土地売却の流れを5ステップを図解とともに解説

土地売却の流れを5ステップを図解とともに解説

土地を売却する際には、計画的に進めることが成功の鍵です。そのために、土地を売却すると決めたら、その後に続く売却一連の流れを理解することが重要です。

この記事では、土地売却の流れを5ステップに分けて、図解で分かりやすく解説します。また、相続した土地や古家付き土地を売る流れ、個人間売買の流れも別途解説します。

「不動産を売りたい」と考えている方へ
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「まずは土地売却の基礎知識を知りたい」という方は、こちらの記事をご覧ください。

土地売却の流れから税金や費用、節税対策、高く売るコツまで解説

【図解あり】土地売却の流れはたったの5ステップ

土地売却の流れは大きく分けて5つのステップに集約されます!

そのため、「土地を売却するためにすべきことが山ほどあって困る…」とお考えの方も安心です。

先ほども申し上げた通り、「土地を売却するにはどの様な流れがあるのか」といった全体像をざっくりと把握しておくことは不可欠です。

また実際の土地売却前に移る前のステップ「0」として、事前情報や必要書類の把握もしておくと、より売却がスムーズに進みます。

以下のツールを使うと、5つの条件を記入するだけで、あなたの状況にあった必要書類リストを知ることができます。

必要書類を簡単にチェック!
条件を入力する
①不動産の種類
②ローンが残っているか
③売却する不動産に住んでいるか
④建築年月
地盤が軟弱なエリアか
タイミング 重要度 書類 内容 取得方法

次の章で土地を売却する際に必要になる各ステップの詳細を解説していきます。

【ステップ1】土地の査定

土地を売却する第一段階は土地の査定です。

査定とは、不動産会社に「その会社が自分の土地を売却したらいくらになるのか」を調べてもらうこと。

査定の流れ - 不動産会社に査定を依頼する

不動産会社に査定してもらう場合のポイントとして押さえておいて頂きたいのは、、査定を依頼する際は、土地を直接訪れ、土地の状態や周辺環境などをチェックして査定してくれる訪問査定を依頼するようにしましょう。訪問査定にかかる時間は土地の大きさにもよりますが、更地であれば30分程度。建物の建っている土地や広い土地の場合は、1時間以上かかる場合もあります。査定の際は、時間にゆとりを持って依頼しましょう。

①査定の依頼

不動産会社に査定依頼を出したら査定を受けます

不動産会社の査定には明確な決まりはなく、査定額は不動産会社によって異なります

訪問査定といって、不動産会社が現地に赴き土地の状態や周辺の環境などをより詳細に見てくれます。実際に土地を売却する際には、訪問査定で出た査定価格を基にいくらで土地を売却するかを決めます。

土地がいくらで売れるのかを明確に知るためにも査定依頼は3社以上に依頼するようにしましょう。

複数社の不動産会社に査定を依頼する際には、一括査定サイトイエウールがとても便利です。一度の申し込みで複数社の不動産会社に査定依頼を出せますし、売却したい不動産に合った不動産会社を紹介してくれます。

イエウールサイト

3社以上の不動産会社を探す手間が省けますし、24時間webで受け付けているので不動産会社の時間に合わせて依頼をする必要がありません。

この査定は無料で、土地の住所・面積・連絡先を記入すれば依頼が完了します。査定の依頼が完了したら、実際に土地を見てもらうために不動産会社と査定の日時を調整します。

②査定の実施・結果の確認

いよいよ訪問査定の日がきたら、不動産会社の担当者が売却予定の土地へやってきます。

不動産会社が査定を行う時間は30分程度。土地の状態や広さによってはもっと早くに査定が終わることもあります。

この査定の際に重要なのは土地の状況を正確に伝えること。土地と周辺の施設の距離感、日当たり、景観など、わかることは正確に伝えるように心がけましょう。それが査定額に影響を及ぼすことも十分にあります。

不動産会社により日数は変わりますが、訪問査定を受けてから約1週間ほどで査定書が届きます。

査定書の送付方法も不動産会社によって異なり、郵送やメールでの送付などさまざまです。査定書が届いたらすぐに開封し、結果を確認しましょう。

査定書の中身を確認したら、各不動産会社にその結果の根拠を聞きましょう。根拠に基づいていた査定額なのかわかると同時に、その対応から優秀な担当者かどうかを見分けることができます。この後の不動産会社選びにおいて、良い不動産会社に仲介を依頼することができるでしょう。

