アパート経営を始めるなら10室を目指そう!確定申告でお得に節税

アパート経営を始めるなら10室を目指そう!確定申告でお得に節税

アパート経営を始めたら、収益は不動産所得として確定申告しなくてはいけません。黒字になれば所得税と住民税が課税されます。確定申告をするためには、普段から帳簿をつけて申告の時期には多くの書類を作成しなくてはいけません。同じ確定申告の手間をかけるのなら、小規模なアパートよりも10室以上のアパートを購入したほうが節税効果が高まると言われています。

初めてのアパート経営の場合、購入金額も安くて管理の手間もかからない、数室程度のアパートから始めようという方が多いのですが、小さなアパートでは節税効果は期待できません。

この記事では、10室以上のアパート経営でどうして節税効果が期待できるのか、その理由と、10室以上のアパート経営で節税のために必要な諸々の手続き、10室以上のアパート経営を軌道に乗せるためのポイントなどについて詳しく解説します。

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10室以上のアパート経営をする4つのメリット

アパート建築の2つの構造

アパート経営をするのなら、数室程度の小規模なアパートよりも、10室以上ある少し大きめのアパートのほうが大きなメリットを得られます。小規模なアパートよりも10室以上のアパートにはどのようなメリットがあるのか、4つのメリットについて解説します。

確定申告で控除額アップ

アパート経営やマンション投資などの不動産投資を行って得た収益は、毎年、確定申告で不動産所得として申告しなくてはいけません。確定申告には手続きがシンプルで帳簿も簡易的なものでいい白色申告と、正式な規則に則って作成された帳簿と事前の届け出が必要な青色申告があります。

青色申告にすれば最高10万円または最高55万円の特別控除を受けられます。10万円と55万円の違いとは、事業的規模で事業を展開しているかどうかの違いです。不動産経営において事業規模とは、アパートやマンション経営であれば10室以上、一戸建てであれば5棟以上が目安とされています。

アパート経営で10室以上というのは、最大で55万円控除を受けられる青色申告の特別控除を受けるための条件になります。

青色事業専従者給与の適用で節税

事業規模と認められれば、青色申告の事業専従者給与を適用できます。これは、事業に当たる家族への報酬を申告できるというものです。

白色申告であれば年間の金額が配偶者が86万円、その他の親族は1人あたり50万円までと申告できる経費の上限が決められています。しかし、青色申告では上限金額が定められていません。

実態からかけ離れた金額を申告するのはNGですが、妥当性のある金額の範囲内で自由に家族への報酬を設定して申告できます。

将来の取り壊しで経費の範囲が拡大

アパートはいずれ取り壊して立て直しが必要になります。取り壊したときには、アパートの建物という固定資産がなくなってしまうことから除却損として計上できます。

しかし、事業規模であるかないかで固定資産の除却損の取り扱いが全く違ってきます。事業規模である場合には、取り壊しにかかる費用を全額除却損として計上できます。収入よりも除却損のほうが大きい場合には赤字として計上できます。

しかし、事業規模でない場合には除却損が生じた年の不動産所得の限度額までしか計上できません。つまり、除却損を赤字として計上できずに所得が多く計算されてしまいます。

取り壊しのときに、10室以上ないと赤字として計上できないので、課税額が増えてしまいます。

多いほど空室によるリスクが減少

部屋数が多ければ多いほど、1室あたりの入居率の割合は少なくなります。部屋数が少ないと1室あたりの入居率の割合が高くなります。ということは、部屋数が多ければ多いほど、空室が出た際の家賃収入の減少幅を小さく抑えることができます。

例えば、10室のアパートであれば2室空室があっても入居率は80%です。現在の入居率の平均は70%から80%なので、2室空室があってもそれほど問題はありません。しかし、4室しかないアパートであれば、1室空室が出てしまったら入居率は75%になってしまいます。2室空室になれば入居率は一気に50%まで低下してしまい、満室時の半分の収入しか得られなくなってしまいます。

アパートの部屋数が多ければ多いほど、管理費の支払額も退去時のクリーニング費用も大きくなります。しかし、順調に入居者を集められる物件であれば、部屋数が少ない物件よりも空室リスクによる収入減少のリスクは大幅に軽減できます。

