中古マンションの買い時は「築年数」と「相場」で決まる!2021年の最新状況を解説

大石 泉
監修者:大石 泉(おおいし いずみ)
株式会社NIE.Eカレッジ 代表取締役。
キャリアコンサルタント、ファイナンシャル・プランナーCFP®、宅地建物取引士。
株式会社リクルートにて週刊住宅情報(現SUUMO)の編集、企画等約15年担当した後、個人のファインナンシャル・プランニングの必要性を感じて起業。将来の家計に負担をかけない「自分予算🄬プランニング」を提唱する。ライフプランや資産形成をテーマに講演や個別相談を行う他、「新聞による経済教育」を全国で展開。功績が認められ「2014年度金融知識普及功績者」として金融庁と日本銀行より表彰される。著書「女性のためのマンション選びとお金の本/平凡社」他。

結婚して、あるいは子供が出来て、「今住んでいる住居も手狭になってきたし、そろそろマンションでも買おうか」と考える人は多いかと思います。最初は新築を検討していても、今のマンションは高くて手が出ないとなると中古マンションを購入する方向に変更する場合も多いのではないでしょうか?

新築マンションよりも成約数が多く、需要が高まっている中古マンション。買い時の築年数から新型コロナウイルスの影響、購入時の注意点までを解説します。

中古マンションの購入を検討している方はこちらの記事もご覧ください。
マンション購入なら新築・中古のどっちがお得?4つの比較ポイント
マンションリフォームの費用相場から事例まで徹底解説
【はじめてのマンション購入】注意すべき7つのポイントを徹底解説

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【2021年最新版】中古マンションの買い時とは

「中古マンション」と一口に言っても、新築同然の築浅の物件から築50年以上経過している年季が入った物件まで様々です。

いわゆる”お買い得”な中古マンションを購入したいのであれば、市場相場築年数の2つの観点で見極める必要があります。

中古マンションは築何年が狙い目なのでしょうか? また2021年は中古マンションの買い時なのでしょうか?

新型コロナによる中古マンション価格への影響

まずは2021年の中古マンション市場の状況を把握しておきましょう。

新型コロナウイルスの世界的流行によって、近年右肩上がりだった不動産市場にも少なからず影響が出ています。

レインズの月例マーケットウォッチ(2021年3月)によると、2020年3月以降、首都圏の中古マンション成約件数は5か月連続で前年比減少

緊急事態宣言が発令されていた4,5月に最も落ち込みましたが、6月以降は徐々に回復してきています。オンラインで物件紹介を行うなど、コロナ禍に対応した営業方法も少しずつ増えてきたことで前年以上に成約件数が伸びている月も出てきました。

引用:レインズマーケットレポート

首都圏における中古マンション成約㎡単価は 2020年4月に前年よりも下回る結果になりましたが、2020年5月以降は11か月連続で前年を上回っています

引用:レインズマーケットレポート

コロナ禍にあっても、ライフスタイルの変化などからマンションを購入したい人は一定数存在します。「どうしてもこの家がいい」と意思を持って購入する人々がいることで、成約㎡単価が大幅に値崩れすることはなく、むしろ相場はやや上昇傾向と言えるでしょう。

築30年前後の中古マンションの需要が増加

築年数の観点でいえば、今築30年前後の中古マンションが狙い目です。

2021年4月に公開されたレインズの「中古マンションの築年帯別成約状況(東京都・2021年1~3月)」によると、すべての築年数で取引件数・成約価格が上昇していますが、なかでも~築30年の物件が件数・成約価格ともに大きく伸びているのが分かります。

~築5年 ~築10年 ~築15年 ~築20年 ~築25年 ~築30年 築30年~
件数(件) 560 982 897 911 614 289 1504
前年同期比(%) 4.5 12.5 1.4 9.8 7.9 23.0 12.8
~築5年 ~築10年 ~築15年 ~築20年 ~築25年 ~築30年 築30年~
成約価格(万円) 6583 6237 5793 5261 4585 3077 2684
前年同期比(%) 0.1 10.2 7.2 10.3 14.3 35.7 3.7

もともとは築15年~20年頃の中古マンションが「古すぎず、高すぎない」ちょうど良い塩梅の物件として人気がありました。

しかし、リノベーションの考え方が浸透したこともあって古い物件を安く購入して自分好みの空間にしたいというニーズが高まり、築25~30年の物件の需要が増加していると考えられます。

家を買うタイミングについてはこちらの記事でも解説しています。【2021年版】家を買うタイミングはいつ?今が買い時か判断しよう


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なぜ築30年付近の中古マンションが買い時なのか?

