不動産売却をした時の確定申告は必要?申告の流れは?

こんにちは、イエウールコラム編集部です。
この記事では、不動産を売却した時の確定申告についてご説明します。

イエウールによく頂くお問い合わせは、不動産売却をすると必ず確定申告をしなければならないの?というご質問です。先にお答えしますと、売却益が出ても損失が出ても、確定申告したほうがよいということになります。

  • 売却益が発生した場合には確定申告しなければならず、申告しなければ罰則がある
  • 売却の結果損失が出た場合は申告の義務はないものの、一定の要件を満たせば税金の還付を受けられるケースもある

また、確定申告には、不動産を売却したときの書類が必要になるため、売却しながら準備するのが不動産売却の成功の秘訣です。 そこで、不動産を売却する時の税金の仕組みや確定申告の流れ、必要書類などについてご説明いたします。


先読み!この記事の要点
  • 不動産売却後は必ず確定申告をすること
  • 確定申告がわからない場合は税理士か税務署に相談する

1.不動産売却をしたら確定申告しよう

不動産売却をして利益が出ると、その翌年の2月16日から3月15日の間に、税務署にて確定申告する必要があります。


確定申告は、サラリーマンにとってはなじみが薄いものでしょう。サラリーマンの場合は、給与所得が発生しても会社が源泉徴収してまとめて納税しているため、わざわざ確定申告する必要がないからです。


しかし、不動産を売却して得られる利益は譲渡所得として計上されるため、給与所得とは別に自分で計算し確定申告して、税金を納める必要があります。

1.1不動産を売却すると発生する譲渡所得とは

サラリーマンが会社から得た給料は、給与所得として計算されますが、不動産を売却して得た収入は譲渡所得として計算する必要があります。


なお、不動産を売却して得られる譲渡所得は、分離課税として給与所得などとは別に計算します。


不動産売却による譲渡所得は、その所有期間によって税率が異なります。


売却した年の1月1日時点で所有期間が5年以下であれば、短期譲渡所得として39.63%(所得税30%、住民税9%、復興特別所得税0.63%)、5年超であれば 長期譲渡所得として20.315%(所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%) の税率となっています。

1.2総合課税と分離課税

給与所得と不動産の譲渡所得は別に計算するとお伝えしましたが、給与所得などの所得に対する課税を総合課税と言い、不動産の譲渡所得など総合課税とは別に計算するものを分離課税と呼びます。


総合課税の対象となる所得には、給与所得・事業所得・一時所得・雑所得・不動産や株式を除く譲渡所得があります。これらの所得をまとめて計算し、所得の高いほど税率の高くなる累進課税制度が採用されています。


一方、分離課税は総合課税とは別に計算し、所得が多かろうと少なかろうと、同じ税率が適用されます (ただし不動産の譲渡所得は所有期間によって税率が異なります) 。

総合課税 給与所得、事業所得、譲渡所得(株式、不動産を除く)、一時所得、雑所得
分離課税 退職所得、山林所得、譲渡所得(株式、不動産)

1.3確定申告しないとどうなる?

サラリーマンなどの給与所得者も、不動産の売却益など他の所得があれば、その所得を計算して確定申告する必要がありますが、もし確定申告を忘れてしまった場合はどうなるのでしょうか?


確定申告は、所得のあった年の翌年2月16日から3月15日までの間に行う必要がありますが、忘れてしまった場合には罰則があります。必ず確定申告を行うようにしましょう。
ただし、自主的にできるだけ早く申告すれば罰則として支払う税額も少なくて済みますし、場合によっては不問となることもあります。
なお、3月15日を過ぎて確定申告した場合は期限後申告として扱われます。

1.3.1無申告加算税

期限後申告をすると、確定申告によって納める税金の他に 無申告加算税 が課されます。
無申告加算税は原則として、納付すべき税額に対して50万円までは15%50万円を超える部分は20% となります。


なお、税務署の調査を受ける前に自主的に期限後申告した場合には、無申告加算税が 5% に軽減されます(ただし、平成29年1月1日以後に法定申告期限が到来するもの[平成28年分以後]については、調査の事前通知の後に申告した場合は、50万円までは10%50万円を超える部分は15%)。


また、期限後申告であっても、法定申告期限から1カ月以内に自主的に行われており、過去に無申告加算税や重加算税を課されたことがないなど一定の要件を満たせば、無申告加算税が課されないこともあります。