③測量や境界確定測量は済んでいるか確認

土地売却をする際、多くの人が見落としがちになる売却工程の1つが、「測量や境界確定測量」の実施です。

測量は、土地の正確な面積を計測する作業で、境界確定測量は、隣接する土地所有者との間で土地の境界線を明確にすることを指します。この2つが明確になっていないことで、将来の契約時に隣接する土地所有者との間で争いがあったり、購入希望者との齟齬が生まれる可能性があります。

そのため、土地売却に向けてステップを踏んでいるのであれば、早いタイミングで測量がきちんとされているのか確認し、まだされていない場合は、必要に応じて測量を依頼しましょう。

土地の測量や境界確定測量をする際には、不動産の登記の専門家である土地家屋調査士に依頼しましょう。不動産会社の担当者に紹介してもらえる可能性もあるので、まずは相談してみてみましょう。

測量費用は、「現況測量」と「確定測量」の2種類あります。測量の費用の相場は、20万円から90万円ほどです。

【ステップ2】不動産会社選び・媒介契約の締結

査定結果を確認したら、続いて売却を依頼する不動産会社を選び、媒介契約を締結します。

土地の査定の難易度にもよりますが、訪問査定を受けてから通常約1週間ほどで査定書が届くはずです。査定結果が出てきたら、その査定額や査定時の不動産会社の担当者の対応などに納得できれば、その不動産会社に売却の依頼をします。

もし、査定依頼を複数の不動産会社に依頼した場合は、その中から、評価額やサービスの対応がどうだったかを個人で評価し、自分が気に入った不動産会社に依頼することになります。

何度もお伝えしますが、査定を依頼する不動産会社が1社だと査定額の内容や対応を比較することができないので、不動産会社選びを失敗してしまった方も実際にいらっしゃいます。必ず複数の不動産会社に査定依頼するようにしてください。

査定の流れ - 不動産会社と媒介契約を結ぶ

①不動産会社選び

不動産会社は売却活動を行う上で重要なパートナーです。契約する不動産会社によって、最終的な売却価格や売却期間が左右されるほどです。そのため、仲介を依頼する不動産会社を見つけることは非常に重要です。

実際にその不動産会社に不動産売却を依頼した人の口コミや評判を聞くのもおすすめです。不動産会社の口コミを確認するなら、「おうちの語り部」がおすすめです。日本最大級の不動産売却口コミ・評判サイトであり、ご自身に適した不動産会社を見つけることができるでしょう。

不動産会社を選ぶ重要性はわかったけれど、査定をしてもらった複数の不動産会社の中から、どのような基準で選べば良いのか疑問に思う方もいるでしょう。ここでおすすめなのは、査定時にチェックして対応の速さ知識量相性の観点で優れている優秀な担当者のいる不動産会社を選ぶことです。

②媒介契約の締結

不動産売却の仲介を依頼したい不動産会社が見つかったら、媒介契約を締結します。

媒介契約とは、土地を売却するための営業努力を不動産会社に依頼する契約のことをいいます。

媒介契約は「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」「一般媒介契約」の3つの種類があり、この中から1つを選ぶ必要があります。

それぞれの契約方法に特徴があり、売却する土地の条件や売主の希望などによって適している媒介契約が異なります。特徴の違いを以下の表で確認しましょう。

一般媒介契約専任媒介契約専属専任媒介契約
複数の不動産会社と契約を結べる××
自分で買主を見つけて直接取引ができる×
契約の有効期間指定なし3か月以内3か月以内
指定流通機構(レインズ)への登録任意7日以内に登録5日以内に登録
業務状況の報告義務任意2週間に1回以上1週間に1回以上

3つの媒介契約の大きな違いは契約を締結できる不動産会社の数自分で買主を見つけて取引できるかどうか

それぞれの媒介契約について詳しく見ていきましょう。

一般媒介契約とは

一般媒介契約では、複数の不動産会社と契約を結ぶことができます。また、自分で買主を見つけて取引をすることも可能です

一般媒介契約は複数社と契約を結ぶことができる一方、報酬を支払う必要があるのは売却を成功させた1社のみ。そのため、土地が人気なエリアにある場合は複数の不動産会社が「自社こそ売却を成功させて報酬を得る」と意気込んで積極的に売却活動に励んでくれることが期待できるでしょう。

