マンションを少しでも安く購入したいときは、相場よりも格安のマンションを積極的にチェックしたいところです。格安マンションを購入すれば、相場よりも購入費を削減できるため、その後の資産状況に余裕が生まれます。修繕費やリフォーム費に充てることもできるでしょう。
しかし格安マンションの探し方については、意外とわからないことも多いものです。そもそも相場より安いのか高いのかすらわからない…と困っている人も多いでしょう。
そこで今回は、格安マンションを購入する方法を紹介しつつ、あわせて購入時の注意点を解説していきます。
格安マンションを購入する方法
格安マンションを購入するには、主に次の9つの点を意識することが大切です。
- 希望するエリアの相場を知る
- 1階の部屋を選ぶ
- 駅から遠いマンションを探す
- 初期費用が安い不動産会社を選ぶ
- 希望条件は1つだけに絞る
- 不動産会社の閑散期に探す
- エレベーターのない5階以下のマンションを探す
- 狭い部屋を探す
- 未公開物件を探す
上記のポイントを踏まえたうえで物件を探せば、リーズナブルな価格のマンションは比較的見つかりやすくなります。では、一つひとつのポイントについて詳細を解説していきます。
希望するエリアの相場を知る
まずは、自身の希望するエリアのマンション販売価格相場を調べることから始めましょう。マンションの相場は、そのエリアの物件の状況や競争状況によって変動します。
なお、マンションの価格相場は、主に次の場所でチェックできます。
- REINS Market Information
- 不動産情報ライブラリ
- 不動産ポータルサイト
REINS Market Imformationは、国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営を行っている不動産流通における情報サイトです。さまざまな地域のマンションや戸建ての販売価格相場を調べることができます。不動産情報ライブラリも、国土交通省が運営するおすすめの不動産情報サイトになります。
ほかには販売中の不動産情報を掲載しているポータルサイトも参考になるため、積極的にチェックしておきましょう。あらかじめ相場を知っておけば、相場よりも安いマンションは見極めやすくなります。
1階の部屋を選ぶ
1階の部屋は、2階以上の物件と比べると比較的人気が低いため、格安で売られている傾向にあります。そのため格安でマンションを購入したいときは、1階の部屋を意識的にチェックしていくと良いでしょう。1階は主に防犯面で不安要素がありますが、例えば火災などに対しては安全性が高く、逃げる時間が短くなります。また、1階の部屋は快適性も高いです。高層階では風が強く換気が悪いなどの問題がありますが、1階の部屋ではそういった問題がありません。さらに、1階の部屋は荷物を運ぶうえでの利便性も高いです。そういった点にメリットを見いだせれば、1階の物件でも満足のいく部屋が見つかるはずです。
駅から遠いマンションを探す
格安マンションを購入するなら、駅から遠いマンションを探すこともおすすめです。駅近の物件は通勤通学に便利なため、多くの人に需要があります。そのため人気が高く、マンションの販売価格はなかなか下がりません。
しかし駅から遠いマンションなら、交通利便性の面でマイナスポイントが生まれるため、人気は集中しづらくなります。不動産業者や売主も価格を下げざるを得ず、周辺エリアの価格相場も低くなるのが特徴です。最寄駅から遠いという立地条件でも納得できる人は、駅付近の物件をあえて避けて物件を探してみましょう。
初期費用が安い不動産会社を選ぶ
初期費用の安い不動産会社を選び、マンション購入にかかる費用を抑える工夫も大切です。不動産会社によっては、仲介手数料が割引になるキャンペーンなどを実施していることがあります。中古マンションの場合、仲介手数料はマンション価格の3%+6万円が基本になりますが、この費用をある程度節約できれば費用負担は大幅に抑えられるでしょう。
ほかにも不動産会社によっては、時期ごとにさまざまなキャンペーンを開催しています。マンションを購入にあたって不動産会社を選ぶときは、各会社のお得な情報をぜひ比較検討していきましょう。
希望条件はできるだけ絞る
格安マンションを購入したいときは、条件を多くしすぎないことが大切です。希望条件が多ければ多いほど、物件の価格は高くなり、選択肢も狭まります。格安の物件も見つけにくくなるでしょう。
そのため格安マンションを選ぶときは、できる限り条件は絞るようにしましょう。どうしても譲れない条件を考えたうえで物件を探せば、格安マンションも見つけやすくなります。
不動産会社の閑散期に探す
格安マンションを購入したいときは、不動産会社の閑散期を狙いましょう。不動産会社の閑散期は、一般的な引越しシーズンに該当しない時期になります。
一般的に年度末である2~3月は引越しが多くなる時期のため、不動産会社にとっては繁忙期になります。したがって反対に4月~10月あたりは不動産会社にとって閑散期に該当し、売上も伸び悩みます。
