マンションを購入する際、物件選びよりも重要といわれているのが不動産会社の選び方です。
マンションの販売・仲介を行っている不動産会社は全国に多数存在しますが、ネームバリューや「自宅から近い」などの立地条件だけで選ぶと後悔することになりかねません。
マンションは決して安い買い物ではありませんので、パートナーには誠実かつ信頼できる不動産会社を選びましょう。
本記事では、マンションを購入するときの不動産会社の選び方のポイントや避けるべき不動産会社の特徴ついて詳しく解説します。
マンション購入時の不動産会社の選び方のポイント
マンション購入時には不動産会社を吟味して選ぶことが大切です。マンション選びで後悔しないために、以下8点については押さえておくようにしましょう。- ホームページの情報は充実しているか
- マンションの売買を得意としている会社か
- 会社の規模だけで選ぶのはNG
- レスポンスの早さをチェック
- 丁寧にヒアリングしてくれるか
- リスクやデメリットも教えてくれるか
- アフターサービスは充実しているか
- 異業種と連携が行われているか
ホームページの情報は充実しているか
ホームページは会社情報やサービスを知ってもらう手段のため、内容の充実度を必ず確認するようにしましょう。ホームページをみるポイントとしては物件情報だけでなく、契約をする上でのサービス内容や購入後のサービスなど顧客に対するサポート内容を確認してください。また、物件情報についても定期的に更新されているかを確認しておくことも大切です。定期的に更新していない場合ですと、既に成約が決まっている物件を掲載してある可能性があります。ホームページを定期的に更新できない会社は顧客に対してもより良い情報を提供できないと判断できます。
マンションの売買を得意としている会社か
不動産会社と一言にいっても、その得意分野は業者によって異なります。たとえば不動産賃貸業のかたわら、不動産売買を手がけている会社もあれば、不動産仲介業を専門にしているところもあります。
また、取り扱っている物件についても、戸建てを得意としているところ、マンションの実績が多いところなど、得手不得手があります。マンションを購入するのなら、実績が豊富な不動産会社を選ぶのがポイントです。
不動産会社の実績はホームページなどに掲載されていますが、不明な場合は問い合わせるか、その会社が取り扱っている物件の種類をチェックしてみるとよいでしょう。
会社の規模だけで選ぶのはNG
全国的に知名度が高い大手不動産会社なら安心・安全で、取扱物件も多いというイメージを持っている方も多いでしょう。しかし、実際には前述したレインズの活用により、取り扱っている物件の数は大手と中小でほぼ差がなくなりつつあります。レインズとは、国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営している不動産流通標準情報システムのことで、売却されている物件の情報が多数登録されているのが特徴です。
レインズに登録された物件は、会員になっている不動産会社のみ閲覧することが可能で、不動産会社はレインズの検索システムを活用して、顧客の希望に合った物件をリサーチします。
もちろん、大手ならではのサービスや情報網は特筆すべきものですが、一方で地域に密着した中小は、地元に関する知識が豊富で、その地域に合った物件選びをサポートしてくれるという利点があります。
ネットワークが広く普及している現代では、不動産会社の規模だけで良い・悪いを決めることはできませんので、「大手だから安心」「中小だから不安」といった偏見を持たず、会社自体の対応やサービスの良さを重視して選ぶことが大切です。
レスポンスの早さをチェック
不動産会社の候補をある程度絞ったら、ホームページなどから物件について問い合わせを行ってみましょう。このくらいの予算で、こんなマンションを探しているといった希望を伝えれば、担当者から折り返し電話やメールが入るはずです。このとき注意したいのが、問い合わせを行ってから連絡が来るまでのレスポンスの早さです。優秀かつ誠実な営業マンであれば、早ければ当日中、遅くても2~3営業日内に問い合わせに対する返答が来ます。
もちろん、問い合わせの内容によっては日数を要することもありますが、その場合でも、早い段階で連絡を入れてくるかどうかで、不動産会社の対応の良さを確認することができるでしょう。
丁寧にヒアリングしてくれるか
マンションに対する希望や要望は人によって異なりますので、優良な不動産会社は、まず顧客に対して丁寧なヒアリングを行い、ニーズを正確に把握しようとします。ただ顧客の話を聞くだけでなく、必要に応じて質問をはさみ、本人も気付いていないような隠れたニーズを引き出してくれる不動産会社を選ぶと、ニーズにぴったり合った物件を紹介してもらえます。
最初はあえてざっくりとした要望を伝えて、不動産会社のヒアリング能力を試してみるのもよいでしょう。
リスクやデメリットも教えてくれるか
どんなに人気の高い物件でも、いくつかのリスクやデメリットは存在します。欠点を知らずに購入すると、いざ入居した後に「こんなはずじゃなかった…」と落胆することになりかねません。マンション購入後に後悔しないためにも、メリットだけでなく、物件ごとのリスクやデメリットもきちんと説明してくれる不動産会社を選びましょう。
アフターサービスは充実しているか
中古物件の購入後に瑕疵が発見される可能性は決して少なくはありません。そのため購入後のアフターサービスが充実している不動産会社を選ぶようにしましょう。物件購入後に建物保証や設備保障、アフターメンテナンスなどがあるか確認してください。また、特にマンション購入の場合は「マンションは管理を買え」と言われているほどです。マンション購入後の管理が悪ければ数年後の資産価値が大幅に下がります。
マンションは決して安い買い物ではありませんので、快適に住めることはもちろん、不動産会社のアフターサービスの充実度を必ず確認するようにしましょう。
