「まずは不動産売却の基礎知識を知りたい」という方は、こちらの記事をご覧ください。
不動産評価額とは
不動産評価額とは、不動産の価格やかかる税金を計算するうえで、基準となる不動産の価値を表す価格のことを指します。
不動産評価額を知ることで、自分の所有している不動産の価値を知ることができ、どのくらい税金がかかるのか、大体いくらで売却できるのかを知ることができます。
「不動産評価額」は、一般的には多くの場合固定資産税評価額を指しています。
この章では、固定資産税評価額について詳しく見ていきましょう。
固定資産税評価額とは
固定資産税評価額とは、不動産にかかる固定資産税の基準となる評価額です。一般に「評価額」というと、固定資産税評価額を指す場合が多いです。
固定資産税の他にも、不動産を取得したときに1度だけかかる「不動産取得税」、市街化区域内に不動産を所有している場合にかかる「都市計画税」、登記にかかわる「登録免許税」の基準にもなっています。
固定資産税評価額は土地と建物でそれぞれ異なり、土地は公示地価(時価)の60~70%、建物については建築費の50~70%ほどになることが一般的です。
なお、固定資産税評価額とは、固定資産税を算出するための基準とする固定資産の価値を評価した額であり、資産の購入や販売価格とイコールではありません。
固定資産税評価額は市町村によって発表されるもので、3年に一度見直しが入ります。
固定資産税評価額の調べ方については、次の章をご覧ください。
固定資産税評価額の調べ方
固定資産税評価額は、基本的には「固定資産税の納税通知書」を確認すれば確認することができます。
「固定資産税の納税通知書」は毎年4月から6月頃に送られてきます。
固定資産税の納税通知書が手元にある場合、同封されている「課税明細書」の「評価額」欄を確認すれば、固定資産税評価額がわかります。
なお、もし固定資産税の納税通知書を紛失した場合は、各自治体の役所に問い合わせるか、「全国地価マップ」にアクセスすれば、固定資産税評価額を調べることができます。
そのほかの不動産の価格
不動産評価額は、実は大きく分けて「固定資産税評価額」「相続税評価額」「公示地価」「実勢価格」の4種類があり、それぞれが目的によって使い分けられています。
それぞれの違いがわかるように、以下の表で4種類の評価額を表についてまとめてみました。
名称 | 固定資産税評価額 | 相続税評価額 | 実勢価格 | 公示地価 |
---|---|---|---|---|
金額 | 公示地価の70%程度 | 公示地価の80%程度 | 個別の取引によって異なる | あらゆる地価の基準となる |
調査主体 | 市町村(東京23区は都) | 国税庁 | 不動産会社 | 国土交通 |
調査時点(発表) | 3年に1度評価替え | 毎年1月1日(7月発表) | – | 毎年1月1日(3月発表) |
役割 | 固定資産税など(地方税)の算定基準となる | 相続税、贈与税(国税)の算定基準となる | 個人間での不動産の売買 | 土地取引や金融機関の担保評価の指標となる |
この章では、不動産評価額以外の不動産評価額について、それぞれの価格の特徴を見ていきましょう。
相続税評価額
相続税評価額は、不動産にかかる相続税、贈与税、地価税の基準となる評価額です。
相続税評価額の目安としては、公示価格(時価)の80%ほどになる言われています。相続税評価額も資産そのものの価値とイコールではありません。
土地の評価方法には「路線価方式」と「倍率方式」の2つがあります。「路線価方式」は、国税庁が公表している「路線価」という1m²辺りの土地の価格を用いる方法です。「倍率方式」は、路線価が定められていない地域に対して、固定資産税評価額に国が定めた倍率を掛けることで算出する方法です。
評価基準日は1月1日で、現在は毎年7月に発表されています。
公示地価
公示地価とは、国が定めた土地の基準となる価格です。
特殊な状況がない売買で成立する適正な価格のことであり、個人が土地の価格を知るときの目安とするほか、工業事業を含む土地取引の指標としても活用されている評価額です。
国土交通省が調査・発表しており、都市計画区域内外で設定された地点(標準地)のみが対象で、全国25,000地点以上で実施されています。
公示地価は1月1日時点での価格であり、毎年3月に発表されます。毎年更新されるため、市況を表している価格と言えます。
公示地価と似ているものとして、「基準地価」と呼ばれる評価額もあります。評価基準は公示地価とほぼ同じですが、公示地価の調査対象外の場所には基準地価が設けられています。また、基準地価は7月1日時点での価格であり、毎年9月に発表されます。
実勢価格
実勢価格とは、不動産の実際に取引が成立した価格です。
例えば、公示地価が3,000万円の土地でも、実際に売主が売り急いで2,500万円で取引が成立した場合、実勢価格は2,500円となります。
実勢価格は取引が行われた時点の価格であるため、市場の需要や景気によって変動する場合があり、不動産を売却する際の参考価格となります。
また取引が行われていないエリアの場合は、周辺で実際に行われた取引事例などから推定される価格を実勢価格として扱うケースもあります。
不動産評価額は売却価格と関係はある?
