訪問査定前には準備を行い、査定中も注意点を踏まえて有料な不動産会社を選べるようにしましょう。
「まずは不動産売却の基礎知識を知りたい」という方は、こちらの記事をご覧ください。
訪問査定とは
不動産の査定方法には訪問査定と机上査定の2種類があります。
この2つの査定方法はどのように違うのでしょうか。まずは訪問査定の特徴を理解しましょう。
訪問査定とは現地調査して査定額を算出する査定方法
訪問査定とは、実際に現地調査を行い土地や建物をチェックして価格を決定する査定方法のことを言います。
実際に不動産を見て査定価格を算出するため、データだけでは分からない日当たりやシロアリ被害をはじめとした個別事情をチェックして査定を行うため、より相場価格に近い査定結果を知ることができます。
不動産を査定してみる
訪問査定に料金はかかるの?
結論から言うと、訪問査定は無料でできます。
不動産会社の査定が無料で行える理由は自社で不動産を売ってもらいたいからです。
不動産会社は仲介手数料から利益を得ています。仲介手数料とは不動産の売買契約が成立したときに支払う成功報酬のことです。つまり仲介手数料を受け取るためには売主との媒介契約を結び、売買契約を成立させる必要があります。
この媒介契約を結ぶチャンスを作るために査定を行い、より多くの人と出会うために無料で査定を行っているのです。
つまり売主と買主の間に不動産の売買契約が発生しなければ不動産会社へ料金を支払う必要はありません。
訪問査定でチェックされるポイント
査定を行う際に不動産会社がチェックするポイントは、築年数、間取り、接近条件、環境条件などがあります。
特に重要なポイントは築年数です。家は築年数が経過すればするほど価格が低くなります。木造建築の一戸建ての住宅だと耐用年数が22年であることから築20年を超えた住宅は古いという認識になってしまいます。
そのほかにも一戸建ての査定であれば外壁、マンションの査定であれば共有スペース、土地の査定であれば形も査定時に評価されるポイントになります。
築3年の神奈川県横浜市の一戸建て売出事例
不動産種別 | 一戸建て |
売出価格 | 4680万円 |
エリア | 神奈川県横浜市 |
築年 | 2020年 |
駅徒歩 | 港南中央駅 14分 |
建物面積 | 99.78 |
土地面積 | 138.75 |
築26年の神奈川県横浜市の一戸建て売出事例
不動産種別 | 一戸建て |
売出価格 | 2380万円 |
エリア | 神奈川県横浜市 |
築年 | 1997年 |
駅徒歩 | 港南中央駅 13分 |
建物面積 | 106.44 |
土地面積 | 64 |
何社の不動産会社に査定依頼をすればいい?
査定をする際は1社のみにせず複数の不動産会社に査定を依頼するようにしましょう。
査定には明確なルールがないため不動産会社によって査定額が異なります。複数の不動産会社に査定をしてもらうことで査定結果を見比べることができるため、売却相場から外れた査定価格を提示している不動産会社を見分けることができます。
査定結果だけでなく、不動産会社の対応の速さや担当者の知識の豊富さも見比べることができます。
最低3社以上は査定依頼をして不動産会社を見比べるとよいでしょう。訪問査定と机上査定の違い
不動産会社に査定してもらう方法には訪問査定のほかに机上査定というものがあります。
机上査定とは不動産の立地条件や路線価、周辺物件の取引事例といった不動産のデータを参考に査定価格を算出する方法です。簡易査定と呼ばれることもあります。主な違いは以下の通りです。
机上査定 | 訪問査定 | |
---|---|---|
査定価格の算出方法 | 不動産のデータ | 不動産のデータ+現地調査 |
結果が出るまでの期間 | 当日~3日 | 1週間程度 |
査定の正確さ | おおよその価格 | 売却相場に近い価格 |
詳細は以下の記事をご覧ください。
机上査定より訪問査定を選ぶべき理由
ここまで「訪問査定とは何か」、そして「訪問査定と机上査定の違い」について解説してきましたが、この章では皆さんが実際に査定を行う際にどちらの査定方法を選ぶべきかについて解説していきます。ご自身の状況や考えを踏まえて参考にしてみてください。
