土地の売却を検討し始めたら、まずは概要を掴むためにどのような手順で何を行うことになるのか、収支があるのかなど不安になることが多いと思います。
人生で何度も土地の売却をしている方は珍しいので、不安になるのは当然です。
この記事では売却の基本的な流れから税金や費用、特別控除などの利用、不安になった場合の相談先や高く売るコツまで、土地売却の基礎知識を徹底的に解説します。
【図解】土地を売却する流れ
土地を売却する際の手順を見ていきましょう。こちらの手順は基本的な流れとなり、大きくは8つのステップに分けることができます。
工程が多くて大変そうに見えますが、一度にすべてを行わなくてはいけないわけではなく、1つ1つをこなしていけば大丈夫です。
土地を売却する際にまずは手順から全体像をつかんでいきましょう。
各ステップについて、より詳しく知りたい方はこちらの記事を御覧ください。押さえておくべき注意点や、売却する中でのコツなども記載しています。
【ステップ1】事前準備をする
まずは土地を売るための事前準備をしていきましょう。
事前に準備すべきことは、主に① 必要書類を確認する、② 費用や税金の額を確認する、③ 自分の土地に合った売り方を見つける、④ 土地の売却相場を確認するの4つです。
①必要書類を確認する
土地を売却する際には様々な書類が必要になりますが、元々手元に保管してあるとも限りません。
資料によっては、市役所や金融機関に赴かないて取得しないといけないものもありますので、事前にどの必要書類がいつ必要になるのかを確認しておきましょう。
このツールでは、あなたの現在の状況に関する5つの項目に答えるだけで、あなたに合った必要書類を紹介します。書類の必須度合いや必要なタイミング、取得場所などの情報も同時に見れる形になっています。
タイミング | 重要度 | 書類 | 内容 | 取得方法 |
---|
②費用や税金の額を確認する
事前準備の2つ目は、土地を売却するときにかかる費用や税金の額の確認です。
土地売買では、売却で利益が得られる一方で、仲介手数料や各種税金などの支払いでのお金の動きがあります。
事前に土地売却をする際の「出費」の部分も確認しておきましょう。計算方法についてはつぎの第2章で詳しく説明します。
③自分の土地に合った売り方を見つける
事前準備の3つ目は、自分が所有するの土地に合った売り方を見つけるというものです。
「土地」と言っても、古家が建っていたり農地や更地だったりとそれぞれに特徴があるため、売却方法も一様ではなく、自分の土地に合った売り方を選べるかどうかが売却成功の鍵となります。状況別の土地の売り方に関しては 3章 で詳しく説明します。
【ステップ2】査定をする
まずは周辺相場から土地の売却できそうな価格を知るために査定を行います。
まず行いたいのは、査定を依頼する不動産会社を探すことです。
土地の価格は一物五価といって、土地活用や土地売買など目的によって土地査定でチェックするポイントが異なり、付けられる価格が変わってきます。土地の売却価格を知りたい場合には売ったらいくらになるかという観点で土地の価格を調べてくれるが不動産会社の査定です。
不動産会社の査定を受ける際には一括査定サイトのイエウールを利用して不動産会社を探すと良いでしょう。
イエウールでは、24時間いつでも査定依頼の申し込みが可能です。不動産会社の営業時間などに合わせて電話する必要がないので、忙しい方にはもってこいのサービスです。
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イエウールでは一括査定という方式を取っており、一度の情報入力で、最大6社へ査定依頼を出すことができます。
査定結果だけでなく、不動産会社のサポート体制や連絡の頻度などを総合的に比較し、自身に合った不動産会社を決めてください。
【ステップ3】売り出し価格を決める
はじめに、土地の売り出し価格を決定します。