そのため各不動産会社は、閑散期には集客のためのキャンペーンを実施したり、販売価格を下げたりします。格安マンションを購入するなら、不動産会社の閑散期は狙い目になります。
エレベーターのない5階以下のマンションを探す
格安マンションを探すときは、エレベーターが設置されていない5階以下の物件に目を向けると良いでしょう。5階以下の物件はエレベーターの設置義務がないため、利便性の面で劣るのが特徴です。したがって価格は安くなる傾向にあります。
例えばエレベーターのない5階以下のマンションで、3~5階あたりの部屋は、移動が階段のみのため利便性に優れているとはいえません。エレベーターありの3~5階の部屋よりも、価格は安くなるといえるでしょう。
狭い部屋を探す
狭い部屋なら格安で購入できるとは一概にはいえませんが、平米数が狭いほどマンション価格は安くなります。そのため格安マンションを探すなら、狭い部屋を探すのもおすすめです。
不動産ポータルサイトなどで物件情報を検索するときは、専有面積の狭い順に並び替えて検索するとスムーズに探せるでしょう。最低限必要な平米数や間取りを考えたうえで、狭い部屋も検討してみてください。
未公開物件を探す
不動産会社から、未公開物件の情報を教えてもらうのも一つの手です。未公開物件とは、不動産会社が一般的に公開していない物件のことです。例えばオーナー(売主)の意向で物件情報を大々的に公開してほしくないときなどは、一部の物件は未公開物件として扱われます。もちろんすべての人にチャンスのある探し方ではありませんが、物件探しで不動産会社に相談する際には、未公開物件の情報がつかめる場合もあります。格安マンションを探すときは、未公開物件の情報にも積極的に目を向けてみましょう。
マンションが格安で売られる理由
マンションを格安で購入できれば、物件購入費を大幅に節約できるため、大きなメリットにつながります。しかしマンションが格安の値段になることには、さまざまな理由が絡んでいます。
そのため格安マンションを購入する際には、後悔や失敗を避けるためにも、格安で売られる理由を事前にチェックする必要があります。例えば、格安で売られる理由には次のことが挙げられます。
- 立地が悪い
- 築年数が古い
- 眺望や日当たりが悪い
- 内装が古い
- 管理体制が悪い
- 事故物件
では、上記の理由について詳細を一つひとつチェックしてみましょう。
立地が悪い
立地条件の悪さにより、マンションの価格が下がることは多いです。立地条件の悪さにつながるポイントはさまざまあります。
- 駅から遠く離れた場所にある
- スーパーやコンビニが近くにない
- 繁華街が近くにあるなど治安の悪い地域
例えば上記のことに該当するマンションは、立地条件の悪さが影響して格安になることがあります。のちに後悔しないためにも、相場より格安になる立地条件については、十分にチェックが必要です。
築年数が古い
築年数が古いマンションは、一般的に売却しづらい傾向が強いです。築年数が古ければ、以下のようなデメリットが伴います。
- 設備が古い
- 築浅マンションと比べると内装のきれいでない
- 修繕が必要な箇所がある
- 旧耐震基準である(1981年5月31日以前に建てられたマンション)
やはり住みやすく快適な物件は、より築浅の物件です。築年数が古い格安マンションを購入する人は多いですが、設備や内装の面で後悔しないか事前によく確認するようにしましょう。
眺望や日当たりが悪い
眺望や日当たりの悪さを理由に、物件の価格を下げているケースはよく見られます。よくあるケースは次のとおりです。
- すぐ隣に高い建物が建っている
- 北向きの部屋
隣に高い建物があれば、お世辞にも眺望が良いとはいえません。また北向きの部屋は、日当たりの悪さにより寒さや湿度、洗濯物の乾きにくさなどが気になる可能性があります。このような条件に該当する物件は格安になるケースが多いため、購入して後悔しないか、よく検討してから決断しましょう。
内装が古い
古いマンションは格安の価格になることが多いですが、その理由には、内装の古さも大きく関係しています。
築年数が長く経過した状態でリノベーションされていない物件は、例えばフローリングではなく畳の部屋が多いなど、古さが目立ちます。古い物件はやはり印象が悪く、多くの人に避けられる傾向にあります。購入後に内装を変更するなら、リノベーション費用も含めて計算しましょう。
管理体制が悪い
マンションの管理体制の悪さが、格安な価格につながるケースもあります。例えば修繕積立金が一般的な相場よりも高かったり、管理組合が機能していなかったりする事例が挙げられます。管理体制が悪いと、格安マンションとはいえなかなか快適に住めない可能性があります。なお、管理体制の悪さは、マンションの共用部でチェックできる場合が多いです。共用部が大幅に汚れているマンションなどは、購入するうえで注意が必要です。
事故物件
相場よりも大幅に安いマンションを見つけたときは、まず事故物件の可能性を考えましょう。事故物件とは、孤独死や自殺、他殺などが発生した物件を主に指しています。
事故物件には特殊清掃が施されるため、見た目だけでは、ほぼ事故物件とはわかりません。しかし心理的に避けたいと感じる人はほとんどを占めるため、必然的に価格は安くなります。
