新築マンションを購入しようと思っている人の中には、
- 購入しようと思っているけど何から始めたらいいかわからない
- 賃貸と違って大きな買い物で検討が前に進まない
などで、なかなか家探しが進まないという方も少なくないと思います。
新築マンション購入の流れは、大きく分けて以下の8つのステップからなります。
本記事では新築マンション購入の流れに沿って、各タイミングごとの準備するべき事柄や押さえておきたいポイントを詳しく解説します。初めての新築マンション購入を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
マンション購入の流れと必要期間
まずは、マンション購入のおおまかな流れと必要期間を把握しておきましょう。
購入までにはローンの事前審査や重要事項の説明などを受ける必要があり、気に入った物件が見つかってもすぐに購入ができるとは限らないため注意が必要です。
以下にマンション購入の流れと各手続きに必要な期間の目安をまとめたので、参考にしてみてください。
軽減可能な税金
必要期間の目安
①資金計画を立てる
数日〜2週間程度
②物件の絞り込み
2週間〜数ヶ月間程度
③物件・モデルルーム見学
1週間〜1ヶ月程度
④購入の申し込み
1日程度
⑤住宅ローンの事前審査
2週間程度
⑥重要事項説明・売買契約
1日程度
⑦住宅ローンの本審査から引き渡し
2週間程度
マンション購入の流れ①資金計画を立てる
新築マンション購入の最初のステップは資金計画を立てることです。新築マンションは間取りや設備などにオプションを付けたりすることもできるので、あらかじめ予算を確定させることが重要です。
具体的には、
- 住宅ローンの借入額を決める
- 初期費用を把握しておく
という2つのポイントを押さえておくことが重要です。
予算を決める
新築マンション購入でまず最初に考えるべきはまずは予算を確定させることです。具体的には、①頭金をいくら拠出できるのか②毎月の返済負担はいくらまで出せるかを考えることが重要です。
①の頭金に関しては、親からの援助などができるのかや、住宅購入以外にいくら金額を貯金しておく必要があるかを考えましょう。詳しい考え方は、マンション購入時に頭金が必要な理由とは?頭金の目安についても解説にて解説しています。
②の毎月の返済額に関しては、現在支払っている家賃を参考にする方法や将来的に必要になる教育資金や老後資金から逆算して毎月の費用を考えることが一般的です。また、マンションの場合は管理費・修繕積立金を毎月支払う必要があるため、それらを加味した金額で毎月いくら支払えるのかを考えましょう。
物件価格は以下の計算式で購入前に必ず算出しておきましょう。
自分の年収でいくらくらいの住宅ローンがiか組めるか気になる方はこちらの記事もご覧ください。
初期費用を把握しておく
次に、新築マンションの購入には、住宅ローンの頭金ほか、手付金や仲介手数料など契約のための諸費用がかかります。具体的には、
- 印紙税
- 登記費用
- 司法書士依頼費用
- 住宅ローン関連費用
- 申込証拠金
など様々な諸費用が掛かることが一般的です。新築マンションの場合は物件価格の3~5%の費用がかかり、基本的には現金での支払いになるため、物件価格以外にも費用の準備を必ずしておきましょう。
新築マンション購入の諸費用について知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
マンション購入の流れ②物件の絞り込み
新築マンションの購入を考えている場合は、まずは自分にとって、または家族にとって理想のマンションとはどういうものなのか、希望する条件をまとめておきましょう。ここでは3つのポイントを紹介していきます。
立地を考える
新築マンションを購入するにあたってまず考えるべきはマンションの立地です。新築マンションの立地を考える際は、
- 子供の学区がどこになるか
- 出勤や通学に便利なエリアか
- 将来の資産価値が下がらないか
などの観点で選んでいくことが多いです。マンションの内装などは将来的なリフォームやリノベーションが可能ですが、立地の場合は購入後に変えることはできません。
立地の決め方については以下の記事で解説しているので詳しくは以下の記事をご覧ください。
間取りを考える
次に、自分や家族にとって住みやすい間取りや必要な広さについて考えておきましょう。1人暮らし、夫婦2人暮らし、子供がいる家族では、使い勝手のよい間取りや十分な広さは大きく異なります。
また、新築マンションの場合はモデルルーム見学時に複数の間取りタイプから好みの間取りを選んだり、オプションで間取りのタイプを変更することも可能なので、将来のライフプランを見据えてどのような間取りについて考えておくことが重要です。
マンションの間取りや内装について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
マンションの間取りはどう選ぶ?理想の間取りを選ぶポイントを解説
3人家族におすすめの間取りや部屋の広さを分かりやすく解説
災害リスクを考える
