通費:物件に応じて異なる
仲介手数料とは、入居者を紹介した不動産業者に対して、家賃の半月分を支払う費用です。また、慣例的に貸主から特別な依頼があれば、広告費としてマージンを仲介会社にわたすこともあります。
特に、競争力のない中古アパートや、競合となる物件が多い場合には、不動産会社に客付けをしてもらう必要があるため、集客にもある程度のコストがかかってきます。
管理手数料とは、アパートの管理を管理会社に任せる場合、発生する費用です。管理会社にどこまで依頼するかによって異なりますが、毎月の家賃の5%程度が一般的です。
また、共用部の電気代や水道代などの光熱費や、不動産会社との定期的な打ち合わせに使う接待交通費など様々な費用が諸費用として必要です。
保険料
建物の火災保険料や地震保険料などにかかる費用です。火災保険の契約は最短1年から最長10年です。
まとめて保険料を支払う方が、費用は節約できますので、アパート購入時に10年契約をしておきましょう。
保険料の相場は建物時価の8割程度と言われています。そのため、建物構造や規模によって大きく異なります。例えば、ワンルームマンションなら、基本の火災保険に施設賠償責任保険や地震保険を付けても年間2万円ほどです。しかし、1棟マンションになると月額10万円をはるかに超えます。しかし、保険会社の違いによる保険料の違いはほとんどありません。保険料の細かな違いは、保険期間や補償範囲などによって異なります。特にこだわりがなければ、管理会社やハウスメーカーと提携している保険会社がおすすめです。
アパート経営にかかる税金
アパート経営では、所得額に応じた所得税や住民税、不動産価格に応じた固定資産税、取得時にかかる不動産取得税や、修繕・登記にかかる消費税などが税金として課税されます。
所得税・住民税
アパート経営で収入が発生すると、所得額(1年間の収入から経費や控除額を引いた額)に応じて所得税や住民税を納税する必要があります。所得税は、所得額が多くなるほど税率が高くなる累進課税制です。
アパート経営で得られる収入は不動産所得として分類され、サラリーマンとして給料を得ている場合には給与所得、別に事業を行っている際には事業所得等、さまざまな所得額を合算した金額をもとに、所得税は決められます。
例えば、不動産所得が120万円、給与所得が480万円ある場合には、その年の所得は600万円となり、以下の所得税を収める必要があります。
所得税の税率と控除額は以下の数値で定められています。
所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
195万円未満 | 5% | 0円 |
195万円以上~330万円未満 | 10% | 9.75万円 |
330万円以上~695万円未満 | 20% | 42.75万円 |
695万円以上~900万円未満 | 23% | 63.6万円 |
900万円以上〜1,800万円未満 | 33% | 153.6万円 |
1,800万円以上〜4,000万円未満 | 40% | 279.6万円 |
4,000万円超 | 45% | 479.6万円 |
また、住民税は課税所得に対して一律10%が課税されます。
アパート経営の魅力的な点は、アパート経営で赤字が発生した場合、給与所得や事業所得の合算額から赤字分を差し引くことができる損益通算を活用できる点です。
たとえば、例えば、給与所得が480万円ある場合には、「480万円×20%ー427,500=約53万円」の所得税が必要です。しかし、不動産所得額が160万円の赤字の場合、1年間の所得を320万円にでき、納税額は「320万円×10%ー97,500=約22万」となるため、約31万円分の所得税を圧縮でき、差額分は還付を受けられます。
特に、アパート経営を始めたばかりの初年度は、減価償却費を活用することで会計上の赤字を作りやすい状態です。そのため、アパート経営では、所得税は支払う税金でもありますが、活用すれば十分に対策できる税金の一つです。
固定資産税
固定資産税は不動産を所有することに対してかかる税金であり、アパート経営の場合は土地と建物にかかります。たとえアパート経営をしていなくてもアパートと土地を所有しているだけで支払わなくてはいけない税金のため注意が必要です。なお、土地については敷地面積200㎡までについて、固定資産税を6分の1にできる住宅用地の特例の適用を受けることができます。
