2024年までの不動産価格推移から読み解く今後の動向は?

2024年までの不動産価格推移から読み解く今後の動向は?

価格が決まった商品と異なり、不動産の価格は世の中や市場によって大きく変化します。
不動産売買や投資を考えた時、「今買って良いタイミングか?」「売って損はしないのか…」「どのエリアのどの不動産に投資をすればよいのだろう」と気になる方は多いでしょう。

これからどのように不動産価格が推移していくのかを予測するためにも、過去の価格推移から傾向を見定める必要があります。

この記事では過去から現在までの不動産価格の推移今後の予測を詳しく解説しています。

経済の見通しが不透明な昨今、不動産価格がどのように推移しているのか把握して今後の不動産売買や投資をどのようにしていくのか検討しましょう。

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「まずは不動産売却の基礎知識を知りたい」という方は、こちらの記事をご覧ください。

不動産売却の超基礎知識!よくある売却理由やはじめて売る時の心構え

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2024年7月までの不動産価格の推移は2つの指標を利用する

住宅用不動産の価格がどのように推移しているのかを2023年版の不動産価格指数地価公示をもとに確認してみましょう。

何がわかる?用途は?公表頻度は?
公示地価不動産価格の大まかな傾向がわかる地点単位での土地の正常な価格水準を把握する1年に1度
不動産価格指数不動産取引の時勢がわかる広域的な不動産取引の時間的変化を把握する毎月
不動産価格指数とは、国土交通省が毎月公表をしている不動産価格の動向を指数化した統計データです。全国の平均データだけでなく、ブロック・都市圏ごとの価格推移も調べることができ、不動産取引の時勢を把握するために利用できます。

また、地価公示とは、毎年1月1日時点における適正な地価として国土交通省が公表しているデータで、一般的な土地売買の際の指標となっています。不動産価格の大まかな傾向を把握するために活用できます。

全国平均の住宅用の不動産価格推移

まずは、全国平均の住宅用の不動産価格推移を見ていきましょう。

出典:国土交通省|不動産価格指数(令和6年7月)

こちらは、2008年4月から2024年4月までの全国における住宅用不動産の価格推移です。

住宅総合、住宅地、戸建て住宅、マンションのどのグラフを見ても、2020年以降は価格指数が上昇傾向にあることがわかります。

マンションの価格は2009年2月頃以降、ほとんど横ばい、あるいは緩やかな上昇を経て2013年4月頃以降大幅な上昇傾向を維持してきています。

あわせて、全国の住宅地の価格が今までどのように推移してきたのかを見ていきましょう。

全国平均の住宅地の価格推移

つぎに、地価公示をもとに2010年から現在に至るまでの全国の住宅地の価格推移を示したグラフを紹介します。

全国の住宅地の公示価格推移

出典:国土交通省|地価公示(令和6年)

単位|円/㎡

国土交通省の発表した令和6年地価公示によると、住宅地価格の全国平均は2011年頃から2014年頃にかけて下落した後、2015年ごろからは上昇傾向で推移してきたことが分かります。

そして、新型コロナウイルスの感染が拡大した2020年(地価公示では2021年)にはそれまで順調に上昇傾向で推移していた土地価格が横ばいに転じ、その後緩やかに上昇していることがわかります。

住宅用不動産の価格推移|順調に上昇傾向

続いて、主要地域において住宅用不動産価格が直近でどのように推移してきたかを見ていきましょう。

以下は過去5年間の主要地域のマンションの価格指数のデータです。

月例マーケットウォッチ(2019年~2024年各06月版)をもとに作成

こちらのデータから見ても、主要地域ではいずれも直近4年間で飛躍的にマンションの価格が上昇していることがわかります。

特に愛知県と福岡県では堅実にマンション価格が高騰しており、全国のマンション価格平均価格を釣り上げています。

次に一戸建て住宅の全国と三大都市圏の直近4年間の価格推移をみてみましょう。

月例マーケットウォッチ(2019年~2024年各06月版)をもとに作成

エリアごとのデータを見ると、東京都・神奈川県・千葉県の価格指数はここ1年で大幅に上昇しており、京阪神圏は緩やかに上昇していることがわかります。しかし、どの都市圏も2020年~2021年の低迷を受けてから上昇傾向に転じているという点は変わりません。