正確な査定額が分かる
訪問査定は不動産のデータだけではなく、不動産会社の担当者が実際に見に来るため、部屋の劣化状況、日当たり、騒音や振動といった環境条件といった情報も考慮したうえで査定額が出ます。
そのため訪問査定は机上査定よりも正確な査定額が分かります。
不動産会社を見極められる
不動産会社の担当者は実際に売却活動を始めた際に重要になってきます。なぜなら、買主候補を探し、値引き交渉の対応をするのも担当者だからです。担当者が優秀であるかどうかで、売却活動の期間や売却額が変わってくると言っても過言ではありません。
そのため、その不動産会社で問題ないか確認できることは訪問査定の大きなメリットです。
訪問査定までに準備しておくこと
訪問査定を受けるためには準備が必要です。
正しく査定してもらうためにも査定前の準備を怠らないようにしましょう。
- 必要書類を収集する
- 売却相場を調べる
- 家の掃除をする
- 物件の情報をまとめておく
訪問査定を受ける際の注意点
査定は不動産会社を比べることのできるタイミングです。どのようなことに注意して訪問査定を受けるとよいでしょうか。
注意点は以下の通りです。
- 大手にも中小にも査定を依頼する
- 査定時に不動産会社の対応を見極める
- 査定時に売却理由を伝える
訪問査定後の不動産会社の選び方
不動産売却を成功させるために最も重要なことは不動産会社選びです。
しかし多くの不動産会社に訪問査定を依頼してもどの基準で媒介契約を結ぶ不動産会社を選べばよいのか迷っている方も多くいるでしょう。
ここからは訪問査定後の不動産会社の選び方を解説します。
査定価格とその根拠
不動産会社から査定結果が送られてきたら査定価格とその根拠を聞きましょう。
不動産会社の査定には定められたルールがなく、「いくらで売れるか」という観点でそれぞれの不動産会社がそれぞれの基準で査定価格を決めるので、不動産会社によって査定価格は異なります。
査定価格はどの不動産会社でも大きく違いはないはずですが、中には極端に高い査定価格を提示する不動産会社があります。このような不動産会社は売り出すときに値下げを提案されることがあるので要注意です。あまりに違う査定価格を提示してくる不動産会社には依頼しないようにしましょう。
反対に安すぎる査定価格も担当者が相場を把握していない可能性があるので注意しましょう。
このような不動産会社を避けるためにも、査定価格を受け取ったら「どうしてその査定価格になったのか」を聞き、しっかりとした根拠を説明していただけるかを確認します。平均的な査定価格を提示していても根拠を説明できないこともあります。
査定価格が高い・安いも重要ですが、担当者がしっかりとした説明をできるかどうかも重要です。
得意な物件と実績
数多くある不動産会社の中でも、「売却業」を専門にしている不動産会社であるか確認するようにしましょう。
売却専門の不動産会社のほうが売却実績が多く、ノウハウや専門知識があるためよりスムーズに売却業務を行えます。
また、自分の売りたい不動産の売却が得意であるかどうかも重要です。同じ売却業を専門としている不動産会社でも「一戸建てを売るのが得意」というように得意な物件があります。自分の売りたい不動産の売却が得意な不動産会社であれば、売却ノウハウが蓄積されており、売却のアドバイスをもらうことができるでしょう。
不動産会社の専門領域や得意な物件を確認するには、査定を依頼する前に不動産会社のホームページを確認するか、担当者に直接質問してみるとよいでしょう。
囲い込みをしていないか
囲い込みとは不動産会社がその物件を囲い込んで両手仲介を狙う行為のことです。不動産会社にとっては、1社で売買どちらも契約を取れば売主と買主の両方から仲介手数料を貰える「おいしい仕事」になります。
両手仲介自体は問題がありませんが、不動産会社が両手仲介になるように他の不動産会社からの内覧や購入の依頼を嘘をついて断ったり、レインズに登録をしないなどして、自社で買主が見つかるまで物件を売れないようにする行為は囲い込みになり売主が損をしてしまうことがあります。
