中古マンションを購入する際、築年数が住宅ローンにどのような影響を及ぼすかご存知ですか?築年数によっては、ローンの返済期間が制限されることもあります。本記事では、中古マンションの築年数と住宅ローンの関係、そして購入時に注意すべきポイントについて詳しく解説します。
築年数が古い中古マンションでも住宅ローンを組める
中古マンションは、新築と同様に住宅ローンを組むことが可能です。もちろんどの金融機関でも新築と同じ方法で手続きが出来ます。また、近年よく耳にするリノベーションやリフォーム、諸費用まで含めた住宅ローンを組むことが出来る金融機関も増えています。中古マンションの購入者が毎年、増加していることも関係しているといえるでしょう。
金利に関しても、中古マンションという理由で最初から高い金利になっていることもありません。中古マンションを購入の際、リノベーションやリフォームを検討しているのであれば、高い金利のリフォームローンを別に組むよりも低い金利の住宅ローンでリノベーションやリフォームの費用まで全て含めて組む選択をした方がお得です。
住宅ローンをリノベーションやリフォームの費用まで組める主な金融機関は、下記の通りです。
・三菱UFJ銀行
・新生銀行
・みずほ銀行
・中央労働金庫
住宅ローンを組む際には、前提として事前に手付金を売主に対して、売買代金の5%~10%を住宅ローンとは別に用意しなければいけないことにも注意しておきましょう。
また、築年数が法定耐用年数を超えた中古マンションは、金融機関によっては住宅ローンの審査に影響してくる可能性もあります。鉄筋コンクリート造のマンションの場合は、47年と定められています。
例えば、築30年の物件を購入した場合、法定耐用年数47年-築年数30年で、住宅ローンは17年間しか組めないことになります。このため、返済期間が一般的な35年に比べ18年と約半分になり制限されてきますので、中古マンション購入の際には築年数に注意が必要です。
中古住宅のローンについて詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
中古マンションの住宅ローンは築年数による制限がある
中古マンションの住宅ローンは、一部の金融機関では築年数によって住宅ローンの返済期間や借入金額に制限がつく場合があります。ただし、一部の金融機関での制限なので、金融機関をきちんと選択していけば心配ありません。
これらの制限は、物件の耐久性や担保評価額が影響しているので、それぞれ詳しく解説していきます。
築年数による返済期間の制限
中古マンションの築年数によっては、返済期間が制限される場合があります。
一般的な住宅ローンは35年といわれていますが、中古マンションの場合は25年や15年などに返済期間が制限されます。
理由としては、新築よりも経過年数があるため建物の存続のリスクがあるからです。返済期間が制限されれば、一般的な住宅ローンよりも、もちろん毎月の返済額の負担は大きくなるので、注意しなければなりません。
また、どのくらいの築年数で返済期間の制限がされているのかは公表されていません。金融機関によっても制限の程度に違いがあります。
しかし、一部の金融機関においての制限であり、多くの金融機関では制限なく住宅ローンを組むことが可能ですので安心してください。
築年数による借入金額の制限
中古マンションの築年数が経っていると借入金額が制限される場合があります。例えば、3,000万円の購入で2,000万円までしか借りられないなどです。これは、住宅ローンの審査基準のうちの一つの物件の担保評価額が関係しているといえます。物件の担保評価額とは、物件を評価する金額のことをいいます。
もし、住宅ローンの返済が出来なくなった場合は、通常は担保として金融機関が物件を差し押さえてお金を回収します。その際、築年数の経過が大きいと返済金額よりも値段が下がっているために、お金を回収できないことから物件の担保評価額が関わっていることが考えられます。
しかし、借入金額が制限される場合は返済期間と同様に一部の金融機関においてなので、多くの金融機関では制限なく住宅ローンを組むことが可能です。
住宅ローンの変動金利についてはこちらの記事をご覧ください。
住宅ローン変動金利の仕組みや金利動向を解説!メリットやデメリットも紹介!
築年数が古い中古マンションは住宅ローン審査に通りづらいことがある
中古マンションによっては、築年数が古いことによって耐震基準を満たしていなかったり、災害などで住宅を失ったときに新しく建物を建設できなかったり、土地を借りて住宅を建設する場合は住宅ローンの審査に通りにくいでしょう。
これらに共通するポイントは、物件の担保価値にあります。
次に解説する物件は、高い価格で売却できたとしても金融機関が融資した資金を回収するのは難しいと考えられます。
それでは、住宅ローンの審査が通りにくい物件を見ていきましょう。
旧耐震基準の物件
旧耐震基準とは、1981(昭和56)年6月1日以前に建設された物件です。旧耐震基準に基づき、住宅ローンの審査に通りにくくなります。要因としては、旧耐震基準の建物の担保評価額の低さが関係しているからです。中古マンションを選ぶ際には、築年数だけではなく耐震基準についてもチェックしておきましょう。
再建築不可の物件
再建築不可の物件とは、地震や火事などの災害時で住宅を失ったときに、新しく家を建てることが出来ません。また、建物を解体して更地にしてしまう場合にも同じく新たに建設出来ない土地のことを指します。都市計画区域と準都市計画区域内だけにあります。また、上記2区域内では建築基準法の関係から接道義務があります。そのため、救急車や消防車が入れない土地に家を建ててはならないと定められています。こちらも担保評価額が低いため、多くの場合住宅ローンの審査に通りづらいことがいえます。
中古マンションを購入する際、リフォームのために住宅ローン利用を考えている人は注意が必要です。
借地権の物件
借地権の物件とは、他人の土地を借りて住宅を建てていることをいいます。住宅ローンを借りる際には、土地を担保にするために地主の許可を得ることが必要になってきます。しかし、借地権の物件は担保価値が低いので売却できなかったり、売れたとしても安かったりします。そのため、銀行側の担保評価額が低くなり、住宅ローンの審査に通りづらいでしょう。
築年数が古い中古マンションの注意点は?