一方、土地があまり人気エリアにない場合は、「自社が頑張らなくても他の会社が頑張って売却してくれるだろう」と思われ、不動産会社の販売活動が消極的になる可能性もあるので注意が必要です。

専任媒介契約とは

専任媒介契約は、仲介を依頼できる不動産会社が1社のみの契約です。また、一般媒介契約と同様に自分で買主を探して取引をすることが可能です。

契約を結ぶ不動産会社が1社であるということは、一見すると出会える買主の数が少なくなって不利だと思うかもしれません。しかし、不動産会社からしてみれば売却活動を行っても最終的な売買契約を他社に持っていかれたら報酬(仲介手数料)をもらうことができないので、本腰を入れての売却活動がしづらいのです。

一方、契約が自社1社のみであれば、ほぼ確実に報酬が手に入るため、不動産会社が積極的に広告宣伝活動を行ってくれるという特徴があります。

専属専任媒介契約とは

専属専任媒介契約とは、専任媒介契約と同様に仲介を依頼できる不動産会社が1社のみの契約です。一方、他の2つの契約と異なり、買主を自分で見つけることはできません

複数社の不動産会社と平行して連絡を取らなくて良いことに加え、自分で買主を探す必要もないため、手間なく売却活動ができるでしょう。

一方で、買主探しを1つの不動産会社に一任することとなるため、不動産会社の力量次第で土地売却の成功・失敗が決まります。そのため、優秀な不動産会社と契約を結ぶ重要性が高まります。しかし、土地売却に強い不動産会社と契約を結べたものなら、一番スムーズな土地売却を期待できるでしょう。

3つの媒介の違いまとめ
  • 複数の不動産会社と契約できるか
  • 自分で買い手や借り手を見つけることができるか
  • 報告義務の有無

レインズとは?

「レインズ(REINS)」とは、Real Estate Information Network System(不動産流通標準情報システム)の頭文字を取った略称で、国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営しているネットワーク・システムのことをいいます。

このサイトは、一般の方は売買できる物件を検索したり、物件の情報をみたり、登録したりすることが出来ません。

理由は、不動産会社間でよりよく不動産情報を共有させることで取引を促進し不動産流通を促すことを目的に作られたサイトであるためです。基本的に、個人の不動産売買を扱う不動産会社では、100%加入していると言えますが、媒介契約によって、登録までの期間や登録の要否が異なります。

【ステップ3】売却活動

不動産会社と媒介契約を結んだら、いよいよ売却活動が始まります。

不動産売却活動は、物件の価値を最大化し、適切な買い手を見つけるためのとても重要なプロセスです。特に初めの価格設定は、その後の売却活動にも深く関わってきます。

また、売却活動では、戦略的な計画、市場分析、効果的なプロモーション、そして交渉の技術を必要とします。不動産業者の方のみが売却活動を行うのか、もしくは、購入者探しのために、あなたが動く必要があるのかは、ステップ2で説明した、売買契約によって変わります。

どこまで自分の役割なのかを確認し、売却過程をスムーズに進めるようにしましょう。また、何か質問や問題が起こった場合は、早めに不動産会社の方と連携を取ることで大きなミスを防ぐことが出来ます。

査定の流れ - 土地の売却活動を行う

①売り出し価格の決定

不動産会社が決まったら、土地をいくらで売り出すのか価格を決めます。土地を不動産会社の仲介で売却する場合、当然ながら、土地をいくらで売るのかという土地の販売価格を決めるのは売主です。

※場合によってはステップ3と前後する場合があります。

土地をいくらで売り出すのが良いのか、参考となるのは査定書です。査定の結果を見て、どれくらいの価格設定が良いのか判断しましょう。

価格の幅がわかれば、実際の売り出し条件を考慮して、概ねその範囲内で売り出し価格を決めると良いでしょう。販売価格の設定が安すぎてあとで後悔したり、高すぎて土地がなかなか売れなかったりということを防ぐことができます。

