一戸建ての購入を検討している人の中には、
「一戸建てってどのくらいの値段なの?」
「一軒家を購入するのにどのくらい諸費用が必要?」
「家を買うのに適切な購入価格はどのくらい?」
など、一戸建て費用の相場について疑問を持っている人も少なくないと思います。
そこで今回の記事では、一戸建ての相場から必要な頭金、そして物件価格以外にかかってくる諸費用について徹底解説します。
注文住宅や建売など一戸建ての購入を検討している方は、相場を把握してから購入の準備を始めましょう。
一戸建ての相場はどれくらい?
一戸建ての相場は3,494万円
全国の一戸建ての購入相場は建売住宅で3,494万円、土地付きの注文住宅の場合は4,247万円となっています。また、人口が集中している首都圏に注目してみると、首都圏の建売住宅は3,915万円、土地付き注文住宅は4,993万円となっています。
(出典:フラット35利用者調査)
つまりおおよその目安として、建売住宅の購入を検討しているなら3,500万円程度、土地付き注文住宅の購入を検討している場合は4,300万円程度、首都圏ならそれ以上の価格で戸建てを購入していることがわかります。
また、建売住宅を購入した人は頭金として283万円を、土地付き注文住宅を購入した人は447万円を購入時に用意していることが調査からわかっています。
もちろん個別の条件によって住宅の価格は異なりますが、1つの目安として上の相場を意識して購入の準備を進めましょう。
エリアごとの一戸建ての相場を把握しよう
次にエリアごとの一戸建ての相場を把握しましょう。値段はエリアによっても変わるため、購入を考えている地域の一戸建ての相場がどのくらいかを事前に知っておくことが重要です。
以下の一覧表は、イエウールの実際の販売データに遷移することができる一覧表です。購入を検討している地域の相場を知りたい方はこちらから価格を把握しておきましょう。
北海道・東北 | 北海道、青森、秋田、岩手、宮城、山形、福島 |
---|---|
北陸・甲信越 | 新潟、長野、山梨、富山、石川、福井 |
関東 | 東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城、栃木、群馬 |
東海 | 岐阜、静岡、愛知、三重 |
近畿 | 大阪、京都、奈良、滋賀、兵庫、和歌山 |
中国 | 鳥取、島根、岡山、広島、山口 |
四国 | 徳島、香川、愛媛、高知 |
九州・沖縄 | 福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄 |
以上が一軒家を購入する際の値段の目安となりますが、あくまでも目安であってかならず上の金額で購入できるわけではありません。
というのも、一戸建ての相場は以下で解説するように価格の開きがあるからです。
一戸建ての相場は1,000万円から1億円まで
上のグラフからわかるように一軒家の値段の平均は3500万円からとなっていますが、実際には立地や販売する会社次第では1,000万円から購入することも可能です。
建売住宅ではなくとも、相続などですでに土地を所有している場合などでは注文住宅で1,000万円で住宅を作ることも可能です。「注文住宅って高そう」と考えている方でも、建材や構造を極力シンプルにすれば1,000万円で一戸建てを施工するケースも少なくありません。
逆に、土地付きの注文住宅の場合、建材や内装のこだわり次第では1億円を超える豪邸を建てることもできます。
細かい部分にこだわりすぎるとどんどんと費用が高くなっていきますので、事前の情報収集で得た相場情報からかけ離れる可能性もあります。
一戸建ての相場はあってないようなものです。自分が購入する一戸建ての設備や外装などにどこまでこだわるのかを明確化しておくことが重要です。
また、家の買い替えを検討している方はこちらの記事もご覧ください。「家を買い替える際の疑問や注意点|売却と購入はどちらが先か?」
一戸建ての相場は販売する会社によって異なる
大まかな一戸建ての相場について把握できて来たかと思いますが、実は一戸建てはどこの施工業者が建てたかによって値段が変わってきます。
それぞれの施工業者ごとに相場の特徴や建物がどのように変わってくるか検討していきましょう。
ハウスメーカーの相場
