家を売るとき最初に行うことは査定に向けた準備です。家を早く売るためにやるべきことは3つあり、買取で売る、家の売却が得意な不動産会社を選ぶ、値下げ交渉に応じる、です。売却手順は7ステップで、①相場を調べる、②査定を依頼、③媒介契約を結ぶ、④売却活動を行う、⑤売買契約を結ぶ、⑥決済・引き渡し、⑦確定申告、です。
家を売るためにまず最初にやるべきこと
売却代金が早く欲しいなどの理由で家の売却を行いたい方もいると思います。そのような方が家の売却を早く進めるために最初すべきなのは、何なのでしょうか?
この章では家を早く売るために最初に行うことについて説明します。
査定に向けた準備を行う
結論から言うと、査定に向けた準備を行わないといけません。
査定とは、家がいくらで売れそうかを不動産会社が予測することを指します。査定を受ける前にやることは以下の2つです。
それぞれについては、後ほど詳しく解説します。
家を売るためにはまず査定を受けないといけない
家を売るために最初にすることは査定です。
家を売り始めるときは不動産会社とやり取りしながら進めるため、不動産会社から査定結果を聞いて、それを基に自分に合った不動産会社を選ぶ必要があります。そのため、査定を円滑に進めることで、結果的に家の売却を早く行えます。
家を早く売るためにやるべきこと
この章では家を早く売るにはどうすればいいのか解説します。方法は3つあり、以下の通りです。
- 多少安くなってもいいなら買取で売る
- 家の売却が得意な不動産会社を選ぶ
- 値下げ交渉には応じる
それぞれ順番にご説明します。
多少安くなってもいいなら買取で売る
家を売る方法は、主に「仲介」と「買取」の2種類ありますが、買取だと早く売ることができます。
買取では、不動産会社が直接買主となります。そのため、買主を探す期間を省くことができ、早くて1ヶ月で家を売却することが可能です。
ただし、不動産会社は買取した家をリフォーム等を行い再販するため相場より安く買う必要があり、仲介に比べ売却価格は7~8割程度となってしまいます。
そのため、価格が多少低くなってでも早く売りたい方は買取で売りましょう。
仲介との違い
仲介との主な違いは、①売却にかかる時間と②売却価格です。
家を高く売りたい方向け
買主探しに時間がかかる可能性があるが、相場価格通りに売りやすい
家をとにかく早く売りたい方向け
確実に売却が完了するが、仲介の7~8割程度の価格になってしまう
仲介では、不動産会社が売主にかわって広告を掲載して買主を探します。しかし、買主探しに時間がかかると、価格設定やタイミングによっては半年以上売却活動が続く可能性があります。
できるだけ高く売りたい方は仲介による売却がおすすめです。
買取と仲介の違いについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
家の売却が得意な不動産会社を選ぶ
早く売るためには不動産会社選びが重要です。
不動産会社は持っているネットワークや販売力、強みがそれぞれ異なるため、早く・高く売りやすい物件とそうではない物件に分かれています。そのため、ご自分の家に近い地域や条件が似ている物件の取扱数が豊富かどうか、実績や評判はどうかを考慮して不動産会社を選びましょう。
詳細は以下の記事をご覧ください。
値下げ交渉には応じる
買主とやり取りしているときに値段交渉されることはよく起こりますが、ある程度は交渉に応じましょう。
適切な値段交渉に応じないことで、興味を持っている買い手を失うリスクがあります。また、不動産市場は変動するため、柔軟な価格設定が売却成功の鍵です。交渉に応じないと、市場の変化に適応できなくなります。
妥協できる範囲とできない範囲を予め考えておき、その基準に基づいて交渉を行いましょう。
家を売る手順
家を売る全体像をつかんで、どのようなステップで売却が進むか理解しましょう。
マンション・一戸建てなど物件種別問わず、家を売る時は下記の通りに進みます。
それぞれのステップで知っておくべきポイントをご説明します。特に知りたい手順をクリックすると、詳しく説明している部分に移動します。
ここからは、「仲介」で売却する時の流れをメインに解説していきます。
手順1:自分で売却相場を調べる
まず、自分で家の売却相場を調べましょう。
会社によって査定価格が異なるため、売却相場を確認しておかないと結局いくらで売ればいいか分からなくなります。売却相場を調べるときは、価格シミュレーションを使うとざっくりとした価格がすぐに分かります。
手順2:不動産会社に査定依頼
次に、不動産会社に査定依頼をしましょう。
査定には「机上査定」と「訪問査定」の2つの方法があります。
それぞれの特徴を見て自分に合った方法を選びましょう。
査定のときに気を付けるべき注意点については以下の記事をご覧ください。
手順3:不動産会社を選び媒介契約を結ぶ
各社から査定結果を貰った後は、売却のサポートをしてほしい不動産会社を選んで媒介契約を締結します。
媒介契約は専任媒介契約・専属専任媒介契約・一般媒介契約の3種類あり、それぞれ契約内容や特徴が異なります。その契約種類を選んだほうがいいか知りたい場合は以下の記事をご覧ください。
なお、買取の場合は直接不動産会社と売買契約を結ぶため、手順4以降はありません。
手順4:家を売り出す
不動産会社と媒介契約を結んだら、いよいよ売却活動スタートです。
査定価格を基に、不動産会社と相談して売出価格を決めたら家を売り出します。
仲介の場合、売り出してから売却が完了するまでに約3~5ヶ月ほどの期間がかかると言われています。
物件情報を掲載し購入希望者を集めるのは不動産会社の役割ですが、購入希望者から連絡があれば基本的には売主も立ち会って内覧対応をする必要があります。