1.3.2過少申告加算税

申告期限内に提出された申告書であっても、申告書に記載された納税額が少なかった場合には 過少申告加算税 が課されます。


過少申告加算税は、新たに納めることになった税金の**10%**相当額が課されます。ただし、新たに納める税金が、当初の納税額と50万円のいずれか多い方の金額を超えている場合、その超えている部分については 15% となります。


なお、自主的に修正申告すれば過少申告加算税は課されません。

1.3.3重加算税

重加算税は、事実を仮装隠蔽し申告を行わなかった場合など、より悪質なケースに適用される税金です。無申告加算税などに代わって課税され、納付すべき税額に対して 40% の金額となります。

1.3.4延滞税

延滞税は、税金が期限までに納付されない場合に、法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じて課される追加課税です。


延滞税は無申告加算税や重加算税に加えて課税されますが、延滞税の対象となるのは本税部分だけで、加算税部分には課されません。


延滞税は、法定期限の翌日から2カ月を経過する日までは原則7.3%(平成30年1月1日から12月31日までの期間は年2.6%)・2 カ月を経過した日以降は原則14.6%(平成30年1月1日から平成30年12月31日までの期間は年8.9%)が課されます。


なお、期限内申告をした時、法定申告期限後1年以上経過して修正申告や更正があった場合には、法定申告期限後1年を経過する日の翌日から修正申告書を提出した日までの期間は延滞税の計算期間から除外されるという特例があります。

2.不動産売却をしたら確定申告は必要なのか?

方、不動産売却の結果損失が発生した場合には確定申告の義務はありませんが、確定申告することで税金を安く抑えることができるケースもあります。

2.1不動産売却の結果利益が出たら確定申告する義務がある

不動産売却の結果、利益が発生した場合には確定申告して税金を納める必要があります。これは義務なので、確定申告をしなければ罰則があります。
なお、利益があるかどうかは実際に受け取った金額で判断するのではなく、収入から経費や控除を差し引いた額がプラスかマイナスかで判断します。

2.2 不動産売却の結果損失が発生したら税金を安く抑えられることもある

一方、不動産売却の結果損失が発生した場合には、確定申告の義務はありません。ですが居住用住宅であることなど一定の要件を満たせば損益通算や繰越控除が認められ、他の所得から赤字分を差し引いて税金の還付を受けられるケースもあります。

2.3 譲渡所得は20万円以下でも申告しなければならない?

サラリーマンの方で、給与所得がある場合、給与所得以外の所得の合計額が20万円以下であれば申告しなくても良いと聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、これは不動産の売却による譲渡所得の場合には当てはまりません


不動産の売却で譲渡所得があった場合は、その所得が20万円以下でも申告の義務があるので注意しましょう。

3.売却益が出た場合の確定申告

不動産の売却益の計算方法と税率、節税するための特別控除などについてお伝えします。

3.1譲渡所得税の計算方法

不動産の譲渡所得は、以下の計算式で算出します。


課税譲渡所得=売却価格-取得費-譲渡費用-特別控除


譲渡所得税=課税譲渡所得×税率

3.1.1売却価格について

売却価格は、不動産を売却した時の価格です。不動産売買契約書でその価格を確認できます。

3.1.2取得費について

取得費は売却した不動産を購入した時の不動産価格と、登記費用や仲介手数料などの諸経費です。
建物は所有期間中に経年劣化しますので、その分を減価償却する必要があります。


売買契約書に土地と建物の区分の記載があれば、その金額で建物部分だけ減価償却できますが、記載がないケースもあります。
その場合に消費税額の記載があれば、不動産の土地部分は非課税のため、消費税額から建物の金額を計算することができます。
消費税額の記載もない場合には、標準的建築価格から計算する必要があります。


建物の標準的建築価格は、建築年と構造(木造/SRC造/RC造/鉄骨)によって異なり、例えば昭和60年に建築された木造住宅であれば104,200円/㎡となっています。


また、相続した不動産などの場合で、そもそも不動産売買契約書が見当たらない場合には売却価格の5%を取得費とすることができます。

3.1.3譲渡費用について

譲渡費用は、売却するにあたって支払う登記費用や仲介手数料などの諸経費です。


譲渡するにあたり、解体や測量を行っていればその費用も計上できますが、登記費用の中でも抵当権抹消費用は直接の譲渡費用とは認められず、計上できません。

3.1.4 特別控除について

特別控除は一定の要件を満たした時に受けられるもので、居住用財産の3,000万円特別控除などがあります。

3.1.5譲渡所得の税率

不動産を売却した時の譲渡所得は、売却した年の1月1日時点で所有期間が5年以下であれば短期譲渡所得として39.63%・5年超であれば長期譲渡所得として20.315%の税率が適用されます。

