固定資産税評価額から売却相場を出せるのかと言われてもピンとこない方の方が多いのではないでしょうか?
不動産を売却する際、固定資産税の評価額は重要な参考指標の一つですが、売却価格とは必ずしも一致しないものなので、固定資産税の評価額と実際の売却相場との間には、しばしば大きなギャップが存在し、複雑化します。
この記事では、固定資産税の評価額がどのように算出され、それが市場で売却価格にどのように影響するかを解説し、最後に売却相場をより正確に調べる方法を紹介していきます。
固定資産税評価額とは何か
固定資産税評価額とは、法務大臣が定める固定資産税評価基準に基づいた各自治体の調査によって決まるものです。
土地や家の登記をした際に各自治体の固定資産評価員が1件ずつ評価をし、3年に1度見直しがなされます。
固定資産評価額は毎年4月1日のタイミングで適用開始となり、翌年3月31日までの固定資産税上の不動産評価額を示しています。
固定資産税評価基準は一般的な需要に合わせて定められており、項目としては主に以下が評価対象となっています。
- 構造
- グレード
- 築年数
- 耐震性
- 延床面積
- 敷地面積
固定資産税評価額は固定資産税や都市計画税、不動産取得税、登録免許税などの固定資産にまつわる税金の計算にも使われている値になりますので不動産の価値を計算する場合でも参考になる値と言えます。
固定資産税評価額から売却相場を求める方法
次に、固定資産税評価額から売却相場を求める方法を紹介します。
流れは以下の通りです。
- 固定資産税評価額を確認する
- 売却相場を計算する
手順1:固定資産税評価額を確認する
固定資産税評価額から売却相場を調べるためには、もととなる固定資産税評価額を調べる必要があります。
固定資産税評価額は住宅の場合は債券価格の70%、土地の場合は公示地価の70%程度が目安とされていますが、書類で確認するのが最も正確です。
固定資産税評価額を確認するできる書類には「固定資産税課税明細書」「固定資産税評価証明書」「固定資産課税台帳」の3種類があります。
それぞれの確認方法は以下の通りです。
固定資産税課税明細書 | 不動産の固定資産税評価額が記載された書類で、年に一度(4~6月が一般的)自治体から送られてくる「固定資産税納税通知書」に同封されています。1月1日の時点で固定資産を所持している人が通知対象です。 「所在地」「地積」「課税地目」「固定資産税評価額」が記載されており、この明細を見ることで固定資産税評価額が確認できます。 |
固定資産税評価証明書 | 固定資産税課税明細書を紛失した場合などに各自治体に発行を依頼できる書類です。 窓口で免許証やマイナンバーなどの身分証明書を提示するか、自治体のホームページで郵送サービスの申請をすることで取得が可能です。 不動産所有者本人、同居している家族、相続人、民事訴訟申立人以外は委任状が必要となります。 |
固定資産課税台帳 | 各自治体が管理する固定資産税評価額が記載された台帳で、「不動産価格」「固定資産税評価額」「所有者」「所在地」などが記載されています。 不動産所在地の市区町村の税務課窓口に行き身分証明書を提示することで閲覧できます。 不動産所有者本人、同居している家族、相続人以外は委任状が必要となります。 |
手順2:評価額×70%で売却相場を計算する
不動産の売却相場は、固定資産税評価額の約70%と言われています。
そのため、固定資産税評価額を確認したら以下の式に当てはめましょう。
固定資産税評価額×70%=売却相場
例えば固定資産税評価額が1,000万円の不動産の売却相場はおよそ700万円、固定資産税評価額が2,500万円の不動産の売却相場は1,750万円となります。
売却相場を正確に調べるその他の方法
ここまで固定資産税評価額から売却相場を算出する方法について説明しましたが、売却相場の調べ方は他にも存在します。
複数の方法を組み合わせることでより正確な売却相場を知ることがおすすめですので、最後に以下3つの方法についてご紹介します。
- 過去の成約事例から売却相場を調べる
- 現在の売り出し情報から売却相場を調べる
- 複数の不動産会社に査定を依頼する
方法1:過去の成約事例から売却相場を調べる
固定資産税評価額から求める以外で売却相場を正確に調べる方法の1つ目は、過去の成約事例を見ることです。
国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営する「レインズマーケットインフォメーション」では、過去1年間に実際に取引された事例を検索することができます。
売却したい不動産と類似した条件で検索をかけて成約価格を見ることでおおよその売却相場を予想することができます。
方法2:現在の売り出し情報から売却相場を調べる
固定資産税評価額から求める以外で売却相場を正確に調べる方法の2つ目は、現在売り出されている不動産情報を見ることです。
現在の売り出し価格はSUUMOやLIFULL HOME’Sなどの不動産ポータルサイトで検索することができます。
方法1と同様、売却したい不動産と類似条件で検索をかけることで競合となる不動産の価格や相場感を掴むことができます。
東京都板橋区の現在の土地売出事例
不動産種別 | 土地 |
売出価格 | 3980万円 |
エリア | 東京都板橋区 |
駅徒歩 | 成増駅 15分 |
土地面積 | 90.7 |
大阪府堺市の現在の土地売出事例
不動産種別 | 土地 |
売出価格 | 2280万円 |
エリア | 大阪府堺市 |
駅徒歩 | 百舌鳥八幡駅 6分 |
土地面積 | 84.41 |
愛知県尾張旭市の現在の土地売出事例
不動産種別 | 土地 |
売出価格 | 2600万円 |
エリア | 愛知県尾張旭市 |
駅徒歩 | 三郷駅 12分 |
土地面積 | 180.62 |
方法3:複数の不動産会社に査定を依頼する
固定資産税評価額から求める以外で売却相場を正確に調べる方法の3つ目は、売却を検討している不動産を実際に不動産会社に査定してもらうことです。
不動産会社が出す査定結果というのは、ある一般的な基準に加え、自社ならどれくらいの価格で売れるかを判断した価格になります。
不動産会社はそれぞれ得手不得手がありますので、例えばマンションを得意とする、戸建てを得意とする、特定地域を得意とするなどによって査定価格に差が出るようなイメージです。
そのため、複数の不動産会社の査定結果を比較することで売却したい不動産の大体の相場がわかります。
不動産会社によっては契約を結ぶためだけに高い額の査定結果を提示してくる可能性がありますので、必ず結果の根拠を確認するようにしましょう。
複数の不動産会社に1件1件連絡を取って、日程を調整するのはかなり手間ですので、オススメしたいのは一括査定サイトを活用することです。
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