中古物件は新築物件に比べて価格が安く、エリアの選択肢も多いなど、さまざまなメリットがあります。
そのため、最近はあえて中古物件を購入する方も増えてきていますが、何を基準に物件を選べばよいのか、そもそもどうやって物件を探したらいいのかわからないという方も多いようです。
そこで今回は、中古物件の基本的な探し方や、購入までの流れ、優良物件を見つけるコツなどをまとめてご紹介します。
中古物件の探し方の基本
中古物件の探し方は、新築物件の探し方と異なる部分がいくつかあります。初めて中古物件を探す場合は、基本的な探し方を覚えておきましょう。
まずは物件へのニーズを明確にする
新築注文住宅なら、ある程度自分の要望やニーズを反映させることができますが、中古物件の場合、すでに存在する物件から自分の理想や希望に近い物件を探す必要があります。
そのため、中古物件を探す際は、家族同士で話し合いを重ね、物件に求めるニーズや要望をリストアップしておきましょう。というのも、ニーズや要望が多ければ多いほど、条件に合致する中古物件を見つけるのは困難になります。
したがって「ここだけはどうしても譲れない」というポイントを絞るためにもあらかじめ物件への希望条件を明確にしておきましょう。
複数の方法で物件を探す
売りに出されている中古物件は、以下のような媒体に掲載・紹介されています。
1. 不動産ポータルサイト
2. チラシ
3. 不動産仲介会社
4. 住宅情報誌
中でも手軽かつ豊富な情報を得られるのは1の不動産ポータルサイトで、エリアや住宅面積、築年数、販売価格などの条件を絞り込んで検索することができます。ポータルサイトによって提携・参画している不動産会社に違いがありますので、中古物件を探す場合は不動産ポータルサイトがおすすめです。
また、インターネットで中古物件を探す場合は日々物件情報が更新されていくため、こまめにサイトをチェックする必要があります。そのためにも、希望条件を明確にしたらポータルサイトの通知をオンにしておくなど、常に条件に合う中古物件をチェックできる状態にしておきましょう。
不動産会社に相談する
中古物件探しにどの媒体を利用した場合でも、物件の詳細情報をチェックしたり、内覧を申し込んだりするには、物件の販売を委託されている不動産会社に相談する必要があります。不動産会社は物件探しの段階からサポートしてくれるので、早い段階から相談しておくのがおすすめです。
希望の物件について詳細を尋ねる場合は、物件の状態や販売価格、周辺状況の情報などを確認したうえで、内覧を申込みます。この時点では複数の不動産会社に相談していても問題ありませんので、候補がいくつかある場合は並行して相談してもよいでしょう。
また、不動産会社は地域密着型の地場不動産会社と全国展開している大手不動産会社で特徴が異なります。地域密着型の地場不動産会社のメリットとしては、
- 地元の自治会や町内会の事情に詳しいため、町内会費などについても把握している
- 大家さんとの関係性が良好で値下げ交渉がしやすい
- 地域で起こった事件・事故や治安について詳しい
などがあり、逆に大手不動産会社のメリットとしては以下のものがあります。
- 担当エリアが広いため、物件や地域情報を把握しきれていない営業マンもいる
- 営業ノルマが激しくしつこい営業をされる可能性がある
以上の特徴を吟味して、地場不動産会社・大手不動産会社の特徴に合わせた中古物件探しを実施しましょう。例えば、引っ越い先の地域が決まっているなら地場不動産会社に、広いエリアで物件を探しているなら大手不動産会社に頼むのも悪くないでしょう。
中古物件の探し方にはコツがある
数ある中古物件の中から、理想や希望に合った優良物件を選ぶには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。
ここでは、中古物件探しで優良物件を見つけるコツを3つご紹介します。
