土地の売却を考えたとき、多くの方が「評価額」と「売値」が異なると知らずトラブルになることもあります。
評価額は専門家によって算出されますが、実際の売値は市場の需給バランスによって左右されるため、「評価額」と「売値」の間にはしばしば大きな隔たりがあります。
この記事では、最初に土地の評価額のついて説明し、評価額を使って売値を計算する方法や売値を評価額より高くする方法を紹介していきます。
「まずは土地売却の基礎知識を知りたい」という方は、こちらの記事をご覧ください。
土地の評価額とは
まずは評価額のお話です。算出方法の違いによって主に色々な種類の価格が存在するため、それぞれの違いをよく理解することが大切。これを知っておけば、自分が売りたい土地の相場が見えてきます。
評価額は主に4種類あり、以下の通りです。
価格名 | 内容 |
実勢価格 | 過去に実際に取引が成立した価格 |
公示価格 | 土地を取引する際に国が示す土地の正常な価格 を判定したもの |
相続税評価額 | 相続税や贈与税を計算する際に使用する価格 |
固定資産税評価額 | 土地の固定資産税を計算する際に使用する価格 |
それぞれの意味を詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
土地評価額を使って売値を計算する方法
次に土地評価額を使って売値を算出する方法や流れを解説します。ここでは、固定資産税評価額・相続税評価額・公示価格の3種類を取り上げます。
- 公示価格から算出する方法
- 相続税路線価から算出する方法
- 固定資産税評価額から計算する方法
計算に使える場合と使えない場合に分かれている方法もあるため、それぞれの方法について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
使う土地評価額によって売値の計算結果が異なる場合
ここまで複数の方法で売値を計算した結果、値が違ってどれを信用すればいいのか分からないと思った方もいるのではないでしょうか?
ここでは、売値の計算結果が複数になってしまった場合にどうすればいいのかを解説します。
各方法の結果を平均する
まずは、各方法の結果を平均する方法です。
それぞれ計算した結果を平均することで、より実勢価格(実際の売値)に近い金額を推測することができます。この方法だと簡単に結果を1つに集約できるため、手っ取り早く計算したい方におすすめです。
売値のシミュレーションをしてみる
次は、売値をシミュレーションする方法です。
土地の立地や面積を入力することで、簡易的に土地の売値をシミュレーションすることができます。この方法では土地の評価額を使わず直接計算されるため、計算結果が1つになり分かりやすいというメリットがあります。
土地の評価額以外の別の視点から売値を知りたい方におすすめです。
シミュレーションについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
土地の評価額と売出価格、実際の売値には違いがある
土地の価格がさまざまな算定基準で評価されることはよくわかったと思います。しかし、実際に売買される価格は異なります。
この章では、なぜそのようなことが起こるのかを説明します。
売主・買主に特別な事情があるケースもあるから
公的な評価額というのは、あくまでも徴税目的や偏りのない健全な不動産取引促進のため等、「幅広い不動産に纏わる関係者の健全な行動を促進する」ことが目的になっています。
しかし、土地を売買する人の中には、地縁があったり特殊な経営能力がある、あるいは資金繰りに困ってたたき売りしてでも早期に換金したい等、「不動産市場の目線を超える価格を超える(割り込む)価格であっても、その土地を買いたい(売りたい)」場合もあるため、評価額と実際の売買価格には差が生まれます。
業者の得意分野かどうかも価格に反映される
業者が抱えている顧客層の違いといえます。工業地を売りたい人が商業地を得意分野にしている業者に依頼しても、その業者は工業地を求めているお客さんを十分に抱えているとは限りません。
その土地を買ってくれそうな顧客を多く抱えている業者の方が、不動産市場の目線を超える価格を超える価格を提示してくれる顧客を紹介できる可能性が高まるため、高値でも取引できる可能性があるというわけです。
実際の売値を土地評価額よりも高くする方法
土地評価額を用いて売値を計算してみて、思ったよりも価格が低いと思った方もいらっしゃるのではないでしょうか?