②売出し価格の決定

査定書を見て参考となる価格が分かったら、自分の希望としての売り出し価格を決定します。

売却額は自身の売却希望額と査定書から掴むことのできたおおよその価格の幅の中で決めると良いでしょう。最終的には、自分一人で売り出し価格を決めるのではなく、依頼した不動産会社の担当者と相談しながら決めるのが一般的です。

現在の不動産相場を考えると、特に首都圏や地方主要都市圏であれば、売り出し価格を決める際のコツは、査定額から判断した売り出し価格よりも少し高めに設定しておくことです。販売活動の結果を受けて土地の売却活動中に値下げをしたり、買主から価格交渉を受ける可能性が高いため、少し高めに設定しておくことで、実際に査定を受けた後で決めた希望額に近い金額で売却できる可能性が高くなるでしょう。

③販売活動

査定価格をもとに土地の売り出し価格を決めたら、不動産会社が広告・販売活動を始めます。

具体的には、その不動産会社のホームページへの掲載やポスターの設置、チラシ、住宅情報誌への掲載、インターネットの不動産サイトへの掲載、不動産流通機構レインズ(不動産会社同士で物件情報を交換するネットワークシステム)への登録などを行います。

販売活動を行うのは不動産会社なので、こちらとしては定期的に不動産会社の活動報告を受け取って確認しましょう。なかなか売れない場合は、こちらから連絡をして現状を確認することも大切です。

また、一般媒介・専任媒介の場合は売主が自分で買主と直接取引することも可能ですので、ご自身でも知人や親戚に土地を欲しがっている人がいないか探してみるのも良いでしょう。

④現地見学の対応

買い手の候補者が現れ、希望があれば現地見学の対応を行います。

土地の場合、建物がないので特に準備することはありませんが、売却したい土地を訪れていない間にゴミが捨てられ雑草が生い茂っているなんてこともあります。現地見学が始まる前に一度土地に問題がないか確認をし、ゴミや雑草などは撤去しておきましょう。

また、購入希望者から質問される可能性がある近隣との取り決めや、以前は土地の上に何が建っていたのか、ハザードマップでは危険な地域になっていないかなどを確認しておきましょう。

現地見学に立ち会う場合は、土地を見ただけでは分からない情報を話せるようにしておくと良いでしょう。

基本的には不動産会社の担当者が現地見学の対応をしてくれますので、購入希望者が土地に良い印象を持つように努めましょう。

【ステップ4】売買契約の締結

現地見学をして土地を気に入った購入希望者が現れたら、いよいよ売買契約を締結します。

売買契約の際は、基本的に不動産会社を経由して正式な購入申込みという形で連絡が入ります。この申し出の際に、価格交渉や不動産売買に関する交渉の希望があれば、この機会に行われます。価格交渉時に専門の方に依頼するメリットとして、

  • 専門家は市場動向、価格設定、不動産法規に関する深い知識を持っています。彼らは物件の価値を正確に評価し、適切な価格交渉戦略を立案できる。
  • 門家は交渉のプロであり、難しい交渉状況でも最適な結果を引き出す技術を持っています。彼らは、売主の利益を最大限に守るために、効果的に交渉を進める。
  • 不動産の売却はしばしば感情的なプロセスです。専門家は客観的な立場で交渉を進めることができ、感情的な決断を避けることができる。

などさまざまあります。動産価格交渉専門家に依頼することは、多くの売主にとって有益な選択となります。

売り主は、売買契約を行う前に、最高額・最定額の幅も決めておくことで、交渉時にスムーズに価格を上げ下げするか、もしくはその方に売却するのかどうなのか決めることが出来ます。

売買契約の話し合いから売買契約の締結についての情報は、この後に詳しく説明します。

査定の流れ - 売買契約を締結する

①契約内容の話し合い

まずは、契約内容の話し合いをします。

不動産会社を通じて買い主の情報や希望する売買価格、引き渡し時期などを把握します。そこから売買条件の交渉や調整をしましょう。

特に、買い主から土地の売買価格に関する値引き交渉が来るでしょう。もし、土地に日当たりが悪いなどのマイナスポイントがあれば、それらを理由に値引き交渉が行われます。値引きに応じないと土地が売れ残る可能性もあるため、最終的な売買価格は慎重に決めるようにしましょう

