土地を売却する際、最も気になるのが「いくらで売れるのか」という点ではないでしょうか。
市場の動向を理解し、自分の土地がどの程度の価値を持っているのかを知ることは、売却成功への第一歩です。
土地の売却相場は、以下の6つの方法で調べることができます。- 実勢価格から調べる
- 公示地価・基準地価から調べる
- 相続税路線価から調べる
- 固定資産税評価額から調べる
- 一括査定で調べる
- シミュレーションで調べる
「まずは土地売却の基礎知識を知りたい」という方は、こちらの記事をご覧ください。
土地売却相場の調べ方①│実勢価格から調べる
まずは実勢価格という価格を使って土地の売却相場を調べる方法を見てみましょう。
実勢価格とは、実際に取引が行われた土地の成約価格のことです。調べたい条件に近い実勢価格を探すことで、実際に売れる可能性が高い相場価格がわかります。実勢価格を調べるには、国土交通省の「不動産情報ライブラリ」というサイトが参考になります。
不動産情報ライブラリには過去に行われた不動産売買取引の成約事例が掲載されています。
【手順1】条件を設定する
不動産情報ライブラリにアクセスすると、「地域から探したい方へ」の下部にある「地域検索」をクリックしましょう。「地図表示」からも検索できますが、「地域検索」だと住所や駅名の入力を入力するだけで最も適した広さの地図を自動で表示してくれるので便利です。

検索する範囲は後からでも簡単に変更ができますので、大体の場所や範囲だけを入力すれば問題ありません。

地図が表示されたら、「価格情報」というタブを押しましょう。
開かれたタブの中には地図上に表示する情報の選択項目がありますので、「不動産取引価格情報」「成約価格情報」の2つを選択して決定します。
【手順2】成約事例の一覧を表示する
地図上に青い点が表示されるようになったら、相場が知りたいエリアに最も近い位置の点を押してみましょう。
青い点のエリアの情報概要が表示されるので、「詳細表示」を押してください。こうすることで、選択したエリアの成約事例の一覧が表示されます。

【手順3】一覧から参考になる実勢価格を確認する
一覧の中には、「土地」だけではなくマンションや戸建ての成約事例も含まれていますので、種類の欄が「宅地(土地)」になっている事例を探しましょう。成約事例の詳細に書かれている「取引総額」の欄が、実勢価格になります。土地の場合は「坪単価」や「㎡単価」を見る方が分かりやすい場合もありますので、ご自身にとって分かり易い方を見るようにしましょう。
また、各項目ごとに事例のフィルタや並び替えを行うことが出来ます。具体的な項目は、下記のとおりです。
【手順3】条件が近い物件の価格を参考に相場を算出する
相場を算出する際は、売却を検討している土地と条件の似ている成約事例を数件ピックアップしてみましょう。
ピックアップした事例の取引総額(もしくは坪単価、㎡単価)の平均値が相場となります。【手順4】買取の場合は売却価格に0.7を掛ける
買取の売却相場を知りたい場合、【手順3】で算出した相場の約70%になると考えて、0.7を掛けて算出しましょう。
価格の幅を見積もりたい場合は、1章で紹介したように60%~80%の幅になると考えて、0.6~0.8を掛けましょう。
【結果】実勢価格を基に調べた土地売却相場
解説した手順に沿って、東京都世田谷区三軒茶屋駅にある70㎡の土地の売却相場を見ていきましょう。
手順の図で示したように、直近1年間の東京都世田谷区三軒茶屋駅周辺の成約事例を検索すると36件出て来ました。また、種類の欄が「宅地(土地)」になっているものに限定すると3件に絞れますので、この平均を計算すると㎡単価の相場が104.7万円/㎡となりました。
ここに面積の70㎡を掛け合わせると、実勢価格を基に調べた土地売却相場は7,327万円となりました。
更に正確な売却相場にするためには、最寄り駅・土地の形状の条件などでチューニングするとよいでしょう。
土地の価格が決まる条件について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
土地売却相場の調べ方②│公示地価・基準地価から調べる
土地売却の相場の調べ方の2つ目は公示地価・基準地価を使う方法です。
公示地価・基準地価とは、国や都道府県が定めた、土地の売買や資産評価をする際に土地の適正な価格を判断するための目安の価格です。
