トランクルーム経営は、低リスクながら高い利回りに期待できるとして一目置かれている土地活用の一つです。
物を保管するためのスペース設置するだけで賃料を得ることができますが、ただスペースを提供するだけで収益化ができるほど甘くはありません。
本記事では、トランクルーム経営の失敗例やその対策について詳しくご紹介してますので、トランクルーム経営を検討している方の参考となれば幸いです。
トランクルーム経営の失敗例①
集客が上手くいかず収益が出ない
トランクルーム経営は、集客が難しいことから思うように収益が出ず収支が合わなくなってしまうことがよくあります。集客が難しい理由は、以下の3つです。
- 集客ノウハウが少ない
- 口コミで広がりにくい
- 単価が低いため、広告を出しにくい
また、1スペースあたり数千円~1万円程度が相場であることから、広告に割ける費用を取りにくいということも集客が難しい理由の一つです。
対策方法
トランクルーム経営の集客で成功するには、以下のポイントを抑えましょう。
- ロードサイドなど人目に触れやすい場所で始める
- 経営方式を絞る
ビラ配りなどをしなくとも広告としての効果に期待できますので、トランクルーム経営を検討する際は立地を見極める必要があります。
また、集客ノウハウはトランクルーム業者が蓄積していることが多いため、一括借り上げやフランチャイズ契約で経営を始めることが効果的です。
トランクルーム経営の失敗例②
最初の1年間で撤退してしまう
トランクルーム経営では、有利な条件ではじめたとしても収益を安定させられるようになるまではある程度の時間がかかります。目安としては、経営開始から1年間ほどは利用者が集まらず赤字となることも普通です。
この理由としては、トランクルームの利用者は限られていることに加えて集客がしづらいためです。そのため、トランクルームの存在を認知させ借り手を探すまでには、どうしても時間が必要になります。
収支計画をギリギリで立てていたがために、最初の1年間の間に赤字が膨らみ撤退することになってしまったという失敗例もきかれます。これは非常にもったいないことですので、トランクルーム経営で収益化を行うには最低でも半年以上必要であることを把握しておくことが重要です。
対策方法
トランクルーム経営は、ニーズが限られていることや集客のしづらさから安定した収益を得るまで最低でも半年~1年程度かかると考えておいた方がよいでしょう。そのため、この期間は赤字でも自身が苦しくならないようにしておく必要があります。
初年度は、初期費用にプラスした予算を組んでおくと余裕が出るかと思います。具体的には、損益分岐点を超える値を基準として追加予算を用意しておくことがおすすめです。
トランクルーム経営では、一度契約すると長期的に契約してくれる方も多いです。そのため、最初の1年程度は様子をみておけるような状態にしておくと良いでしょう。
トランクルーム経営をはじめ土地活用を検討されている方は、数ある土地活用のなかでお持ちの土地にあった最適なものを選ぶ必要があります。
イエウール土地活用なら、複数の土地活用のプロが作成したプランを比較することができますので、土地活用の新たな一歩としておすすめです。
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トランクルーム経営の失敗例③
競合ができ利用率と利用料が下がる
トランクルーム経営は、初期費用が低く利回りが高いことから参入障壁が高くありません。そのため、エリア内に競合が参入し価格競争となってしまう可能性が高いといえます
特に、トランクルーム経営では立地と価格以外に競合と差別化することが難しいので、価格勝負をしてしまいがちです。
しかし、トランクルーム経営の収益性は1スペース数千円が相場であることも多いため、簡単に価格を下げると赤字化するリスクが大きくなります。また、競合が立地やサービス面で優れていると利用者がそちらに流れてしまうでしょう。
トランクルーム経営では、このように競合参入が原因となった失敗例もたくさんあります。
対策方法
競合の参入を防ぐことは困難ですので、業者と契約することや、他の土地活用と一緒にはじめることが有効な方法でしょう。
一括借り上げ方式やフランチャイズ方式で経営を行えば、業者に経営を任せることができたり経営ノウハウを教えてもらうことができます。また、業者のブランドを使うことで競合を参入しにくくさせることもできるでしょう。
競合は勝機があると考えるために参入してきますので、トランクルーム業者のブランドを背負えば、「新規で参入しても勝てそうにない」と思わせることができます。
また、土地の広さに余裕があれば、他の土地活用と一緒にはじめることで相乗効果を生みだすこともできます。例えば、土地の一部をコンビニに貸し、残りの部分でトランクルーム経営を行うことで収益源が2つになることから収益性が高まると同時にリスクも分散させることができます。
トランクルーム経営の失敗例④
税負担が上がってしまい収支が合わない
トランクルーム経営には、節税効果がありません。
特に、住宅が建っている土地でトランクルーム経営を始める場合、これまで以上に税金を負担する必要があります。家が建っている実家の土地などを活用しようとしている方は注意してください。
土地の上に住宅が建っていると「住宅用地の特例」という固定資産税や都市計画税の優遇措置を適用することができます。しかし、トランクルーム経営では住宅となる家屋は設置しないためこの特例は適用されず、固定資産税や都市計画税の納税負担は更地の状態と同じになります。
また、固定資産税はトランクルーム自体にも課税されます。
このように、税負担が増えることで収益を出せたとしても赤字となるケースはあります。
対策方法
トランクルーム経営を行う上では、初期費用をかけすぎないというのが鉄則です。理由としては、収益額の小ささがあげられます。