3.2居住用財産の3,000万円特別控除

居住用財産の3,000万円特別控除は、売却する不動産がマイホームであるなど一定の要件を満たしていれば、3,000万円の特別控除を受けられる制度です。
売却価格から取得費用や経費を差し引いた上で3,000万円の特別控除を受けられるので、かなり税金を抑えることが可能です。


ただし、居住用財産の3,000万円特別控除は住宅ローン控除との併用ができません。


住宅ローン控除も大きな控除を受けられる制度なので、どちらの適用を受けるのが得かをよく見極める必要があります。

3.2.1 居住用財産の3,000万円特別控除のマイホームの定義

居住用財産の3,000万円特別控除の適用を受けるためには、売却不動産が居住用財産(マイホーム)である必要がありますが、マイホーム売却の定義は以下の通りです。

① 現在、主として住んでいる自宅を売却する時

②居住しなくなった日から3年を経過する日の属する年の年末までに売却した時

③家屋を取り壊した場合は②の範囲内で家屋を取り壊してから1年以内にその敷地に関する契約が締結されている時

④転勤等で単身赴任の場合、配偶者が居住している家屋を売却した時

3.2.2 居住用財産の3,000万円特別控除の確定申告(必要書類)

居住用財産の3,000万円特別控除を受けるためには、確定申告時に譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)【土地・建物用】を提出する必要がある他、売買契約日の前日時点でそのマイホームを売った人の住民票の住所とマイホームの所在地が異なる場合には、戸籍の附票の写しなどを提出する必要があります。

3.3所有期間10年超の軽減税率

居住用財産の3,000万円特別控除と併せて、売却した不動産がマイホーム(居住用財産の3,000万円特別控除のマイホームの定義と同じ)である場合に、所有期間10年超であれば軽減税率の適用を受けられる制度があります。


この制度が適用されれば、6,000万円以下の部分の課税譲渡所得に関して、 14.21%(所得税10%、住民税4%、復興特別所得税0.21%) の軽減税率の適用を受けることができます。

3.3.1所有期間10年超の軽減税率の確定申告(必要書類)

所有期間10年超の軽減税率の適用を受ける際にも、居住用財産の3,000万円特別控除と同様、確定申告時に譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)【土地・建物用】の他、売却した居住用財産の登記事項証明書や、必要に応じて戸籍の附票の写しなどが必要になります。

3.4特定居住用財産の買換え特例

特定居住用財産の買換え特例は、売却した不動産がマイホーム(居住用財産の3,000万円特別控除のマイホームの定義と同じ)で、所有期間10年超などの要件を満たした場合に適用を受けられる制度です。


マイホームを売却して、その翌年までに買換え資産を購入すると、売却価格より買換え代金が大きかった場合、その売却益の課税を繰り延べることができます。


また、売却価格より買換え代金が小さかった場合は、買換え代金の部分の課税は繰り延べられ、売却価格と買換え代金との差額部分に長期譲渡所得として税金が課されます。


居住用財産の3,000万円特別控除や、所有期間10年超の軽減税率との併用はできないので、どちらがお得か計算して判断する必要があります。

3.4.1特定居住用財産の買換え特例の確定申告(必要書類)

特定居住用財産の買換え特例の適用を受けるためには、確定申告時に以下の書類を提出する必要があります。

・譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)【土地・建物用】

・売却した居住用財産の登記事項証明書

・(必要に応じて)戸籍の附票の写し

・売却した居住用不動産に係る売買契約書の写し

・買換えた居住用財産の登記事項証明書

・売買契約書の写し
など

4.損失が出た場合の確定申告

譲渡損失が出た場合には確定申告する義務はありませんが、特例を活用することで税金を減らすことができます。

4.1譲渡損失の計算方法

「課税譲渡所得=売却価格-取得費-譲渡費用」の結果がマイナスの場合は、譲渡損失が発生していることになります。
所得が0円なので税金を納める必要はありませんが、一定の要件を満たせば、赤字分を他の所得と損益通算でき、損益通算してもなお残りがある場合には、損益通算した翌年以降3年間まで繰越控除できる特例の適用を受けることができます。