中古物件はリノベーション前提で探す
中古物件を購入するにあたり、自分の希望・ニーズに合う物件を見つけるのは至難の業です。
しかし、リノベーション前提で中古物件を購入すれば、こだわりポイントから「間取り」の項目を削減できますので、物件の選択肢がぐっと増えます。
大がかりなリノベーションにはそれなりの費用がかかりますが、新築の注文住宅を購入する場合と比べると、必ずしも割高になるとは限りません。
「大型リフォーム実施者調査」によると、中古物件を購入してリフォームした人の物件購入費用の平均額は約3,156万円、リフォーム費用は約628万円です。また、「令和元年度 住宅市場動向調査」の結果によると、新築注文住宅の購入資金の平均は4,615万円ですので、約800万円ほどお得に購入できる計算になります。
なお、住宅市場動向調査の結果では、中古物件の購入費用の平均額は戸建てで2,585万円、マンションで2,746万円です。物件の購入費によっては、さらにトータル費用を抑えられる可能性もあります。
物件選びの面でも、そしてコスト面でも大きなメリットがありますので、住宅へのニーズや要望を妥協したくないという方は、リノベーション前提で中古物件を探してみるとよいでしょう。
中古住宅のリノベーション費用については、こちらの記事をご覧ください。
中古住宅のリノベーション費用相場は?物件選びのポイントも解説
耐震性の高い物件を選ぶ
日本は地震の被害に見舞われやすい国なので、中古物件を選ぶ際は、耐震性の高さをチェックすることが大切です。
1981年以降に建てられた物件は、震度6強~7程度の大規模地震でも倒壊・崩壊しないことを前提とした「新耐震基準」をもとに建築されています。しかし、1981年以前の建物の場合は、震度5強程度で倒壊・崩壊しないことを前提とした「旧耐震基準」に基づいて造られており、大規模地震が発生した場合に大きな損傷を受ける可能性があります。
1981年以前に建てられた中古物件でも、耐震補強工事が行われていれば十分な耐震性能を有している可能性はあります。しかし、念のため売主や不動産会社に耐震診断を依頼し、建物の耐震性能をチェックしてもらったほうがよいでしょう。
災害リスクをあらかじめ把握しておく
物件の建物としての耐震性がいくら優れていても、地盤が緩かったり液状化しやすい土地であれば結果的に災害リスクが高まってしまいます。
そこで地震をはじめ台風や洪水などの自然災害に備えて、購入する中古物件が建っている土地の災害リスクをあらかじめ調べておきましょう。
災害リスクを把握する方法として最も有名なのが各自治体が公開しているハザードマップを確認することです。自分が購入を検討している中古物件の住所を入力することで災害リスクを把握することができます。
また、中古物件の売買契約書を締結する際の重要事項説明の際にも災害リスクについては説明されますが、物件探しの段階で災害リスクについては確認しておきましょう。
周辺環境を確認しておく
中古物件を探す際に重要なポイントの一つに周辺環境のチェックがあります。例えば、子供の誕生をきっかけに新居を探している方であれば小学校の学区がどこになるのかや近くに公園があるかなどのチェックが必要です。
また、駅からの距離をはじめとした周辺環境のチェックは将来的に売却できるかどうかにも関わってくる要素なので、将来的に住み替えを検討している方は周辺環境のチェックも念入りに行いましょう。
具体的なチェック項目としては
- 利便性
- 交通環境
- 育児環境
- 地域環境
の4つの観点が代表的で、具体的にチェックするべきポイントとしては以下のものがあげられます。
項目 | ポイント | |
---|---|---|
■利便性のチェックポイント | 買いもの施設 | 普段の買い物ができるスーパーマーケットやコンビニがあるかどうか。あるなら何時まで営業しているのかも確認しておきましょう。 |