査定後に、専門の方から、査定書をいただく事ができるので、その査定の結果を見て、参考にしながら、どれくらいの価格設定が良いのか判断しましょう。
コツとしては、希望する売却価格よりも少し上の価格に設定することです。売却者が、できるだけ高く売りたいと思っているのと同様に、購入希望者は少しでも安く買いたいと思っているため、値引き交渉を行う可能性が高くなります。そのため、多少の値引きを見越した価格設定にすることで査定価格よりも安く売却するケースは少なく済むでしょう。
【ステップ4】媒介契約の種類を決め、契約する
つぎに、不動産会社と媒介契約を結びます。
媒介契約とは、不動産会社に仲介を依頼する際に結ぶ契約のこと。媒介契約を結ぶと本格的に売却活動が始まります。
実際に売却活動に入るためには、基本的に不動産会社に仲介(媒介)を依頼しなければなりません。そこで、一般的には査定を依頼した不動産会社の中から、媒介(仲介)契約を結びたい不動産会社を選びます。
不動産の媒介契約は3種類。「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」「一般媒介契約」となり、それぞれの特徴は以下の通りです。
専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 | 一般媒介契約 | |
---|---|---|---|
複数業者との契約 | × | × | 〇 明示型:他社へ依頼したことを通知する 非明示型:他社へ依頼したことを通知しない |
自己発見取引 | ○ | × | 〇 |
契約の有効期間 | 3か月以内 | 3か月以内 | 指定なし |
指定流通機構への登録 | 契約締結から7日以内に登録 | 契約締結から5日以内に登録 | 任意 |
業務状況の報告義務 | 2週間に1回以上 | 1週間に1回以上 | 任意 |
媒介契約の種類によってそれぞれ特徴があります。複数の不動産会社に依頼したいなら、一般媒介を選ぶようにします。一方、複数の不動産会社に依頼すると対応が面倒になるので、1社に絞りたいなら、専任媒介か、専属専任媒介を選ぶとよいでしょう。
通常、専任媒介か専属専任媒介を選ぶ人が多いようです。
【ステップ5】売却活動を行う
不動産会社との媒介契約が済んだら、いよいよ売却活動が始まります。
売却活動が始まったら、売り主がすることは見学者の対応です。
不動産会社が土地情報の告知を始めたら、購入希望者から現地見学の希望が来ます。土地の場合、マンションや戸建てのように建物がないので、準備としてするべきことはほとんどありませんが、強いて言えば、土地売却者は、土地のある場所は過去に災害があったかどうか、周辺には何があるのか、近隣との申し合わせ事項の有無などの情報をまとめておきましょう。
【ステップ6】売買契約を行う
土地を買いたいと申し出る買い主が現れたら、不動産会社を経由して書面で正式な購入申し込みがあります。この申し出の際に、価格交渉など売買に関わる交渉が入ることがあります。
不動産会社を経由して買い主との話し合いが終了し、売主買主双方が取引の条件に納得したら、売買契約を締結します。
一般的に、売買契約時に買主から売主へ手付金として支払われます。
注意点として、通常の土地売買では土地の正確な測量と隣接する土地との境界を明確にする筆界確認をした「確定測量図」が必要になります。契約時前に確定測量が済んでいるのが理想的ですが、もし済んでいなかった場合は、引き渡し日までに依頼してください。
【ステップ7】土地を引き渡す
次に買い主に土地を引き渡す際の解説をします。
基本的には売買契約で取り決めた日付が来たら土地を買い主に引き渡します。
ただし、売主買主双方の準備が整えば、契約で決めた引き渡し日よりも前に引き渡しを行うこともあります。
土地の引き渡し当日には、売買代金の授受や固定資産税など金銭の清算を行います。この金銭の授受や清算することを決済といいます。
