住宅ローンの借入額は年収の何倍が目安?年齢別の借入額もシミュレーション

住宅購入は人生で行う買い物のうち最も大きなものの一つです。その際に現金一括で購入する人はほとんどいないと思いますので、重要になってくるのが住宅ローンをいくら借り入れるかです。

住宅ローンの借入額は住宅購入に必要な総費用(物件価格+購入にかかる諸費用)に対して、頭金で足りない分を補填するための借入額となります。したがって、住宅ローンの借入額=物件価格ではないことをまずは認識しましょう。

住宅ローン借入額とは

とはいえ、何千万円もする不動産の物件価格に対して頭金が占める割合は多くとも10~20%の数百万円単位です。したがって、月々の返済額である住宅ローンの借入額は今後の生活を送る上で重要な要素となります。

そこで記事では、今の年収で借入可能な住宅ローンの借入額から、年収以上の住宅ローンを借り入れたい時のポイントまで徹底解説していきます。これから住宅ローンを借り入れようとしている方は必見です。

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今の年収で住宅ローンはいくら借りられるのか?

まずは、あなたの今の年収で借入可能な住宅ローンがいくらになるのか検討してみましょう。

住宅ローンの借入額の目安は年収の5~7倍

住宅ローンの借入額を考える際に参考になる数値として、所要資金(頭金含む)が購入時の年収の何倍であるかを示した「年収倍率」という考え方があります。

住宅金融支援機構の「2019年度フラット35利用者調査」を見てみると、それぞれの物件種別ごとの所要資金と年収、それらを割った年収倍率は以下の通りになりました。

物件種別

所要資金

平均世帯年収

年収倍率

新築マンション 4,521万円 762.5万円 7.1倍
土地付き注文住宅 4,257万円 627.5万円 7.3倍
建売住宅 3,494万円 558.6万円 6.7倍
注文住宅 3,454万円 598.1万円 6.5倍
中古マンション 3,110万円 611.0万円 5.8倍
中古戸建て 2,574万円 513.3万円 5.5倍

また、それぞれの物件種別において自己資金は8~19%程度で賄っており、残りの8割の金額を住宅ローンで借り入れていることがわかります。

しかし、親からの援助などもあり頭金を平均以上用意していたとしても、住宅ローンの借り入れ額には金融機関によって融資限度額が設定されています。ではいったいいくらの限度額が設定されているのでしょうか。

融資限度額は返済負担率の35%が限度

住宅ローンの融資限度額を考えるうえで重要になってくる数字が、返済負担率です。返済負担率とは一年間の住宅ローンの返済額が自分の年収の何パーセントにあたるかの割合です。計算式としては、

返済負担率=1年間の返済総額÷額面年収×100

で算出することが可能です。ほとんどの金融機関では年収400万円未満は30%まで、400万円以上が35%を融資の限度としています。

ここでは、金利を固定金利で年1.34%、返済期間35年としたときのそれぞれの年収ごとの返済負担率でどの程度の借り入れが可能かをシミュレーションしていきます。自分の年収で、最大どのくらいの借り入れが可能かについて確認しましょう。

年収 返済負担率25% 返済負担率30% 返済負担率35%
300万円 2,094(月々6.25万円) 2,513(月々7.5万円) 2,932(月々8.75万円)
400万円 2,791(月々8.33万円) 3,351(月々10万円) 3,887(月々11.6万円)
500万円 3,485(月々10.4万円) 4,188(月々12.5万円) 4,993(月々14.58万円)
600万円 4,188(月々12.5万円) 5,026(月々15万円) 5,864(月々17.5万円)
700万円 4,859(月々14.5万円) 5,864(月々17.5万円) 6,836(月々20.4万円)
800万円 5,562(月々16.6万円) 6,702(月々20万円) 7,808(月々23.3万円)
900万円 6,266(月々18.7万円) 7,540(月々22.5万円) 8,796(月々26.2万円)
1,000万円 6,981(月々20.8万円) 8,377(月々25万円) 9,774(月々29.1万円)

ここで重要なのは、年収が低いのに対して返済負担率を上げると月々の食費などの最低限のコストしか残らず、将来に向けての貯金などがほとんどできなくなる点です。当然のことですが、同じ返済負担率35%でも年収が少し違うだけで生活の余裕が全く異なることには注意しましょう。