病院 | 何かあった時にすぐに行ける病院があるかどうか、ご高齢の方やお子様がいる世帯では重視したほうがいいポイントです。 | |
■交通環境のチェックポイント | 公共機関その他 | 駅からの徒歩が何分か。バス停などは近いか?また、自転車シェアリングをしているなら近くにポートがあるかなど。 |
交通量 | 家の前は大きな幹線道路か路地になっているか?大きい道路に面している場合、外部からの騒音がひどいケースもあるので注意しましょう。 | |
■育児環境のチェックポイント | 保育施設 | 保育所や幼稚園が近くにあるか?また子供がいない世帯なら近くにあると声が漏れてくる可能性もあるので注意しましょう。 |
教育関連施設 | 進学路が安全か?また、小学校の学区はどこになるのかもチェックしておきましょう。 | |
公園など | 子供が遊べる公園はあるか?また子供がいないなら公園が近くにあると騒音が響いてくる可能性もあるので注意しましょう | |
同年代の子ども | 遊び相手ができるような環境か? | |
■地域環境のチェックポイント | 周辺環境 | 家の近くに空き地があり、将来的に日陰になる可能性はないか?心配であれば用地地域をチェックしましょう。 |
住環境に影響を与えそうな施設 | 風俗店や飲み屋街、ラブホテルなどが近くにないか? | |
治安状況 | 犯罪件数はどうか?またコンビニのトイレが使用禁止になっていたり、酒類コーナーにワンカップ系の酒が異常に多かったりする場合は注意。 | |
騒音やにおい | 工場や飲食店、特にカレー屋さんなどのにおいの強い施設はないか?またマンション内のごみ置き場のにおいは問題ないか。 | |
エリアの雰囲気 | 近所を散歩してみて、雰囲気がどうかをチェック。 |
将来を見据えた間取りを選ぶ
間取りを決める際は、現在だけではなく将来的に過ごしやすい間取りになっているかどうかを踏まえて決める必要があります。将来的に子供が欲しい場合はあえて広めの間取りの中古住宅を購入する必要がありますし、子供が数年後に独立する予定の場合は少し狭い間取りを購入しても良いでしょう。
また、高齢の両親と住む予定がある場合などではバリアフリー設計の住宅の方が好ましいこともあります。
以上の要素を踏まえて、将来的に必要になる部屋数や設計を逆算して中古住宅を選ぶようにしましょう。今必要な間取りを購入することだけを頭に入れていると将来的に後悔する可能性があるため、注意が必要です。
ネットに出ない未公開物件を狙って中古物件を探す
実は中古物件はインターネットだけで物件情報を網羅することはできません。というのも、suumoやhomesなどの不動産ポータルサイトはあくまでも不動産会社にとっての広告媒体なので、すべての物件を掲載しているわけではないのです。
では、どういった物件がインターネットに出ていないかと言うと、売主側に
- 「売却活動をしていることを周囲に知られたくない」
- 「まだ引っ越し先が決まっていないからたくさん内覧に来られると困る」
などの事情があり、不動産会社側の事情では
- 「すぐに買い手が決まりそうなので、インターネットに公開せずに自社で買い手を探して仲介手数料を取りたい」
- 「自社の既存の顧客と条件が一致している」
などの事情でインターネットに出ていない物件があるのです。そこで、未公開の物件に出会うには、ポータルサイトではなく不動産会社から直接物件提案をもらう必要があります。
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他にも、詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
未公開物件とは?ネットに載らない物件情報を得る方法や注意点を徹底解説!
中古物件を探す際の注意点は?
