はじめての不動産売却を少しでも検討しているすべての方に向けて、この記事では「不動産売却」の基礎知識を中心に解説していきます。
不動産売却は本当にするべき?
「不動産売却」について調べてみても、はじめは何がなんだかよく分からないですよね。
不動産は一生に何度も売るものではありません。そのため「まだ明確な理由がない」方もいるでしょう。「絶対売らないといけないわけじゃないけど、本当に売却していいのか分からない」など、売却を明確に決めていない方もいらっしゃると思います。
不動産を売却する際は、売却する理由や目的によって注意すべき点や戦略が異なってきます。
そのため、売るのであればなぜ売却するのかを明確にしましょう。そして「いつまでに売却する必要があるのか」を考えます。「できるだけ高く売りたいか、早く売りたいか」など、売却条件を自分の中で設定しておくことがおすすめです。
とはいえ、まだ売るかどうかを決めていない段階で考えるのは難しいでしょう。まずは本当に売りたいかどうかを考えることが大切です。不動産経験者がどのような理由や状況で売却を選択したのか、見てみましょう。
不動産売却でよくある売却理由
イエウールが不動産売却経験者100人を対象に行った「売却理由」に関するアンケートを実施したところ、不動産を売却した理由として最も多かったのは「住み替え」で全体の32.0%を占めました。
続いて「相続」「資産整理」「転職・転勤」が続きますが、「金銭的な理由」や「離婚」など、ネガティブな理由で家を手放すことになってしまった方も決して少なくはありません。

そのほか、「今よりももっといい家に住みたくなった」や「ご近所トラブルのため」など様々な理由が考えられます。
ここから、それぞれの売却理由ごとによくある売却状況や意識しておきたい条件などを解説していきます。
また、不動産売却の口コミサイト「おうちの語り部」に寄せられた体験談を基に、それぞれの売却理由別に不動産売却の体験談も紹介しておくので、ご自身と照らし合わせてみてください。
①住み替えを理由に不動産を売却
住み替えを理由に売却する方は、「売却」と「購入」を行う必要があります。そのため通常の不動産売却に比べて、価格条件やスケジュール調整の部分が難しくなる傾向にあります。
ただ、実際に最も多い売却理由であることからも、難しいながらもポイントを抑えれば問題なく売却し住み替えられます。
住み替えでは、特に今の家の売却と新居購入のタイミングを可能な限り合わせられるよう意識しましょう。なぜなら、従前の家の住宅ローンを完済しないと新居のローンが組めないケースがあるからです。また、ローンを組めても二重ローンとなり、毎月の負担が大きくなる可能性があります。また、新居の売買契約に「買い換え特約」が付随していることもあります。その際には、特約期間内に今の家の売却を完了させる必要があります。
さらに、今の家の売却を先行させると、新居に入居するまで仮住まいが必要です。その間の賃料など余分な費用が発生します。これも、売却と購入のタイミングを合わせた方がよい理由のひとつです。
住み替えを機に不動産を売却する主なケースは、以下のとおりです。
- 通勤・通学に不便で、より快適な場所に引っ越すケース
- 子どもの誕生や成長に伴い、家が手狭になったケース
- 子どもの独立に伴い、広い家が不要になったケース
- マンション↔一戸建て間で物件種を変えるケース
- 地域は大きく変えずにより新しい物件に引っ越すケース
- 生活環境を変えるため都心部から住環境のよい郊外へ移り住むケース
自分自身の状況と照らし合わせて、不動産を売却するか判断するための参考にしましょう。
住み替えを理由に不動産を売却した人の体験談
買い替えのため、不動産売却を検討しました。買い替えに必要な金額と、売却で手元に残る資金に2000万円以上の差額が出たとします。その差額は住宅ローンで補うことになります。それでは今後の返済が厳しくなるので、査定額がどうなるか不安でした。
査定に来た不動産会社の担当者と気が合い、その不動産会社に仲介してもらうことを決めました。しかし、その後売却活動中の対応が悪くなりました。3カ月後に媒介契約を解約するつもりでクレームを入れたのです。その結果、不動産会社が対応し、別の担当者に代わりました。その担当者の対応が良かったこともあり、早々に売却先が決まりました。きちんと対応してもらえたので、最初のストレスもなくなり、最終的には満足できました。
少し高めに売却希望の値段を設定していたので、値下げは致し方ないと思っていました。不動産会社の担当者からは、近隣の新築マンションとの兼ね合いもあることなど相場の説明もしていただけました。最終的にはこちらの要望を汲んだ金額で売り出してくれたので満足しています。
あまり売却を急いではいなかったですが、予想より早く売却できたと思っています。もう少し時間がかかると思っていたので、その点でも十分満足しています。
- 不動産会社に任せきりにせずに、きちんと要望を伝えたことが成功の秘訣かもね!