新築マンションの物件を絞り込む上で重要なのが、物件の災害リスクを考えることです。
中古マンションの場合は耐震性についても考える必要がありますが、新築マンションの場合は新耐震基準で建てられているため、地震や台風などのリスクを「ハザードマップ」から確認しておきましょう。
また、ハザードマップはあくまで災害が起こる可能性のある地域の予測であるのに対して、過去の水害記録を公表しているサイトもあります。こちらは東京都限定ですが、東京都建設局が運営している「過去の水害記録~浸水実績図~」では実際の水害記録を見ることができます。
災害リスクについては詳しく以下の記事でも解説しているので、詳しくはこちらをご覧ください。
マンション購入の流れ③物件・モデルルーム見学
物件の絞り込みが終わり気になる物件があれば、モデルルーム見学を実施しましょう。モデルルーム見学のポイントは以下の通りです。
物件・モデルルーム見学の流れ
気になる新築マンションがあればモデルルーム見学に行きましょう。具体的な流れは以下の通りです。
- 来場予約
└土日は混雑している可能性があるので、事前予約をしていると安心です。待ち時間がなく、余裕をもって見学するのに重要なポイントです。 - 受付
└自分の氏名や年齢、また物件の希望条件などを入力するために見学申し込みを実施します。 - 担当者からの説明
└モデルルーム見学では担当者が月物件の説明をしてくれます。したがって、事前に聞きたいことなどをまとめておいて、担当者に質問できるとスムーズにモデルルーム見学を進めることができます。 - モデルルーム見学
└モデルルーム見学は基本的自由に見学して回ることができます。また、実際の生活をイメージするために家具なども置かれているので、自分の場合をイメージしながら見学しましょう。 - 共用部分の確認
└すでに建物が完成していて、棟内にモデルルームがあるときは、駐車場やゴミ置き場などの共用部分の見学もできます。また、耐震性や防災性についても担当者に聞いておきましょう。
また、モデルルーム見学では事前に見るべきポイントを明確にしておくことが重要です。具体的には以下の章で解説しています。
物件・モデルルーム見学時のチェックポイント
モデルルームを見学する際は、部屋の広さや間取りのほか、キッチンや浴室などの水回りの設備、玄関からリビング、各部屋の生活動線、収納スペース、日当たりや風通しなどをしっかりチェックしましょう。
主なチェックポイントは以下の通りです。
チェック項目 | チェックポイント | |
---|---|---|
間取り | 部屋の広さと数 | ・世帯人数に合った間取りか ・ライフプランに合った間取りか |
日当たり・風通し | ・マンションの向きはどうなる予定か ・風通しや開口部はどう設計されるか | |
動線 | ・水回りの動線や使いやすさは十分か ・生活動線は確保できているか | |
収納 | ・収納スペースは十分にあるか | |
内装設備 | ・通信速度は遅くないか ・冷暖房は十分か | |
周辺環境 | 交通利便性 | ・駅まで歩いていけるか ・駅までの道に坂が無いか |
周辺施設 | ・病院や学校、公園などが近くにどのくらいあるか ・徒歩圏内にスーパーはあるか | |
治安 | ・夜間の治安は悪くないか ・近くに飲み屋街などはないか | |
マンションの条件 | ー | ・宅配ボックスはあるか ・管理費は高くないか ・共用施設は何が入る予定か |
棟内モデルルームであれば、エントランスなども共用部分についても確認します。わからないこと、気になることがあったときは、案内役のスタッフに遠慮なく質問しましょう。
また、モデルルーム見学について詳しく知りたいという方は、
マンション購入の流れ④購入の申し込み
モデルルーム見学が終わったら購入申し込みを実施します。購入申し込み時のポイントは以下の通りです。
申込証拠金を用意しておく
購入したい物件が決定したら、購入申し込みをします。物件によっては2万〜10万円程度の申込証拠金が必要なケースもあります。
新築マンションをはじめ、不動産業者から直接購入する物件は販売開始日から先着順に購入者が決定します。購入希望の物件が見つかったら、できるだけ早く購入申し込みについて相談しましょう。
また、購入申し込みをしたのちに実際に当該マンションを購入することが決まったら、申し込み証拠金は手付金の一部となります。
購入申し込み後のキャンセルは可能
また、購入申し込みをしても実際に購入するかどうかわからないという場合は申し込みをキャンセルすることも可能です。
キャンセルした場合は申込証拠金は全額返金されるため、気になる物件が人気の物件の時などは積極的に購入申し込みをしましょう。
また、購入申し込みをした後からお金のやり取りが発生してきます。契約後のキャンセルなどは違約金を取られることもあるので、住宅購入の契約後にキャンセルはできる?違約金と解除方法を徹底解説の記事もご覧ください。
マンション購入の流れ⑤住宅ローンの事前審査
購入申し込みの後には、住宅ローンの事前審査を行います。事前審査の際のポイントは以下の通りです。
