家を売る時に、ついついやってしまいがちですが本当はやってはいけないことは実は多く存在します。
売却で失敗しないために、やってはいけないことが何かを確認していきましょう!
「まずは家を売る基礎知識を知りたい」という方は、こちらの記事をご覧ください。
家の売却でやってはいけないこと一覧
家を売却するときにやってはいけないことを売却の段階別・ジャンル別にまとめました。重要なものには色を付けているので特に注意してください。
売却準備中 | 売却活動中 | 売却契約以降 | |
---|---|---|---|
売却価格を 高める | |||
費用・税金を 抑える | |||
ローン関連 | |||
契約・法律関連 | |||
スムーズに 売る |
ここからはそれぞれについて順番に解説します。
【これだけは避けよう】家の売却で絶対にやってはいけないこと
家を売却するうえでやってはいけないことは色々ありますが、まずこれだけは絶対に避けないといけないというものをご紹介します。
何のためにやってはいけないのかをタイトルの前に記載しているので参考にしてください。
【高く売る】事前に相場を調べない
これは売却準備中にやってはいけないことです。
特に不動産会社に査定を依頼する前で気を付けるべきポイントであり、不動産会社に査定を出す前に自分で相場を調べておきましょう。
自分で調べていない状態で不動産会社の話を聞くと、①査定額が正しいのか判断できない、②質問があやふやになってしまいせっかくの質問できる機会を無駄にしてしまう、といったデメリットがあります。
これらを避けるためにも事前に相場を調べることが必要不可欠です。
【高く売る】査定を1社にしか依頼しない
これも売却準備中にやってはいけないことです。
不動産会社1社だけに査定を依頼すると、その査定額が誤っていても気づかない可能性があります。査定額が低すぎた場合、本来得られるはずだった金額より低い額で売却することになり、査定額が高すぎた場合、その価格では中々売却できず時間がかかってしまいます。
査定は複数社から受けることで、平均的な売却価格・査定額を調べましょう。【費用を抑える】必要な費用・税金を調べない
これも売却準備中にやってはいけないことです。
家を売却するときには、様々な費用や税金がかかります。
売却時に必要な費用・税金は主に以下の通りです。
- 不動産会社の仲介手数料
- 印紙税
- 登記費用
- 譲与所得税・住民税
- 抵当権抹消費用
- ハウスクリーニング費用
- 測量費用
いくらくらいになるか予め見積もっておかないと、最終的な利益が想定よりも低くなってしまいます。
売却時にかかる費用や税金は以下のページをご覧ください。
【契約を守る】売買契約書の内容を確認しない
これは売却契約以降にやってはいけないことです。
買主と売買契約を結ぶときは、不動産会社から売買契約書のうち重要事項を説明されます。
売買契約後に内容を変更することはできません。もし売買契約後に売主の都合で売買をキャンセルするには違約金がかかってしまいます。後から変更したりキャンセルしたりすることのないよう、事前確認はしっかり行いましょう。
売却価格を高めるために家の売却でやってはいけないこと
ここからはジャンルごとにやってはいけないことを解説します。気を付けるべきポイントをタイトルの前に記載しているので参考にしてください。
まずは、売却価格を高めるためにやってはいけないことです。
【売却準備中】急いで売り出す
家の売却は順調に進んでも計6か月ほどの時間がかかります。そんな中で急いで売買契約を結ぼうとすると、焦って安い売却価格にしてしまうことがあります。
緊急で売らないといけない場合以外は、しっかり時間を取って余裕のあるスケジュールを立てることが必要です。
【売却準備中】売却価格が低くなることを把握せず買取を選ぶ
家を売却するときは買取と仲介の2種類あります。
- 買取:不動産会社に直接家を売却する
- 仲介:不動産会社に買主を見つけてきてもらう
買取は仲介よりも短期間で売却できる一方で、価格が3割ほど低くなる傾向があります。