ただ、大幅に安い価格で物件を購入できることは大きなメリットですが、本当に後悔しないか、事故物件を選ぶときは十分に検討する必要があります。
格安マンションを購入する時の注意点
格安マンションを購入する際には、次の注意点を押さえておく必要があります。
- 値引き交渉は不動産会社に悪い印象をもたれる
- 購入後に管理費・修繕積立金が値上げする可能性がある
- 見えない部分で老朽化している可能性がある
格安マンションにはさまざまな事情が伴うため、購入の際には多くの落とし穴がある可能性があります。上記の点について詳細をチェックしたうえで、購入すべきかどうかを検討しましょう。
値引き交渉は不動産会社に悪い印象をもたれる
不動産購入時には、値引き交渉をする人も少なくありません。値引き交渉に応じてくれる不動産会社もありますが、交渉を検討するなら、値引き交渉自体にはあまり良い印象を持たれないことを事前に理解しておきましょう。
不動産会社の心理としては、当然、売上は少しでも下げたくないものです。そのため値引き交渉をする顧客としない顧客がいれば、後者を優先する可能性は高いです。特にある程度条件の良い格安マンションには、同時に購入を検討する人が存在する場合も多いため、値引き交渉はほどほどにすることをおすすめします。
購入後に管理費・修繕積立金が値上げする可能性がある
格安マンション購入後は、管理費や修繕積立金が値上がりする可能性があります。特に大規模修繕を行っていないマンションを購入するときは、十分に注意が必要です。
大規模修繕工事の前に購入したことにより、管理費や修繕積立金が大幅に上がってしまった…という失敗事例は意外と少なくありません。格安マンションを購入するときは、大規模修繕の予定をできる限りヒアリングしておきましょう。
見えない部分で老朽化している可能性がある
格安マンションは、一見しただけではわからない部分で老朽化が見られる場合もあるため要注意です。マンションの古さをチェックする際には、ついすぐ見える部分の確認のみで済ませてしまいがちですが、当然ながらマンションの設備は見える部分だけではありません。
よくあるのは、給排水設備の老朽化です。給排水設備が劣化していれば、購入後に水漏れなどのトラブルにつながる恐れがあります。思わぬ修繕費の出費が出ることになるため、格安マンション購入時には注意しましょう。
マンション購入後の費用を抑える方法
マンション購入費用を抑えることも大事ですが、購入後の費用を抑える工夫も重要になります。マンション購入後も費用を抑えるためには、次のことを意識しましょう。
- プロパンガスではなく都市ガスを選ぶ
- 料金の安い電力会社と契約する
- スーパーが近いマンションを選ぶ
それぞれのポイントについて重要な点や注意点を解説していきます。
プロパンガスではなく都市ガスを選ぶ
マンション購入後の費用を抑えるためには、プロパンガス(LPガス)ではなく都市ガスを選ぶことが重要です。ガス料金で安いのは、プロパンガスよりも都市ガスになります。プロパンガスは、ガスボンベの配送にかかるコストが大きいため、低価格での提供が難しい傾向にあります。
都市ガスにするためには、都市ガスの物件を選ぶ必要があります。光熱費を抑えて生活することを考えるなら、都市ガスの格安マンションを探すと良いでしょう。
料金の安い電力会社と契約する
電力自由化により、電力会社は好きな契約先を選べるようになりました。そのため光熱費を抑えるためには、料金の安い電力会社を選ぶのが望ましいといえます。最初に見つけた会社や不動産会社に推奨された会社を安易に選ぶのではなく、複数の会社をピックアップしたうえで、料金を比較検討することがおすすめです。
電力会社によっては、インターネットなどその他のサービスとあわせて契約することでセット割が効くところもあります。光熱費は毎月かかる重要な出費になるため、節約の工夫は忘れないようにしましょう。
スーパーが近いマンションを選ぶ
格安マンションを購入するときは、できる限りスーパーの近いマンションを選びたいところです。スーパーが近くにあれば、日常の買い物は、自然とそのスーパーで済ませることになります。
注意したいのは、コンビニが近くにある物件を選んでしまうことです。コンビニが近いと、つい日常の買い物をコンビニで済ませることが多くなるため、生活費は自然とかさんでいきます。一方でスーパーでの買い物が多ければ、コンビニよりも生活費は抑えられる場合が多いです。
まとめ
格安マンションを購入する方法は、模索すればさまざまな方法があるものです。購入時期や希望条件を工夫すれば、スムーズに格安マンションが見つかる可能性があります。マンションが高くて買えない…と困っている人や格安マンションの探し方がわからない…と悩んでいる人は、今回紹介したポイントを意識して、ぜひ相場より安い物件を見つけてみましょう。
ただし、格安マンションには、さまざまな事情があります。なぜ安いのか、理由について事前によく理解を深めることも重要です。格安マンションの探し方や購入時の注意点をチェックしたうえで、後悔・失敗のない物件探しをしてみてください。