②相続を理由に不動産を売却
相続を理由に売却する方は、まず「相続登記」が必要です。これは故人が所有していた権利を自身に受け継ぐための手続きです。そのため、売却が少しややこしく感じてしまうかもしれません。
ただ、相続登記をして自分名義の不動産にしてしまえば、そこからは通常の不動産売却と同じです。
はじめに行う相続登記は面倒です。相続税の支払いに問題がない場合、不動産の相続は後回しにしがちです。しかし、不動産は所有しているだけで固定資産税などの税金もかかっています。相続が発生し、登記簿上の所有者が亡くなっている場合でも注意が必要です。登記簿に記載されている所有者へ税金の支払いが求められます。不動産の相続登記をしないと、税金の請求は故人のままです。誰も支払わずにいると、不動産が差し押さえられたり、最悪の場合は競売になったりするかもしれません。
そのため、相続が発生したら早く意見をまとめましょう。相続人が複数いる場合でも同様です。可能な限り早い時期に相続登記を済ませることを意識してください。
相続を機に不動産を売却する主なケースは、以下のとおりです。
- 遠方に住んでいる親が亡くなり、実家が空き家になってしまったケース
- 亡くなった親が所有していた土地や建物を相続したケース
- 子がいない親戚が亡くなり、複数人に不動産の相続権があるケース
- 相続税の支払いのため、現金が必要なケース
- 遺産分割を現金で行うために現金化するケース
自分自身の状況と照らし合わせて、不動産を売却するか判断するための参考にしましょう。
相続を理由に不動産を売却した人の体験談
父が亡くなったことをきっかけに、早めに相続税の支払い手続きを完了させるために売却を考えました。いくらで売れるのか、相場はいくらなのか、仲介してくれる不動産屋さんをどう探したら良いのかなど不安がいっぱいでした。
相談した不動産会社の担当者の方から、詳しく説明していただきました。土地柄、立地条件などを参考に、相場も含めての話でした。うちの売却条件は他にはない複雑なものでした。そのため、普通の不動産に比べて価格が低くなるのは仕方ありません。しかし、それを踏まえると、思った以上の金額で売ることができました。「こんな金額で売れることはまずない」と思っていたので、納得です。
急ぐつもりはありませんでしたが、できれば相続税の納付期限に間に合わせたいというのものあり、のんびりやるつもりもありませんでした。いつどうなるか分からないという不安はありました。それでも、不動産の売却は動ける時に動きたいと思っていました。途中少しつまずきましたが、相続発生から年内に完了できて良かったです。
- 分からない事が多くても、早く手続きをすませたことが良かったのかもね!
③資産整理を理由に不動産を売却
資産整理を理由に売却する方は、目的はいくつかありますが「不動産を現金化したい」という部分は共通していると思います。
そのため、理想としている金額が手元に入るのかどうか、出ていくお金と得られるお金をきちんと把握するように意識しましょう。
資産整理を機に不動産を売却する主なケースは、以下のとおりです。
- 親が生きているうちに、相続対策として不動産を現金化して資産を分配しやすくしておくケース
- 投資物件として保有している不動産を現金化するケース
自分自身の状況と照らし合わせて、不動産を売却するか判断するための参考にしましょう。
資産整理を理由に不動産を売却した人の体験談
高齢の母名義の土地を資産整理目的で売却。売却額よりも、母が安心して取引できる不動産会社を探すのに苦労しました。大手企業のほうが安心するかも、と思いました。しかし実際には、地域密着型の不動産会社を選びました。その店舗に親切な担当者がいたのが決め手です。
その方は、売却希望の土地周辺で売買経験のある担当者さんでした。近隣の土地の売却額について丁寧に説明してくれたのです。その価格で売買された理由も教えていただき、安心出来ました。
売却時期には特に希望はありませんでした。気長に行きましょう、と言われましたが、実際には購入希望者がすぐに見つかりました。売却価格については十分協議し、納得できるものでした。
- 良い担当者に資産価値をきちんと見積もってもらったのが良かったのかもね!
あなたの不動産、
売ったらいくら?