固定資産税は、地方自治体が評価した評価額に1.4%をかけた金額が固定資産税となります。
- 固定資産税=固定資産税評価額×1.4%
都市計画税=固定資産税評価額×0.3%
例えば、土地の評価額が2,000万円(敷地面積200㎡)、アパートの評価額が3,000万円の場合、以下のような計算式になります。
- 土地:2,000万円×1/6×1.4%=4.67万円
- アパート:3,000万円×1.4%=42万円
不動産所得税
不動産取得税とは、不動産の取得者に対して課される税金で、不動産取得時に一度だけ支払う必要があります。不動産取得税は相続によってアパートや土地を引き継いだ際には発生しませんが、相続方法として生前贈与を選んだ際には、不動産取得税が贈与税に加えて課税されます。
- 不動産取得税=固定資産税評価額×3%
不動産取得税の税率は、固定資産税評価額の3%と高く、数百万円の納税が必要なこともあります。例えば、5,000万円のアパートを購入した場合「5,000万円×70%(固定資産税評価額)×3%=105万円」が不動産取得税として必要になります。
不動産取得税は決して小さい金額ではないため、住宅用地の特例などの軽減措置も活用しながら、税負担をできるだけ減らせるようにしましょう。
消費税
消費税は、事業開始から2年間、もしくは1年間の課税売上高が1,000万円以下の場合には納める必要がありません。しかし、課税売上高が1,000万円を超え、事業開始から2年が経っている場合には、受け取った家賃を納める必要があります。
年間1,000万円以上のアパート経営での収入を得ることができる人はだいぶ限られているため、多くの人は気にしなくても問題ない税金でもあります。ただ、戸数が多い場合や家賃相場が高い場合には、消費税の納税条件を満たすことも考えられるため、必ず消費税の納税義務については確認しておきましょう。
アパート経営の家賃収入だけで生活できる?
ここでは、アパート経営の家賃収入だけで生活できるのかを解説します。
手取り収入が500万円あればアパート経営だけでも生活できる
世の中には家賃収入だけで生活している専業大家と他の収入と家賃収入で生活している兼業大家がいます。
兼業大家の多くは「サラリーマン大家さん」と呼ばれる、会社員をしながらアパート経営をしている方を指します。
では、どれくらいの家賃収入があれば専業大家として生活できるのでしょうか。
実際、専業大家として生活するには、手取り収入で500万円ほど必要だといわれています。
アパート経営の経費率は、15%~20%といわれているため、手取り収入で500万円確保しようとすると、最低でも年間590万円~625万円ほどの家賃収入が必要になります。
家賃収入だけで暮らすのは難しい
この記事を読んでいる方の中には「いつかはFIREしたいと思っているんだよね」と考えている人もいらっしゃると思います。
しかし、実際はどんな方でもいきなり家賃収入だけで暮らしていけるようになるわけではないのが現実です。
では、どんな理由があって家賃収入だけで生活することが難しくなっているのでしょうか。
- 投資総額がとても高額
- ローンを組まなければならない
- 経営が安定するまで時間がかかる
また、総務省の調査では、平成30年の空室率は13.6%とされていることからも、入居者が集まり、アパート経営が安定するまでにも時間がかかってしまいます。
このような理由から、家賃収入だけで暮らすのは難しいといわれています。
ただ、しっかりと立地調査を行い、需要のある地域でアパート経営を始めることができれば、ある程度余裕のある生活も期待することでができます。
アパート経営の手取り収入を増やすためのポイント
アパート経営の手取り収入を増やすためには、様々なポイントを押さえる必要があります。
- 家賃額×総戸数を最大化する
- 返済後利回りが最も高いプランを選ぶ
- 退去と空室は最も避ける
それぞれのポイントについて1つずつ確認していきましょう。
家賃額×総戸数を最大化する