具体的には、買い主が売り主に土地代金の手付金以外の残り代金を売り主へ支払い、固定資産税なども引き渡し日を基準に日割りで清算金を支払います。代金などを受け取った後、売り主は買い主に必要な書類を渡します。
決済と書類等の引き渡しが完了したら、通常はその日のうちに土地の名義を買主名義へ変更(所有権移転登記)を行います。
多くの場合は買主側の不動産会社が手配した司法書士が双方の代理で名義変更を行います。法務局が名義変更を窓口で受け付ける時間が決まっているので、一般的に不動産の引き渡しは午前中~午後早めの間に行われることが多くなります。
【ステップ8】確定申告
土地を売却したら、特に売却によって売却益が発生した場合は、忘れずに確定申告を行うようにします。
確定申告を行うのは土地を売却した翌年の原則として2月16日~3月15日までの間。特に、土地を売却して利益が出た場合は期間に確定申告が必要です。もし、売却益が発生しているにもかかわらず、期間内に確定申告しなかった場合、追徴課税されることもありますので、注意が必要です。
また、土地など不動産の売却にあたっては、要件を満たせば特別控除など税務上の優遇措置もあるので、適用条件などを確認して申告しましょう。必要に応じて税理士などへの相談も検討するといいでしょう。
確定申告は税務署を訪れるかインターネットであれば、e-Taxでも納付できます。その年の早い時期に土地を売却すると、うっかり翌年の確定申告を忘れてしまいがちなので、忘れないようにしましょう。
土地売却にかかる税金・費用
土地の売却時には、税金や費用が発生します。
土地の売却時にかかる税金・費用を知っておけば、最終的に手元に残るお金がおおよそ分かるようになるので、把握しておくと良いでしょう。また、税金は割合で一律何%と区切られていたり収入によって大きく異なりますので確認が必要です。
売却にかかる主な税金や費用の項目、計算式は以下の通りです。
■税金
項目 | 金額 | |
---|---|---|
①印紙税 | 50万円超100万円以下 *契約書の記載金額(抜粋) | 1000円 |
100万円超500万円以下 | 2000円 | |
500万円超1,000万円以下 | 1万円 | |
1,000万円超5,000万円以下 | 2万円 | |
5,000万円超1億円以下 | 6万円 | |
1億円超5億円以下 | 10万円 | |
記載金額がない | 200円 | |
②譲渡所得税 | 所有期間が5年以下 | 売却益の39.63%(所得税30%+住民税9%+復興特別所得税0.63%) |
所有期間が5年超え | 売却益の20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.313%) | |
③登録免許税 | ー | 不動産1件につき1000円 |
■費用
項目 | 発生条件 | 金額 | |
---|---|---|---|
①仲介手数料 | 不動産仲介を利用して売却した場合 | 売却価格が200万円以下の部分 | 売却価格の5%+消費税 *手数料の上限(以下同じ) |
売却価格が200万円〜400万円以下の部分 | 売却価格の4%+消費税 | ||
売却価格が400万円超の部分 | 売却価格の3%+消費税 | ||
②鑑定測量 | 土地の測量を行う場合 | ー | 35万円~70万円 |
③解体費用 | 建物の解体を行う場合 | 木造 | 2万~4万円 *1坪当たり(以下同じ) |
鉄骨造 | 3万~4万円 | ||
鉄筋コンクリート造 | 4万~6万円 |
支払いの有無、タイミング、条件は項目ごとに変わってきますので、そちらも一緒にチェックするようにしましょう。
売却費用によって仲介手数料や印紙税、譲渡所得、登録免許税の費用が変わってきます。
詳細は以下の記事で詳細を説明しています。ご覧ください。
節税のために使える特例は?