住宅ローンを返済限度額まで借りるリスク

金融機関が設定している住宅ローンの返済限度額は、「債務者がギリギリ返せる金額」という意味合いであるため実際に余裕をもって返済できる金額ではありません。したがって、借入限度額まで借りることにはリスクを伴います。

住宅ローンを借りる人は借入限度額、ないしは借入限度額近くまで借りることのリスクを知ったうえで借り入れを行いましょう。

住宅ローン破産する可能性が高まる

返済限度額まで借り入れるデメリットとして最も大きなものは、将来的に病気や事故など不測の事態が起こった時に住宅ローンの返済が難しくなることです。現に数年前にコロナ禍による実体経済への打撃を予想することなんてできなかったように、将来的に第二のコロナパンデミックやリーマンショックが起こることを予測することはできません。

実際に、住宅金融支援機構によると、コロナ禍以降で住宅ローン返済に関する問い合わせが急増しており、コロナ前の二月から比較すると約150倍にまで膨れ上がっていることがわかります。主な相談内容としては、

  • 「新型コロナの影響で今月分は入金できないと思う。1カ月ほど待ってもらえないか」
  • 「新型コロナの影響で収入が不安定になっている。返済期間を延長して返済額を少なくできないか」
  • 「ボーナスが減りそうだから、ボーナス払いをなくしたい」

というものが多くを占めているようです。(住宅金融支援機構のプレスリリースより抜粋)

住宅ローンの破産件数が増えている

また、ぎりぎりで返済ができたとしても、老後に向けた資産形成や子供の教育費用などの貯蓄を行うことが難しく、どちらにせよ生活が苦しくなるのは間違いありません。仮に平均年収よりも高い給与を得ていたとしても、「自分なら大丈夫」と過信しないことが重要です。

住宅ローン借入額は「返せる金額」を目安に

住宅ローンの借入額は、あなたが毎月返済できる金額をベースに決めることが前提となります。例えば、単純に住宅ローンの毎月返済額が現在住んでいる賃貸住宅の家賃と同じなら、支出の変動はそれほど大きくなく支払いができると言えるでしょう。

ただし、土地・住宅の購入後は毎年固定資産税がかかりますし、修繕費用も不定期に発生することでしょう。マンションの場合は管理費や駐車場代なども支払うことになります。月々の住宅ローンの返済額が現在の家賃と同額だからと言って、安心できるとは限りません。

ライフプランをシミュレーションしておくことも重要

総務省の家計調査によれば、世帯年収600万円の家庭における平均的な生活費は月23万円とのことです。また、年収が600万円で、扶養家族が妻と子1人という3人家族を例にとって考えた場合、一般的な手取年収は470万円前後になるという統計があり、1カ月平均にすると約39万円です。

住宅ローンの月々の返済額が10万円になったとすると、生活費と合わせた月の支出は33万円。この段階で残るお金は6万円となり、ここから教育費や保険料、マイカーローンや住居の修繕にかかるお金などさまざまな費用を捻出しなければなりません。子どもの大学進学や親の介護など、ライフイベントによって発生する支出も考慮に入れておく必要があるでしょう。

適切な住宅ローン借入額は年収の何倍?

ここまで年収に対してどのくらいの限度額まで借り入れられるかについて検討してきましたが、結局のところ余裕をもって返済できる金額は年収に対してどのくらいなのでしょうか。

第3章では住宅ローンを組む際の4つのルールについて紹介するとともに、それに基づいた年収・年齢ごとの適切な購入金額について紹介します。安全ラインで借り入れを実施したい方はぜひこちらの表を参考にしてみてください。

年収・年齢ごとの適切な住宅ローンの借入額をシミュレーション

以下の表は次の段落で紹介する計算式から算出した適切な借入額のシミュレーションです。

自分の収入・年収に対して適切な借入額がどのくらいになるのか把握しておきましょう。

年収・年齢ごとの借入額の目安

適切な借入額を算出するための計算方法は?