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④転勤・転職を理由に不動産を売却
転勤・転職を理由に売却する方は、緊急性が高い傾向があります。他の売却理由に比べ、急いで売却する必要があるのです。
そのため、売却期限を見据えた売却計画を立てられるように意識しましょう。
また、今後その家に住む可能性があるかどうかも考えましょう。その上で、賃貸として貸し出す可能性はないかも検討しておくべきです。
転勤・転職を機に不動産を売却する主なケースは、以下のとおりです。
- 急遽転勤が決まり、遠方に移動する前にあわてて処理するケース
- 転職によって別の地域で勤務する予定で、先んじて住居を手放すケース
自分自身の状況と照らし合わせて、不動産を売却するか判断するための参考にしましょう。
転勤・転職を理由に不動産を売却した人の体験談
転勤に伴い10年住んだマンションを売却しました。初めてのことで、何からしたら良いか分からずまず不動産会社をネットで検索しました。今回、1月に自宅の売却を決め、3月末には引っ越す予定でした。そのため、約4ヶ月で買い手が見つかるか不安でした。引渡し完了まで出来るのかも心配でした。
結局、2月に自宅の売却をスタートすることになりました。売却を依頼した不動産会社には、無理な希望を伝えています。「3月末までには引き渡しまでしたい」という内容です。仲介をお願いした翌日にはネットに掲載、2日後には内覧希望の方がいると連絡がありあまりのスピードに驚きました。
不動産会社の担当の方の対応が早くとても助かりました。書類不備で最後はバタバタしてしまいました。担当の方と少しすれ違いもありました。しかし、こまめに連絡をいただき、テキパキと段取りしてもらえました。希望以上に早く売却が出来たので満足です。
- 売却希望期間を定め、不動産会社にしっかり伝えたことで売却に満足出来たのかもね!
⑤金銭的な理由で不動産を売却
金銭的な理由で売却する方は、「住宅ローンの返済」が大きな負担になっているケースが多いようです。
住宅ローンが残っている場合、通常は売却時にローンを完済する必要があります。売却資金でローンの残債を支払えるか確認しましょう。足りない場合はいくら自己資金が必要かも、あらかじめ知っておく必要があります。
そのため、「いくらくらいで不動産が売却できそうか」「住宅ローンはいくら残っているのか」を確実に把握しておくように意識しましょう。
金銭的な理由で不動産を売却する主なケースは、以下のとおりです。
- 毎月のローンの返済が厳しくなってしまったケース
- ローンの返済はかろうじて出来ているが、その分生活を切り詰めているケース
- ローンの返済を既に滞納してしまい、強制的に売却されるのを防ぐケース
自分自身の状況と照らし合わせて、不動産を売却するか判断するための参考にしましょう。
金銭的な理由で不動産を売却した人の体験談
金銭的な理由で売却することを決意したのですが、郊外なので 売れないのではという事が心配でした。 また、初めての事で相談する人もいないし 調べてみると意外と不動産屋さんも多くて何処にお願いすればいいのかも全く分からずなかなか行動に移せませんでした。
実際に相談した不動産会社の見積もり書は、とてもわかりやすかったです。価格以外にも、過去の取引事例や市場のことなどが詳しく書かれていました。他の不動産屋さんでは「築年数から査定ゼロ」と言われた建物がありました。そこにも 査定として価格をつけてもらえたり、最終的に売れなければ価格は下がりますが買取りもしてもらえるとのことで安心しました。
売却開始から1年を目安に、売れなければ買取を視野に入れていました。物件は郊外で駅からも離れているので、時間がかかると思っていたのです。しかし、あまりにも早く決まって驚きました。売却の期間に関しては大満足です。
- とりあえず査定をしたことや買取という選択肢があったことが良かったのかもね!
⑥離婚を理由に不動産を売却
離婚を理由に売却する方は、「財産分与」のために売却する方が大多数です。財産分与とは、結婚後夫婦2人で築きあげた財産を分配することです。
そのため、結婚後に不動産を購入した場合は財産分与の対象になります。
離婚を機に不動産を売却する主なケースは、以下のとおりです。
- 一緒に住んでいた家を売却して、現金化するケース
- 一方が他方に持分を売却して、一方のみの所有不動産とするケース
自分自身の状況と照らし合わせて、不動産を売却するか判断するための参考にしましょう。
離婚を理由に不動産を売却した人の体験談
離婚が決まり、広い家に一人じゃ寂しいし、ローンと養育費では支払いが大変になるため、売却を考えました。ローンが残ってしまうようなら、売却しないつもりでした。ちょっと矛盾していますが、売却時にたくさんの人が家の見学に来るのも嫌だなあと思っていました。
離婚のため、はやく売却したかったのですが、一人目の見学で買い手が決まりました。1ヶ月くらいで決まったと思います。不動産会社の担当者の方には本当にお世話になりました。
担当の方は、近隣の似たような物件が売却できた価格を教えてくれました。事例を交えて、きちんと説明してくれたのです。また、自分の家の状態に近い物件が今いくらで売りに出ているかも、具体例をもってきてくれました。最終的には、自分たちで納得のいく金額を決める事が出来ました。結果的にローン残債よりもかなり高い金額だったのは助かりました。
- 売却してローンが返済出来そうかを基準に売却するか決めてみても良いかもね!