土地売却にかかる費用のうち、売却益にかかる譲渡所得税に関しては特定の条件を満たしていれば控除を受けることができます。
知らないことで損をしないためにも、必ず把握しておきましょう。なお、控除を受ける際は売却の翌年に確定申告を行う必要があります。
住んでいた家の土地を売却した場合の控除
自分で住んでいた家がある・あった土地を売る場合、「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」を受けることができる可能性があります。
これは、土地を売却して発生した譲渡所得税に対して、最高で3,000万円まで控除できる制度です。つまり、譲渡所得税が3,000万円以下の場合は、適用すれば譲渡所得税を支払う必要がありません。
具体的には、自分の家が建っている土地を家付きの土地として売る、家を解体して売る場合などが当てはまります。
詳しい適用条件の説明はここでは省きますので、国税庁│No.3302 マイホームを売ったときの特例をご確認下さい。
相続した家の土地を売却した場合の控除
相続した家がある・あった土地を売る場合、「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」を受けられる可能性があります。
上記の特例と同じく、適用すれば譲渡所得税を最高で3,000万円まで控除できます。
具体的には、相続した家が建っている土地を家付きの土地として売る、家を解体して売る場合などが当てはまります。
詳しい適用条件の説明はここでは省きますので、国税庁│No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例をご確認下さい。
土地売却にかかる諸費用や税金について、さらに詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
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土地売却のパターンと注意点
土地の売却について分かったところで、どのような状態で売却すべきか迷う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここでは、土地の種類や状況、売却希望に合わせてどのようなパターンで売却するとよいか解説します。それぞれに注意点がありますので、必ず確認してくださいね。
古家が建っている土地を売却
建物が立っている状態の土地を売却する際に、解体費用などの出費を懸念するのであれば古家付き土地として売却すると良いでしょう。
古家付き土地として売却活動を行っていれば、売却活動が長引いてしまっても固定資産税の支払い負担は現状と変わりません。
固定資産税は、その年の1月1日現在の土地の所有者に対して、その土地の状態に合わせて課税されます。そのため、1月1日時点でその土地に住宅として使用している建物が建っていれば居住用建付地(住宅用建物が建っている土地)として判断され、土地の固定資産税は最大1/6まで軽減されますが、1月1日時点で更地となっている場合には、その年から減税措置を受けられなくなります。
ただし、土地だけでなく建物も気に入って購入する方をみ付ける必要があるため、買い主を見つけるのに苦労する可能性もあります。
更地として売却
土地を早く売却したいのであれば、土地を更地として売却するのが良いでしょう。すぐに自分の希望する建物を建てることのできる土地を探している買い主は多くいます。中でも土地購入後すぐに自宅を建てたい人は、住宅地の更地を求め、商業ビルやアパートなどの収益不動産を建てたい人は商業地に更地を探しています。
従って、すぐ建設を始められる更地は需要が高く、人気もあり、早く売却できる傾向があります。
一方で現在、売却したい土地に古い建物などが建っている場合、その土地の条件が悪く、建築基準法上、建物を新たに建てることができない再建築不可の土地である場合があります。再建築不可の土地では、既存の建物がある場合はその建物をリフォーム(ただし、増築はできない)して利用するか、更地にして建物を建てずに利用するかしかありません。従って、非常に売れにくく、売れたとしてもかなり安い価格での売却となってしまいます。
そのため、土地を更地にする前に土地が所在する地域の役所などに行って、再建築不可かとなる土地か否かを確認しましょう。
相続した土地を売却
土地を相続した場合は、土地の名義を忘れずに相続人名義に変更しましょう。
土地や建物といった不動産は所有者が意思表示し、行動しなければ売却ができません。
特に相続した土地の場合は、土地の所有者が被相続人(無くなった方)の名義のままだと、売却することができないので、正式な相続手続き(遺産分割協議書の作成など)を経たのち、法務局で相続による所有権移転登記(相続登記)を行い、名義変更しましょう。
共有名義の土地を売却