事前審査にかかる期間は即日~1週間
事前審査は金融機関によって異なりますが、即日~1週間程度で済ませることが可能です。
近年ではインターネットでの申し込みもできるので、予算がある程度確定したらできるだけ早めに事前審査を済ませておきましょう。また、事前審査の審査項目は以下の通りです。
- 完済時の年齢
- 健康状態
- 担保評価
- 借入時年齢
- 年収
- 勤続年数
出典元:国土交通省
有名な話ですが、審査には勤続している会社の年数も参考にされるため、転職を予定している場合はマンションの購入後に転職するなどの対策をする必要があります。
住宅ローンの審査について詳しく知りたいという方は、以下の記事もご覧ください。
必要書類を揃えておく
また、事前審査をする際には必要書類を揃えておきましょう。具体的には以下の書類が必要となります。
- 本人確認書類
- 源泉徴収票もしくは確定申告書や納税証明書
- 決算報告書(法人代表者)
- 物件確認書類
また、自営業者は過去三年分の確定申告書が必要となるケースが多くなるので、すべて提出できるようにあらかじめ準備しておきましょう。
また、新築マンションを値引きしてもらうという観点でも事前審査を早めに通しておくことは重要です。新築マンションの値引きについては以下の記事で解説しています。
マンション購入の流れ⑥重要事項説明・売買契約
住宅ローンの事前審査に通ったら、「物件の重要事項説明」「売買契約の締結」「手付金の支払い」をすべて同日に行います。売買契約を行う上で重要なポイントは以下の通りです。
売買契約に特約が付いているか
不動産売買契約では、住宅ローン特約や買い替え特約などの特約を付けるケースが一般的です。
住宅ローン特約とは、買主が住宅ローンの本審査に通らなかった場合に、無条件で契約を解除することができる特約です。買主からすると、住宅ローン特約を設定していれば、手付金は全額払い戻されるほか違約金等も発生しませんので、安心して契約できるでしょう。
また、買い替え特約とは、住宅の買い替えを検討している買主が、所有する家が売れる前に新居の購入契約を結ぶ際につける特約のことで、「〇月〇日までに○○万円以上で所有物件が売却できない場合は、購入契約を白紙に戻すことができる」という特約です。
マンションの売買契約について詳しく知りたいという方は、マンション売買契約書には何が記載されている?確認すべきポイントとはの記事もご覧ください。
手付金の支払いに注意
重要事項説明に問題がないようだったら不動産売買契約を交わし、手付金を支払います。
手付金とは、売り手と買い手双方が契約を簡単に放棄できなくするために支払う費用で、手付金は物件価格の5〜10%程度が一般的です。
支払った手付金は最終的に物件価格から差し引かれますが、万が一契約破棄をした場合は返却されません。
売買契約締結後、住宅ローンの本審査に申し込みます。事前審査に通っていればほとんど落ちることはありません。本審査に通れば、金融機関から住宅ローンを受けられることが決定します。
マンション購入の手付金について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
マンション購入の流れ⑦住宅ローンの本審査から引き渡し
売買契約が済んだら、いよいよ住宅ローンの本審査と物件の引き渡しになります。ここで重要なポイントは以下の2点です。
住宅ローンの本審査で落ちる理由をあらかじめ把握しておく
気に入った物件の売買契約が完了しても、住宅ローンの審査に落ちてしまっては元の子もありません。そこで、あらかじめ住宅ローンの本審査で落ちる可能性をつぶしておくことが重要です。
実際によくある落ちるパターンは以下の通りです。
- 転職後すぐに審査に出して落ちてしまう
└勤続年数の観点で落ちるケースもあります - 住宅ローン審査時の適用金利で試算して返済能力が無いと判断された
└住宅ローン審査時の金利は、実際に適用される金利より高く3~4%の金利で計算されることに注意しましょう - 車のローンをすでに組んでいる
└車のローンも含めた毎年の借入額が返済負担率の基準に引っかかることがあります - 使わないクレジットカードを契約している
└消費者金融系のローンからの借り入れがある場合などです。
代表的なものは以上の4つとなりますが、他にも住宅ローンの審査の項目はいくつかあるため、詳しくは以下の記事をご覧ください。
内覧会・入居説明会の実施
新築マンションの場合は物件引き渡しの3〜6ヵ月前あたりに、「入居説明会」があります。入居説明会では、内覧会の日時や引渡し日の確認ほか、入居後の各種手続きや駐車場・駐輪場の抽選や、インターネットやケーブルテレビの申込方法などの説明が行われます。
また、完成前の新築マンションを購入した場合は、建物完成後に「内覧会」が実施されます。図面を見ながら、施工に不備がないかを確認しましょう。
また、マンション購入後には税金がかかります。あらかじめいくらくらいかかるのか把握しておきましょう。
マンション購入はいくら税金がかかるの?種類や税制優遇制度など税金対策も解説!