不動産売却を検討し始めたら、まずは査定
不動産を売ろうかな…と検討し始めたら、まずは不動産会社に査定を依頼しましょう。査定額を知ることで、住宅ローンは完済できるか検討できます。そのうえで不動産を売却するべきかなど、具体的に考えられるようになります。
不動産の価格を知る方法はいくつかあります。中でも不動産会社の査定が、最も実際の相場に近く、売却検討時に適しています。ただし、気をつけたいのは、査定依頼は3社以上にお願いすること。
実は不動産会社の査定方法には明確なルールがありません。そのため、不動産会社によって査定結果が異なります。つまり1社だけでは、その査定額が高いのか安いのか分かりません。実際の相場に即しているかも判断できないのです。
複数社に査定を依頼するのであれば、一括査定サイトのイエウールを利用するのが便利。一度の申し込みで複数社に査定依頼を出せます。また、完全無料でサービスを利用できます。家の価格を知ってから検討したい、といった方も利用可能です。
あなたの不動産、
売ったらいくら?
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【参考】不動産種類別の売却理由
主な不動産種類である土地・マンション・一戸建てそれぞれの売却理由について、「おうちの語り部」が実施したアンケート結果を見ていきましょう。
自分がこれから売却しようとしている不動産が実際にどのような理由で売却されているのか、確認してみましょう。
土地の売却理由
まずは、土地の売却理由を確認していきましょう。

不動産は、建物がない土地のみでも所有しているだけで税金がかかります。固定資産税などです。さらに、更地や用途が住宅向けではない土地は、住宅が建つ土地よりも高い税金を納めることになります。
そのため、使用予定がない土地は、売却して資産整理を行うというケースは少なくありません。
また、親が所有していた土地を相続によって受け継ぐタイミングで、使用予定もないため売却するというケースも考えられます。
マンションの売却理由
続いて、マンションの売却理由を確認していきましょう。

不動産全般の売却理由と比較して、マンションの場合は「住み替え」目的での売却が目立つ結果になっています。
マンションは戸建てに比べ、土地部分を共有します。そのため立地の割に価格が比較的抑えられます。アクセスが良い都市部や、駅に近いエリアに多いのも特徴です。相対的に需要が下がりにくいため資産価値が高く、売却しやすい傾向があります。
そのため、家族構成の変更で手狭になった場合も売却を検討します。また、転勤などで別の地域で暮らす必要に迫られた場合も同様です。比較的スムーズに売却に動く人も少なくありません。
もともと、売却前提でマンションを購入している方も一定数いるでしょう。
一戸建ての売却理由
最後に、一戸建ての売却理由を確認していきましょう。

土地やマンションに比べると目立って多い売却理由はありませんが、それでも「住み替え」での売却が最も多い結果になっています。
特に、一戸建てはマンションと比べると一度購入したらずっと住み続けるものと考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、いくら建物が古くなっても土地の資産価値は一定残ります。そのため、建物の築年にかかわらず売却のチャンスはあるのです。

先程のイエウールのアンケート結果を見てみましょう。「住み替え」を理由に売却した方に対し、『住み替えをした際の築年数は何年でしたか?』と聞きました。最も多かったのは「6~10年」で24.5%です。続いて「5年以内」が20.4%でした。築10年以内に住み替えをしている人が半数近くを占めていることが分かります。
また、3番目に多かったのは「それ以上(30年超)」でした。このことからも、築年数が古い実家でも売却できていると分かります。一戸建ての状態のままで、建物を解体せずとも売却出来ているようです。売却理由まではデータからは分かりません。しかし、相続が発生して実家を使用しなくなった、という理由もあるでしょう。あるいは、相続発生前に整理したのかもしれません。ただ、古くなった家を利用しないなら、売却を選んでいる方が多いということは言えそうです。
自分の所有している不動産の種類ごとに適した査定を受ける事ができます。下のバナーをクリックしてから、約60秒で不動産の査定依頼が完了します。
不動産売却の基礎知識
理由別に知っておくべきことが分かったら、次に基礎知識を押さえましょう。これは不動産売却を検討している人全員が知っておくべき内容です。