複数で土地を所有する共有名義の場合は、売却する際に共有名義人全員の同意が必要となります。
共有名義の土地で共有者のうち誰かが死亡している場合、相続により、相続人が複数であると、その人数だけ共有者が増えることになります。このように共有名義の人数が増えてしまうと、より共有者全員の同意を得る難易度が上がってしまうことにもなりかねません。
そのため、相続が発生する前に法定相続人と話し合い、その土地を生前贈与する、あるいは遺言書を作成するといった形で準備しておくといいでしょう。
土地の相続に関する費用や必要な書類は以下の記事をご確認ください。
農地を売却
登記簿上、地目が農地となっていたり、自治体に農地として登録されている土地が農地となりますが、農地を売却する場合は、農地の種類によっては農業委員会から売却の許可をもらう必要があります。
農地は、細かく区分されており、売買に際して原則として農地委員会の許可が必要なものから届け出が必要なものがあります。さらに、農地を宅地として利用するなど農地から使用方法を変える(転用する)場合も同様に許可が必要な農地と届け出だけで必要な農地があります。
国内の食料自給率の維持・向上のためには、農地が基盤となることから、国の政策として勝手に農地を売却することを許していません。少なくとも届け出は必要になります。農地を売却する際は、まず農業委員会に農地の種類を確認し、売却や転用することができるかも合わせて確認します。そのうえで、売却や転用ができる農地であれば、許可または届け出を申請しましょう。
山林を売却する
山林は不動産会社だけでなく、山林売買サイトも併用することも検討してみましょう。
山林の購入を検討している人は少なく、不動産会社に仲介を依頼しても買い主がすぐ現れるとは限りません。通常の不動産の販売に比べると山林売買サイトを訪れる人はとても少ないですが、専門性の高いインターネットサイトは、そこを訪れる人が山林の購入を検討している可能性が高いため、不動産会社だけでなく、山林売買サイトを利用した買い手の見つけ方も検討しましょう。
ただし、山林は固定資産税などは安いものの、維持費がかかるため、売買が成立しないケースも多く、タダでも引き取り手がいないこともありますから、近隣で別荘や居住用の宅地開発が行われているような立地が恵まれた山林以外は、あまり売買できると期待しない方がいいでしょう。
田舎の土地(遠方の土地)を売却
田舎の土地の売却を検討しているのなら、信頼できる不動産会社を探すようにしましょう。
現在住んでいる場所から離れた土地を売却したい場合、売主が何度も現地に赴き売却活動を行うのは難しくなります。そのため、売却の際に必要な手続きなども代理で任せられると思う不動産会社を探しましょう。とはいえ、不動産会社の良し悪しを見極めるのは土地の売却経験がないと難しいものです。
そんな方は、不動産会社を比較して選ぶようにしましょう。1社の良し悪しを判断するのは難しいですが、見比べて数社の中から最も良さそうな不動産会社を選ぶのは比較的簡単です。
田舎の土地の売却について詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
賃貸中の土地を売却
売却したい土地を現在誰かに貸している場合、そのまま借地した状態の土地(いわゆる底地として)売却するか、あるいは、借地人に立ち退いてもらってから売却するかになりますが、その賃貸借契約(借地契約)の種類によって注意点が異なります。
借地契約の種類が定期借地契約の場合は、期限が到来すれば、土地を更地にして返してもらえます。しかし、普通借地契約の場合は、土地を借りている人(借地人)の承諾がなければ借地契約を解約できず、土地所有者の一方的な理由で解約することはできません。
賃貸中の土地を売却したい場合は、借地している状態の土地(底地)の扱いもできる不動産会社に相談することがポイントになります。こうした土地を扱える不動産会社であれば、立ち退きのことなども相談に乗ってくれるので、状況を詳しく説明してどのようにして売るのが得策かも相談してみるといいでしょう。
土地売却で困ったときの8つの相談先
土地の売却は人生で何度も経験するものではありません。それにもかかわらず、法律や不動産の専門的な知識が必要になる場面があります。そのため相談したくても誰にしたら良いと悩まれる方もいることでしょう。
この章では、土地売却で困ったとき、誰か詳しい人に相談したいときの相談先を相談内容ごとに説明します。
相談内容 | 相談先 | 特徴 |
売却全般 | 不動産会社 | ・不動産会社では親身に相談に乗ってもらえる |
税金 | 税理士 | ・土地売却に伴う所得税や贈与税、相続税などの税金ルールや計算方法など最適なアドバイスがもらえる |
法律 | 弁護士 | ・土地売却には契約、所有権、規制、権利の確認など様々な法的要に関してのアドバイスがもらえる |
所有権移転 | 司法書士 | ・所有権の正確な移転手続きや法的な手続きで正確なアドバイスがもらえる |
