土地を高く売りたいと売却を検討している人なら誰しも望んでいることですが、「高く売るために具体的に何をしたらいいか分からないから動けない。」というのが本音ではないでしょうか。
人生の中でも土地を売却する機会は多くないので、実践的に使える高く売るための方法を知っている人はごく一部の人です。
この記事では、不動産会社も実践している土地を高く売るための方法を10つ紹介し、万が一売れない場合の土地の対処方法まで解説します。
「まずは土地売却の基礎知識を知りたい」という方は、こちらの記事をご覧ください。
【初めての方向け】土地を高く売る方法
初めて土地売却を検討している方向けに、土地を高く売るためにまず、抑えていただきたい方法を4つに絞りました。
古家がある場合はまず壊さずに売る
建物付きの土地を売りたいなら、建物の築年数や状態にもよりますが、まずは壊さずに売り始めるのがオススメです。土地利用の自由度が高い更地の方が売れやすいと言う人もいますが、必ずしもそうとは言い切れません。
特に、立地条件の良い土地であればまず古家付きで売却を検討してみましょう。
更地であれば、そこを利用するにしても使い方が「建物を建てる」か「駐車場」など限られてしまいます。一方で建物があればそこを賃貸することもできますし、立地条件の良い場所であれば、その収益力は更地よりも高くなります。
また、売り主の出費の観点で、建物を解体し更地にすると土地にかかる固定資産税の特例が無効になるため、固定資産税が最大で6倍になります。更地にして売れなかった場合を考えると、売り出し前から更地にするのはリスクが大きいと言えます。
加えて、古家を解体するにしても費用がかかるので、まずは古家付きで土地を売り出し、売れない時に解体を検討するという流れがオススメです。
建物付きのまま土地を売ることは買い主側にもメリットがあります。古家付きの土地の場合は更地に比べ買い主が住宅ローンの融資が受けやすいといわれているため、買い主は住宅ローン融資が受けられることを見越して、高値でも購入しやすいというわけです。
古家付きの土地の売り方を詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
値上がりのタイミングで販売する
高く売るには「相場が高い時期に売る」のが鉄板の方法です。土地の価格は景気状況に大きく左右されます。その状況を利用して景気が良い時期に土地を売り出せば高く売れやすくなります。- 土地価格が高い時期をどうやって判断するの？
土地の相場価格調べる方法はいくつかありますが、実勢価格で調べる方法が最も簡単です。
実勢価格から相場を調べる方法
実勢価格（じっせいかかく）とは、実際に売れた価格のことです。簡単に実勢価格を調べたい場合、国土交通省の「不動産取引価格情報検索」がおすすめです。全国の土地や戸建て、マンションが対象となっており、3か月に1回のペースで価格が見直されています。下記の手順で見ていくと、取引価格が見れるので近隣の相場を把握できます。
- 「取引時期」を選択
- 「種類」で「中古マンション」を選択
- 「地域」を選択し
- 「この条件で検索」をクリック
上記の手順で進めていくと、下記のような一覧を見ることができます。近隣の土地の取引総額を面積で割って単価を計算し、お持ちの不動産の面積で考えた場合の価格を算出してみましょう。
値下げを見越した価格設定をする
売り主ができるだけ高く売りたいと思うのと同じで、買い主は土地をできるだけ安く買いたいと考えています。そのため、多くの場合売買契約前に価格交渉が行われ、成約する価格は売り出し価格よりも安く取引される可能性があります。そのため、土地の売り出し価格は値下げを見越して決めましょう。東日本不動産流通機構の調査によると売り出し価格と成約価格の差が87.5％あると分かっています。
この値下げを見越して相場価格から1割程度加算した価格で売り出すことで希望価格により近い価格での売却を可能にします。
高すぎる価格設定は論外ですが、想定外に低い価格で売るのを避けるために、値引きを前提で売り出し価格を設定しましょう。
- 1割程度は値下げするんだね・・
複数の不動産会社に査定を依頼する
