不動産の査定額・評価額はどう決まる?売り主が知っておくべきプロの評価ポイント!

こんにちは、イエウールコラム編集部です。
売却する不動産の査定・評価額は築年数や路線価、時期などさまざまな条件から決定されます。査定前に物件の中をメンテナンスすることなどは当然ですが、その他に金額を上げるためにはどんな方法があるのでしょうか?

先読み!この記事の要点
  • 査定額のマイナスポイントを把握して上方修正をすることが大切
  • 査定を依頼する不動産会社の評価基準を知る

査定・評価額が決まる前に、価格を上げるためにできることはすべて実施しておきましょう。


1.不動産売却を成功させるには不動産評価の「決め方」を知るべき

大事な不動産を売却するのだから、「少しでも高く売りたい」と思うのは誰しも同じ。
ところが、なんの知識もないと不動産会社のペースで査定価格が決まってしまい、結局は納得の行かない取引になってしまう可能性もあります。
そんな状況を招かないためにも、ぜひ知っておきたいのが不動産取引の実態です。


不動産会社が物件を査定する際に置いているポイントはどこなのか、また査定額をどう算出しているのか、なぜ不動産会社によって査定額に差が出るのか など、ここではその仕組みやカラクリに迫っていきます。
もちろん、査定額を上げるために売り主として気をつけておくべきポイント も押さえます。
知っているのと知らないのとでは、売却で手にする金額に大きな差が出てくる──それが、不動産買取査定の仕組みです。

1.1なぜ不動産の評価ポイントを知っておくべきなのか

1.1.1)低すぎる物件評価で泣きを見ないために

不動産会社がどんな基準で不動産を評価しているのかがわからないと、査定額が妥当かどうか素人である私たちには判断がつきません。
自分では「もっと高く売れるはずなのに」と思っていても、「プロがそう言うんだから」と渋々納得させられて終わり、ということも。
もし査定額がどう決まるか、その仕組みやプロセスを知っていれば、業者が提示してきた金額の根拠をただすことも、「もう少しなんとかなるのでは?」と意見を言うこともできるでしょう。
「このお客さんは手ごわい」という印象を少しでも与えることができれば、不動産会社もいい加減な査定はできなくなるというものです。

1.1.2)挽回できるポイントがわかれば手が打てる

もちろん、不動産買取の査定には一定の根拠があるので、期待していたよりも低い金額を提示された場合は、どこかにマイナス評価につながる要因があったのかもしれません。
そのマイナスポイントがどこにあるのかがわかれば、対策次第では査定額を上方修正できる 余地も生まれます。


たとえば、築年数がそれほど経過していないような家やマンションで、外観などに問題がないのに、なぜか査定額が低すぎるような場合は、壁・床の破損や汚れなど内装に問題があることが往々にしてあります。
とくにペットを飼っていた物件は顕著で、そのままでは内覧などをおこなっても来場者(購入希望者)の印象が悪く、希望の額では売却の成約に至らないかもしれません。


そういった場合は、壁紙を貼り替えたり、床の補修をおこなったりしたうえであらためて査定を受けると良いでしょう。
原状回復レベルのリフォームならそれほど費用もかかりませんし、それ次第で査定額、売却額が数百万と違ってくるのなら安いものです。


また、不動産売却には高値がつきやすいシーズン が存在します。
「6.高く売るためのタイミングは繁忙期を利用する」の章でくわしくご説明しますが、その時期を大きく外して売り出そうとすると、査定額も相応に低くなりがちなので注意しましょう。

2.不動産の時価を左右する3つの評価法

まずは、不動産会社が土地や建物(マンション・戸建て)を査定する際にどんな評価法を取り入れているのかを知っておきましょう。
もちろん、実際の査定ではさらに細かな評価基準を加味することもありますが、以下の3つは評価法のキホン とも言えるものなのでぜひ知っておきたいところです。

2.1取引事例比較法

近隣で似たような条件を持つ物件がどの程度の金額で売買されたのか、実際の成約事例を探し出して相場を参考に査定する方法 です。
土地の広さや建物の規模などが同じでも、立地条件や売買された時期には若干の違いがあるので、これらを加味して金額を調整します。

2.2原価法

売却の対象となる不動産、たとえば土地付き戸建て住宅を現時点で建築した場合にいくらになるかを割り出し、築年数に応じてどの程度まで価値が下がるかを計算(減価修正)して、現在価格を求める方法 です。

2.3収益還元法

賃貸マンションやアパートなど投資用物件の価値を算定する方法 で、その物件が将来生み出すと期待される収益から現在価格を求めます。
収益還元法には主に、1年間の収益を利回りで割る「直接還元法」一定の投資期間から得られる収益と一定期間後の物件価格を予測して合計する「DCF法」 の2つがあります。