以下の9項目について分かりやすく解説していきます。
不動産売却の流れと期間
まずは、不動産売却の流れを把握しましょう。流れを知ることで売却の全体像を掴むことが出来ます。
不動産は、売り出してから売却完了まで約6ヶ月かかると言われています。そのため、あらかじめ余裕を持って売却活動を行うことが肝心です。
以下にて、ステップ毎の目安期間を記載しておきます。
| やること | 目安期間 | |
|---|---|---|
| STEP1 | 査定依頼 | 約1ヶ月 |
| STEP2 | 相場を調べる | |
| STEP3 | 会社選び・媒介契約 | |
| STEP4 | 売り出し | 約1~3ヶ月 |
| STEP5 | 売却交渉・契約・引き渡し | 約1~2ヶ月 |
不動産売却で必要な準備
不動産売却を始めるにあたって、これだけは事前に準備して決めておきたいことが2つあります。
「売却希望条件を決めること」と「売却する不動産の対象を定めること」の2つです。
少なくとも、いくらで売りたいか・いつまでに売りたいかという条件は決めましょう。
特に、売却資金で別の支払いを行う予定の人は注意が必要です。住み替える予定がある人も同様です。予定に沿った条件を決め、売却スケジュールを立てることが重要です。
また、不動産売却といっても様々なケースがあります。複数の不動産を所有している場合や、土地の一部を売却する場合などです。どこまでが売却対象になるかは、所有者が判断します。
不動産売却の相場
不動産を売却する前に、自分で「いくらで売れそうか」を知る必要があります。そのためには「売却相場」を調べることが大切です。
不動産売却時に相場価格を調べるときは、主に2種類の方法があります。
- 方法1:物件情報サイトで、売却したい不動産と似た条件の今売り出している不動産の価格を調べる
- 方法2:過去の取引事例をもとに簡易的に査定価格を調べることのできるサイトでチェックする
不動産売却の査定
不動産が「いくらで売却できそうか」を客観的に判断することが重要です。そのために不動産会社に不動産の価格を算出してもらうことを、不動産査定といいます。
売却予定の不動産情報をもとに査定を行います。そのため、自分で相場を調べる以上に詳しく不動産の価格が分かります。
また、査定には「机上査定」と「訪問査定」の2種類があります。訪問査定は実際に物件を見て査定するため、より詳しく査定価格が分かります。
- 机上査定:物件は見ず限られたデータを基に、過去事例と比較して査定価格を求める査定方法
- 訪問査定:不動産会社の担当者が家を訪れ、現地の状況を加味して査定結果を算出する方法
高い精度で不動産がいくらで売れそうかを把握するには、プロである不動産会社に査定依頼をしてみましょう!
査定を依頼するときは、ネットで簡単に査定ができるイエウールを利用するのが便利。
一度の申し込みで複数社に査定依頼を出せます。サービスは完全無料です。不動産の価格を知ってから検討したい、といった方も利用できます。
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不動産売却時の必要書類
大きな資産が動く不動産売却では、書類の用意が必要です。不動産自体、不動産の権利、不動産の売主について、それぞれ証明するための書類です。
下記は、不動産売却で必須の書類です。
| 項目 | 目的 |
|---|---|
| 登記済権利証(登記識別情報) | 真正な所有者の確認、売買による登記名義人の変更 |
| 建築図面(間取り図)と測量図 | 土地や建物の正確な物件情報の確認 |
| 身分証明書 | 売主本人の確認 |
| 建築確認済証、検査済証 | 建築基準法を満たした適法な建物かの確認 |
| 地積測量図、境界確認書 | 土地の大きさ等の確認、隣地との正式な境界の確認 |
| マンションの利用規約 | マンション内のルールを確認(※マンションの場合) |
| マンションの使用細則・維持費 | マンション内のルールを確認(※マンションの場合) |
| 固定資産税納税通知書 | 負担する固定資産税や都市計画税の計算 |
| 実印・印鑑証明 | 書類への捺印と実印の証明(本人確認)。印鑑証明書の住所は登記簿上の住所と一致している必要があります。転居済みの場合はご注意ください。 |
| 固定資産評価証明書 | 固定資産税や登録免許税の計算 |
| 銀行口座書類・通帳 | 金銭のやり取り |
不動産売却にかかる費用・税金
不動産売却では、売却で資金が入るだけではなく出て行く費用もある、ということも理解しておきましょう。