ハウスメーカーとは独自のブランドを全国展開しているような大きな会社を指します。よくテレビCMで見るような積水ハウスや三井ホームなど、全国展開しており対応エリアが広い会社です。ハウスメーカーが施工する一戸建ての特徴は、建材や製品の規格をそろえて大量生産が可能なので、原価コストが低いことです。また、自社でたくさんのプランを用意しているので、「どんな家にしようかまだ迷っている」という人はハウスメーカーがおすすめと言えるでしょう。
ただし、モデルハウスの運営や、高額な広告費をかけているため費用が高いことも事実。大手の安心感がある一方費用が割高になることはデメリットと言えるでしょう。
坪単価で言えば30~50万円、高いところで言えば90万円ほどが相場と言えるでしょう。
工務店の相場
ハウスメーカーが全国展開している大企業なら、工務店は地元密着で営業している施工業者と言えるでしょう。
工務店の特徴は、ハウスメーカーほど規格化されていないため、プランの自由度が高く、希望の間取りや内装・設備などを自由にプランニングすることができることです。また、地元密着のため困ったときはすぐに駆け付けてくれるのも工務店の特徴でしょう。
ただし、小規模の工務店は経営基盤がぜい弱な場合、アフターケアの期間などに問題があるケースもあるのがデメリットと言えるでしょう。
坪単価で言えば、50万円~の工務店が多いでしょう。一般的に大手ハウスメーカーの7割程度の金額で同じ設備の住宅が建てられると言われます。
パワービルダーの相場
パワービルダーとは、大手のハウスメーカーや工務店が手を出さないような変形地などに住宅を建てて分譲している会社のことです。
パワービルダーの特徴は、とにかくその価格の安さです。駅から遠かったり、形状がいびつだったりする土地を買い、徹底したコストカットのもと住宅を建てた結果その安さを実現できています。
ただし、その分売却できない可能性が非常に高いです。将来的に売却を検討している人は将来を見据えて購入を検討しましょう。
それぞれの3社の一戸建ての相場は、一般的には人件費の高いハウスメーカーが3社で最も高く、パワービルダーが最も安いと言えるでしょう。
大手の安心感や保証を優先するのか、設計の自由度、予算感を重視するのか。自分がどの条件を優先すべきなのか、しっかり考えたうえで一戸建ての購入を検討しましょう。
一戸建ての相場は素材によっても異なる
一戸建ての相場は購入方法によっても異なりますが、木造か鉄骨化によっても値段が若干異なります。第3章では一戸建ての素材によって相場がどのくらい変わってくるのかについて解説していきます。
木造一戸建ての相場はどのくらい?
「一戸建てと言えば木造」というイメージがある方も多いと思いますが、木造住宅は日本の気候と風土に合った造りで古くから採用されているものです。
木は断熱性や調湿性が高く、夏は涼しく冬は暖かく過ごすことができるのが特徴です。また、耐震性を担保するために、鉄骨造と比べて壁や柱を増やす必要が多くなってくるため気密性が高まるのが特徴ともいえるでしょう。
ただし、木造住宅は鉄骨と比べ壁や柱が多いため、ワンフロアの広いリビングや高い吹き抜けなど実現不可能なデザインが多いのが欠点です。また、職人さんや使用する木材によって品質のばらつきが出ることもデメリットと言えます。
したがって、鉄骨よりも費用単価は安く、鉄骨の平米単価が45~70万円なのに対して木造は40~60万円となっています。
鉄骨造住宅の一戸建ての相場はどのくらい?
そもそも鉄骨造住宅は、主体構造体部分に鉄骨を利用しているもので、厚さによって「軽量鉄骨造」と「重量鉄骨造」の2種類に分かれています。一軒家で使われているものは軽量鉄骨造で相場以外にも木造住宅とは違う点がいくつかあります。
まず、木造に比べて柱や壁の量を少なくすることができるので、吹き抜けや大きな窓づくりなど木造にはない間取りを実現することができます。また、木造住宅よりも火災保険料が安いこともメリットです。
しかし、当然木造住宅よりも建築コストが高い傾向があり、平米単価では上でも紹介したように45~70万円ほどかかります。一軒家の平均が30坪程度なので最終的な金額では構造の違いだけで150~300万円程度相場が変わることに注意しましょう。
一戸建てには購入費用以外にも諸費用がかかる
一戸建ての購入には実は土地や建物代金以外にも各種諸費用が必要となります。
相場は物件の値段の5~10%と言われており、4000万円の物件であれば総額200~400万円の諸費用が必要になります。基本的に一軒家にかかってくる費用ですが、費用によっては一方のみにかかるものもあります。いったいどんな種類の諸費用が掛かってくるのでしょうか?