10室以上のアパート経営で必要な手続き

アパート経営で青色申告の事業規模での節税効果の恩恵を受けるためには、必要な4つの手続きがあります。4つの手続きを行わないと、10棟以上のアパートを購入して経営を始めても、青色申告の事業規模での節税効果を得られません。こちらでは、必要な4つの手続きの内容について解説します。

事業として認めてもらうために開業

まず、アパート経営を始めたらすぐに行った方がいい手続きが、開業届の提出です。開業届とは、個人事業主が事業を開業したことを税務署に届けるための書類です。事業を開始したら1ヶ月以内の届け出が義務付けられていますが、提出しなくても特に罰則などはありません。

しかし、開業届を提出していないと青色申告できないので、10室以上のアパート経営で青色申告の事業規模での節税効果を得たいのなら必ず届け出をしておきましょう。

開業届は所定の用紙に必要事項を記載して、印章を押して事業所の住所の最寄りの税務署へ提出します。郵送でも可能ですが、控えをもらえない可能性があるので税務署へ出向いて提出したほうがいいでしょう。開業届の控えは補助金の申請などで必要になることがあります。

開業届の用紙は国税庁のホームページの「個人事業の開業届出・廃業届出等手続」からダウンロードできます。もしくは、最寄りの税務署でも入手できます。

青色申告をするため確定申告前に承認申請

青色申告するためには青色申告承認申請書の提出も必要です。青色申告承認申請書とは、正式名称を「所得税の青色申告承認申請書」といいます。

青色申告をしたいのなら必ず期限までに提出しないと、青色申告での確定申告ができません。青色申告承認申請書を提出して受理されていないと、せっかく青色申告の書式を苦労して作って確定申告しても、自動的に白色申告となり節税効果を得られなくなるので注意しましょう。

青色申告承認申請書は所定の用紙に必要事項を記入して最寄りの税務署へ提出します。用紙は国税庁のホームページの「所得税の青色申告承認申請手続」からダウンロードできます。提出期限は青色申告での申告を開始する年の3月15日までです。3月15日以降に事業を開始した場合には、事業開始日から2ヶ月以内に提出します。開業届と一緒に提出するのがおすすめです。

経費を決めて青色事業専従者給与の届出

家族を従業員にして専従者給与を控除するためには、青色事業専従者給与の届け出が必要です。青色事業専従者として控除するためには次のすべての条件を満たしていることが必要です。

  • 青色申告を行う人と生計を同一にする配偶者または親族であること
  • 15歳以上であること
  • 青色申告の事業に6ヶ月以上専従していること

ここで気をつけたいのが専従の条件です。青色申告の専従者として認められるためには、働く仕事が青色申告する事業のみでなくてはいけません。15歳以上でも高校生や大学生などの学生は学業が本分なので専従者としては認められません。また、日中はパートに出ていて、空いた時間で経理やアパートの掃除をしているような場合も認められないと考えましょう。

年に数回程度の単発のアルバイト程度なら専従者として認められる可能性が高いのですが、日常的に学業や他の仕事をしている人は専従者にはなれません。

帳簿を付けて期間内に青色申告

確定申告するためには日々の収支を帳簿につけていく必要があります。以前は白色申告では帳簿は義務付けられていませんでしたが、現在は白色申告でも義務化されています。アパート経営を始めたらしっかりと領収書を保存して、こまめに帳簿に記載していきましょう。

青色申告する場合には、複式簿記での記帳が必要です。複式簿記は簿記の知識がないと難しいのですが、現在は青色申告用の優れたアプリやWebサービスがあります。アプリやWebサービスを利用すれば、簿記の知識がなくても領収書の内容を入力するだけで自動的に複式簿記にまとめてくれます。申告書の作成もできるので、青色申告をする場合には青色申告アプリなどの活用を検討しましょう。

青色申告では電子申告のe-Taxで行うと、最大55万円の控除が65万円になります。e-Taxでの申請には事前の電子申請ための申請や電子証明書の取得などが必要です。詳しくは最寄りの税務署に問い合わせるか、e-Taxのホームページをご覧ください。