買取のメリット・デメリットを考慮したうえで売却方法を決めるようにしましょう。
【売却活動中】売出価格を低くしすぎる
家の売却価格を決定するときは、買主から値引き交渉されることが多いため、最終的な売却価格は売出価格よりも若干低くなることが一般的です。
そのため、最低限この価格じゃないといけないという最低価格よりも若干高く売出価格を設定しましょう。
【売却活動中】内覧前の片づけをしない
内覧前には掃除やクリーニングを行い、内覧者の印象を良くすることが必要です。
汚れがついていたり物が煩雑に置かれていたりすると、内覧者による評価が低くなり価格交渉される恐れが高まります。結果として、売却価格が下がってしまうことにつながります。
できる範囲で事前に片づけておきましょう。
費用・税金を抑えるために家の売却でやってはいけないこと
この章では、費用・税金を抑えるためにやってはいけないことをご紹介します。
【売却準備中】無闇にリフォームしてしまう
売却する家は無闇にリフォームしないようにしましょう。
売却したい家が古いと、リフォームした方が売れるのでは…と思われる方も多いですが、古い家を購入したい買主の中には古い家を安く買って自分でリフォームしたいと思われる方が多くいます。
そのような買主にとって、リフォームした家は面倒でしかありません。せっかくリフォームした部分でも自分の好みに合うようにリフォームされてしまうことが多々ありますし、リフォームした代金を上乗せすると、古い家を安く手に入れられないので買主が買ってくれない可能性も高まります。
リフォーム費用も高額になり、売主が負担することも多々あるので、まずは不動産会社にリフォームが必要か相談してみると良いでしょう。
【売却契約以降】税控除の特例を調べない
家を売却する際は、不動産売却による譲渡所得にかかる税金を控除できる特例があります。
それによって、最終的な利益を高められる場合があるため、事前にどんな特例があるか調べておきましょう。
ローン関連で家の売却でやってはいけないこと
この章では、ローン関連でやってはいけないことをご紹介します。
【売却準備中】ローンの残高を確認しない
住宅ローンを借入している家は、売却の前に予めローンを完済しておく必要があります。
そのため、売却価格がローン残高を上回るか確認するためにも、事前にローン残高を確認しましょう。ローンが完済できない価格で売却を進めても、結果的に売買が延期されたり取り消されたりする可能性があります。
【売却準備中】ローン借入中の金融機関に連絡しない
ローン中の家は、ローンを完済して金融機関による「抵当権」を抹消する必要があります。抵当権とは、金融機関が住宅ローンを貸す代わりに購入する家や土地を担保にできる権利です。
この抵当権の抹消には、債務者側である金融機関による手続きも必要です。
売却資金で住宅ローンが完済できない場合は「任意売却」するという選択肢もあります。
契約・法律を守るために家の売却でやってはいけないこと
この章では、不動産会社と契約を結んだ後売却活動をしている最中ににやってはいけないことをご紹介します。
【売却活動中】売主が不利になる情報を隠す
不動産会社に査定をしてらう際や買い手の方に内覧をしていただく際には、正しく物件の情報を伝える責任があります。
「瑕疵担保責任」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。「瑕疵担保責任」とは、住宅を売却する際、物件の破損や不具合などがあった場合、買主が売主に対して補償を請求したり契約を解除することができるというものです。例えば、雨漏りや白アリ被害・排水管設備の不具合などがこの瑕疵担保責任に含まれます。
売買契約前に上記のような欠陥を報告していれば、瑕疵担保責任に問われることはありません。ただし伝え忘れていたり、そもそも欠陥を把握していなかった場合でも売買契約後に保障金や賠償金を請求される可能性があります。
トラブルを避けるためにも、売却前に物件の隅から隅までチェックを行い、判明した全てのマイナス点を買主に伝え、納得した上で契約を結ぶ事が好ましいです。