【住宅ローンの借り入れ額を決める4つのルール】

  1. 毎月の返済額は「手取り月収の4割以下」でボーナス払いは無し
  2. 返済方式は返済額が一定になる「元利均等返済方式」
  3. シミュレーションの金利は「固定金利」
  4. 定年時のローン残高を「1,000万円以下」に

まず一つ目の①毎月の返済額は「手取り月収の4割以下」ですが、年間の返済額に対する年収額の割合である返済負担率ではなく、ボーナス払いなどを入れていない毎月の手取り月収の4割以下に設定することをお勧めしています。というのも、ボーナス払いはそもそも自分が望んで得ることができるものではなく、勤めている会社やひいてはコロナなどの外圧の影響を受けるものです。したがって、最大で35年間連続で支払い続ける住宅ローンに自分でコントロールできない要素を入れ込むのは少々危険なことなのです。

二つ目の②返済方式は返済額が一定になる「元利均等返済方式」ですが、そもそも住宅ローンの支払いには元利均等返済のほかに、元金均等返済問返済方式もあります。元利均等返済とは、元金と利息を合わせた返済額を返済期間で割って算出するため毎月の返済額が一定です。それに対して、元金均等返済とは、元金を返済期間で割って算出しているため、期間が過ぎるにあたって利息が減る代わりに返済開始当初の負担金額が大きいのが特徴です。

元利均等返済と元金均等返済の違い

長期間の住宅ローンの返済額をシミュレーションする際は、元利均等返済方式を用いてシミュレーションすることをお勧めしています。

次にルール③シミュレーションの金利は「固定金利」についてですが、そもそも金利には借入残高に対して年利でいくらかの金利が掛かってきます。金利には返済期間中金利が一定の固定金利と、経済状況に応じて通常半年に一度金利が見直される変動金利があります。当然変動金利には今後金利が上昇するリスクがあるため、仮に変動金利で住宅ローンを借り入れる際は「支払額のうち4分の1を貯蓄する」などして金利上昇リスクに備えておきましょう。

その点で、固定金利には金利上昇リスクが無いためシミュレーションを実施する際は固定金利で計算することをおすすめしています。

最後にルール④定年時のローン残高を「1,000万円以下」にですが、35年間のフルローンを組んだ場合に60歳又は65歳の定年時まで住宅ローンが残っている計算になるという方も少なくないと思います。ですが、以前話題になった「老後生活には2,000万円必要になる」という報告書があったように、定年後に1,000万円以上の住宅ローンを返済するのは相当難易度が高いです。

したがって、借入時の年齢を考慮しながら定年時のローン残高を1,000万円以内に抑えることをお勧めしています。

年収以上の住宅ローンを借り入れたい時はどうする?

ここまで適切な年収額に対する借入額を解説してきましたが、実際に年収以上の住宅ローンを借り入れたくなったらどうするのでしょうか。ここでは、より好条件の不動産を手に入れたい方のために、住宅ローン審査の前に準備できることについて解説していきます。

変動金利を利用する

年収以上の借り入れをしたい場合の王道の対策方法は変動金利を利用することです。以下のグラフは住宅ローンのなかでも利用者数が多い、国内大手のARUHIのフラット35の金利推移です。先ほども説明したように、2014年以降日本の住宅ローン金利は下がってきており、利息分が多くかからないため予算に対して多くの借り入れをすることができます。

金利から見る家を買うタイミング

また、金利変動リスクについては、「5年ルール」と「125%ルール」というリスクヘッジがついています。5年ルールとは、金利が上昇しても5年間は直前の元利均等返済を維持するというもので、125%ルールとは金利上昇して5年がたち毎月返済額を上げる時は直前の125%を上限とするというルールです。

したがって、金利が上昇したからと言って次の月からべらぼうに返済額が上がるということはないので一定安心材料とはなるかと思います。

頭金を多めに用意する

次に挙げられるのは、頭金の数を増やしてそもそもの住宅ローンの借入額を少なくすることです。

一般的な頭金の相場としては、第1章でも紹介した2019年度フラット35 利用者調査によると、頭金の平均価格は物件価格の18%である621万9000円となっており、一般的な頭金の相場が15~20%であることがわかります。

頭金を増やすには、貯金以外にも直系親族からの贈与を受けるという方法もあります。住宅購入時の贈与に関しては一般的には贈与税がかかりますが、2021年12月31日までに契約を済ませていれば「住宅資金贈与の特例」を利用することができます。非課税枠は物件種別によって異なり、自分が取得する場合にどの程度非課税となるのかあらかじめ把握しておきましょう。

物件種別 非課税枠
消費税が10%の物件(新築住宅や不動産会社が売主の中古住宅) ・1,000万円(一般住宅)

・1,500万円(省エネ等の住宅)