居住用の住宅(戸建て・マンション)は、取引事例比較法または原価法で評価します。

3.不動産会社が使う査定額を算出する計算方法

ここでは、居住用マンションの査定によく使われる取引事例比較法による査定額の算定方法を見ていきます。

3.1取引事例比較法による査定額の算定方法

「2.1」で取り上げた取引事例比較法を用いた計算式は以下の通りです。

(1)事例物件の平米単価×
(2)[査定物件の評価ポイント ÷ 事例物件の評価ポイント] ×
(3)査定物件の面積 × (4)流通性比率
≒ 査定額

3.1.1)(1)事例物件の平米単価

近隣で査定物件(対象物件)と似たような条件を持つ成約物件(事例物件)を洗い出し、平米単価の平均値を割り出したものです。

3.1.2)(2)査定物件の評価ポイント ÷ 事例物件の評価ポイント

事例物件に対して査定物件がどれだけ総合評価で上回っているのか、下回っているのかを割り出したものです。
同じ面積のマンションでも、内外装や設備仕様の状態などの違いで評価ポイントが平均を上下することがあります。

3.1.3)(3)査定物件の面積

売却を検討している建物の面積です。

3.1.4)(4)流通性比率

不動産物件には「売りやすい」「売りにくい」といった側面がありますが、その度合いを示すのが「流通性比率」です。


たとえば、「売りにくい条件」を持つのは以下のような物件だとされています。

  1. 面積が広く、総額が大きくなるような物件
  2. その地域の購入者層とそぐわない価格帯の物件
  3. そのエリアの需要が低いため買い手がつきにくい物件


    なお、不動産会社では「1.0」を流通性比率の標準値として最小値0.93~最大値1.07の範囲で用いられ、数値が大きくなるほど売りやすく、小さくなるほど売りにくい物件 ということになります。

3.2買取査定額の計算シミュレーション

たとえば、次のような条件が設定されていた場合を見ていきましょう。

・査定物件(マンション・2LDK)
専有面積49㎡/評価ポイント110点/流通性比率1.0
・事例物件
専有面積50㎡/評価ポイント105点/平米単価50万円/成約価格2,500万円
査定額
500,000円 × (110÷105) × 49㎡ × 1.0(流通性比率)
≒ 25,725,000円

計算するとこのようになり、この場合は似たような事例の平均値(相場)を72.5万円上回る額で売却ができる という判断になります。

3.3評価ポイントや流通性比率をチェックしよう

上記のシミュレーションでは、似たような事例よりも高く売れるという判断が導かれました。
それは、評価ポイントがほかの事例の平均より5ポイント上回っていたからで、ここが同じか低い値なら査定額はもっと低かったはずです。
また、流通性比率は1.0と標準値で計算しましたが、売りにくい物件と判断された場合は同様に査定額が低くなります。


買取査定を依頼した不動産会社から納得の行かない金額を提示されたら、ほかの事例の売却実績と比較するだけでなく、売ろうとしている物件の評価がどうなっているのか、売りやすさ(売りにくさ)の点ではどうなのかをたずねてみましょう
場合によっては査定額・評価額の修正が可能になるかもしれません。

4.査定で不動産会社が評価するポイントとは!?

では買取査定の際、不動産会社は物件のどの部分を評価し、採点しているのでしょうか。

4.1建物(一戸建て・マンション)の評価ポイントはどこ?

戸建て住宅でもマンションでも同様に問われるのは 「法定耐用年数」 です。これは国が定めたもので、木造、鉄骨造など構法の違いで下記のように耐用年数が異なります。

木造 S造(鉄骨) 骨格材厚≦3mm S造(鉄骨) 3mm<骨格材厚≦4mm S造(鉄骨) 4mm<骨格材厚 RC造 SRC造
22年 19年 27年 34年 47年 47年

ただし、法定耐用年数とはあくまでも減価償却の算定基準として定められたもので、イコール建物の寿命ではない 点には注意が必要です。
築20年をすぎた木造家屋や築30年を超えたマンションでも、計画的に修繕やリフォームがなされ、耐震性が十二分に確保されていれば、査定で大きなマイナスになることはありません
逆に、新築からメインテナンスらしいメインテナンスを実施していない家は、その後の修繕費が高くつくと予想されるため査定ではマイナス評価 になります。

4.2土地の評価ポイントはどこ?

敷地の形状や間口の状況、道路付けや方位などだけでなく、交通の便や日照・採光・上下水道やガスの敷設状況などによって土地の評価は大きく変わります。

4.3マンションの評価ポイントはどこ?

マンションの評価ポイントは下記のようにさまざまです。

  • どの階にあるか、方位や日照はどうか
  • 室内の管理状況はどうか、騒音振動の影響はあるか、眺望は良好か
  • 敷地は所有権か借地権か
  • 共用部(外壁・エントランス)の状態は良好か、耐震性は確保されているか
  • セキュリティーは万全か、駐車場、コミュニティ施設は充実しているか
  • 大規模修繕や日常的な保守・清掃は計画的に実施されているか、管理員は常駐しているか
  • 交通の便はどうか、駅やバス停より徒歩何分か?
  • スーパーやコンビニ、公共施設や学校、病院は近いか