土地を高く売りたいなら、査定は複数の不動産会社に依頼しましょう。複数の不動産会社に査定した方があなたの土地を高く売ってくれる会社に出会うチャンスが広がります。さらに土地の相場を正しく把握でき、さらに会社の対応やスタンス、担当者の人柄なども分かるので、どの不動産会社が一番知識を持ち、親身になって売却をサポートしてくれるか比較検討もできます。- でも複数の不動産会社に声をかけるのって手間がかかるんだよね…
- そんな時は一括査定サービスのイエウールを使いなさい！
査定依頼をするなら「イエウール」を使おう！
イエウールは土地の住所などいくつかの項目を入力するだけで、全国の不動産会社からあなたの土地を高く売ってくれる会社に最大6社も査定依頼ができます。
さらにイエウールは提携先企業数は2300社と業界No1、さらに大手不動産会社の提携者数も業界No1です。なので販売力に優れた大手から見た価格と、地域のニーズを知り尽くした会社からみた査定額の両方を知ることができます。
「すぐに土地の査定結果を知りたい！」という方は利用者数が28000人超の不動産一括査定サービスのイエウールを使って査定結果を調べてみましょう。
【上級編】土地を高く売る方法
初心者向けの基本的な土地を高く売る方法をすでに準備できた方は、次は、もう少し具体的に高く売るための対策をしていきましょう。
隣地との境界を調査し「容積率」を明確にしておく
ずばり！土地の境界が明確だった方が高く売れます。境界が不明確ということは、土地の面積があいまいなので建築規制上のルールで売却価格が下がる可能性があるのです。さらに隣人トラブルのもとになるので買主も購入したくはないでしょう。- 何で境界を定めないと高く売れないの？
- 土地の境界はどうやって確認するの？
土地の境界が定まっているかどうかは、確定測量図という書類で確認できます。
画像元：盛岡地方法務局
確定測量図は土地の境界を確定していることを証明する書類で、お近くの法務局の窓口で入手できます。
確定測量図がない場合は土地家屋調査士に依頼して「確定測量」という手続きが必要です。「確定測量」とは土地の境界を確定させる測量のことです。また、土地の所有者だけでなく、隣地の所有者の立会いの下で行われるのでお隣さんが1人でもその調査を承諾してくれなければ、境界線の確定ができません。
万が一隣人から承諾を得られなかった場合は、「額縁分筆」という方法を使って売却します。簡単に言うと、境界のはっきりしない隣地に接する土地をごく一部だけ切り出して売り出すことです。
土壌汚染や地中埋没調査をしておく
土壌汚染調査をしておくのも高く売る方法の1つです。土壌汚染がないと分かっていれば買主は安心してその土地を購入できるため高く売りやすくなるからです。以下のような土地では土壌汚染の疑いがあります。- 昔ガソリンスタンドがあった工場の跡地だったクリーニング店があった病院があった焼却施設があった
- 調査はどこに依頼するの？
- 調査に費用はいくらかかるの？
調査はフェーズⅠ地歴調査（簡易調査）やフェーズⅡ表層調査（二次調査）、フェーズⅢ詳細調査（三次調査）の3種類ありますが、すべてを行う必要はありません。土壌汚染の可能性を調べて、疑いがあるようだったら簡易調査から調査を行っていきます。
簡易調査で問題がなければ、フェーズⅡ表層調査以降の実施は不要です。
簡易調査の内容
古い地図や地形図、地質図、登記簿、航空写真といった資料を見て調査を実施。行政調査や土壌汚染なども可能で、費用は15万円程度です。二次調査の内容
簡易調査で汚染の可能性がある場合にさらに詳しく行う調査です。土壌ガスや表層の重金属系、ダイオキシン系の汚染状況を調べる表層調査を行います。費用は900㎡で30万円から60万円程度です。三次調査の内容
二次調査で問題があった場合に、さらに詳しく調べる調査です。ボーリング調査や地下水調査を実施して汚染状況を調べ、費用はボーリング1カ所につき15万円程度です。地歴調査で「問題なし」と判断されても安心してはいけません。土地を売る場合は、土壌汚染に関しては売買契約時に免責特約を締結しておくことをお勧めします。
地盤調査をしておく