4.2損益通算とは

損益通算とは、ある所得で赤字が出た場合、他の所得の黒字と足し合わせて税金を減らすことのできる制度です。
例えば、給与所得で500万円の所得のある人が30万円の税金を納めている場合、他の所得で500万円の赤字が出たとすると、給与所得と損益通算して30万円の税金を取り戻すことができます。


通常、不動産の譲渡所得は分離課税のため、他の譲渡所得と損益通算することはできません。


しかし、売却する不動産が居住用不動産であるなど、一定の要件を満たせば、不動産の譲渡所得を給与所得など他の所得と損益通算することが可能になります。

4.3繰越控除とは

繰越控除とは、例えば不動産の譲渡損失が2,000万円で、給与所得から500万円差し引いてもなお1,500万円の残りがあるような場合、翌年以降も損益通算できる制度です。不動産の譲渡所得に関する特例では、翌年以降3年間の繰越控除が受けられます。

4.4居住用財産の買換え等の譲渡損失の損益通算および繰越控除

居住用財産の買換え等の譲渡損失の損益通算および繰越控除は、売却した不動産がマイホーム(居住用財産の3,000万円特別控除のマイホームの定義と同じ)であるなどの一定の要件を満たした時に適用を受けることができます。マイホームを売却した翌年までに買換え資産を購入することが要件となります。

4.4.1居住用財産の買換え等の譲渡損失の損益通算および繰越控除の確定申告(必要書類)

居住用財産の買換え等による譲渡損失の損益通算および繰越控除の適用を受けるためには、確定申告時に、以下の書類を提出する必要があります。

・居住用財産の譲渡損失の金額の明細書《確定申告書付表》

・居住用財産の譲渡損失の損益通算および繰越控除の対象となる金額の計算書【租税特別措置法第 41 条の5用】

・売却した居住用財産の登記事項証明書、売買契約書の写し

・必要に応じて戸籍の附票の写し

・買換えた居住用財産の登記事項証明書、売買契約書の写し

・買換えた居住用財産の住宅借入金等の残高証明書
など

4.5特定居住用財産の譲渡損失の損益通算および繰越控除

特定居住用財産の譲渡損失の損益通算および繰越控除は、売却した不動産がマイホーム(居住用財産の3,000万円特別控除のマイホームの定義と同じ)であるなどの一定の要件を満たした時に適用を受けることができます。
買換えは要件になっていませんが、売却不動産に係る住宅ローンの残高があることが要件となっています。

4.5.1特定居住用財産の譲渡損失の損益通算および繰越控除の確定申告(必要書類)

特定居住用財産の譲渡損失の損益通算および繰越控除の適用を受けるためには、確定申告時に以下の書類を提出します。

・特定居住用財産の譲渡損失の金額の明細書《確定申告書付表》

・特定居住用財産の譲渡損失の損益通算および繰越控除の対象となる金額の計算書【租税特別措置法第 41 条の5の2用】

・売却した居住用財産の登記事項証明書、売買契約書の写し

・必要に応じて戸籍の附票の写し

・譲渡資産に係る住宅借入金等の残高証明書(譲渡契約締結日の前日のもの)
など

5.確定申告の流れ

確定申告は、売却した翌年の2月16日〜3月15日の間に現在の住所地を管轄する税務署に申告します。
不動産を売却した時にかかる税金は所得税・復興特別所得税・住民税ですが、所得税の確定申告を行えば、住民税は翌年度分に課税されることになります。

5.1確定申告の方法

確定申告の方法は、所定の申告書に必要事項を記入し、税務署の窓口に直接提出するのが一般的です。しかし申告期間は1カ月しかなく、期限が近づくと税務署の窓口は混雑しますし、基本的に税務署は平日しか開いていないので手続きするのが難しい場合もあります。


そこで、窓口での手続き以外に、郵送による申告書の送付や、税務署に設置されている時間外文書収受箱への投函、さらに電子申告・納税システム(e-tax)による申告という方法も用意されています。

5.2申告書はインターネットでも入手できる

確定申告に必要な申告書は、年明け頃に最寄りの税務署に行けば入手できますが、国税庁のホームページにある確定申告書作成コーナーで必要事項を入力することで確定申告書を作成することもできます。
作成された申告書はプリントアウトして、税務署の窓口に提出したり郵送したりできる他、e-taxによる電子申告も可能です。