異業種と連携が行われているか
不動産会社が顧客本位のサポートを行うためには、建築士や住宅診断士そして司法書士など各業種との連携が不可欠とされています。不動産会社が自社で行えることは限られているため異業種との連携も不動産会社の選び方のポイントの一つです。マンション購入で避けるべき不動産会社の特徴
不動産会社の質はピンからキリまでいろいろあり、中には絶対に避けたい要注意の業者も存在します。マンション購入時に避けるべき不動産会社の特徴は以下のとおりです。- 購入を急かす
- リスク・デメリットを言わない
- 実績が少ない
- 将来を見据えた提案をしない
上記のことがみられる不動産会社は避けるようにしましょう。
購入を急かす
「他にも購入希望者がいて、今決めないと売れてしまう」「とても人気の物件なので、すぐに購入するのがおすすめ」など、マンションの購入を急かしてくる不動産会社は要注意です。マンション購入は、その人のその後のライフスタイルに大きな影響をもたらす一大イベントですので、経済的にはもちろん、心情的にもそう簡単に購入を決められるものではありません。
それにもかかわらず、マンション購入を急かしてくるような不動産会社は、顧客目線で物事を考えられていない会社と判断できますので相談や契約は避けるにようにしましょう。
リスク・デメリットを言わない
悪質な不動産会社は物件の悪いところをあえて教えず、メリットばかりを強調してきます。物件にはメリットもあれば、もちろんリスクやデメリットもあって当たり前です。物件の利点・欠点を理解しないままマンションを購入すると、入居後に不満や不便を感じたり、生活に支障を来したりするおそれがあります。
物件の特徴について尋ねても、リスクやデメリットを一切言わない、回答をはぐらかすような不動産会社は避けた方がよいでしょう。
実績が少ない
マンション購入時は価格や立地条件、間取り、設備などさまざまな要素を考慮し、最もニーズに合った物件を探し出す必要があります。顧客のニーズを的確に把握したうえで、最適な物件を紹介するためには、これまでの経験と実績で培ってきた専門的な知識と提案力が必要不可欠です。マンションに関する知識やノウハウの少ない不動産会社を選ぶと、顧客のニーズや要望と合わない物件を提案されるおそれがありますので、経験や実績の浅い会社に相談するのは避けましょう。
将来を見据えた提案をしない
マンションへのニーズは、ライフステージや家族構成によって大きく変化します。たとえば、物件購入時に夫婦2人の世帯だったとしても、将来的に子どもが増えた場合は子ども部屋が必要になりますし、学校が近くにあった方が便利です。
多くの人は長期間住むことを前提としてマンションを購入しますので、不動産会社は購入時だけでなく、将来のことも見据えた提案をする必要があります。
現在のライフスタイルや家族構成だけにとらわれて、将来をまったく考えずに物件を紹介してくる不動産会社は提案力が低いと言わざるを得ませんので、マンション購入という一大イベントのパートナーに選ぶのはやめた方がよいでしょう。
マンション購入時に不動産会社選びが重要な理由
マンションを購入する際、不動産会社選びが何より重要といわれる理由は大きくわけて以下の3つがあります。
- 同じ物件を取り扱う不動産会社が複数ある
- 同じ系列の不動産会社でも、店舗によって対応が変わる
- 不動産仲介手数料は会社によって異なる
同じ物件を取り扱う不動産会社が複数ある
住宅情報誌や不動産ポータルサイトなどに掲載されている物件の多くは、特定の不動産会社が独自に取り扱っているものではなく、「レインズ」に登録されているものがほとんどです。レインズへの加入は任意ですが、登録されている物件情報が非常に多く、多種多様なニーズに対応できるため、ほとんどの不動産会社はレインズに加入しています。
つまり、レインズに登録されている物件であれば基本的にどの不動産会社を選んでも仲介してもらえるのです。同じ物件を選ぶのであれば、より信頼できる不動産会社と契約することが重要なポイントとなります。
同じ系列の不動産会社でも、店舗によって対応が変わる
フランチャイズ制を導入している不動産会社の場合、同じ都道府県内に同じ系列の店舗が点在しています。消費者からすると「同じ系列の会社なら、どこを選んでも同水準のサービスを受けられる」と思いたいところですが、実際は担当者の質や実績などによって、対応は180度変わります。「自宅から近いから」「駅前にあったから」といった理由で不動産会社を選んでしまうと、ぞんざいな扱いを受けたり、こちらのニーズを的確に把握してもらえなかったりするおそれがあるので注意してください。
お店の看板よりも、そこで働いているスタッフの質や実績を個別に比較した方が満足度の高いサービスを受けることができます。
不動産仲介手数料は会社によって異なる
不動産会社を介してマンションを購入する場合、その報酬として不動産会社に仲介手数料を支払う必要があります。不動産仲介手数料は宅地建物取引業法(宅建業法)によってルールが決められていますが、上限さえ超えなければ不動産会社が自由に設定することが可能です。そのため、同じマンションを購入した場合でも、選んだ不動産会社によって支払う仲介手数料に差が出ることもあります。
仲介手数料は物件価格に応じて決まりますが、400万円超えの物件の場合は最高で「物件価格×3.3%+6万6,000円」の手数料を支払わなければなりません。
実際には法律で決まった仲介手数料の上限ギリギリで設定しているところが多いので、大きな差は生じにくいのですが、初期費用を抑えたいのであれば仲介手数料を比較して候補を絞り込むのもひとつの方法です。
他にも、詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
未公開物件とは?ネットに載らない物件情報を得る方法や注意点を徹底解説!