地盤調査をするのも高く売る方法の1つです。土地に建物を立てる場合は地盤の硬さや地震の際に液状化のリスクがないかを心配する人もいます。特に最近は東日本大震災の影響で地震に注目が集まっているため、頑丈な地盤上にある土地は高く評価されるでしょう。
実際に、売主が調査を行った「地盤調査済物件」でなければ、購入しないという業者も増えています。
調査をする場合は専門業者に5万円程で依頼が可能なので、調査をしていない場合はやっておきましょう。
- 必ず売主が調査費用を負担しないといけないの？
ちなみに地盤調査は半日程度で結果が分かるので、買主が土地見学を実施する前にしておくのがオススメです。
地盤調査を行って何も問題がなければ、強気で値段交渉に臨めるでしょう。
もし地盤に問題があった場合は調査会社から土地状況に応じた地盤改良工事を提案されるので、実施の判断は不動産会社と相談しながら判断しましょう。
隣地を買い足して販売する
隣地を買い足してまとめて売り出した方が高く売れやすくなる場合があります。- 例えばどういう場合なの？
そんな場合は隣接している前面道路の広い土地を買い取った上で売却するという方法もあります。
この方法は初めて土地を売却する人にはハードルが高いので、不動産会社と相談しながら進めていくとよいでしょう。
分割して販売する
前章で説明した方法とは逆に、土地を分割して売却し高値をつける場合があります。土地が広い土地を売り出しても、広すぎて需要が小さく売れないことがよくあります。一般的に、戸建住宅の敷地となると40～80坪程度が標準的です。もし100坪以上の土地を売却するなら、買主としては中途半端な広さです。そんな時は敷地を一部だけ切り取り売却すれば、買いやい状態となり、残りの土地は自分で利用できます。
- 分割する時はどんな手続きが必要なの？
分割して販売する際の注意点として、土地を2つ以上に分けた後、分けた複数の土地をすべて一般市場に売却することはできません。
例えば上図のように4分割した場合は一つの区分しか売却できません。もし全ての土地を売却したいなら宅地建物取引業の免許が必要です。広い土地を分割しても売れない方は宅地建物取引業の免許を持っている不動産会社に買い上げてもらえば、広い土地を一度に売却できるので高値で買い取ってもらえるかもしれません。
隣人に売る
隣人に売却の話を持ち掛けてみるのも一つの方法です。隣人はあなたの土地を購入することで、隣人の土地の価値を高められる場合があるからです。例えば下図のAのように使い勝手が悪い形状の土地（坪10万円）と使い勝手の良いBという土地（坪20万円）があるとします。
Aの所有者がBの土地を購入できれば、整形な土地となるので高値で買い取ってもAの所有者も得をするのです。
このように隣人だからこそ高く買い取ってくれる理由があるので、隣人に声をかけてみるのも一つの手です。
高額売却に成功した事例
戸建てとセットで土地の高額売却に成功（65歳男性）
| エリア：千葉県柏市 | 大きさ：198平米 |
|---|
Q1：土地を売却したきっかけは何ですか？
30年前に家を購入して当時は家族4人で住んでいました。ただ、20年前から2人の子供が独立して10年間ほど妻と2人で住んでいました。そんな時妻から駅チカのマンションに引越してみない？と話をもらって家の売却を検討し始めました。その後不動産会社に相談してみると築30年の木造戸建てだと価格はつかないと言われたのですが、思いのほか土地が高く売れることが分かりました。できるだけ住み替え費用が欲しかったので家と土地をセット売却してみようと思いました。Q2：高く売却するために工夫したことはありますか？
不動産会社から査定をしてもらった額よりも高めの価格で売り出しました。不動産会社からもらった近隣の売り出し情報を見ていると、私の土地は学校や病院など公共施設が近く比較的利便性は高いこと分かりました。また、値下げ交渉もあると思っていたので査定額よりも10%程高く売り出しました。あとは最近リノベーションが流行っていると聞いていたので家は取り壊さずに売り出しました。
結果的には2か月程かかりましたが購入希望者は見つかり無事に売り出し価格のまま売れました！直近だと地価も上がっていたのでそれを見越して定価のまま購入してくたみたいでした。