なお、確定申告書作成コーナーはタブレット端末でも利用できるものの、e-taxはタブレット端末では利用できないので注意が必要です。

5,3e-tax利用には事前準備が必要

e-taxによる確定申告は非常に便利なのですが、利用には事前準備が必要です。


そのため、確定申告の時期が近づくまで先延ばしにしてしまって結局準備が間に合わず、紙で申請してしまっているという方も少なくないはずです。


できれば余裕を持って準備を進めることをおすすめします。


e-taxを利用して確定申告するには、電子証明書を取得して電子申告等開始届出書を税務署に提出し、利用者識別番号を取得する必要があります。


電子証明書はインターネット上で本人確認をするのに必要で、マイナンバーカード等で対応できます。


利用者識別番号を取得したら、e-taxホームページからe-taxソフトをダウンロードし、パソコンにインストールしてください。続いて電子証明書の登録など行い、申告書データを作成します。

e-taxを利用すると源泉徴収票などの書類の提出が省略できる他、申告期間中は24時間提出可能です。また、譲渡損失の繰越控除など税金の還付を受ける場合、通常より早い3週間程度で受けることができます。

5.4確定申告に必要な添付書類

確定申告には、譲渡所得の内訳書を提出する必要があります。譲渡所得の内訳書は、不動産を売却すると税務署から送られてきます。
不動産を売却して確定申告する時には、申告書の他にもいくつかの書類を添付する必要があります。

5.4.1譲渡所得の内訳書

譲渡所得の内訳書は、譲渡した不動産の概要や売却金額、支払った費用などを記載する書類です。
売却後に税務署から送られてくる書類に記入して確定申告時に提出します。

5.4.2売買契約書の写しなど

売却した時の売買契約書の写し売買代金受領書の写し固定資産税精算書の写し仲介手数料など領収書の写し等を用意します。

5.4.3売却不動産を取得した時の書類

売却した不動産を取得した時の売買契約書固定資産税精算書仲介手数料などの領収書の写し増改築時の請負契約書や領収書の写し等を用意します。

5.4.4売却した土地・建物の全部事項証明書

売却した土地・建物の全部事項証明書を提出します。これは法務局で入手できます。

5.5納税方法

確定申告で申告した税金を納付する期限ですが、申告時期と同じ2月16日から3月15日までとなっています。確定申告の結果、売却益があり納税の必要があれば、2月16日から3月15日までの間に税務署か金融機関で納税します。


なお、申告の際の振替納税の手続きをすれば、4月20日前後に指定した口座から引き落としとなります。

5.5.1 延納について

納付期限までに納税するのが難しい場合は延納も可能です。
延納を利用する場合は、2月16日から3月15日までの納付期限までに納税額の2分の1以上を納付し、残りの納付は5月31日が期限となります。
延納したい場合は、確定申告時に申告書に延納の届出を記載する必要があり、年1.7%の利子税が加算されます。

5.5.2 住民税の納税方法

住民税に関しては、普通徴収にするか特別徴収にするかを選ぶことができます。


普通徴収を選択した場合、申告した年の5月以降に市区町村から納付書が送られてくるので、コンビニエンスストアなどで納付できます。
4回分に分けられ、それぞれ納税期限が付けられています。1つ1つ納税しても良いですがまとめて支払うこともできます。