【手順1】相場を調べたい地域を選択
最初に国土交通省地価公示・都道府県地価調査のページに移行します。日本地図が表示されるので自分の調べたい県と地域を選択しましょう。
【手順2】条件を設定する
地域の選択が終わったら条件を設定して、「検索」をクリックします。
地価公示のみを調べるのであれば対象の項目を地価公示のみ、基準地価のみを調べるなら都道府県地価調査のみ、地価公示も基準地価も調べたいのであれば、1番右の地価公示・都道府県地価調査の両方を選択しましょう。
また、調査年はプルダウンで選択もしくは最新調査年のみを選択します。用途区分に関しては売却予定の土地の用途区分に沿ってチェックをいれてください。地価に関しては、相場を調べるときは入力する必要はありません。
【手順3】表から公示地価・基準地価を確認する
検索結果が表示され、表の左側に価格(円/㎡)が表示されます。これが公示地価・基準地価です。
ここで気を付けたいのは、実勢価格は公示地価と基準地価の1.1倍程度ということです。
実勢価格とは異なるので、実際の相場を予想するときは1.1倍して考えるようにしましょう。
【手順4】買取の場合は売却価格に0.7を掛ける
買取の売却相場を知りたい場合、【手順3】で確認した相場の約70%になると考えて、0.7を掛けて算出しましょう。
価格の幅を見積もりたい場合は、1章で紹介したように60%~80%の幅になると考えて、0.6~0.8を掛けましょう。
【結果】公示地価・基準地価を基に調べた土地売却相場
解説した手順に沿って、先程提示した土地の条件を基に売却相場を見ていきましょう。
手順の図に示したように、地域で東京都世田谷区を選択し用途区分で住宅地を選択すると267件の検索結果が出て来ました。
そのうち、画像に示してある数件をピックアップして平均㎡単価を求めると、64.4万円/㎡となりました。
ここに、面積の70㎡を掛け合わせた後係数の1.1倍を掛けると、公示地価・基準地価を基に調べた土地売却相場は4,959万円となりました。
土地売却相場の調べ方③│相続税路線価から調べる
次は相続税路線価という価格を使って土地の売却相場を調べる方法です。
相続税路線価とは、相続税を計算する際に使用される道路の価格のことを言います。
【手順1】調べたい地域を選択して路線価図をクリックする
最初に路線価図・評価倍率表|国税庁へアクセスします。
トップページが表示されたら、売却相場を知りたい土地が所在する都道府県を選びます。
財産評価基準書目次が表示されるので、「路線価図」をクリック。
【手順2】調べたい地域の詳細エリアを選択する
売却相場を知りたい土地の住所を選んでいきます。選んでいくと地図が表示されます。
【手順3】相続税路線価を確認して相場を算出する
道路に細かく矢印と数字が書かれているのが相続税路線価になります。売却相場を知りたい土地が面している道路に書かれた数字が1㎡あたりの土地の評価額になります。
数字を囲っている図形は土地の種類を表し、アルファベットは調べたい土地が借地権だった場合、どれくらいの割合で計算すると評価額が分かるかを示しています。
また、地区によって表示が異なるため、売却したい土地と同じ種類の地区を選択しましょう。
路線価の表記は1000円単位。地図に記載されている額×1000で1㎡あたりの相続税路線価がわかります。
売却相場を知りたい土地の相続税路線価が分かったら、売却相場がいくらになるのか計算してみましょう。
相続税路線価は相続税や固定資産税の納税額を計算するためのものなので、売却価格の基準となる公示地価より8割の価格になるように設定されています。
よって、売却相場に近づけるためには、以下の計算を行います。
そのほか、路線価が書かれていない場合などは以下の記事をご確認ください。
【手順4】買取の場合は売却価格に0.7を掛ける
買取の売却相場を知りたい場合、【手順3】で算出した相場の約70%になると考えて、0.7を掛けて算出しましょう。
価格の幅を見積もりたい場合は、1章で紹介したように60%~80%の幅になると考えて、0.6~0.8を掛けましょう。
【結果】相続税路線価を基に調べた土地売却相場
解説した手順に沿って、先程提示した土地の条件を基に売却相場を見ていきましょう。