Q3：高く売りたいと思っている人にアドバイスをお願いします
「不動産会社の選び」はとても大切だと思います！私は2社に査定をお願いしたのですが、ある会社の営業マンは高く売るための方法を丁寧に説明してくれてとても参考になりました。もう一方の営業マンは特に手厚いフォローもなく「会社によってこんなに差があるんだ！」と驚きました。手厚くフォローしてくれる不動産会社に出会うには複数の会社を査定をお願いするのがオススメです。
査定の提案の際に営業マンの良しあしが分かると思うので、比較しながら信頼できる会社を見つけていくと良いですよ。
売れない土地の対処方法は？
「土地を高く売りたいけどなかなか売れない」という場合もあります。ただ、売れないからといってそのまま所持していると固定資産税を毎年支払わなければいけませんよね。この章では売れない土地を売るための対処方法を２つ紹介します。万が一あなたの土地が売れない場合は参考にしてください。
不動産会社に買い取ってもらう
個人で買主が見つからない場合は不動産会社があなたの土地を買い取ってもらいましょう。買取だと売却価格が相場の7～8割程度になりますが必ず現金が手に入るメリットがあります。また買取保証という制度を使えば、一定期間内に土地が売れなかった場合に不動産会社が査定した価格の7～8割程度で土地を買い取ってくれます。買取保証を付けていれば売れ残ることはないので、安心して土地を売り出せるでしょう。国に買ってもらう
個人も法人でも買い手がつかない場合は国に土地を売却してもらう事も可能です。例えば道路、鉄道整備、公共施設の建設など国が運営している施設の建設予定ができたタイミングで募集が出ます。しかし、この方法は自分で好きなタイミングで売れないというデメリットがあります。非常に稀なケースですが万が一売れない場合は国に売ることができないか不動産会社に相談してみるとよいでしょう。その他で、思い入れのある土地や、資産性のある土地なら手放さずに活用するという選択肢もあります。さまざまな土地活用方法を一括で比較検討したいとき「イエウール土地活用」を使えば、無料で最大10社の活用プランを受け取ることができます。
まとめ
今回は土地を高く売るための方法を10個紹介しました。買主は土地の情報をできるだけたくさん集めて知りたいと思っています。情報のない土地は不安なのです。
そのため、土地を売却するときには買主に対して、土地の情報を正直に与えてあげることが大切になります。
また、土地のアピールポイントをたくさん発掘しておくことも重要です。
「土地の周辺環境」「近所に大学がある」「都心までのアクセス環境が良好」など、どんなことでも土地のアピールポイントになります。
そして土壌汚染の調査や地盤調査なども重要。
細かく調査することで買主に安心感を与えることができ、土地売買の交渉もスムーズに進むことでしょう。
初心者でもわかる！記事のおさらい
不動産の査定や売却に関してよくある質問をピックアップしました。土地を高く売る方法が知りたい
高く売るためにやりたいことはいくつもあります。しかし、方法がいくつもあると選べないもの。そこで、イエウール編集部では10まで絞りました。売却を予定している土地でできるものはないか土地を高く売る方法10選 をチェックしてください。古い家がある土地でも売れる？
古い家のある土地でも売れます。よく、土地だけの方がいいのでは…なんて声も聞きますが、必ずしもそうとは言い切れません。古家付きの土地だと金融機関から融資を受けやすかったり、固定資産税を安く抑えることもできます。詳しくは古家がある場合はまず壊さず販売するをご覧ください。土地を高く売った人の体験談を教えて
本当に土地は高く売れるのか？売った人はどんな工夫をしたのか気になるところでしょう。そこで、実際に土地を高く売却することに成功した65歳の男性にお話を伺いました。詳しくは高額売却に成功した事例 をご覧ください。高く売る前に土地が売れなかったら…？
土地を売却するのが初めて、田舎にあって売れるのか不安という方もいるでしょう。高く売る以前に売れない土地はどのように対処すれば良いのでしょうか。売れない土地の対処方法は？で解説します。