手付金
売買契約の際に支払うお金で、頭金と混同しやすいですが最終的に購入代金の一部に充てられるため別の費用です。
相場は購入代金の5~10%程度が目安とされており、手付金は契約を放棄した場合でも返金されることがないため「買主の一方的なキャンセルを防ぐために支払う費用」と認識していて問題ないでしょう。
固定資産税・都市計画税
毎年一月一日時点での不動産の所有者が支払う税金です。一般的には、一戸建てを購入した時点で日割り換算をして支払うことが多い費用です。税金額の目安は建物によって変わり、毎年自治体から所有者に対して送られてくる「固定資産税評価額」という建物の評価額の1.4%の支払いが義務付けられています。家の規模によっても異なりますが、年間で数万円単位でしょう。
登記費用
不動産を取得すると、訴訟など権利関係の紛争があった際に「この不動産は自分のものです!」と主張するために、法務局の不動産登記簿に権利者の情報を登記しなくてはなりません。
法務省の不動産登記簿に建物情報を登録する際にかかる費用が登記費用です。厳密には、登記にかかる登録免許税と素人では難しいため司法書士への依頼費用が必要です。印紙税
不動産の売買契約書に「収入印紙」という切手のようなものを貼る形で納める税金です。税額は契約価格によっても変わりますが、一般的な住宅では1~2万円程度でしょう。住宅ローン関連費用
住宅ローンを借りる際に金融機関に払う諸費用です。例えば、融資を受けるための融資手数料や、保証会社に支払う保証料、また火災保険などの保険料もかかってくることでしょう。ローンや保険によっても変わりますが、保証会社に支払う保証料と保険料が高くつくでしょう。
不動産取得税
不動産取得税はその名の通り、不動産を取得したことに対する税金です。購入してからおよそ半年後に納税通知書が届きます。ただし物件によっては減税措置が適用されるため、一戸建てを選ぶ際は頭に入れておきましょう。
仲介手数料
注文住宅を検討していて、土地を不動産会社に探してもらう際などに必要になる、不動産会社に支払う手数料です。売買価格の3%が相場ですので、注文住宅を検討している方は覚えておきましょう。
申込証拠金
建売や分譲戸建ての購入申しこみを行う際に支払う費用で、購入代金の一部に充てられます。ただし、申し込みを撤回する場合には返金されるほか、物件によっては申込証拠金が必要ないところもありますので注意が必要です。
一軒家の購入にかかる諸費用について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
「【一軒家を購入したい!】必要な初期費用は?内訳や維持費について解説」
「不動産購入の諸費用はいくら?費用別に詳しく解説します」
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一戸建て購入時の頭金の相場は?
一戸建てを購入する際の資金計画のなかで、まず考えなければならないが購入予算と借入可能額です。一戸建ては高価な買い物です。大抵の場合は物件価格の何割かを「頭金」として自己資金で支払い、残りを住宅ローンで購入することになります。
頭金と手付金の違い
手付金が売買契約時に売主に対して支払うお金であるにに対して、頭金は物件価格の一部を先払いし、住宅ローンの総額から差し引かれるお金のことです。例えば3000万円の住宅を住宅ローン2500万円で借りて購入する場合は500万円となります。
ローンによっては全額借入もできますが、頭金を用意するのにはいくつかのメリットがあります。
具体的には、毎月の返済額が少なくなることです。まとまった金額が用意できればその分ローンの返済分も少なくなるでしょう。
また、ローンの返済期間も縮めることができます。返済期間を縮めることで金利負担が少なくなり、利子分の返済だけが残っているという状況を避けることができます。
なお、契約時に売主に支払う手付金は、頭金として用意したお金の一部、もしくは全部を当てるのが一般的です。
頭金は物件価格の10〜20%以上
住宅金融支援機構によると、2019年度フラット35 注文住宅融資利用者(世帯年収598万1,000円)の頭金の平均は、物件価格(土地取得1万8,000円+建築費3,452万円)の18%である621万9,000円でした。一般的に、一戸建て購入時に支払う頭金は、物件価格の10〜20%以上といわれています。その理由としては、住宅ローンの融資可能額が物件価格の80〜90%であることが多いからです。購入する一戸建ての種類や価格によって、用意する頭金の比率も変わってきます。