このように住宅用建物の価格は、順調な上昇傾向を維持して推移しています。

このことから、マンションほどではないにしろ一戸建て住宅の価格は上昇傾向で推移しており、特に最近では大きく上昇傾向にあるということが見てとれます。

住宅地・商業地の価格推移|コロナ禍で落ち込むも上向き傾向

都市圏・地方圏における直近5年間の住宅地価格の変動率の推移を確認しましょう。

 

令和6年地価公示の概要をもとに作成

住宅地の変動率は、都市圏に比べて地方四市(札幌市・仙台市・広島市・福岡市)の方が非常に大きいです。

直近5年間の住宅地の価格推移に着目してみると、新型コロナウイルスの影響によって2021年のみ価格変動率がマイナスとなっていることが分かります。

一方でその後の2024年集計では新型コロナウイルスの感染拡大前の変動率を取り戻して順調に推移をしていることが分かります。

商業地のデータを見てみると、新型コロナウイルスの感染が拡大する前は、住宅地よりも大きな上昇幅で推移していたことが分かります。

そして新型コロナウイルスの影響を受けて変動率がマイナスとなった後、こちらも2024年集計時点では回復しているようです。

これらのことから、新型コロナウイルスの感染が拡大する前は住宅地よりも商業地の方が大幅な上昇傾向で価格が推移していましたが、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言や自粛期間の影響で商業地はより大きな影響を受けた後、現在は回復傾向で推移していると言えるでしょう。

  1. 新型コロナウイルスは土地価格にも影響を与えたんだね…
  2. 実際に土地価格は一時的に下落するという影響を受けはしたものの、順調に回復しているのじゃ!

今後の不動産価格推移を予測!影響をするファクターは?

2024年の不動産価格推移について理解できたところで、「これから先、不動産の価格はどう推移していくのだろう?」と考えている方は多いのではないでしょうか。

当然ですが、不動産に関する専門家などであっても不動産価格の推移を正確に予測することはできません。しかし、今後の不動産価格に大きな影響を与えそうなポイントを抑えることで、今後の不動産価格がどのように推移していく可能性が高いのかという仮説を持つことは出来るのではないでしょうか。

そこで、最後に不動産価格に大きく影響しそうなものをピックアップしながら、今後の不動産価格の推移を独自に予測してみたいと思います。是非参考にしてみてください。

新型コロナウイルスの終息|今後は堅実に推移

新型コロナウイルスの感染が拡大し、私たちの生活環境も大きく変化してから早3年が経過しました。また、新型コロナウイルスは不動産価格の推移にも影響を与えました。

実際に度重なる緊急事態宣言の発令などにより、新型コロナウイルスの感染拡大は不動産価格指数下落を招きました。しかし、最新の不動産価格指数の推移から、この下落は一時的なものであったとする見方が強くなっています。

そのため、新型コロナウイルスは、私たちの暮らしや世界経済に大きな影響を与えることになり不動産価格の推移にも一時的な低下を招きましたが、コロナウイルスと向き合う社会・ライフスタイルに段々と変化していったことで、不動産価格の急激な落ち込みなどは考えにくく、今後は堅実に推移していく可能性が高いと考えられます。

ロシアによるウクライナ侵攻|建物の値上げに若干の影響

ご存じの通り、不動産価格というのは様々な要素が複雑に絡み合って推移していくものです。そのため、今後の不動産価格の推移を予測する上で、私たちの暮らしているこの社会以外にも不動産価格の推移は影響を受けることを忘れてはなりません。

現在最も危惧されているのは、ロシアによるウクライナ侵攻でしょう。

実際に、日本においてもロシアやウクライナが算出している建築資材やエネルギー資源、金属の供給が低迷し、価格が高騰しています。例えば、家を作る際には大量の木材が必要であり、現状それらを支えてるのはロシアを含む海外の資源ですが、世界情勢の影響でエネルギーや木材などの建築用資源が不足し、価格が高騰している状況です。