4.4土地が持つ「4つの価格」も評価に影響する

土地は 「一物四価(記事#4へリンク)」と言われ、「実勢価格」「公示価格」「固定資産税評価額(固定資産税路線価)」「相続税評価額(相続税路線価)」とその価値を計るモノサシが4つもある ことで知られています。
これらの指標もまた、買取査定額に影響します。
前述の評価ポイントとあわせて理解しておくことで、不動産会社から提示された査定額が妥当かどうかを知る手がかりになります

4.4.1)実勢価格

不動産市場で実際に取引される際の成約価格(不動産の売買価格)。
土地の場合は、実際に取引される価格がその時々で変動するため、「時価」となります。

4.4.2)固定資産税評価額(固定資産税路線価)

市区町村が発表する土地の価格で、固定資産税や都市計画税の計算の際に利用されます。
なお、固定資産税評価額は公示価格の70%が目安とされています。

4.4.3)相続税評価額(相続税路線価)

道路(路線)に面する宅地1㎡あたりの評価額で、相続税や贈与税を算定するときの基準 になります。
相続税路線価は、公示地価の80%程度となるように決められています。
考え方・計算式はこちらをご参照ください。

4.5公示価格

国土交通省が発表する全国標準地の土地価格で、一般の不動産取引における価格の目安 として用いられます。
なお、公示価格は実勢価格の90%が目安とされています。
詳しくはこちらをご覧ください。

5.なぜ、不動産会社によって査定額が異なる?

不動産会社が物件を査定する際には、公益財団法人「不動産流通推進センター」が作成する 「価格査定マニュアル」を利用して採点し、評価ポイントを決定しています
また、前述の一物四価で解説した公的な指標を併用しています。


ではなぜ、公的な指標を併用しているのに各社で査定額が異なるのでしょうか?
それには大きく分けて2つの理由があります。

5.1【理由1】比較対象となる事例物件の選び方で変わるから

マンションのように取引事例比較法を採用した場合、事例物件の選び方一つで査定価格にも違いが出てきます。
マンションの査定では同じエリア内で実際に売れた成約事例を参考にしますが、どの事例物件を選ぶか、その基準は不動産会社によってまちまちです。
高く売れた物件を比較対象に選べばおのずと査定価格は高くなり、一番安く売れた物件を選べば当然、査定は低くなります

5.2【理由2】不動産会社の営業姿勢が異なるから

たとえば、複数の不動産会社に査定を依頼したとします。
ほかの不動産会社を出し抜き、依頼者から媒介契約をとろうとして、実際の評価結果よりも高い査定額を提示してくる場合があります。
しかし、査定額が高いからといって、安易にその不動産会社に飛びついてはいけません
「査定額イコール売却額(成約価格)」 ではないからです。


相場よりも明らかに高ければ、どんなに待っても買い手は表れず、成約に至りません。
誠意ある不動産会社は、客観的な情報を総合して妥当な査定額を出してきます。
それを「安すぎる」と短絡的に決めつけずに、その根拠を担当者に問いただすことが大切です。
そして、その査定額より少しでも高い価格で売れるよう、不動産会社に知恵を絞ってもらうのが正しい不動産売却のあり方 と言えるでしょう。

6.高く売るためのタイミングは繁忙期を利用すべし!

上でも述べましたが、不動産売却には「高値が付きやすいシーズン」というものがあります。
たとえば、就職や転勤が多くなる1~3月 がそれにあたります。
不動産売買市場も繁忙期を迎えて取引が活発になるため、 このタイミングに売却時期を設定すれば査定額のアップが見込めるでしょう。


ただし、転勤などで次の住まいを必要とする方の多くは、遅くとも12月頃には転居先について検討を始めているので、実際の売却開始は11~12月頃に設定しておくのがベスト です。

7.まとめ:査定の基準を知って売却に望むべし

  • 不動産会社が「どこを見て査定しているか」を知れば、価格交渉が可能になる。
  • 不動産が持つ「流通性比率」を把握することで売りやすさの評価がわかる。
  • 土地の売却には、「公示価格」「実勢価格」「路線価」「固定資産税評価額」という4つの評価指標がある。
  • 査定額=売却額(成約価格)ではない。一喜一憂せず、複数の不動産会社へ査定を出すべし。
  • 不動産の繁忙期1~3月が高く売れるチャンス。

不動産会社によって査定額・評価額が異なってくることはこれまで述べた通りです。
そのため、1社や2社に査定を依頼してその結果に一喜一憂してもあまり意味がありません
それよりも、複数の不動産会社に査定を依頼できる「一括査定サービス」を利用するのが賢いやり方 と言えるでしょう。


従来のようにいちいち電話して相談のアポイントを取りつける必要がなく、時間の節約にもなります。
自分からアプローチしても、当の不動産会社が賃貸管理中心で仲介はしていなかったということもあり得ますが、一括査定ならこうしたミスマッチはありません


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もちろん、各社の査定額を比較検討してじっくり業者選定をしてもOKです。
住み替えを予定している方、相続不動産の処分をご検討の方、転勤を控えている方、資産整理をしたい方など、不動産売却を賢く・素早く進めたいなら、イエウールの一括査定 を活用してみてはいかがでしょうか。



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