目安として、不動産売却価格の3~4%ほどの費用や税金がかかります。物件によっては5%以上の場合もあります。
それぞれの費用項目を把握しておきましょう。不動産売却で共通してかかる費用や税金があります。また、不動産の種類ごとにプラスでかかる可能性がある費用もあります。これらを分けて把握することが大切です。
共通してかかる不動産売却の費用や不動産売却の税金は以下のとおりです。
| 費用項目 | 費用詳細 |
|---|---|
| 仲介手数料 |
|
| 印紙税 |
|
| 譲渡所得税 (所得税・住民税・復興特別所得税の総称) |
|
続いて、売却する不動産の種類ごとにプラスしてかかる可能性がある費用は以下のとおりです。
| 費用項目 | 費用詳細 | |
|---|---|---|
| 土地の場合 | 測量費 | 専門家に依頼して測量をする際にかかる費用 ※隣地との境界が不明瞭な場合にかかる |
| 解体費 | 建物を解体する際にかかる費用 ※古い家付きの土地を更地にして売却する場合にかかる | |
| マンション・一戸建ての場合 | クリーニング費用 | 内覧に備え専門家に依頼して本格的な掃除を行う際にかかる費用 |
| リフォーム費用 | 内覧に備え大きな傷やダメージを補修する場合にかかる費用 | |
| 抵当権抹消費用 | ローンが残っている際にかかる登記費用 | |
| ローン一括返済手数料 | 一括返済にかかる金融機関への手数料 ※売却時にローンが残っている場合にかかる | |
| 引渡し費用 | 引渡す前の引っ越しや家具などの処分にかかる費用 ※居住中の家を売却する場合にかかる |
ただ、不動産売却を完了するためにかかる費用ばかりで、不動産売却を始めた時点では原則費用はかからないということを覚えておきましょう。
不動産売却の方法
基本的な不動産売却の方法として、「仲介」と「買取」という2種類の方法があります。

下記の表を基に、買取と仲介の違いを把握しましょう。
| 比較項目 | 不動産買取 | 不動産仲介 |
|---|---|---|
| 売却価格 | 相場価格より2~3割ほど安い | 相場価格で売却しやすい |
| 売却期間 | 短期間で売却可能 | 売却完了まで時間がかかる 売却できないこともある |
| 仲介手数料 | かからない | かかる (売却価格の3%+6万円)+消費税 |
| 売主の内覧対応 | 不要 | 必要 |
一方で、不動産を売却するときに「不動産会社」に相談・依頼しなければいけないという明確なルールはありません。
そのため、一般的な方法ではありませんが「不動産の個人売買」もあります。これは、買主を自分で見つけて、売主と買主が直接やり取りする方法です。
不動産会社と結ぶ媒介契約の種類

不動産を「仲介」で売却する場合、売却活動の前に媒介契約を結びます。これは不動産会社との間で、売却活動方針などを定めた「媒介契約」です。
媒介契約には、以下の3種類があり、どの契約を選ぶかによって、不動産会社側の義務や契約期間などが変わってきます。
| 媒介契約種別 | 複数社との契約 | 売却活動の報告頻度 | レインズへの登録 | 契約期間 |
|---|---|---|---|---|
| 一般媒介契約 | ○ | なし | 任意 | 無期限 (通常3ヶ月) |
| 専属専任媒介契約 | ☓ | 1週間に1回以上 | 媒介契約締結日 から5日以内 | 3ヶ月 |
| 専任媒介契約 | ☓ | 2週間に1回以上 | 媒介契約締結日から 7日以内 | 3ヶ月 |
イエウールが不動産売却経験者100人を対象に行った「媒介契約」に関するアンケートがあります。それによると、専属専任媒介契約が42%で最も多く、次いで専任媒介契約が29%でした。
不動産売却のおすすめ相談先
不動産売却では様々なことを行いますが、それぞれ適切な専門家に相談することが大切です。
| 相談内容 | 相談先 |
|---|---|
| 売却の流れややり方など、不動産売却全般 | 不動産会社 |
| 不動産売却でかかる税金や確定申告について | 税理士 |
| 正確な不動産の資産価値について | 不動産鑑定士 |
| 隣地との境界があいまいな場合の測量について | 土地家屋調査士 |
| 登記変更などの手続きや不動産の権利関係について | 司法書士 |
| 不動産の売買契約をめぐるトラブルについて | 弁護士 |
不動産売却ではあらゆる種類のトラブルが起きる可能性があります。
【2025年】今は不動産売却に適したタイミング?