消費税が非課税の物件(個人が売主の中古住宅棟を購入する場合) ・500万円(一般住宅)

・1,000万円(一定基準を満たす住宅)

適用条件などについて詳しく知りたい方は、国税庁の公式HPをご覧ください。

その他のローンがある際は解消する

銀行で審査される際の返済負担率とは、住宅ローンだけではなく自動車ローンや場合によってはスマートフォンの本体を分割で購入したときなどの、個人の借金全体に対する年収の割合を示すものです。

したがって、その他のローンがある際は住宅ローンのシミュレーションで返済負担率をクリアしていても、実際に審査に出すと審査落ちするというケースが少なくありません。

車のローンなどが主だとは思いますが、これから住宅ローンを借り入れようと考えている人はローンを解消してから購入に動き出しましょう。

中古住宅の購入も検討する

新築住宅を検討している方は中古住宅を、またすでに中古住宅を検討しているなら少し築年数が古い中古住宅を検討してみることもお勧めです。

中古住宅のメリットは価格が安いということだけではなく、資産価値の下落幅が小さいという点もあります。というのも、住宅の資産価値は「新築から5年を経過すると急激に㎡単価が下がり、その後緩やかになり最後は土地価格だけになる」という傾向があります。したがって、資産価値が下がったタイミングで購入することができれば、物件価格を抑えるだけではなく将来的な資産価値下落による損失もカバーすることができます。

中古住宅の築年数と資産価値の関係

レインズ(不動産流通標準情報システムサイト)「首都圏不動産流通市場の動向(2020年)」より自社で作成。築年数が経つごとに平米単価が下がっていることがわかる。

借入には年収だけでなく年齢と健康状態も重要

住宅ローン借入時には、借入の条件として団体信用生命保険に加入します。住宅ローンの契約者が死亡したり高度障害になったりした場合は、返済能力がが著しく厳しくなる可能性が高いですが、そういった万が一の場合に住宅ローンの返済が免除される保険です。

「フラット35」などの一部例外はありますが、団体信用生命保険への加入は住宅ローンの借り入れ条件とされていることがほとんどですので、借り入れと同時に加入することが一般的です。なお、保険料の支払いは、毎月の住宅ローンの支払額に含まれていることがほとんどです。

団体信用生命保険の加入にあたっては、告知書で自身の健康状態を告知しますが、通常の生命保険に比べて告知内容は少なく、加入のハードルは低いと言えます。しかしながら、健康面で心配のある方は注意が必要です。

  • 団体信用生命
  • 告知内容は少なめ
  • 健康が最も重要

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初心者でもわかる!
記事のおさらい

住宅ローンの借入額は年収の何倍が目安ですか?
住宅ローンの借入額の目安は年収の5~7倍が適切な倍率と言えるでしょう。今の年収で住宅ローンはいくら借りられるのか?をご覧ください。

住宅ローンの借入額で注意するべき点はありますか?
実際に住宅ローンの借り入れを行うにあたっては、借入可能額よりも将来的に返済が継続可能かどうかということが重要です。つまり、「借りられる額」と「返せる額」は違うのです。借入額を多くすれば、もちろん購入予算は多くなりますが、返済負担も増えて住宅ローン貧乏という事態も招きかねません。住宅ローンの借入可能額と無理せず返せる額は違うをご覧ください。

住宅ローンを返済限度額まで借り入れるメリット・デメリットは何かありますか?
融資限度額まで借り入れるメリットは言わずもがな、より条件の良いマンションを手に入れることができる点でしょう。条件の良いマンションはその済みやすさだけではなく、あらかじめ高い資産価値が見込まれているため売却時に価格の下落を防ぐなどの間接的なメリットがあります。逆に、融資限度額まで借り入れるデメリットとして最も大きなものは、将来的に病気や事故など不測の事態が起こった時に住宅ローンの返済が難しくなることです。現に数年前にコロナ禍による実体経済への打撃を予想することなんてできなかったように、将来的に第二のコロナパンデミックやリーマンショックが起こることを予測することはできません。住宅ローンを返済限度額まで借り入れるメリット・デメリットをご覧ください。

年収以上の住宅ローンを借り入れたい時はどうすればいいですか?
変動金利を利用することや、他に組んでいるローンがあるなら解消することが重要です年収以上の住宅ローンを借り入れたい時はどうする?をご覧ください。

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