家を売って赤字になったらどうする?節税特例や赤字を避ける策を解説

家を売って赤字になったらどうする?節税特例や赤字を避ける策を解説

家を売っても赤字になりそうな方は、どうすれば赤字にならないのか、確定申告をする必要があるのかなどの疑問が浮かぶことでしょう。

この記事では、家を売却して赤字になりそうな方向けに、利用できる税金控除を解説します。また、赤字を避けるための対策もお伝えします。

先読み!この記事の結論
  • 家を売るときの赤字とは、売却価格が家を買った時の価格よりも安く売れた状態のこと
  • 家を売却して赤字になった場合確定申告は不要だが、確定申告すれば税金控除が使える可能性がある
  • 家をできるだけ高く売る策を知って売却することで、赤字幅を抑えることができる
「家を売りたい」と考えている方へ
  • 「家を売りたいけど、何から始めれば良いのか分からない」という方は、まず不動産一括査定を
  • 複数の不動産会社の査定結果を比較することで、より高く売れる可能性が高まります
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「まずは家を売る基礎知識を知りたい」という方は、こちらの記事をご覧ください。

家を売るための基礎知識【完全版】手順、税金、注意点を1から解説!

家を売って赤字(マイナス)になるのはどんなとき?

家を売るときの赤字とは、売却価格が家を買った時の価格よりも低くなる状態のことです。

家を売却する際に赤字になるケースは少なくありません。不動産市場の変動、物件の状態、エリアの人気度など、多くの要因が影響します。

家を売却する際に赤字になる可能性があるのは、主に以下の状況です。

  1. 不動産市場が低迷している時期に売却する
  2. 物件自体の状態が悪い(古い、修繕が必要など)
  3. 周辺環境が悪化している(治安、アクセスなど)

1つ目の「不動産市場が低迷している時期に売却する」に関して、たとえば、2008年のリーマンショック後、不動産価格が全体的に下落傾向であり、この時期に売却した場合、購入価格の80%程度でしか売れないケースもあります。

2つ目の「物件自体の状態が悪い(古い、修繕が必要など)」に関しては、実際30年以上経過した物件は、新築時の価格の半分以下でしか売れない可能性が高いといわれています。

最後に、「周辺環境が悪化している(治安、アクセスなど)」の問題がある場合もあります。駅から遠くなったり、近隣に犯罪が多発しているエリアでは、物件価格が20~30%下落することもあります。

これらの要因は、一つ一つが売却価格に大きな影響を与えるため、結果として赤字になることが多いのです。

売却して赤字でも確定申告をして所得税を減らそう

家を売却して利益が出た場合、譲渡所得税の納税が義務になるため確定申告が必要です。

家を売却して赤字になった場合は納税の義務がないため、確定申告は不要です。ただし、確定申告することでその損失を減らすことができます。

譲渡損失とは、売却価格が購入価格よりも低い場合に発生する損失のことです。

<譲渡損失の計算方法>

譲渡損失 = [売却した不動産の取得費] ー [売却で得た金額]

*売却した不動産の取得費とは、購入にかかった諸費用を足したもの
*売却で得た金額とは、売却した金額から、仲介手数料や税金などその他の費用を引いた金額

具体的には、家の購入価格が2,000万円、売却価格が1,500万円だった場合、譲渡損失は500万円となります。この譲渡損失は、確定申告をすることで所得税の控除対象となる可能性があります。

家を売って赤字(マイナス)になる場合に使える控除や特例

続いて、家の売却において赤字が発生した場合に税金を減らすことができる控除や特例についてみていきましょう。

控除や特例はそれぞれにいくつかの条件があるため、ご自身のケースが条件に当てはまっているか確認してください。

税制優遇措置を理解し、賢く活用することで、金銭的なマイナス分を最小限に抑えましょう。

①住宅ローンが残っているマイホームを売却して譲渡損失が生じたときに使える控除特例

まずは「特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」について説明します。

繰越控除の特例とは、譲渡損失を最大で3年間繰り越して、その後の所得に対する税金を減らすことができる制度です。

たとえば、2022年に500万円の譲渡損失が発生した場合、2023年、2024年、2025年の所得からこの500万円を控除できます。この繰越控除を利用することで、将来的に得る所得に対する税金負担を軽減することが可能です。

<利用条件>

  1. 5年以上所有していたマイホームの売却
  2. 住宅ローンが残っている(10年以上)
  3. 譲渡の相手が家族や同居人でない
  4. 所得が3,000万円以下
    ※所得額は税制改正によって変わる可能性があるので確認が必要です
  5. 売却価格がローン残高を下回る場合
  6. 過去3年以内に譲渡損失の損益通算の特例を適用していない