コロナ期を終え、今こそ不動産を売却しようかなと検討し始める方もいらっしゃるでしょう。
ここでは、今が不動産売却に適したタイミングかどうか、統計データ等をもとに解説していきます。
下図は、不動産価格の動向を指数化した「不動産価格指数」の推移グラフです。黄色が土地(住宅地)・緑色がマンション・青色が一戸建ての価格を示しています。

(出典:国土交通省「不動産価格指数」令和6年9月30日発表)
一戸建ては直近3~4年は横ばいです。一方、マンションは2013年以降、価格が大幅に上昇しています。何度か価格が下がった箇所もありますが、今も上昇傾向といえます。土地は2020年4~7月頃に一度価格が落ち込みました。しかしその後は、以前よりも大きい幅で価格が上昇しています。
また、地方別の不動産価格指数の前年比を確認してみましょう。すると、地方・不動産種別すべてが今後も必ず伸びるとは言い難いことが分かります。※()内の数値はサンプル数が少ないため参考値
| 土地 | 一戸建て | マンション | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 不動産価格指数 | 前年 | 不動産価格指数 | 前年 | 不動産価格指数 | 前年 | |
| 北海道地方 | 123.2 | 125.7 | 131.9 | 141.6 | 273.7 | 270.4 |
| 東北地方 | 124.7 | 125.0 | 121.9 | 120.5 | 211.9 | 234.0 |
| 関東地方 | 117.5 | 117.9 | 121.2 | 119.1 | 197.5 | 184.9 |
| 北陸地方 | (104.1) | 114.7 | (115.2) | (117.7) | (172.0) | (177.2) |
| 中部地方 | 99.6 | 97.1 | 1033 | 107.6 | 193.0 | 191.0 |
| 近畿地方 | 117.5 | 115.7 | 122.7 | 116.2 | 199.0 | 197.4 |
| 中国地方 | 105.4 | 107.3 | 117.6 | 114.6 | (214.5) | (202.2) |
| 四国地方 | (105.9) | 112.2 | 101.1 | 101.9 | (198.6) | 227.5 |
| 九州・沖縄地方 | 121.7 | 123.2 | 112.4 | 105.8 | 262.5 | 232.4 |
したがって、単純に不動産を売却して資金を増やしたい方には今が好機です。なかなか売りに出せていなかった不動産を売却しようとしている方にも同様です。今後価格が下がる可能性もあるため、価格が高い今が売り時といえるでしょう。
売り時を逃さないためには、不動産会社に査定を依頼しましょう。「自分の不動産がいくらくらいで売れそうか」を把握することが大切です。
一括査定サイトのイエウールを利用するのが便利。一度の申し込みで複数社に査定依頼を出すことができます。
あなたの不動産、
売ったらいくら?
あなたの不動産、
売ったらいくら?
不動産売却を始める前に身に着けておきたい心構え
不動産売却は知識さえつければ、うまくいくわけではありません。
実際に、イエウールが不動産売却経験者100人を対象に行った「不動産売却の後悔理由」に関するアンケートがあります。下図のように、様々な後悔が寄せられました。

不動産売却でよくある後悔をもとに、心構えを確認していきましょう。これは不動産売却を始める前に身に着けておきたい内容です。
急がず焦らず売却に向き合おう
不動産を売却するにあたって、時間的にも・精神的にも「余裕をもつこと」はとても重要なことです。
実際に、「余裕のある売却スケジュールを立てなかったこと」が後悔したことの1位にランクインしています。
期限があるのに早めに着手するなど十分な売却期間を確保しなかったり、「とにかく早く売却しなきゃ」と焦って不動産を売却すること以外のことを考えられないほど余裕のない生活を送る必要はありません。
たしかに、不動産売却は難しく大変そうな印象を抱きがちです。しかし、一度始めたらじっくり落ち着いた気持ちで売却を進めるように心がけましょう。
売却する不動産に適切な自信を持とう
不動産売却では、売却する不動産を客観的に見てよい部分には自信を持つことも大切なことです。
実際に、後悔したことの2位や4位を見てみましょう。「売出し価格を低めに設定してしまったこと」が挙げられます。また「買主との価格交渉で、譲歩しすぎたこと」もランクインしています。
売りたい!という価格と買いたい!という価格に折り合いがついて不動産売却は完了するものです。
過度な自信は、かえって売れなくなる原因になるので禁物です。しかし「こんな不動産じゃ高く売れない」と悲観しすぎる必要はありません。客観的な視点を持って、自分の売却する不動産を評価しましょう。
自主的に不動産売却の知識を蓄えよう
不動産売却では、売主自ら進んで売却する上での知識を備えていくという気持ちを持つ必要があります。
実際に、「念入りな情報収集を怠ったこと」が後悔したことの3位にランクインしています。