手順5:条件交渉をまとめ売買契約を結ぶ
内覧などを経て購入希望者の購入意思が固まったら、売買契約の締結を行います。
不動産会社経由で購入申込書が送られてくるのですが、その際値引き交渉や家を引き渡す時期等の条件交渉があることが多いです。
交渉がまとまったら、売主・買主双方と不動産会社が立ち合い契約内容を最終確認した後、署名押印をして売買契約の締結となります。
このとき、手付金という形で売却代金の一部を受け取ります。
手順6:家を引き渡し決済を行う
売買契約が終わったら、売買契約で定めた日時で引き渡しと決済が行われます。
この時、売却代金の残額の受け取りや住宅ローンが残っている場合は返済を行います。
売主・買主・不動産会社・金融機関の担当者を交えて決済が完了したら、同日のうちに家の引き渡しが行われます。
室内の状態や契約で決めた条件を確認して、権利関係の「登記」手続きを終えたら、仲介した不動産会社は一旦役目を果たしたことになります。
手順7:確定申告を行う
決済と引渡しを終えたら、売却した翌年の2月16日から3月15日の間に確定申告を行う必要があります。
確定申告には、家を売って得た利益にかかる税金の額を減額できる特例制度があります。逆に、利益が得られず損失を生んでしまった場合でも損失を減らせる特例制度もあるため、どのような方法で売却した方も、家を売った方は必ず行うべき手続きとなります。
家を売る時に必要な費用・税金
家は買うだけでなく、売る際にもお金がかかります。必要となる費用・税金は以下になります。
費用項目 | 費用概要 |
---|---|
仲介手数料 | 不動産会社への報酬で、売却価格の約3% |
司法書士報酬 | 登記を司法書士に依頼する場合の報酬で、4~6万円 |
リフォーム費用等 | 家をリフォームやクリーニングした場合にかかる費用で、5~20万円程度 |
印紙税 | 売買契約書に貼る印紙代で、約2~3万円 |
登録免許税 | 抵当権抹消にかかる税金で、1万円前後 |
譲渡所得税 | 売却益にかかる税金※最大3,000万円まで控除あり |
特に支払う額が大きくなりやすいのが、仲介手数料と譲渡所得税です。仲介手数料も譲渡所得税も金額を抑えることができるので、気になる方は記事をご覧ください。
家を売る時に必要な書類
家を売却するとなると、さまざまな書類が必要になります。相続や離婚、住み替えなど家を売却する理由によって必要な書類は異なるので、主に必要な書類を解説します。
書類名 | 内容 |
---|---|
登記識別情報通知 | 家や建物の名義人であることを証明する公的な書類 |
印鑑証明書 | 登録された印鑑が本物であることを証明する |
実印 | 市区町村の役所に登録し、公的に認められた印鑑 |
固定資産税・都市計画税納税通知書 | 税金の支払い金額を通知する書類。最新のものが必要 |
建築確認通知書・検査済証 | 建築基準法の規定に合致しているか確認した旨を示す |
測量図・建物図面など | 土地の境界線や建物の形状、位置関係を示す |
物件状況等報告書 | 土地や建物の状況を詳細に記した書類 |
本人確認書類 | 運転免許証やパスポートなど |
書類は売却活動が始まる前にすべて揃えなくはいけないわけではありません。必要なタイミングがあるので、順次揃えていきましょう。
家を売る時の注意点
売却の全体像を把握して基礎知識を身に着けたら、売却を進めるときの注意点を解説していきます。主なものは以下の通りです。
- 【家を売る前】住宅ローンを完済できるかチェック
- 【家を売る前】査定は複数社に依頼する
- 【売却活動中】売出価格を少し高めに設定する
- 【売却活動中】売れるかは内見が左右する
- 【家の売却後】売却後に確定申告を行う
家の売却を成功させるために気を付けるべきことは他にもあります。詳細は以下の記事をご覧ください。
このような家を売るときはどうすればいい?
家を売る際に以下の状況になるケースはよくあります。このような状態で家を売る時はどうすれば良いのでしょうか?
この章では状況別で気を付けるべきポイントをご紹介します。
住宅ローン中の家を売る場合
住宅ローン中の家を売る時は、売却金額で住宅ローンが完済できるか注意しましょう。
家の売却では、売却価格や自己資金を使ってローンを完済しなければなりません。なぜなら住宅ローンはその家を担保にして融資してもらっているので、ローンを完済していないと未だに家が担保になっており、家が売りづらくなるからです。
ローン中の家を売る方法や注意点について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
古い家を売る場合
古い家を売る時は、再建築不可ではないか注意しましょう。
現在の法律ではなく昔の法律で建てられている家の場合、取り壊すと次に建てる家には新しい法律が適用されるため、建築できなくなったり使用できる土地の面積が著しく減ってしまったりする可能性があります。
古い家を売る方法やコツについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
空き家を売る場合
空き家を売却する時は、管理を怠らないようにしましょう。
家を放置すると湿気が屋内に溜まったり害虫が発生したりしてしまいます。家の状態が悪くなれば売却価格が下がってしまいますし、内覧時の印象も悪くなり買主が見つかりづらくなります。
空き家を売る方法や注意点について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
- 家を売るのが初めての方はこちらの動画解説も参考にしてください