参照:国税庁 「No.3390 住宅ローンが残っているマイホームを売却して譲渡損失が生じたとき(特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)」

②マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたときに使える控除

マイホームを買い替える際にも、譲渡損失の控除が利用できる場合があります。その控除は「マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」です。

具体的には、新しい家を購入した後の3年以内に旧居を売却し、その際に譲渡損失が発生した場合、この損失を新居の購入価格から控除することができます。
マイホームを買い替える際に譲渡損失の控除を利用するためには、以下の条件が一般的に必要です。

<利用条件>

  1. 買い替え期間:
    マイホームを所有して5年以上経っている
  2. 所得が3,000万円以下
  3. 譲渡の相手が家族や同居人でない
  4. 旧居の売却の前の年の1月1日から同年の12月31日までに新居の購入をする
  5. 新居の床面積が一定以上(50㎡以上)
  6. 10年以上ローンを組んでいる

参照:国税庁 「No.3370 マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたとき(マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)」

赤字で使える特例と併用できる節税特例は?

譲渡損失の控除と他の税金控除は併用できるもの出来ないものがあります。

今回の売却が買換えを目的としたものか、売却のみを目的としたものかによって併用条件が変わりますので、以下の図を基に自分が併用できる控除特例の組み合わせを確認しましょう。

節税特例で組み合わせられるパターンと条件をまとめた図

家を売って赤字になるのを避けるためにできる策

ここまでは赤字になった場合に金銭的な負担となる税金を減らす方法について説明してきましたが、そもそも赤字にならないように売ることができればこれらの心配はなくなります。

赤字を出さずに家を売却するためには、売るときにできるだけ高く売るようポイントを押さえた行動をする必要があります。

この章では、赤字を避けるための策としてできるだけ売却時にすべきことをご紹介します。

複数の不動産会社に査定してもらう

家をできる限り高く売るためには、複数の不動産会社に査定してもらうことが有効です。不動産会社は会社ごとに得意な不動産のタイプや強みが異なります。

そこでまず初めに、戸建てを売るなら戸建て、マンションならマンションの売却に強みや実績がある不動産会社を調べて複数社に査定を依頼します。

その中でも高く売ってくれそうで自分と相性のよい不動産会社を見極めて契約すれば、結果としてできるだけ高額で売却ができますよ。

市場価格をしっかりと調査する

市場価格を正確に把握することは、赤字を避ける第一歩です。

市場価格を調査するためにオススメなのが、不動産一括査定サービスを利用することです。このサービスを使用することで、複数の不動産会社から一度に査定を受けることができます。これにより、自分の物件の大まかな市場価格を速やかに把握することが可能になります。

不動産会社は、物件の立地、状態、市場の需要と供給などの多様な要因を考慮して、物件の価値を査定します。この査定で相場価格を把握することは、不動産売却においてより有利な立場を確保し、適切な価格での取引を目指すことが可能になります。

値引き交渉を見越して少し高めで売り出す

家を売るときに、購入希望者からの値引き交渉は避けて通れない道となっています。

交渉が成立せず売れない、焦って安く売ってしまうなどの状況になれば、赤字になるのは必至です。

そうなることを避けるために、家を売り出すときは値引き交渉されることを見越して少し高めの価格で設定しておきましょう。

値引き前提の価格にしていれば、交渉された際も少しは値引きの提案を受け入れることができ、交渉が成立しやすく負担も軽減できますよ。

リフォームや修繕を行う

物件の価値を高めるためには、リフォームや修繕が有効です。たとえば、10年以上経過した古いキッチンを新しくするだけで、物件価格が300万円上がることもあります。

ただし、リフォームや修繕にかかる費用と、それによって上がる物件価格のバランスをしっかりと考慮する必要があります。

故障している箇所だけでも修繕しておくとよいでしょう。

内覧時の掃除を念入りに行う

不動産会社が行う査定は、物件の築年数や立地といったデータに基づいて行われるため、査定の段階で大掛かりな掃除は必ずしも必要ありません。しかし、購入希望者が物件を訪れる内覧の際には、部屋の清潔感が印象を大きく左右するため、念入りな掃除が重要になります。

家が高くなる時期を見極めて売る

不動産市場は季節や経済状況によっても変動します。

1年の中で最も売買が活発になるのは2月から3月の引っ越しシーズンになりますので、この時期を狙うと高く売れやすくなります。

一方で、リーマンショックのような大きな経済的影響がある時期には、売却を避けることが賢明です。

市場の動きをしっかりと把握し、最も有利な時期を逃さないように売却計画を立ててみてくださいね。

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