アパート経営の収入はほとんどが家賃収入であり、得られる手取り収入の大小は家賃収入の金額に左右されます。家賃収入は、「家賃収入=家賃額×総戸数」で算出されるため、家賃収入をあげようと思えば、以下の2つのパターンが考えられます。
①高めの家賃を設定して戸数を減らし、少し広めの部屋や差別化できる設備を導入する
②低めの家賃を設定して戸数を増やし、部屋の機能性や広さは標準程度に抑える
もちろん正解はなく、どちらを選択するべきかは、家賃相場や建てているアパートの入居者像によって異なります。例えば、①を選んだ場合、空室リスクは高くなりますが、戸数自体は少ないため、それなりの家賃相場のエリアであればすぐにうまる可能性が高いです。一方で、②を選んだ場合、1空室あたりの損失は少ないですが、満室経営までの手間や修繕費用は高くなります。
家賃額と総戸数を調整する場合や、築年数ごとに設定できる家賃相場額や、理想的な利回りを実現できる価格設定を行いましょう。また、どんな価格設定をしているアパートが多いかは重要な指針になるため、競合調査も必ず行いましょう。
ローン返済額も考慮して収入を決める
実質利回りとは、「物件購入時にかかる全費用に対する、年間の家賃収入から諸経費を差し引いた利益額の割合」を示す数字です。実質利回りは、物件の危険性や経営の現実度合いを知ることができます。
実質利回りは、以下のような計算式で算出することができます。
実質利回り = ( 年間家賃収入 – 年間経費 ) ÷ ( 物件購入価格 + 取得時諸経費 ) × 100(%)
実質利回りは利益をもとに算出した数字を知ることができます。実際に購入する物件を決める際には必ず確認しておくべき利回りです。
一方で、返済後利回りとは、金利とローン返済額をふまえた利回りのことを指します。返済後利回りの計算は以下の計算式で行います。
返済後利回りは、実質利回りよりもさらに現実的なキャッシュフローをイメージしやすいため、実際の手取り収入を考える際には必ず試算しておきたい利回りです。
退去と空室は最も避ける
アパート経営の収入において最も影響が大きいのは、入居者の退去と空室です。影響が大きい理由としては、退去と空室は収入が0になるだけではなく、一定以上のコストが定期的に必ず発生してしまうからです。
例えば、退去時にはハウスクリーニングやクロスの張り替えなど、様々な費用がかかります。およそ1戸あたり20万前後かかる場合もあるため、決して少なくない出費となります。
また、空室期間には、内見対策として定期的な清掃が必要となります。また、人が住んでいない部屋は湿気が溜まりやすく傷みやすいため、定期的な換気の手間がかかってしまいます。
退去と空室は、家賃収入を発生させないだけではなく、出費が必要となってしまう状況なので、できるだけ避けれるように管理会社と相談して工夫してみましょう。
アパート経営を始めるなら最初の情報収集が重要です。一括プラン比較サービスイエウール土地活用なら、土地所在地の入力だけでアパート経営のプランを取り寄せることができます。
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アパート経営の収入額は経営プランで決まる
アパート経営の収入はほとんどが家賃収入であるため、どれだけ支出を減らしながら満室を維持できるかがポイントです。
アパート経営で高い収入を得るためには、立地やターゲットに適した経営プランを建てる必要があります。経営プランの段階でミスがあると、「想定していた家賃が高すぎた」「建築コストを下げたら修繕費用が増えた」などのトラブルが発生します。
アパートの家賃は、ある程度エリアの家賃相場によって、総収入が限定されます。そのため、付加価値を加えても収入を大幅に引き上げることは簡単ではありません。そのため、経営プランが現実と大幅にずれがあると、経営を立て直すことが難しくなります。
しかし、正確な経営プランを初心者の方が作り上げるのは困難です。そこで、おすすめなのが、土地活用比較サイトです。土地活用比較サイトを使えば、複数業者に一括で資料請求をすることができ、業者によっては立地に応じた経営プランを作成してくれることもあります。
アパート経営をして十分な収入を得られるか不安な場合や、より自分に合ったプランでアパート経営を始めたいという場合には、ぜひ土地活用比較サイトをご活用ください
記事のおさらい