10室以上のアパート経営をするポイント

アパート経営で10室以上の部屋数を最初からいきなり所有するのは難しい場合もあるでしょう。

10室以上あるアパートを購入するとなると、それなりに購入費用も高額になります。いきなり10室以上のアパートを購入したら、人気のない物件で入居率が思うように上がらず、想定していた家賃収入が得られない、ということにもなりかねません。

10室以上のアパート経営をするというのは、経営の規模としてはそこそこの規模になり、リスクも大きくなります。10室以上のアパート経営を順調に進めるためのポイントをいくつか解説します。

無理のない範囲で経営を拡大

いきなり最初から10室以上のアパートを購入するのはリスクが高すぎるという方もいるでしょう。まだアパート経営の実績がない方には、10室以上のアパートを購入するのに十分な金額を貸し付けてくれる金融機関も見つからない可能性があります。最初は4室程度の小規模なアパートからはじめて、手元にある程度の資金を残しておけるようにした方がいいでしょう。

青色申告の事業規模と認められる10室以上というのは、必ずしも1棟だけで10室そろえる必要はありません。1棟の経営が上手くいったら、2棟、3棟と増やして、合計で10室を超えることを目指すといいでしょう。

専門業者に管理を委託

10室以上のアパートを管理するということになると、管理の手間もかなり大変です。部屋数が多いと共有部分も広くなるため、掃除の手間もかかります。入居者の入れ替えも小規模なアパートよりも頻繁になります。

経費を節約するために、本業の合間に自分で管理している大家さんも多いのですが、部屋数が多くなると管理が行き届かなくなるか、忙しすぎて本業に支障が出てきます。

管理会社へ管理を委託して、日常的な管理や入居者募集、入居者からの苦情の受付などを委託した方が、自分で管理する手間を省けるのでおすすめです。費用はかかりますが、24時間365日いつでも管理会社に対応してもらえます。

自分は管理会社からの報告を受け取り、月に1回程度見回る程度でいいでしょう。

本業は辞めないで安定した収入を確保

いきなり脱サラしてアパート経営に乗り出す方もいますが、アパート経営などの不動産投資はローンの返済が終わるまでは、得られる収入はそれほど多くありません。資産を増やすためには物件を増やしていくしかありませんが、アパート経営などの不動産投資でいきなり多額の資産を増やすことは不可能です。

そのために、脱サラをしていきなりアパート経営に専業で乗り出すのではなく、本業を続けて収入源を確保した上で、副業としてアパート経営を始めましょう。どうしても現在の仕事を辞める場合でも、アパート経営以外の収入源を確保した上で、アパート経営も同時並行で進めていくことをおすすめします。

他の不動産投資を組み合わせて事業規模を達成

アパート経営での事業規模として認められる10室というのは、1棟に10室ある必要はありません。アパートだけではなく他の不動産投資の資産と組み合わせることで、アパート10室分にするのもおすすめです。

事業規模として認められる規模は、一戸建てなら5棟からなので、一戸建ての貸家を1棟持っていればアパート2室分です。貸駐車場なら2台分でアパート1室に換算されます。ワンルームマンションならアパートと同じ1室として計算できます。

例えば、実家の一戸建てを貸家に出し、ワンルームマンションと6台分の貸駐車場を持っていれば、アパート6室分になります。4室のアパートがあれば10室分として計算できます。

将来は事業の法人化を検討

節税効果を狙うのであれば、将来的な法人化も視野にいれることをおすすめします。

法人化することで、課税所得への税率に法人税率が適用されます。一定額を超えると法人税率のほうが節税効果が高まります。また、赤字が出た場合の損失を複数年に繰り越すことができたり、家族を役員にして役員報酬を支払うことで、給与所得控除による節税効果を得られます。

ただし、アパート経営を始めたばかりの頃には法人化をするメリットはほとんどありません。いきなり法人化すると、法人化するための費用がかかったり、金融機関からの融資を受けにくくなったりといったデメリットのほうが大きいのですが、ある程度事業規模を大きくしていくつもりなら、将来的な法人化の準備も進めていきましょう。