少ない収益で大きな利回りを生み出せるというのがトランクルーム経営の魅力です。月々数千円~1万円前後の賃料であるトランクルーム経営では、費用をかけすぎると投資回収が一気に難しくなってしまいます。
一部屋あたり数万円の収益が狙えるアパート経営などであれば巻き返すことも可能ですが、トランクルーム経営ではスペースを貸し出すだけであり差別化要素も少ないのでそれも難しいです。
トランクルーム経営を始めるにあたっては、初期費用と予想される収益から余裕を持った収支シミュレーションを行うようにしましょう。
トランクルーム経営の失敗例⑤
リスク対策がおろそかで信頼性がなくなる
トランクルームでは、アパート経営とは異なり誰が部外者かわかりずらいので第三者が侵入しやすいです。誰でも簡単に出入りできてしまう屋外トランクルーム経営の場合は、特に注意が必要でしょう。
侵入後、鍵や扉を破壊しこじ開けられてしまったり、屋外ではコンテナごと盗難される可能性も決してゼロではありません。盗難が起こると、ほかの利用者にとっても不信感や不安が募り解約につながってしまうといった二次的被害も考えられます。
一度でも悪評がつき利用者が離れていくと、集客のしづらさや収益性の低さから損失分を取り返すことは非常に困難となります。
対策方法
一度盗難等が発生してしまうと、既存の利用者が離れたり新規の利用者がつきにくくなる場合がありますので、防犯対策は忘れずに行うようにします。
スペースごとの施錠や敷地をフェンスで囲うといったことはもちろん、監視カメラや警備会社のセキュリティシステムを導入するなども有効な対策です。
ただし、防犯対策に費用がかさむと収支に与える影響が大きいのでトランクルームの規模などを考慮しつつ最低限の防犯対策を行うようにしましょう。
トランクルームの経営方式
トランクルーム経営は、物置スペースを貸し出すことで賃料を得る土地活用・不動産投資ですが、その経営方式はいくつかあります。
経営方式はトランクルーム経営の失敗対策として非常に重要なポイントですので、ここでしっかりと理解しておきましょう。
4つの経営方式とその特徴
トランクルーム経営には、以下のように4つの経営方式があります。
- フランチャイズ方式
- 一括借り上げ方式
- 管理委託方式
- 自営方式
後で詳しくご紹介しますが、経営方式のなかでもフランチャイズ方式と一括借り上げ方式が最も失敗しづらいといえます。これは、トランクルーム経営ではいかに効率良く集客を行うかが成功のカギを握るためです。
そのため、特別な事情がない限りはこの2つの経営方式で始めることをおすすめします。
まずは、それぞれの経営方式について詳しくご紹介します。
フランチャイズ方式
フランチャイズ方式は、いわゆるのれん分けです。大手トランクルーム業者の看板と経営ノウハウをもとに、自分でトランクルームを経営する方式となります。
フランチャイズ方式の内容は業者ごとに異なりますが、多くの場合は本部から業務サポートを受けることができます。具体的には、事務作業や巡回の代行、顧客管理システムの提供などを受けることができるようです。
ただし、フランチャイズに加盟すると毎月ロイヤリティを業者に支払う必要があります。目安としては、売り上げの10%程度を見ておくとよいでしょう。
一括借り上げ方式
一括借り上げ方式は、土地オーナーが用意した土地やトランクルームを業者が借り上げる方式です。業者は、オーナーから借り上げたトランクルームと土地を使い経営を行います。
一括借り上げ方式では、経営を全て業者に任せることができます。また、収益は固定賃料となりますので、収益が安定していることもメリットでしょう。
ただし、運営会社によっては借り上げ料金があまりにも低い場合などがあります。初心者にも取り入れやすい方式ですが、優良な運営会社の厳選が成功のキーポイントです。
管理委託方式
業務委託方式は、トランクルームの土地や建物は自分で用意しますが、管理や利用者募集などを業者に委託する方式です。管理業者には、委託料金を支払う必要があります。また業者によっては、突発的な修繕費用などは別途オーナーに請求するところもあります。
しかし、それ以外の収入はすべて自分のものになります。専門業者は利用者募集などのノウハウなどを持っているため、初心者にも参入しやすい方式です。
自営方式
自営方式は、土地や建物から全て自分で用意し、開設から経営まですべて自分で行う方式です。こちらでは、オーナー個人が利用者とトランクルームの賃貸契約を結びます。利益が一番見込めるタイプですが、経営ノウハウなどを知らなければ思ったような収益は望めません。上級者向けの経営方式です。
業者と契約すると失敗しづらい
トランクルーム経営は、他の土地活用や不動産投資と違いそもそも利用者を見つけることが難しいです。そのため、業者のサポートに期待できるフランチャイズ方式や一括借り上げ方式ではじめることをおすすめします、
経営上ネックとなる集客においても、これら2つの経営方式であれば大手トランクルーム業者と契約することで広告や利用者募集をオーナーの代わりに行ってくれます。また、集客だけでない様々なサポートを受けることができますので、副業としてトランクルーム経営を行う方でも始めやすいです。
低リスク高利回りがメリットのトランクルーム経営ですが、貸しスペースを設置すれば収益になるというほど甘くはありません。経営ノウハウを抑えていないと収益を得られないことも普通ですので、トランクルーム経営を始めるなら事業者と契約することをおすすめします。
トランクルーム経営を始めるならプロに相談
トランクルームの市場が拡大するなかで、他の経営者との差別化を図るにはプラスアルファのサービスを取り入れることも必要です。そのため、どの事業者と契約するのかは非常に重要なポイントになります。
トランクルーム経営を検討する際は、まず複数の専門事業者に相談し運営実績やプラン内容を慎重に検討する必要があります。
記事のおさらい