評価額と、不動産の売却価格はどのような関係があるのでしょう。不動産を売却する際は評価額がそのまま売却価格に設定されるのではないかと思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
評価額と不動産の売却価格に関係はない
結論から言ってしまうと、不動産の売却価格と建物の固定資産税評価額は直接的には関係ありません。
固定資産税評価額が思ったよりも高くても、売却価格がそれよりも低いことはあります。
建物の固定資産税評価額は、新築当初は請負工事金額の50%~60%程度の価格で評価されます。
その後、建物の固定資産税評価額は経年とともにほとんど下落しません。
理由としては、建物の固定資産税評価額はあくまでも固定資産税等の税金を取るための評価額であり、時価のようにどんどん下げてしまうと税収が不安定になってしまうからです。
しかし、建物と場合と土地の場合で少し話が変わってきます。
なぜ評価額と売却価格に違いがあるのか
そもそも、公的な評価額というのは、あくまでもその土地が道路に面しているかどうか、公共事業をするにあたって価値がある立地かどうかを知ること、税金を徴収するにあたっての妥当性を知ることが目的になっています。
しかし、宅地や商業地となると不動産商品としての価値が問われます。評価額以外の要素も加味して算出されるため、評価額と売値には差が生まれます。
売却価格を決める場合、スーパーや病院、学校など生活に即した施設との近さも関係してくるということです。
売却価格を知るなら一括査定
また、評価額と違って売却価格は不動産会社の間でも差が生まれやすいものです。
家の価格を知るには、売却相場に最も近い不動産会社の査定を利用するのが適しているのですが、実は1社の査定を受けるだけでは不十分。
不動産会社の査定に明確なルールはなく、不動産会社によって査定結果は異なるのです。つまり、1社の査定結果を見ただけではその査定結果が安いか高いかも分からないということ。
1社の査定結果だけを参考にしてしまうと損をしてしまう場合があるのです。査定を行う場合は査定3社以上の査定を受けるのが賢明でしょう。
複数社に査定依頼を出す際は一括査定サービスのイエウールを利用すると便利。一度の申し込みで複数社に査定を依頼を出せるので、何度も売る理由や個人情報を入力する必要がありません。
利用者数は13,000人超、提携不動産会社は1,900社以上!インターネットから簡単な申し込みで、何社もの不動産会社へ一度に査定依頼ができるイエウールの「一括査定」なら、自宅にいながらいくらで売れるかがすぐにわかります。もちろん、各社の査定額を比較検討してじっくり業者選定をしてもOKです。
さらに、無料で利用できるので、「結果を見て売却を検討したい」「まずは価格を知りたい」といった場合でも利用しやすいです。
目的に合わせて不動産評価額を調べよう
評価額とは何か、いつどんなときに使うものなのか。売却価格とはどんな関係があるのかについて解説しました。
繰り返しになりますが、評価額とひとくちにいっても色々な意味合いがあり、その目的によって参考にする評価額が変わってきます。間違った評価額を参考にすることで資金計画がずれてしまうこともあるでしょう。ご自身の目的に応じて適切な評価額を参考にしましょう。
また、時間と手間をかけて評価額を調べなくてもいいかもしれません。例えば住み替えを検討しているなら、査定価格を調べるだけでわかることもたくさんあります。
まずは複数の不動産会社の査定結果を受け取ってみてはいかがでしょうか。
記事のおさらい