その他にも、残りの固定資産税はどちらが支払うのかなど、土地に関わるすべてのことを双方の合意のもと決めていきます。

土地が更地でなく、家や樹木などがある場合はどちらが撤去するのかなども話し合いの必要があります。

不動産会社が間に入ってくれるので、よく相談して決めていきましょう。

②売買契約書への署名・捺印

双方が契約内容に合意すれば、売買契約書への署名・捺印を行って契約を完了します。

売買契約は売り主・売り主側の不動産会社・買い主・買い主側の不動産会社が対面で集まって締結します。そのため、不動産会社が日程の調整を行ってくれるでしょう。

売買契約は一度結んでしまうと基本的には解消できないので、最後までよく確認しながら行いましょう。

売買契約は、宅地建物取引士が準備した「重要事項説明書」の内容を確認しながら進行します。

売買契約を結ぶ際には、実印や印鑑証明書の他に身分証明書、売買契約書に貼る収入印紙などを用意します。不動産会社が用意した売買契約書に問題がなければ、それぞれが契約書に署名と押印を行います。

契約を結んでしまうと後から条件など変更できません。解約する場合は高額の違約金が発生することもあるので、売買契約書の内容は合意したもので合っているか、確認を怠らないようにしましょう。

多くの場合、売買契約時に土地の売却の一部が手付金として買主から売主に支払われます。この手付金は、売買することの明確な意思表示と契約を解約するあるいは違約があった場合の担保という意味合いがあります。

また、このタイミングで売買契約時に仲介する不動産会社へ仲介手数料の一部(手数料全体の半分が多い)を支払うこともあります。

【ステップ5】決済・引き渡し・確定申告

売買契約の締結ができたのなら、あとは引き渡すまでにやるべきことを行います。

売買契約を結んだ後、売主は引渡しの準備をします。通常、土地の売買では土地の正確な測量と隣接する土地との境界を明確にする筆界確認をした「確定測量図」が必要になります。契約までに確定測量が済んでいなかった場合は、引き渡しまでに行います。

他にも決済・引き落とし前に済ませておくべきこととして、

  • 契約書の条件を再確認し、所有権の移転、決済条件、引き渡し日などの重要事項を確認する。
  • 決済日、引き渡しの日時、および方法について買主との間で最終確認を行う。
  • 決済金額や、必要に応じて支払うべき税金、手数料等の金額を確認し、準備する。

などが挙げられます。土地の決済と引き渡しは複雑なプロセスであり、事前準備と正確な手続きが重要です。
これらの手順に従うことで、トラブルを防ぎ、安心して取引を完了させることができます。

査定の流れ - 決済・土地の引き渡しを行う

①決済・引き渡し

土地の引き渡し日が来たら、土地を買主に譲ります。

引き渡し当日、買主は売却額の残りの資金を売主に渡し、売主は土地を所有するのに必要な書類を渡します。買主が住宅ローンなどを利用する際は、金融機関も同席したり銀行で引き渡しの手続きを行うこともあります。

引き渡しが完了したら同日に土地の名義変更を行わなくてなりません。個人でもできますが、確実に行いたい・バタバタと焦って行いたくないという場合は司法書士に依頼するのが良いでしょう。

また、決済が終わったタイミングで不動産会社(依頼した場合は司法書士も)へ報酬を支払います。司法書士は名義変更(所有権移転登記)に必要な書類を買主と売主から受け取り、引き渡しを行ったその日中に法務局へ向かいます。そして名義変更の申請を行えればその日は完了。後日、名義変更を確認できれば、土地の引き渡しは完了です。

法務局が名義変更を受け付けているのは、平日8時30分~17時15分まで。そのため、引き渡しは平日、法務局が閉まるまでの時間に行われることが多いです。

②確定申告

土地を売却して利益が出た場合は確定申告が必要です。利益が出れば譲渡所得税が発生するので確定申告を行い納税を行わなくてはなりません。

確定申告の期間は、土地を売却した翌年2/16頃から3/15までです。売買の時期と確定申告申請の時期にギャップがあるため、申請を忘れてしまうことがないようにしましょう。

譲渡所得税
内容概要金額支払いの時期
税金所得税土地の売却により利益が出た場合
  • 所有期間が5年以下:30%
  • 所有期間が5年以上:15%
売却した翌年の3/15まで
住民税土地の売却により利益が出た場合
  • 所有期間が5年以下:9%
  • 所有期間が5年超:5%
確定申告後の5月以降(4回に分けて)