資源が不足するとその影響は新築物件の価格上昇に及びます。また、新築物件の価格が上昇すると、中古不動産の需要が高まる可能性が高く、結果的に中古不動産価格も上昇していくと考えられます。

このことから、現在の世界情勢が続けば今後も引き続き不動産価格が上昇傾向で推移していくのではないかと考えることが出来ます。

世帯数減少|首都圏での影響は少ない

人口減少が進む日本では、世帯総数が2023年をピークに減少するだろうと予測されています。

国立社会保障・人口問題研究所が2018年に発表した「日本の世帯数の将来推計」によると、日本の一般世帯総数が2015年5,333万世帯から2023年まで増加を続け、5,419万世帯をピークに減少に転じたと言われています。一般世帯総数は2023年の5,419万世帯をピークに減少に転じる

問題は、この世帯数の減少によって住宅需要が低下し、不動産価格が下落すること。

この影響がすぐに出るとは考えにくいですが、全国の不動産価格が徐々に下落することは免れないでしょう

一方、首都圏は状況が異なります。「東京都の統計」を見ると、総人口が2025年にピークを迎えた後も単独世帯数の増加や核家族化の影響で2035年の723.7万世帯まで増加が続き、以降減少に転じるといわれています。

したがって、この世帯数減少の影響は確かに全国の不動産市場を揺るがしますが、都心では2035年までは影響が出にくいといえるでしょう。

大規模オフィス大量供給による既存ビルの賃料下落

2021年の2023年の大規模オフィス供給量は130万平米を超え、大規模オフィスの供給量が増加したと言われています。

大規模オフィス供給量(平米)平均空室率
2021年61万5%
2022年49万6%
2023年130万~

こちらの表は直近3年間の大規模オフィス供給量と東京都心5区のオフィスの平均空室率です。

2021年が61万平米、2022年が49万平米なのと比べると、2023年は2倍以上も供給量が増加しました。

2020年以降は新型コロナウイルスの影響で在宅勤務やテレワークが導入され、オフィスの縮小や移転が進みました。それに伴い、東京都心のオフィスの平均空室量は年々増加しています。

2023年の大規模オフィスの竣工により、都心オフィスは供給過多となり、空室率の更なる上昇が見込まれます。また、それに伴って既存ビルの平均賃料が下落することも否めません。

貸主にとっては厳しい問題となりますが、オフィス移転を考えている借主にとっては良い影響ともいえます。

2025年大阪万博|京阪神で不動産価格上昇の可能性

2025年には大阪万博が開催されます。世界中から大阪が注目を浴びる大阪万博に備え、都市インフラの整備不動産開発が進み不動産価格が上昇するのではないかと考えらえています。

東京オリンピックの際にも、開催前の段階から都市のインフラ整備や、経済効果の影響により不動産価格が上昇しました。大阪万博においても、都市インフラの整備や再開発によって大阪の魅力を最大限に世界に向けて発信することになると思われ、それに伴って不動産価格も上昇していくのではないかと考えられています。

相続や住み替えなどで家やマンションの売却を検討している場合は、まずは査定を行うのがおすすめです。

査定を行い不動産がいくらで売れそうか知ることにより、話し合いがしやすくなったり資金計画が立てやすくなります。また、早い段階で査定を行うことで遺産分割に大きな差が出たり、ローン返済が苦しくなるといったトラブルを未然に防ぎやすくなることも。

ただし、査定を行う際は複数社の不動産会社に査定依頼をするようにしましょう。売却相場を知るために有効な不動産会社の査定ですが、実は査定方法に明確な決まりはなく、不動産会社によって査定結果が異なります

つまり、1社の査定だけでは査定額が安いのか高いのかはもちろん、平均である売却相場も分からないということ。査定を行う際は最低3社以上は行うようにしましょう。

査定を行う際は一括査定サービスのイエウールが便利。一度の申込みで複数社に査定依頼が可能なので、何度も同じ項目に回答する必要がありません。

また、無料なので、まだ売ると決めていないといった段階でも気軽に利用できます。

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