ここまで、住宅ローンについて見てきましたが、他に注意点はあるのでしょうか。築年数が経っている中古マンションには、住宅ローンを組んだ際に住宅ローン控除が受けられない可能性があります。
せっかくなら住宅ローン控除を受けたいですよね。築古が理由となって住宅ローン控除を諦めてしまった中古マンション購入者も多いので、住宅ローン控除についてもチェックしておきましょう。
住宅ローン控除が使えないことがある
そもそも住宅ローン控除とは、どういったものなのでしょうか。
住宅ローン控除は、購入した住居に10年間もしくは、13年間(2020年12月31日までに入居)住んでいる場合、その年の住宅ローンの年末残高の1%が所得税から控除されるという制度です。また、所得税から控除しきれない金額は、控除限度額の範囲内で住民税から控除されます。
さらに、中古マンションの住宅ローン控除を受けるための詳しい条件を見ていきましょう。
以下が主な適用条件となります。
- 非耐火建築物(木造などの住宅)は築年数が20年以内、耐火建築物(鉄筋コンクリートなどの住宅)は築年数が25年以内であること。
- 床面積50㎡以上で、そのうちの半分以上が居住用であること。
- 控除を受ける予定の年の所得が3,000万円以下であること。
- 返済期間が10年以上の住宅ローンを組んでいること。
- 生計を共にする家族から購入した物件、贈与物件ではないこと。
- マンションの取得日から6ヶ月以内に居住し、控除を受ける年の12月31日まで継続して住んでいること。
これらの条件を満たせば、住宅ローン控除を受けることが可能です。
築古でも住宅ローン控除を受けるには?
前章で述べた住宅ローン控除の適用条件の築年数に関して、築年数が25年以上経過している中古マンションは、住宅ローン控除が受けられないため注意が必要です。
しかし、耐震基準や耐震等級、保険の加入など耐震基準に関する条件を満たしていることを証明すれば住宅ローン控除を受けることができます。
それでは、住宅ローン控除を受けるために証明する書類を見ていきましょう。
以下の3つのいずれかが必要となります。
- 耐震基準適合証明書
- 既存住宅性能評価書
- 既存住宅売買瑕疵保険の付保証明書
それぞれ詳しく解説していきます。
耐震基準適合証明書
耐震基準適合証明書とは、建物の耐震性が建築基準法で定められた耐震基準を満たしていることを証明するものです。この証明書は、自動的に発行、もしくは申請すればすぐに発行できるものではありません。証明書の取得期間は、申請してから1ヵ月程度かかります。証明書が発行される流れとしましては、登録住宅性能評価機関や指定確認検査機関、建築士事務所に所属している建築士、住宅瑕疵担保責任保険法人など国に認定された機関に申請をします。
申請を受けた機関は、耐震診断を実施し適合していた場合、証明書を発行してくれます。
既存住宅性能評価書
既存住宅性能評価書とは、国土交通大臣の登録を受けた第三者機関の登録住宅性能評価機関にチェックをしてもらい、与えられる評価です。評価は、耐震等級の1~5等級で表示されます。審査の依頼は、住宅の購入者が行うのが原則です。
しかし、不動産会社やハウスメーカーが審査を依頼し、既存住宅性能評価付き住宅として販売する場合もあります。
住宅ローン控除を受けるには、耐震等級が1~3等級であることが条件になるため頭に入れておきましょう。
また、既存住宅性能評価書を取得していることによって、住宅ローンの条件を変えられることもあります。たとえば、既存住宅性能評価書で耐震等級1を取得している場合、金融機関によっては金利を下げられることが可能になるケースもあるので、資金面でもメリットになるといえるでしょう。
既存住宅性能評価書を取得するための金額は数万円~数十万円の手数料がかかりますので、資金に余裕を持って準備しておくことをおすすめします。既存住宅売買瑕疵保険の付保証明書
既存住宅売買瑕疵保険とは、中古住宅の検査と保証がセットになった保険です。住宅瑕疵担保責任保険法人が発行しています。保険の契約締結を売主と引渡し前にしておく必要があります。また、保険の加入によって、もし住宅に瑕疵があった場合にも保証されるので安心です。
既存住宅売買瑕疵保険の付保証明書を取得するための金額は約7〜14万円かかりますので、耐震基準適合証明書と同様、時間と共に余裕を持って資金も準備しておくことをおすすめします。これらを取得することによって、築年数が大幅に経過していても住宅ローン控除を受けることが可能です。取得する際には、余裕を持って申請しておくと良いでしょう。
築年数に注意して中古マンションの住宅ローンを利用しよう
ここまで、中古マンションの住宅ローンには、築年数が関係していることや注意点、住宅ローン控除も関わっていることをお伝えしました。
基本的には、築年数が経過している中古マンションは住宅ローンが組めます。さらに諸費用、リノベーションやリフォームまで含めた住宅ローンを組むことが出来る金融機関も増えてきました。
また、中古マンションの場合は住宅ローンに一部の金融機関では築年数による制限や築年数が20年、25年以上経過している場合には、住宅ローン控除が受けられないこともあります。その際は、耐震基準に関する書類を準備して上手く住宅ローン控除を使うことをお勧めします。
また、住宅ローンを組む際は住宅購入のプロに相談しながら資金計画を立てるのもポイントです。住宅ローン控除やすまい給付金など、知らなきゃ損をする控除制度についての情報収集としても使えるでしょう。
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