特別徴収を選択した場合、勤務先で源泉徴収され毎月の給与から天引きされます。

5.5.3 所得税と住民税の還付

譲渡損失が出て損益通算や繰越控除する場合には、申告書に振込口座を記入すれば、4~5月頃に、その口座に還付金が振り込まれます。

6.確定申告の申請方法

ここでは、パソコンを使って確定申告用紙を作成する方法についてお伝えします。


確定申告作成コーナーにアクセスして操作を進めると、「給与・年金の方(給与・年金専用)」か、「左記以外の所得のある方(全ての所得対応)」を選ぶ画面に進みます。


不動産の譲渡所得の申告は、 「左記以外の所得のある方(全ての所得対応)」 をクリックして先に進みましょう。

6.1申告書の作成をはじめる前に

次に、「申告書の作成をはじめる前に」のページにチェックを入れます。

6.1.1 e-taxにより税務署に提出するか、確定申告書等を印刷して税務署に提出するか

e-taxによる方法で確定申告するか、作成した確定申告書等を印刷して税務署に持参するか、目的に応じてチェックを入れましょう。

6.1.2税務署から青色申告の承認を受けているか

こちらは、一般の方はチェックを入れる必要はありません。

6.1.3申告される方の生年月日を入力

生年月日を入力します。

6.1.4申告書の様式をイメージした入力画面で申告書を作成するかどうか

ここでは、両方確認してみてご自分が作成しやすい方を選ぶと良いでしょう。


入力、またはチェックが済んだら入力終了(次へ)をクリックします。

6.2土地建物等の譲渡所得

収入金額・所得金額の入力画面に進んだら、土地建物の譲渡所得の「入力するボタン」をクリックして、土地建物等の譲渡所得画面に進みます。


譲渡所得の内訳書等を作成済みの方は「計算結果入力」ボタンをクリックします。
一方、作成されていない方は「内訳書作成」ボタンをクリックします。

6.2.1利益があるか損失があるか状況に応じた項目をチェック

内訳書作成ページにはいくつかの項目がありますが、ここでは「マイホームを売却し、利益があった方」を選択し、「次へ」ボタンをクリックします。
ご自分の状況に応じてチェックして次へ進みましょう。

6.2.2質問事項に回答する

進んだ先のページで入力に必要な書類を確認し、用意された質問に「はい」「いいえ」で回答し、「次へ」ボタンをクリックします。

次に、居住用住宅の3,000万円特別控除の特例を受けられるかどうかの質問に「はい」「いいえ」で回答し、全て回答したら「判定結果を表示する」ボタンをクリックします。

6.2.3売却した不動産の情報など必要事項を入力する

次のページで、売却した土地や建物の所在地・売却価格・土地の種類・土地の面積・建物の種類・面積・土地や建物の利用状況・売買契約日および引き渡した日・共有者の人数・売却先の住所・氏名・職業・代金の受け取り状況・売却理由を入力します。入力したら「次へ」ボタンをクリックします。

6.2.4売却した不動産の譲渡所得を入力する

支払先住所・支払先氏名・支払年月日・支払金額を入力し、「次へ」ボタンをクリックします。


次に、取得費の入力画面で売却した不動産の購入価格や購入先・購入年月日・建物の構造・建物の用途・新築か中古かなどを入力し、「土地と建物の区分計算をする」ボタンをクリックします。


①土地と建物の取得価格について、契約書に区分の記載があれば入力しますが、わからない場合には②に進みます。

②平成元年4月以降に取得し、契約書等に支払った消費税額の記載がある場合など、支払った消費税額がわかる場合には「消費税額から計算する」ボタンをクリックします。消費税が課税されていない場合や、課税の有無がわからない場合は③へ進みます。

③「標準的建築価格から計算する」ボタンをクリックして次へ進みます。


なお、ここでは③「標準的建築価格から計算する」の入力内容を確認していきます。


次のページで売却した建物の建築年月日や床面積を入力し、「OK」ボタンをクリックすると次の画面へ進みます。
次の画面では、土地建物を購入するために支払った費用を入力し「OK」ボタンをクリックします。
さらに次の画面では、建物を引き渡した年月日を入力すると償却費相当額が表示されますので、「OK」ボタンをクリックします。


以上で取得費に関する入力は終了です。


これで、譲渡所得に関する全ての情報の入力が終了します。これまで入力した内容をもとに、適用される特例や、課税される税金などの一覧が表示されるので確認しましょう。


問題なければ、e-taxで確定申告するか、作成した確定申告書を印刷して、期間内に税務署に持参すれば確定申告の手続きが終了します。

7.まとめ

不動産を売却して利益が出ると、利益に応じた税金を納める必要があります。各種要件を満たせば特例を受けられたり、軽減税率の適用を受けられたりします。


そのためには所有期間に気を付けたり、3,000万円の特別控除を受けるのか、買換えの特例を受けた方が良いのか判断したりする必要があります。


また、これらの特例を受けるためにはそれぞれ異なる書類が必要となりますが、確定申告の期間は毎年1カ月程度しかありません。


どの特例の適用を受けるのか事前に決め、必要書類は何なのか、確定申告はどのように行うのかを確認して準備しておくことが大切です。



プロフィール
逆瀬川 勇造

明治学院大卒。地方銀行にてリテール業務に従事した後、住宅会社にて新築住宅や土地造成、土地仕入れに携わる。宅建士/2級FP技能士(AFP)/相続管理士。


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