もちろん、最初は不動産売却について全く分からないのは当然です。しかし、専門知識があるからといって不動産会社任せにしてはいけません。
きちんと売却を行うためには、情報収集が不可欠です。受け身にならず、最低限の知識で良いので知識を身につけるようにしましょう。
不動産会社は売却のパートナーと考えよう
不動産を売却するなら、不動産会社をパートナーと考えましょう。彼らは売却に欠かせない存在です。
実際に、「査定額だけで決めてしまい、依頼先を良く検討しなかったこと」が後悔したことの5位にランクインしています。
不動産の知識に格差があるのをいいことに、不動産会社はお客を騙す敵だ!と悪いイメージを抱いている方も少なくないと思います。しかし、不動産会社次第で売却の結果は良くも悪くもなります。
不動産会社は売却を成功に導くパートナーとして考え、慎重に検討して良い会社を選ぶことが重要だと考えましょう。
不動産売却を成功に導く不動産会社選び
不動産売却の輪郭について把握できたら、少しずつでも良いので不動産売却を進めていきましょう。
不動産売却は難しい印象があるかもしれません。しかし、まずはきちんと「不動産会社選び」を行いましょう。優良企業と一緒に売却を進める準備をすれば、そこまで売却は難しいものではありません。
ここでは、不動産売却を成功させるための不動産会社の選び方を分かりやすく解説していきます。ここでは、主に4つの選び方を紹介します。
大手・中小(地元密着型)企業を比較して選ぶ
売却の仲介を行う不動産会社はたくさんありますが、各不動産会社のHPを見て、大手企業・中小(地元密着型)企業と企業規模を比較して選ぶのも良いでしょう。
大手企業は、広告掲載の資金力や豊富な顧客情報が強みです。様々な販売経路があるため販売力に優れています。一方で、自社の顧客内から買主を探そうとする傾向が強く、少しビジネスライクに感じやすいという難点もあります。
反対に中小企業は、地域特性を深く理解しています。独自のルートで親身に売却をサポートしてくれます。一方、大手と比べて広告資金力や顧客情報が乏しい面もあります。そのため、売却に時間がかかる可能性があります。
大手・中小には、こうした特性があります。これを理解した上で不動産会社を探しましょう。「TVCMでよく見るから」と大手企業だけを見たり、「自宅の近くにあるから」と中小企業だけを見る探し方は避けるべきです。
売却する不動産によっても、大手と中小どちらが向いているかは異なります。
売却経験者による評価・口コミを元に選ぶ
売却経験者による評価・口コミを幅広く見て、不動産会社を選ぶことも検討してみましょう。
日本最大級の売却口コミ・評判サイトである「おうちの語り部」を参考にしましょう。不動産会社がどのように売却をサポートしてくれるのか確認できます。このサイトでは、不動産売却経験者のリアルな体験談が読めます。それとセットで、不動産会社への満足度評価も把握できます。「企業・社員の対応」「売却スピード」「売却価格」などの観点からの評価です。
もちろん、信頼できる知り合いが勧める不動産会社に依頼するのも良いでしょう。しかし、一度は様々な方の体験談を参考にすることをおすすめします。自分の所有不動産を売却するのに、本当に適しているのか考えてみましょう。
さらに詳しく知りたい方は、不動産売却のおすすめ会社の記事をご覧ください。
チラシを元に選ぶ
一戸建てやマンションなど自宅を売却する場合、「不動産売却をしませんか」といったような不動産会社からのチラシが投函されているケースがあると思います。
複数社からチラシが投函されている場合などは、チラシをもとに不動産会社を選んでみてもよいでしょう。
選ぶ際は、チラシの表現に注意しましょう。「限定」や「確実に高く売却」など、過度な表現がないか確認します。紹介されている売却実績が具体的で信頼できるかも、比較の基準にすると良いでしょう。
チラシのなかでも、信頼できるもの・そうでないものがあります。
【おすすめ】不動産一括査定で複数社から選ぶ
ここまで、不動産会社の選び方をいくつか解説しました。その中でも最もおすすめなのは、不動産一括査定を使うことです。複数の不動産会社の中から選ぶことができます。
不動産一括査定とは、便利なサービスです。査定に必要な情報を一度入力するだけで、一括で複数の不動産会社に査定依頼を出せるサービスのことです。
「どの不動産会社にすれば良いか分からない…」という方にもおすすめです。入力情報をもとに、条件に合う不動産会社と自動でマッチングされます。地域や不動産種別の観点から選ばれるので、特に不動産売却初心者におすすめの方法と言えます。
一括査定サイトのイエウールを使って複数の不動産会社を比較して、良い不動産会社を選びましょう。イエウールでの査定は、不動産会社の良し悪しを見極める絶好のチャンスです。
担当者の査定対応や、査定額とその根拠に納得度などを基に売却を依頼する不動産会社を選びましょう。
この記事を読んで「そろそろ不動産の売却をはじめてみようかな」と感じた方へ。まずは下のボタンから、売却したい不動産のある地域を選んでください。そして査定依頼を始めましょう。
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