※2037年までは所得税に2.1%の復興特別所得税が上乗せされます

譲渡所得税とは、土地を購入した金額より土地を売却した金額が多く、利益が出た場合に発生する税金です。

厳密には、所得税・住民税、そして所得税にかかる復興特別所得税(令和19年まで対象)を総称して「譲渡所得税」と言います。

譲渡所得税は土地の所有期間によって税率が変わります。5年未満なら39%、5年以上所有しているなら20%と約倍税率が異なるので、売却時は5年以上所有しているか確認しましょう。

確定申告を行うのは、原則土地を売却した翌年の2月16日~3月15日までの期間です。

e-taxを利用して確定申告する

確定申告に必要な書類を揃えて、税務署を訪れるかインターネットで確定申告ができるe-Taxを利用すると良いでしょう。

土地を売却した際に利用できる税金の控除などを利用したい場合は確定申告とともに行うので、控除を利用して譲渡所得税の支払いが無くなる方も忘れずに確定申告を行うようにしましょう。

また、土地を売却して損失が出た場合には特定居住用財産の譲渡損失の損益通算が利用できる場合もあります。利益が出ていない場合も確定申告をした方が良い場合もあるので、売却額が決まった時などに不動産会社に相談しておくと良いでしょう。

上半期に土地を売却すると、確定申告までの期間が長く忘れてしまうこともあるので、注意が必要です。

条件付き土地売却の流れ

次に一般的な土地売却の流れではなく、条件付きの土地売却の場合どのようになるか見ていきましょう。

そもそも一般の土地売却と異なる条件での売却とは、どういうものでしょうか。以下の3つがその例になります。

  1. 相続して取得した土地の場合
  2. 土地の上に古い家が建っている場合
  3. 個人間で土地売買する場合

相続して取得した土地を売却する流れ

大まかな流れは以下の図の通りです。

相続した土地を売る流れ

相続で取得した土地を売却する場合、売却活動の手続きが少し異なります。

相続登記の完了

  • 必要性: 相続によって土地を取得した場合、売却前に必ず相続登記を完了させる必要があります。相続登記がなされていないと、法的に所有権が移転していないとみなされ、売却ができません。
  • 手続き: 相続登記は、遺産分割協議書と遺言書(あれば)をもとに行います。この手続きには、法務局への申請が必要です。

遺産分割協議の重要性

  • 協議書: 相続人全員の合意に基づく遺産分割協議書が必要です。この協議書は、どの相続人が土地を取得するかを明確に記載する必要があります。
  • 法的効力: 遺産分割協議書は法的な効力を持ち、売却において重要な書類となります。

相続税の扱い

  • 相続税の計算: 土地を相続する際には、相続税が発生する可能性があります。この税金は、相続の開始から10ヶ月以内に申告・納付する必要があります。
  • 売却益との関連: 売却による利益(譲渡所得)は、相続税とは別に所得税や住民税の対象となる場合があります。

譲渡所得税の計算

  • 譲渡所得税: 相続した土地の売却益には、譲渡所得税が課せられます。この税金は、売却価格から取得費(相続時の評価額)と売却にかかった費用を差し引いた金額に対して計算されます。
  • 特例の利用: 一定の条件下で、相続した不動産の売却において税金の特例が適用されることがあります。

土地売却にかかる費用や税金はいくら?シミュレーションで価格を出してみよう

不動産の評価

  • 相続時の評価額: 相続時の土地の評価額は、譲渡所得の計算において重要です。この評価額は、相続税の申告においても用いられます。

相続によって取得した土地の売却は、一般的な土地売却と比較して複雑な手続きや税金の問題が伴います。相続登記の完了、遺産分割協議の適切な実施、税金の適切な処理が、スムーズな売却のために非常に重要です。

相続した土地を売却するステップを詳しく見ていきましょう。

売却ステップ①相続人全員と遺産分割協議を行う

まず、相続する財産と相続する人が分かったら遺産分割協議を行います。

遺産分割協議とは被相続人(亡くなった方)の遺産を誰が何をどれくらい相続するのかを相続人同士で決める話し合いのこと。

遺産分割協議が終わったら、話し合い内容を記載した遺産分割協議書を作成し、相続人全員が署名と押印を行います。

作成した遺産分割協議書は相続人がそれぞれ1冊ずつ所有します。遺産分割協議書は不動産の名義変更をする際や被相続人の預貯金を引き出す際にも提出が求められるので、必ず作成しておきましょう。