この章では、実際の売値を計算した価格よりも高くする方法を2つご紹介します。
売るタイミングを見極める
1つ目は、売るタイミングを見極めるです。
土地の売値は売るタイミングによっても大きく異なります。主に考えるべきなのは、経済状況と周囲の環境の変化です。
経済状況に関しては、例えば経済が落ち込んでいる時期だと土地の需要が下がるため売値が低くなる傾向にあります。周囲の環境の変化に関しては、例えば自分の土地の近くで再開発が行われると、その近辺の需要が高まり売値も高まります。
このように、様々な外部要因によっても売値は変わってくるため、より高く売れやすいタイミングを見極めましょう。
業者の得意分野かどうか確認する
2つ目は、業者の得意分野かどうか確認するです。
不動産会社によって扱いが得意な土地は変わってきます。例えば、田舎の土地に強い不動産会社や再開発地区の土地に不動産会社などがあります。不動産会社は得意な土地であるほど高く売ることができるため、契約する不動産会社選びは慎重に行いましょう。判断方法としては、各不動産会社が実際に取り扱っている土地を実績から確認し、自分の土地と条件が似ているか判断する方法がおすすめです。
土地を分けて売る
3つ目は、土地を分けて売るです。
土地を分けることを分筆と言うのですが、持っている土地が広すぎる場合、分筆して売ると全体の売却価格が上がる可能性があります。
一般的に戸建て住宅だと20~60坪が一般的なため、それより広い土地は逆に使いづらいという場合もあります。そのため、使いやすい広さに分筆することで購入者のニーズを満たし売却価格が高くなります。
ただし、注意点として、分筆した土地はまとめて売ってはいけないという決まりがあります。複数の土地をまとめて売るには宅地建物取引業の免許が必要なため、無免許でそれをしてしまうと宅地建物取引法違反となります。残りの土地は十分な期間を空けてから売りましょう。明けるべき期間については判断が難しいため、不動産会社に相談してみてください。
更地にするかどうかはしっかり見極める
4つ目は、更地にするかどうかはしっかり見極めるです。
古い建物を解体し更地にしてから売ると、買主が自由にその土地を使えるため売却価格が高まることもあります。ただ、その分解体費用がかかってしまい最終的な利益が下がる可能性もあるため、十分に見極める必要があります。
過去の利用履歴を調べておく
5つ目は、過去の利用履歴を調べておくです。
土地の利用履歴(これまでどのように利用されてきたか)を調べることで、地中に埋まっている障害物・廃棄物が無いか、土壌汚染などが起こっていないかを確認できます。
これらを事前に調べておくことで、買主を安心させることができ値下げ交渉のリスクを減らせます。
また、土壌汚染などの瑕疵が後から発覚した場合、契約不適合責任を問われてしまいます。契約不適合責任とは、売買契約後に瑕疵が見つかった場合買主に賠償金を支払わないといけないというものです。これを避けるためにも利用履歴を調べることは有効です。
土地の境界を確定させておく
最後は、土地の境界を確定させておくです。
原則として、土地を売却する際は売主が事前に土地の境界線を確定させておく義務があります。ただし、買主との合意が得られていた場合、確定させなくても問題ありません。
しかし、境界線が決まっていない土地は買主に避けられる傾向があります。その理由は、境界線が決まっていないと住宅ローンが使えないからです。住宅ローンを使わずに土地を購入できる人は少ないため需要が下がってしまいます。また、隣人とトラブルになりやすいのも理由の一つです。境界線を巡って新しい隣人とトラブルが起きるのが嫌なため、需要が下がってしまいます。
そのため、境界線が確定していない場合は事前に測量会社に依頼しておきましょう。
神奈川県茅ヶ崎市の土地売出事例
不動産種別 | 土地 |
売出価格 | 3980万円 |
エリア | 神奈川県茅ヶ崎市 |
駅徒歩 | 茅ケ崎駅 13分 |
土地面積 | 142 |
愛知県瀬戸市の土地売出事例
不動産種別 | 土地 |
売出価格 | 1980万円 |
エリア | 愛知県瀬戸市 |
駅徒歩 | 三郷駅 30分 |
土地面積 | 264 |
兵庫県川西市の土地売出事例
不動産種別 | 土地 |
売出価格 | 2550万円 |
エリア | 兵庫県川西市 |
駅徒歩 | 畦野駅 10分 |
土地面積 | 198 |
一番簡単に「ざっくりとした土地の売値」を知る方法
自分自身で土地の正確な評価額を調べることは専門知識がない限り、事実上困難と言ってもよい作業です。そこで最後に、簡単にざっくりとした土地の売値を知れる方法をご紹介します。
- 簡単にざっくりとした土地の売値が分かる方法を知りたいよ~
その方法とは、不動産一括査定サービスを使って複数の不動産会社に査定依頼を出すことです。
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