確定申告 | 国税庁電話相談センター | ・確定申告書の記入方法や税制優遇処置に関してもアドバイスがもらえる |
測量・境界調査 | 土地家屋調査士 | 土地の法的権利や制約、測量技術に関する豊富な経験を持っている |
関連会社間取引 | 不動産鑑定士 | 不動産鑑定士に相談することで信頼性のある評価やアドバイスを得られる |
農地の売却 | 行政書士 | 行政書士は法の専門家に当たりますので、行政機関への手続を代行してもらったり、契約書の作成も依頼する事ができる |
土地を高く売るためのコツ
せっかく大切な土地を売るのであれば、できるだけ高く売りたいと思うのは当然のことですよね。
高く売る際に気をつけるべきことを以下にまとめましたので、これらを売却活動の流れに取り入れながら売却を行いましょう。
査定額は複数社を比較する
土地の査定を依頼する際は、複数の不動産会社、できれば3社以上に依頼するようにしましょう。
不動産会社の査定は売却できそうな価格を知るために最も適したものですが、査定の仕方に定められた明確なルールなどはなく、不動産会社によって査定結果が異なります。つまり、1社だけではその査定結果が、相場と比べて適切なのか、つまり高いのか安いのか判断できないということになります。
そのため、相場価格の把握のため、複数の不動産会社の査定結果を比べて、土地の売却できる価格を把握するようにしましょう。例えば、3社以上に査定を依頼すれば、複数の査定結果を比較して適正な土地の価格をある程度把握することができます。
不動産会社の査定を複数社に依頼する際には、一括査定サイトのイエウールを利用すると便利でしょう。一括査定サイトとは一度の申し込みで複数社に査定依頼を出せるサービスのこと。何度も同じような質問に回答せずとも、査定依頼を出せるので手間は省けます。
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土地を綺麗にしておく
売却する土地は綺麗な状態を保つようにしましょう。
すでに建物の建っていない土地では、定期的な管理が必要となり、放っておくと雑草が生え、害虫などの被害を受けやすくなりますし、管理がされていない土地だと不法投棄などをさせるリスクが高まります。
さらに、一度不法投棄されたゴミを放置してしまうと、さらに不法投棄されてしまう危険性があります。一般的に、不法投棄されたゴミの処分費用は土地の所有者の負担となります。
土地を売却する際も、雑草が生えている、ゴミが投棄されているといった状態なら、見栄えも悪く、当然、買主がなかなか見つからないことになってしまいます。
少しでも土地を高く売りたいなら、こうした土地の管理もしっかりしておかなければなりませんので、意識しておきましょう。
契約不適合責任にならないように注意する
土地を売却する際にも契約不適合責任にならないよう、売買契約を結ぶ際は注意しましょう。
契約不適合責任とは、売買した土地が契約時に契約書に記載された内容と異なった場合、買主に対して売主が負う損害賠償などの責任のことです。
契約不適合責任を問われることになると、本来引渡しする状態になるよう補修や改善すること(追完請求)を求められ、あるいは、その不適合部分に相当する分の金銭的な値下げを求められること(代金減額請求)になります。そうした責任を果たせない場合は、契約の解除、損害賠償請求まで求められることになります。
そういった事態になると、売却資金が手元に残らないだけでなく、返ってマイナスになってしまうこともありますので、注意が必要です。古い家が建っている土地の場合は、過去自分の知らない時代に使用していた古い井戸、浄化槽などが埋まっていることがあるので注意しましょう。
土地を測量しておく
土地を売却する場合には、原則、土地の正確な範囲(隣地との境界線)、面積を正確に把握するために測量が必要です。土地の売買に限らず、土地も一緒に売買する一戸建てやアパートなどの売買のときも同じです。特に、土地を昔から所有していたり、測量図などはあるものの古いは最新の測量が必要になります。
測量の役割とは、自分の所有している土地と接している隣の土地との境界をハッキリさせることとその土地の面積を正しく求めることの2つです。古くから所有している土地であればあるほど隣の土地との境界線が曖昧になっている傾向があります。
土地の境界線が曖昧だと、買主が購入後に隣家とトラブルになる恐れがあります。
なお、測量費は、土地の面積や形状、建物の有無などによって大きく変わってきます。例えば、100坪程度の平坦な土地に一戸建ての建物が建っているような場合、おおよそ60万円~80万円の費用がかかります。
さらに、先にご紹介したように測量時に確定測量を行うのが、一般的です。
また、土地の権利書について詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。