書式に決まったものなどはないので、パソコンで作成して問題ありません。

売却ステップ②名義変更を行う

相続人間で話し合い土地の相続が決まったら、土地の名義変更を行います。

土地を含む不動産は名義変更をして、初めて自分のものとなります。相続をしても名義変更をせずにそのままにしておくと、他の相続人が売却してしまうことも可能ですし、最悪の場合他の相続人の借金のカタに差し押さえられてしまう場合も。

土地を売却できるのは基本的に土地の名義人のみです。土地の相続が決まったらなるべく早く名義変更を行った方が良いでしょう。費用は相続した土地の評価額の0.4%が登録免許税として必要です。

名義変更の申請を出すのは、不動産が所在する地域を管轄する法務局。申請してから約1週間程度で受理されます。

売却ステップ③土地を売る

土地の名義が自分のものになったら、いよいよ売却活動を始めます

売却活動はこれから解説する流れに沿って行われますが、相続した土地は現在住んでいる地域より離れていることもあります。

その場合はなるべく現地へ行く回数を減らせるようにしましょう。現地へ行く回数が多ければ多いほど交通費がかかります。任せられるところは不動産会社に任せられるようにしましょう。

現地へ行く回数は最低で3回程度。現状確認・売買契約・引き渡しなどです。不動産会社には事前に現地へ行く回数を減らしたい旨を伝えておくと良いでしょう。

古い家がある土地を売却する流れ

売却したい土地の上に築年数が経った古い家が建っている場合もあるでしょう。古い家が建っている土地を売る方法は主に古家付き土地更地の2つです。

古家付きの土地を売却する場合、まずは古家付きのまま売却するか、それとも家を解体して更地にしてから売却するかを決めます

どちらもメリット・デメリットがあり、土地の特徴や家の様子によってどちらが良いかは変わるため、迷った場合は不動産会社に相談するのが良いでしょう。

古家付き土地をそのまま売却する場合は、事前に行うことは特にありません。

一方、更地にして売る場合は事前に手続きが必要です。

以下の図をご覧ください。

古家を解体して土地を売る流れ

 

売却ステップ①解体業者を選ぶ

まずは家の解体をしてもらう解体業者を探す必要があります。

解体するだけなのだからどこの業者でも良いと思いがちですが、解体業者も質で選ぶ必要があります。質の悪い解体業者だと、近隣の住宅を解体作業の際に傷つけてしまったり、水道管やガス管などを欠損させてしまう恐れもあります。

丁寧な作業を行ってくれるか、解体費用の見積もりが細かく書かれているかなどで優良な業者であるか確認をしましょう。

解体業者の見積もりは実際に解体する家や家の周辺の状況を見て最終的な見積もりが決まります。気になる部分や費用面で不安がある場合は、解体業者が現地に視察に来る際にいろいろ聞いてみると良いでしょう。

売却ステップ②家の中のものを撤去する

更地にして土地を売るのなら、家を解体する必要があります。家を解体する準備として、家の中を整理しましょう。

まだ使えそうなものはリサイクル業者へ。もう使わない家具などは粗大ゴミなどに出しましょう。家財道具などをそのままにして解体工事を行ってしまうと、廃棄物の処理代がかさんでしまいます

ただし、木・プラスチック・鉄といった材質のものは産業廃棄物として解体業者に持って行ってもらった方が安い場合もあります。依頼する解体業者に値段を聞いてみて粗大ゴミと安い方を選ぶと良いでしょう。

売却ステップ③解体業者が家を解体する

家の中が綺麗になったら解体工事を行います。

解体工事中に売主が何かすることはありませんが、解体工事を行う1週間前ぐらいには解体工事の担当者と共に近隣住民へ挨拶まわりが必要でしょう。

特に住宅が密集している地域や解体業者のトラックを家の前に止めさせてもらいたい場合などは、事前の挨拶が重要です。後々ホコリで洗濯物が汚れたり、揺れが激しく自宅が傾いたりなどトラブルになる可能性もあります。