中古物件は「掘り出し物」と呼ばれる物件がある一方で、耐震性の弱い物件や違法建築されている物件など「買ってはいけない物件」があるのも事実です。
そこで第4章では中古物件を探すにあたり、あらかじめ注意しておきたいポイントを紹介します。
住宅ローンを利用できない物件もある
住宅ローンのなかには、購入する物件の築年数に上限を設けているものもあります。
たとえば住宅ローンの申込み要件に「築30年以内の物件」という制限が設けられている場合、築30年を超えた中古物件をローンで購入することはできません。
築年数の制限がない住宅ローンを利用するという方法もありますが、金利などの条件から、特定の住宅ローンの利用にこだわる場合は、築年数に制限がないかどうかあらかじめチェックしておきましょう。
住宅ローン控除が適用されない物件もある
住宅ローンを利用して物件を購入した場合、毎年の住宅ローン残高の1%を10年間にわたって所得税から控除する「住宅ローン減税制度」を利用することができます。
同制度は新築物件だけでなく、中古物件の取得も対象となりますが、建築日から物件取得日までの期間が20年以下(マンションなど耐火建築物の場合は25年以下)であること、一定の耐震性能を有していることなど、いくつかの要件を満たしている必要があります。
適用要件を満たしていない中古物件を取得した場合、住宅ローン減税制度が適用されないため、注意が必要です。
中古住宅のローンについて詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
再建築不可物件ではないかチェックしよう
中古物件の中には、建て替えや増改築ができなかったり、建て替えたとしても現状より小さい建物しかできなかったりする再建築不可物件という物件種別があります。
再建築不可物件は、計画都市区域内にあり敷地の接道義務を果たしていない中古物件が該当します。物件情報サイトなどを見ていても「※道路に2m以上未接道の為、再建築不可物件となります」などの注意書きが施されているので物件探しをしている際は注意深く確認しましょう。
再建築不可物件が向いているのは、とにかく安く購入したい人や長い間住むことを想定していない高齢者、また賃貸経営を考えている投資家などです。したがって、終の棲家として中古物件を探している人には少々不向きな物件といえますので注意しましょう。
「中古物件が出やすい時期」は無いことに注意
巷では「3月は引っ越しのタイミングだから中古物件の公開件数が増えるため、理想の中古物件を探しやすくなる」と言われたりもしますが、すべての不動産取引情報が登録される東日本不動産流通機構(通称:レインズ)によると「中古物件が出やすい時期」は存在しません。
以下のグラフは、レインズのデータライブラリーから独自に作成したグラフとなりますが時期によって登録件数が急激に増えたりすることはないことがわかります。
2020年のデータですので、コロナウイルスよる影響も若干ある可能性もありますが、とはいえ「3月だから急激に増える」というような事象は起こっていないことがわかります。
賃貸物件においては時期的な変動があるのは確かですが、購入物件においては時期的な変動はないことを頭に入れておきましょう。
事故物件に注意しよう
次に中古物件で注意したいのは事故物件です。代表的なものとしては過去に殺人や自殺などがあった物件のことですが、他にも以下のような物件が事故物件に該当します。
- 火災によって人が死亡した物件
- 物件周辺での事件・事故があった物件
- 騒音や悪臭がある物件
- 大気や土壌汚染などが発生する可能性のある物件
- 墓地や宗教団体の施設が近隣にある物件
- 暴力団などの事務所がある物件
基本的に事故物件はポータルサイトなどで「告知事項あり」と記載されているため、間違って購入するというケースはあまりないと思いますが悪徳業者によっては間に一人挟んで過去の事故を告知しないこともあります。
そんな時は、大島てるが運営している「事故物件公示サイト」などを見て購入しようとしている中古物件に過去事故がなかったかを確認してみましょう。また、近隣住民や連絡を取っている不動産会社以外の不動産会社に確認を取るのも悪くないでしょう。
他にも、詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
事故物件の探し方4つの手段や住む前に知っておくべきこと
内覧時のチェックポイントを明確にしておく
最後に、中古物件を探す際は内覧をするときのチェックポイントを明確にしておきましょう。
というのも、中古物件は新築と違って間取りや生活動線など暮らしやすさの観点のほかにも、シロアリ被害がなさそうかやリフォームをどの程度施す必要があるかなどの観点でもチェックする必要があります。
仮にシロアリ被害があった場合は、部分的な補修で10~100万円、大規模修復で100~300万円という高額な修繕費用が必要となるので、購入前に必ず注意深く内覧を行いましょう。
具体的なチェック項目は以下の記事で解説しています。よければチェックしてみてください。
中古物件の探し方はコツを押さえることが重要
中古物件を探すときは、どうしても譲れない点やこだわり要素をリストアップしてから、不動産ポータルサイトやチラシ、住宅情報誌などを利用して候補を絞り込んでいくのがポイントです。
妥協せずに選びたい場合は、リノベーションすることを前提に物件を探すと、選択肢の幅がぐっと広がるでしょう。
とはいえ、中古物件を購入しようと思っている方の中には、
- 物件が多すぎてどれを選んだらいいのかわからない
- 不動産会社に連絡したら電話営業されそうで嫌だ
- 自分の個人情報が不動産会社に知られたら営業されそう
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記事のおさらい