不動産会社は買主の利益も考えなければいけないため、完全な売主の味方になってくれないことがあり、場合によっては値下げを要求してくることもあります。
囲い込みを防止するには不動産会社に囲い込みをしないか担当者に確認しましょう。確認するタイミングは媒介契約を結ぶ前の査定結果を受け取るときがよいでしょう。
売却以外の提案内容
売却以外にもどのようなサービスがあるのか確認しておきましょう。
不動産会社によって、不動産を魅力的にPRし購入希望者を多く集めるサービスや、不動産が売れなかった場合の保証など様々なサービスがあります。
より自分に合ったサービスを提供している不動産会社を選ぶようにしましょう。
担当者との相性
不動産会社選びで最も重要なポイントは、担当営業マンの対応です。
不動産を売却するとなると、不動産会社の担当営業マンとは様々なやり取りを行うことになります。見極めのポイントは「こちらの話を親身に聞いてくれるか」です。
不動産売却ではそれぞれの不動産に個性があり売主にも様々な事情があります。そのため毎回異なる売却戦略が必要ということになり、売主からしっかりとヒアリングができないとよい売却戦略は立案できません。
それぞれに最適な売却戦略があるとなれば、売主の話を聞かない、自分の考えを押し付けるという不動産会社ではよい結果は出ないでしょう。
訪問査定を依頼するなら不動産一括査定が便利
実際に不動産会社に査定依頼をしたいけど、どのように査定依頼を申し込めばいいか分からない方も中にはいるでしょう。
不動産会社に査定依頼を申し込む際は不動産一括査定を利用すると簡単に査定依頼を申し込むことができます。
不動産一括査定とは
不動産一括査定とは一度の申し込みで複数社に査定依頼を出せるサービスのことです。
査定依頼を出せる不動産会社は自分で選ぶのではなく、申し込みが完了した際に複数の不動産会社が表示され、その中から査定依頼をする不動産会社を選ぶことができます。
入力した情報をもとに一括査定サイトに登録している不動産会社から条件にあう会社とのマッチングが行われるため、自分で1から不動産会社を探すことなく査定依頼をする不動産会社を選択することができます。
おすすめの一括査定サービスはイエウール
一括査定サービスはいくつかありますが、その中でもおすすめはイエウールです。
イエウールは、東京商工リサーチ社が行った「不動産の一括査定サイトに関するランキング調査」(2020年7月調査)において利用者数・提携会社数・対応エリア数などすべての項目で1位となりました 。
提携会社数は約2000社、多くの不動産会社と提携しているのでサービスが充実した大手不動産会社から地域に密着した中小の不動産会社までさまざまな不動産会社に査定してもらえる機会があります。最大6社まで同時査定してもらえるので、よりよい条件での売却が可能となるでしょう。
また、提携している不動産会社は一部地域に集中しているなどではなく、日本全国の不動産会社と提携しています。そのため、不動産会社が多く集まる都市部以外に所在する家や土地などの査定依頼でも対応可能に。田舎にある実家を売りたいといった場合でも利用できます。
イエウールでは入力フォーム中で訪問査定と机上査定を選ぶことができるため、自分の状況に合わせて査定方法を選ぶことができます。
入力フォームも簡単で、初めて査定依頼をする方でもカンタンに申し込むことができます。手間がかからず入力できるため、平日、仕事で忙しい方でもお昼休みの間や夜帰宅した後などのちょっとした時間でも査定依頼を申し込むことが可能です。
あなたの不動産、
売ったら
ここまで訪問査定について解説しました。
訪問査定は、実際に不動産会社が現地で査定をするためより売却相場に近い査定価格を知ることができる査定方法です。
そのため不動産売却を考えている方は訪問査定を受けることをおすすめします。訪問査定では書類の入手や家の掃除など事前準備が必要なため、余裕を持った計画を立てて査定依頼を申し込みましょう。