近所をまわる際は1000円くらいの粗品を持って挨拶へ行くという手もあるでしょう。

売却ステップ④土地を売る

解体工事が終わり家が更地になったら売却活動が始まります。

更地にした後の売却活動に大きな変わりはなく、仲介と同じ流れとなります。不動産会社の査定は家を解体する前に行い、解体作業前か解体作業中ごろに不動産会社と媒介契約を結んでおくと良いでしょう。

更地の売却で注意したいことは、売却活動期間です。土地に家やマンションなど住宅用の家屋が建っていると住宅用地の特例措置が適用され、固定資産税が最大で1/6に減税されています。

しかし、更地にしてしまうと減税措置が受けられなくなり、固定資産税が値上がりしてしまいます。売却活動が長期化してしまうと、固定資産税の負担が大きくなってしまうので、更地にしたらできるだけ早くに売却するようにしましょう。

古家付きの土地は売却できる?更地との比較で高く売る方法を検討しよう

個人間で土地を売却する流れ

個人間で土地を売る流れ

土地は不動産会社を通さず、個人で売買することも可能です。

個人間で売買を行えば仲介手数料は発生しませんし、消費税を支払う必要もありません。しかし、個人売買を行う両者が不動産に詳しくない場合、売買契約に抜け漏れが発生しやすく後々トラブルが発生しやすいというリスクがあります。

個人売買は買主が既にいるかいないかで異なりますが、ここでは買主がいない場合の個人売買の流れを紹介します。

売却ステップ①価格を調べる

まずは土地をいくらで売ると良いのか土地の価格を調べます

土地の売却相場を調べる際、最も適切なのは不動産会社に査定してもらう方法ですが、不動産会社に頼らないのなら、国が土地を売買する際に基準となる価格を設定している公示地価を調べます。

しかし、公示地価は特定の地域しかわかりません。そこで、自身の土地の価格を調べる際には公示地価の80%の価格で設定されており、全国どこの土地でも調べられる路線価を使って、公示地価を求めます。

公示地価を求める計算式は以下になります。

公示地価=(路線価×土地の面積)×1.25

路線価は国税庁が公開している路線価図・評価倍率表で調べることができます。調べたい土地の住所を地図で調べ、土地に面している道路に書かれた数字を確認しましょう。書かれている数字が1㎡あたりの土地の評価額となります。

より詳しく路線価の調べ方や評価額の計算方法を知りたい場合は、以下の記事をご覧ください。

【土地の時価】公示価格・相続税評価額…どれが時価?調べる方法とは

売却ステップ②個人売買サイトに掲載する

土地の価格を知り売り出し価格を決めたら、買主探しを始めます。

もし、隣人や親戚などで土地を買いたい人がいるなど買主にアテがあるのであれば問題ありませんが、買主を探す場合は個人間売買サイトに登録すると良いでしょう。

個人間売買サイトとは、個人間で売買を行いたい不動産を掲載できるサイトです。掲載料はサイトによって異なりますが、1件掲載するのに3300円~というサイトもあります。

通常の不動産ポータルサイトに比べると閲覧数も少ないですが、個人売買を行いたいと考える買主に出会える確率は高いので、個人売買の話はまとまりやすいでしょう。

個人売買サイトはいくつかあるので「個人売買 サイト」で検索してみると良いでしょう。

売却ステップ③買主と交渉して契約する

土地を購入したいという買主が現れたら売買契約の交渉を行います。

土地を売る際に売主と買主の間で決めることは、売却価格以外にもいくつもあります。引き渡し日はいつにするのか、確定測量は行うのかなど、土地を譲るにあたって買主と話し合うべきことを話し合って決めていきましょう。

売買契約を結んだら、土地を引き渡し名義変更を行います。名義変更は双方の合意の上で行うことを証明しやすいので、司法書士に依頼しない場合は売主と買主揃って法務局へ行くのが良いでしょう。

土地売却の流れとポイントをしっかりと理解しておくことで、スマートに土地を売却することができます。

また、土地を不動産の仲介と受けて売る場合と個人間で売る場合や相続した土地を売る場合では、別のステップがを踏むことになります。不動産会社と相談を重ね、ご自身の状況に合わせて賢く土地を売却しましょう。

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