法人化する目安は、給与所得やアパート経営以外の事業所得との合計が年間で1,000万円を超えてからです。まずは、総所得1,000万円を目指しましょう。

10室以上のアパート経営をする注意点

10室以上のアパート経営は節税効果も高く、小規模なアパート経営よりも大きな収入を得られる可能性が高まります。しかし、いくつか注意しなくては行けない点もあります。10室以上のアパート経営を事業規模で進める上での注意点を3つ解説します。

10室以上のアパート経営で就業規則違反の可能性

会社員に不動産投資がおすすめだと言われる理由は、不動産投資は副業ではなく投資として認められるためです。マンションやアパートを購入して賃貸に出すことで賃貸収入を得る不動産投資は、株式投資やFXなどと同じような投資活動とみなされることから、副業禁止の会社に勤めていても始めることができます。

しかし、副業禁止の会社の場合、10室以上の事業規模になると副業とみなされて、就業規則違反になる可能性があります。特に、副業は厳禁の公務員は事業規模での不動産投資は懲戒処分の対象になる可能性があるので注意しましょう。

実際に消防署の職員が不動産投資で年間7,000万円の利益を得ていたとして、減給処分を受けた事例があります。バレなければいいという声もありますが、現在は開業届や確定申告がすべてマイナンバーとひも付けられるので、完全に会社にバレないのは難しいと考えたほうがいいでしょう。

1棟での10室以上は災害のリスクが高い

近年は自然災害が多発しています。地震や台風、線状降水帯による大雨での土砂災害や洪水の被害が、日本の各地で多発しています。崖下や山の下に建てられていたアパートが丸ごと土石流に押し流されて、住人の多くが亡くなったという痛ましいニュースも時折耳にします。

1棟で10室以上のアパートの場合には、このような災害リスクがとても高い点には注意しましょう。同じ建物や近い場所に10室のアパートがある場合には、1回の災害ですべての部屋が被害に遭ってしまう可能性があります。

もちろん、火災保険や地震保険に入っていれば、建物の建て替えや修繕に必要な費用は支払ってもらえます。しかし、住民が亡くなったり、住めなくなったりしてしまったら、家賃収入は途絶えます。家賃収入が途絶えても、ローンの支払は待ってくれません。

複数のアパートを分散させて所有していれば、万が一1棟が災害に見舞われても、他のアパートからの家賃収入を確保できます。アパートを購入するときには、事前にハザードマップをよく確認して、災害リスクがどのくらい高いのかを確認しましょう。その上で、災害リスクを避けられない立地であれば、同じ場所に10室のアパートを構えるのではなく、小規模なアパートを場所を変えて複数持つことで10室以上にするようにしましょう。

青色事業専従者給与で一部の控除が使えない

青色申告で家族を専従者とした場合、その家族に対するその他の控除を受けることができなくなるので注意しましょう。家族がいる人は、配偶者控除を最大38万円、扶養控除を38万円から63万円までの間で受けることができます。

しかし、家族を青色申告の専従者給与として申告した場合には、その家族に対する配偶者控除や扶養控除を受けることができなくなります。青色申告の専従者に家族を設定する場合には、給与として設定する金額が配偶者控除や扶養控除を上回る節税効果を得られる金額に設定する必要があります。

どのくらいの金額に設定すれば、配偶者控除と扶養控除よりも節税効果が高くなるのかわからない場合には、税理士などの税の専門家に相談することをおすすめします。

アパート経営は10室を超えても問題ないか確認してから事業拡大

アパート経営をはじめて経営が順調で、家賃収入も順調に入ってくるようになると、物件の数を増やしていきたいと思うようになるのは自然なことです。

アパート経営やマンション投資で10室所有というのは、不動産投資での成功を目指す人にとっては一つの目標となる数字でしょう。しかし、特に正社員や正規の公務員の場合には、10室以上のアパート経営を事業規模で行うことは、副業禁止の規定に違反する可能性があるので事前に確認が必要です。

親から相続した不動産などでやむを得ない場合には、会社に相談することで許可されることもあるので、10室以上になりそうな場合には、事前に相談してみたほうがいいでしょう。

事業を拡大することに何の問題もないようであれば、10室以上のアパート経営は資産を増やすための一つの大きなターニングポイントになります。いきなり10室以上のアパートを入手することは難しいでしょうが、徐々に建物を増やして10室以上の経営を目指して頑張りましょう。

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