マンションにかかる固定資産税は一生払い続けるの?計算方法や支払いについて解説
マンション購入の流れ⑧決済・物件引き渡し
ローンの本審査に通り準備が整ったタイミングで、最後に決済と物件の引き渡しが行われます。ここで注意したいポイントは以下の2点です。
住宅ローンの借入金利を確認
金利は常に変動しているため、借入時の金利によって実際の支払い金額は変わってきます。
住宅ローンでは、一般的には融資実行のタイミングで適用となることが多いですが、財形住宅融資など、場合によっては申込時の金利が適用されるケースもあります。
また、変動金利の場合はその後も更新されることがあるので、事前に内容をよく確認しておきましょう。
不動産登記は司法書士に依頼
土地や建物などの不動産にはそれぞれ「登記簿」が備え付けられており、どこにどのような不動産があり、誰のものなのか、どのような経緯で所有権が移ってきたのかなど、不動産に関するさまざまな情報が記載されています。そして、土地の売却時には、持ち主の変更や抵当権の抹消といった登記を、委任状を受けた司法書士が本人の代理人として行います。
自分達で書類を作成して登記申請することも不可能ではありませんが、手続き等の手間を考えるとプロへの依頼が無難です。また、提携先の司法書士へ不動産会社から依頼を行ってくれるケースもよくあります。
新築マンション購入の流れと期間を抑えよう
新築マンションを購入する場合、建物の建設中に販売を開始するケースが多いことから、物件の売買契約から入居までに1年以上かかることもあります。
その場合、マンション購入のための資金計画や物件探しは、入居希望の日から1年半、遅くても1年2ヵ月前辺りから、少しずつ始めていくと良いでしょう。
マンションの売買契約締結後、住宅ローン本審査申し込みから入居までのスケジュール目安は次のとおりです。
- 住宅ローン本審査申し込み(引き渡し日の6〜3ヵ月前)
↓ - 入居説明会(引き渡し日の3ヵ月前)
↓ - 内覧会(引き渡し日の1ヵ月前)
↓ - 住宅ローン契約(金銭消費貸借契約)〜融資金の振込(引渡し日の1ヶ月~2週間前)
↓ - 残代金の精算・諸経費の支払い(引渡し日の2週間前)
↓ - 引き渡し&引っ越し
新築マンションを購入するなら1年以上から準備をしておく
新築マンションを購入する際は、事前の準備が大切です。目安としては、引っ越しを希望する日の1年以上前から少しずつ準備すると良いでしょう。建築中の新築マンションは建物が完成する前に売り出されることが多いため、売買契約から入居までに1年かかることがあるからです。
また、マンション購入に必要な住宅ローンの申込みや不動産売買契約、登記手続き、引き渡しの際の手続きには、さまざまな書類が必要です。
書類に不備があるとローンが通らなかったり売買契約を進められなかったりします。マンション購入から入居までをできるだけスムーズに進めるために、必要書類とそのタイミングをしっかり確認することをおすすめします。
また、後悔しないマンション購入のためには、入居までの流れを把握すること以上に、自分に合ったマンションを選ぶということが重要です。
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