手順の図に示したように、東京都世田谷区の路線価図を選択して、住宅地が集まる(普通住宅地区)部分の路線価を確認すると560~610Cの範囲であることが分かります。
ここに、面積の70㎡を掛け合わせた後係数の1.25倍を掛けると、相続税路線価を基に調べた土地売却相場は4,900万円~5,135万円となりました。
土地売却相場の調べ方④│固定資産税評価額から調べる
毎年4月から6月に、固定資産税の納税通知書が送られてきていると思います。この納税通知書に記載されている固定資産税評価額からも土地の売却相場を調べることができます。
【手順1】固定資産税評価額を調べる
初めに固定資産税納税通知書に記載されている「固定資産税評価額」という欄を確認しましょう。
もし手元に納税通知書がない場合は、固定資産証明書を役所で発行してもらうことによって確認することができます。
納税通知書は市町村によって形式が異なります。納税通知書の見方が分からない場合は各市町村のHP等で見方を確認するようにしましょう。
【手順2】調べた金額を使って相場を求める
固定資産税評価額は公示地価の70%とされています。よって路線価と同様に相場を出すためには計算が必要です。計算式は以下の通りです。
【手順3】買取の場合は売却価格に0.7を掛ける
買取の売却相場を知りたい場合、【手順2】で算出した相場の約70%になると考えて、0.7を掛けて算出しましょう。
価格の幅を見積もりたい場合は、1章で紹介したように60%~80%の幅になると考えて、0.6~0.8を掛けましょう。
土地売却相場の調べ方⑤│一括査定で調べる
不動産売却益の調べ方として、不動産一括査定を使うという方法もあります。この一括査定で複数の不動産会社から査定を受けることでだいたいの売却相場が分かります。
過去の取引の事例や市場の状況をふまえて不動産会社が査定価格を割り出すので、自分で売却相場を調べるより正確な相場が分かることが特徴です。
しかし不動産会社によっても査定価格にバラつきがあります。よって1社のみの査定価格だけでなく複数の不動産会社に査定をしてもらうのが良いでしょう。
【手順1】一括査定を依頼する
まずは一括査定の申し込みをしましょう。複数社査定をする際はイエウールが便利。
一度の申込みで複数社に査定依頼を出せるほか、イエウールが審査した不動産会社のみの紹介となるので、悪徳不動産会社に会う心配がありません。
入力フォームも簡単で、平日に仕事で忙しい方でもお昼休みや夜帰宅した後などのちょっとした時間でも査定依頼を申し込むことが可能です。
土地の売却を少しでも検討しているのであれば、「自分の土地がいくらで売却出来そうか」を把握しておきましょう。
そのためには、不動産会社から査定を受ける必要があります。「イエウール」なら不動産会社に行かずとも自宅で24時間申し込みが可能です。自分の土地に適した不動産会社を紹介してくれるので、膨大な不動産会社の中から選ぶ手間も省くことができます。
まずは、物件種別で「土地」を選択してから査定依頼をスタートしてみましょう!査定依頼に必要な情報入力はわずか60秒で完了します。
あなたの不動産、
売ったらいくら?
あなたの不動産、
売ったらいくら?
【手順2】査定結果から相場を予想する
一括査定を申し込むことで、いくつか査定価格を知ることができます。その査定結果の平均がだいたいの売却相場となるでしょう。
土地売却相場の調べ方⑥│シミュレーションで調べる
下記のシミュレーションを使って、自分の土地がいくらで売れそうか簡単に調べてみましょう。
まず、「土地」を選択します。
その後、都道府県・市区町村・町名・土地面積の各項目を埋めてから、「想定価格をみる」ボタンを押してみましょう。
ボタンを押すと、〇〇万円~〇〇万円と、幅のある売却想定価格が自動で算出されます。
ただ、ここで分かる売却想定価格は現在のトレンドや土地の個別状況を加味したものではないため、精度が低いといえます。
より正確に、土地がいくらで売れそうかを把握するには、プロである不動産会社に査定依頼をしてみましょう!
査定を依頼するときは、ネットで簡単に査定ができるイエウールを利用するのが便利。一度の申し込みで複数社に査定依頼を出すことができますし、完全無料でサービスを利用できるので、土地の価格を知ってから検討したいといった方も利用できます。
あなたの不動産、
売ったらいくら?