マンション購入時の不動産会社の選び方でよくある質問
マンション購入時によくある質問として「不動産会社の担当者と良好な関係を築く方法」や「不動産会社を途中で変えることができるか」などの質問が多くあります。この章ではマンション購入時でよくある質問2つについて解説します。不動産会社の担当者と良好な関係になるには?
いくら優良な不動産会社を選んでも、担当者と良好なコミュニケーションを取ることができなければ、自分のニーズに合った物件を紹介してもらえません。不動産会社の担当者と良好な関係を築くコツは以下のとおりです。- 必要な情報をきちんと伝えること
- 無理な交渉はしないこと
不動産会社の担当者とは、物件探しだけでなく、契約からアフターサポートまで長い付き合いとなりますので、より良い関係を築くためのコツを押さえておきましょう。
必要な情報をきちんと伝えること
ニーズに合ったマンションを購入するためには、自分の収入状況や資産状況、家族構成などを正確かつ詳細に伝える必要があります。デリケートな情報も含まれるので、不動産会社に情報を開示することに抵抗を感じる方も多いのです。しかし、マンション購入に必要な情報をしっかり把握しておかないと、不動産会社としても予算やニーズに合った物件を提案することができません。信頼できそうな不動産会社を見つけたら、物件探しに必要な情報は包み隠さずきちんと伝えることを心掛けましょう。
無理な交渉はしないこと
マンション購入に限った話ではありませんが、「こちらは客なのだから、営業マンは何でもしてくれて当たり前」という態度で無理な要望や交渉を迫ったりすると、担当者を困らせる原因となります。無理難題を押しつけてくる人や、横柄な態度を取る人とは、不動産会社もコミュニケーションを取りづらいので、適切な物件を紹介してもらえなくなってしまいます。
もちろん、必要に応じて意見や要望を主張することは大切ですが、明らかに無謀な要求や駆け引きの交渉などを行うのは控えるようにしましょう。
不動産会社は途中で変えることはできる?
買主は契約を結ぶ前であれば不動産会社を変えることはできます。しかし、購入申込書をすでに書いてる場合は変更が難しいです。また、不動産会社を途中で変えると最悪の場合、損害賠償請求の対象になる可能性があるため注意しましょう。不動産会社を変えるタイミングは契約を結ぶ前がベストなタイミングですが、以下の正当な理由がある場合は即時解約も可能です。
- 業務の進行が著しく遅い
- 連絡が取り合えない
- 担当者知識不足
しかし、不動産会社は上記のことについて会社の不備ではないとして中途解約に応じてくれないケースもあるため、そういった場合は第三者機関に相談するようにしましょう。
マンション購入時は不動産会社を慎重に選ぼう
マンションを購入するときは、仲介役である不動産会社と二人三脚で物件を探していくことになります。
マンションは人生を左右する大きな買い物になりますので、親身になって相談に乗り、顧客目線でサポートしてくれる優良な不動産会社を選ぶようにしましょう。
不動産会社を選ぶ時は質問に対して真摯に対応できるかどうかだけではなく、これまでの仲介実績を比較して選ぶことが重要です。
というのも、仲介実績が多く経験豊富な不動産会社だからこそ、場合によっては中古マンションの値引き交渉なども積極的に行っているケースが多く、選んだ不動産会社によっていくらで購入するかどうか変わる可能性もあるからです。
仲介実績や物件提案の質で不動産会社を選ぶなら、Housii(ハウシー)がおすすめです。Housiiなら仲介実績と未公開を含む物件提案の質で複数の不動産会社を比較して選べます。匿名で登録できるので、電話営業される心配もありません。
経験豊富な不動産会社を味方につけて、物件購入を有利に進めませんか。