※2022年1月追記
「瑕疵担保責任」から「契約不適合責任」に変更になりました。それによって、「隠れた瑕疵」がある場合ではなく、契約時に伝えていた内容と違う場合に買主は損害賠償や代金減額の請求ができるという規定になっております。
契約不適合責任について、詳しくは法務省の説明資料をご確認ください。
参考:民法(債権関係)の改正に関する説明資料(法務省民事局)
【売却契約以降】確定申告を忘れる
家を売却して利益が出た場合は、自分で確定申告を行う必要があります。
確定申告を怠ると、遅滞税や無申告加算税などのペナルティが発生します。後回しにせず、早めに申告の準備を行いましょう。
スムーズに売るために家の売却でやってはいけないこと
この章では、スムーズに売るためにやってはいけないことをご紹介します。
【売却準備中】売出価格を希望額で決める
家を売り出す時の価格を売却希望額などで適当に決めないようにしましょう。
売り出し価格の決定は最終的な売却価格や売れるスピードなど売却活動を左右する重要な判断です。「これくらいで売れたらいいな」という感覚だけで売却額を決めてしまうと、売却額が低すぎて損をしてしまったり、高すぎてなかなか売れずに結局値下げをして損をするということも。
売り出し価格は、査定結果・近隣の売り出し中物件の価格・売却希望額などさまざまな物を参考にして決めましょう。
迷った時は不動産会社に相談するのも手。不動産会社は周辺の売り出し中物件の価格を知っていることが多いので、周辺の売却相場から大きく外れる心配はありません。
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【売却準備中】偏った情報で不動産会社を選ぶ
不動産会社を検討せずに決めるのは避けましょう。
不動産会社を選ぶ際、何を基準に決めて良いのか分からない、本当に不動産会社を信頼して良いのか分からないなどの理由で、検討せずに知り合いから紹介された不動産会社で決めてしまう・査定額が高い不動産会社で決めてしまう・ネームバリューのある不動産会社で決めてしまう場合があります。
不動産会社はそれぞれに得意不得意とする物件がありますし、選ぶ際は担当者との相性の重要なポイントとなるので、その不動産会社が必ずしも自分に合うとは限りません。
いくつかの不動産会社を比較して、自分に合っている不動産会社を選ぶようにしましょう。不動産会社1社を見て、その不動産会社の良し悪しを判断するのは難しいですが、いくつかの不動産会社の中から1番良い不動産会社を選ぶのは比較的容易です。
【売却活動中】売出価格を高くしすぎる
売出価格を相場よりも高くしすぎると、買主が全く見つからなくなってしまいます。
買い手も相場はある程度把握していることが多いため、物件検討の段階で除外されないためにも、適正な価格に定めましょう。
【売却活動中】不動産会社に任せきりにする
家を売る時に、不動産会社選びはかなり重要なポイントですが、だからといって全てを不動産会社に任せきりにしてはいけません。
販売の際に不動産会社に作成してもらうマイソクと呼ばれるチラシや、SUMMOなどのポータルサイトに掲載している情報を変えるだけでも効果はありますので、なかなか買い手が見つからない場合には見直してをしてみると良いでしょう。
また。不動産会社から問い合わせ状況を報告を受けながら、今後の販売戦略を定期的にアップデートしていくことも大切です。
不動産を6カ月以上売り出しても買い手が見つからない場合、何かしら問題があるはずです。これ以上放置しても売れる見込みは薄いので販売戦略のアップデートが求められます。
不動産会社に丸投げするのではなく、パートナーとしてあなた自身も一緒に売却活動に参加していくことが大切です。
【売却活動中】値段交渉に応じない
家を売却する際に値段交渉されることはよく起こります。その際になんでも拒否してしまうと交渉が進みません。妥協できる範囲とできない範囲を予め考えておき、その基準に基づいて交渉を行いましょう。
家を売る時にやってはいけないことを、きちんと把握して売却に活かしましょう。