あなたの不動産、
売ったらいくら?
土地売却相場を調べる際の注意点
土地の売却相場を知る方法をご紹介しました。しかし、土地の売却相場を知る際にはいくつか心得ておきたい注意点があります。
主な注意点は以下の3つになります。
売却相場はあくまで目安
土地の売却相場はあくまでも目安です。
今回ご紹介した自分で調べる方法は机上での計算となり、周辺環境や土地の状態などを加味した価格ではありません。実際販売する際には売却相場から上下することを覚えておきましょう。
また、土地売却相場は土地を売った際に手に入るお金ではありません。売却相場の額で売ったとしても、買主と売買契約を結ぶ前には値引き交渉が入ることがほとんどですし、売却額から仲介手数料や税金などの費用が引かれます。
土地の売却相場は変動する
土地の売却相場はいつまでも同じではないことを覚えておきましょう。
土地の価格は常に変化しています。土地を売買する際に基準となる価格を国が定めている公示地価は毎年3月にその年の1月1日時点の価格が発表されますし、9月末には公示地価から半年後の地価を評価する都道府県地価調査が発表されます。
土地の売却相場はこの地価に合わせて変化していくので、何年も売却相場が同じということはありません。
数年前に調べたからといって、その売却相場で実際に売却活動を始めないように注意しましょう。
売却時には不動産会社に査定を依頼する
売却相場はあくまでも相場。正確な価格は不動産会社の査定で確認しましょう。
土地を売却する際、最も売却額に近い価格を調べられるのは不動産会社の査定です。不動産会社の査定は公示地価などを使った計算と合わせて、土地周辺の環境や現在の人気度合い、土地の状態なども踏まえて査定するので、最も市場相場に近くなるのです。
ただし、不動産会社の査定に明確なルールはなく、不動産会社によって査定結果が異なるので注意しましょう。1社の査定結果ではその査定額が市場価格に近いのかはもちろん、安いのか高いのかも分からないということです。
不動産会社の査定を受ける際には3社以上の査定を受けるようにしましょう。
不動産会社の査定を受ける際には一括査定サービスを使うのが賢明。1回の申込みで複数社の不動産会社に査定を依頼できるので、何度も申込みの記入をしたり、不動産会社巡りをする必要がありません。
webでの申込みとなるので、忙しい平日でも不動産会社の閉まる時間を気にせず利用できるというのも利点です。
あなたの不動産、
売ったらいくら?
あなたの不動産、
売ったらいくら?
全国の土地売却相場を調べる
最後に、イエウールが独自で用意した都道府県ごとの売却相場情報ぺージへのリンクをまとめました。
ここでは、実際の売却事例を基に算出した「最新の土地売却相場」や「地価変動・相場の推移状況」「売却成約事例」などを見ることができます。
土地売却相場の様々な調べ方を知って選ぶ時間はないという方や、とにかく分かりやすくまとまった相場情報が知りたいという方、相場にまつわる色々な情報から相場感覚を養いたい方にオススメのページです。
是非リンクをタップして気になるエリアの相場情報をご覧ください。
北海道・東北 |
北海道 青森県 秋田県 岩手県 宮城県 山形県 福島県 |
北陸・甲信越 |
新潟県 長野県 山梨県 富山県 石川県 福井県 |
関東 |
東京都 神奈川県 埼玉県 千葉県 茨城県 栃木県 群馬県 |
東海 |
岐阜県 静岡県 愛知県 三重県 |
近畿 |
大阪府 京都府 奈良県 滋賀県 兵庫県 和歌山県 |
中国 |
鳥取県 島根県 岡山県 広島県 山口県 |
四国 |
徳島県 香川県 愛媛県 高知県 |
九州・沖縄 |
福岡県 佐賀県 長崎県 熊本県 大分県 宮崎県 鹿児島県 沖縄県 |
他にも、思い入れのある土地や、資産性のある土地なら手放さずに活用するという選択肢もあります。
さまざまな土地活用方法を一括で比較検討したいとき「イエウール土地活用」を使えば、無料で最大10社の活用プランを受け取ることができます。