頭金ゼロでの購入はローン返済の負担が増える
近年では、条件次第で物件価格の全額を住宅ローンで支払うことも可能です。ただし、当然その分住宅ローンの借入額が増えるため、返済の負担が増えてしまいます。住宅ローンの返済は長期に渡るため、返済額が増えればライフプランへの影響も大きいでしょう。
また、頭金ゼロで一戸建てを購入すると、借入金利が高くなるケースもあります。住宅金融支援機構のフラット35では、頭金10%以上と10%未満とでは、融資額の金利に0.26%の差があります。(頭金10%以上で1.40%、頭金0~10%未満で1.66%)
一戸建ての物件価格が値下がりした際のリスクについても考えなければなりません。住宅ローンの返済中に家を手放す必要に迫られた際、家が値下がりしていると、物件価格がローン残高を下回ってしまう可能性があるからです。
そうなれば、足りない分は自己資金を捻出しなければならなくなり、返済しきれない場合は、家を売ることもできなくなってしまいます。
中古戸建てなど100%ローンが組めない物件もある
中古の一戸建てを購入する場合は、いくら返済能力があったとしても、全額ローンが組めない場合があります。中古物件の築年数が古い、性能基準を満たしていないなど、担保となる物件の評価額が低い場合、頭金ゼロで購入するのは難しいでしょう。
他にも、詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
住宅ローンの頭金の目安はいくら?金額の相場や頭金ありとなしの違いを解説!
一戸建て購入後には維持費もかかる
ここまで一戸建て購入時の費用相場について解説してきましたが、一戸建ての購入後にはランニングコストが月々かかってきます。
購入後にかかる費用としては、大きく分けて税金関連費用と家のメンテナンス費用に分かれます。
税金関連費用に関しては、毎年支払う固定資産税・都市計画税が主な費用です。毎年四月頃に送られてくる納税通知書を見て、一括納付か分割で支払うことができます。
もちろん金利のようなものはかからないので、一括で払っても分割で払っても合計額は一緒です。また最近ではpaypayやLINE payでも支払うことができるようになりました。
家のメンテナンス費用は、外壁・屋根の塗装費用や、水回りなどの内装リフォームを築20~30年くらいのタイミングで行う必要があることです。外壁・屋根塗装は一般的な戸建てであれば200万円程度、内装リフォームは水回りすべてのリフォームを行った場合300万円ほどで行うことができます。
一戸建ての相場は購入費用にだけ目が行きがちですが、購入後にかかるランニングコストにも目を向けましょう。
一戸建ての適切な値段はいくらくらい?
一戸建ての相場がわかっても、自分の年収でどのくらいの値段の家を買ったらいいかわからないという人も少なくないでしょう。
そこで参考になるのが返済負担率です。返済負担率とは、年間の返済額が年収の何割にあたるかの割合で、一般的に返済が滞らない安全ラインは25%以内と言われています。
自分の年収を0.25で掛けた数値が年間の返済額となるので、自分の年齢などから考えた返済期間を掛け合わせて借入額を算出しましょう。
また、実際に他の人がどのくらいの年収で買っているのか示すデータがあります。
以下のグラフはフラット35の利用者調査となりますが、下のデータを見ると、戸建ての場合は60%以上が600万円未満の方が購入していることがわかります。
集合住宅であるマンションよりも一軒家のほうが物件価格が高いイメージがありますが、実際のデータを見るとマンション程世帯年収が高くなくとも購入することができるのが一戸建てのメリットです。
世帯年収が600万円ほどと安定しており、必要な頭金をしている人が一戸建てを購入していると言えるでしょう。家を購入して後悔したくない方はこちらの記事もご覧ください。「家を購入して後悔した失敗談を一挙公開【家なんて買うんじゃなかった】」
マンションから戸建てへの住み替えを検討している方はこちらの記事もご覧ください。「マンションから戸建てへのメリット|住み替えのタイミングはいつ?」
後悔しない家探しをするならHousii(ハウシー)
後悔しない一戸建てを買うためには相場を理解しておくことも大事ですが、結局自分に合っている物件なのかを判断できることの方が重要です。
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