築30年付近の中古マンションが狙い目なのは、単に需要が伸びているからというだけではありません。

築30年の中古マンションが買い時である理由

マンションに限らず、建物の価値は築年数が経過するにつれて下落していきます。

以下は中古マンションの築年帯別の平均価格を示したグラフです。

(出典:REINS TOPIC

ご覧の通り、築年数が経過するごとに成約価格が下落していきます。

しかし、築30年を過ぎると値下がりが止まり、以降マンションの平均価格は安定する傾向です。

つまり、築25~30年以降の中古マンションは購入時の価格は新築に比べて1/3程度と安く、資産価値が下がりにくいためお買い得であると言えるでしょう。

管理や修繕が全くされていない築10年程度のマンション価格は、計画的に10年〜15年ごとにきちんと大規模修繕が行われてきた築30年のマンションの方が適切な管理と修繕が今後も継続し、長く住み続けられることが期待されます。

内装や設備に古さを感じる場合は、当初の抑えられた費用で購入後に自分好みにリフォーム・リノベーションをすることも可能です。

ただし、リノベーションは居住者の好みが反映されやすいため。将来的に売却を検討しているのであれば極端に個性的な内装や間取りへの変更は避けた方が良いかもしれません。

管理費について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
マンション管理組合の役割や管理会社との関係など詳しく紹介

築年数ごとの中古マンションの特徴

では、そのほかにも築年数ごとの中古マンションの傾向を見ていきましょう。

築5年以内の中古マンション

築5年以内の中古マンションの場合、設備や間取り・外観など新築とほとんど差がないため価格も新築と変わらないか、少し下がっている程度となります。

設備の劣化も少なく、ほとんど修繕などは必要ない状態で入居できるでしょう。

駅近で立地の良いマンションや、発売時すぐに完売になった人気ブランドマンションなどは、場合によって新築時よりも値上がっている可能性もあります。

「新築と変わらない条件の物件を少しでも安く購入したい」という方にはおすすめの築年数帯です。築浅の中古マンションは市場に出回っている数も少ないため、希望の物件が見つかれば早めに購入を決意する方が良いでしょう。

築6~15年の中古マンション

中古マンション市場の中でも成約率が高く、人気があるのが築6~15年の物件です。


(出典:REINS TOPIC

設備やデザインは最近の物件と遜色ないものの、少し使用感が出てくるため価格帯は下がってお買い得感があるのが人気の理由でしょう。

また、マンションは12~15年周期で大規模修繕工事を実施します。1回目の工事が完了したマンションであれば外壁や鉄部、防水面が修繕されており住みやすさの面でも安心です。

内装部分で気になる部分があれば、部分的なリフォームを検討することでストレスなく綺麗な状態で入居できるでしょう。

築16~25年の中古マンション

築16~25年の中古マンションになると、新築と比べて明らかに値段が下がり、場合によっては半額程度になることもあります。

設備や内装の劣化が表面化してくる頃ではありますが、このくらいの築年数のマンションを安く購入し、自分好みにリフォーム・リノベーションをするという方も最近は増えています。

また、マンションのように耐火建築物の住宅では、築25年を超えると住宅ローン控除が適用されなくなるため(※)、「安く購入して、住宅ローン控除を受けたい」ならば、築16~25年の中古マンションをおすすめします。

※別途条件を満たすことで適用を受けられる可能性もあります。詳しくは〇章で解説します。

築26~35年の中古マンション

前章でもお伝えしたように、将来的に売却を視野に入れつつ購入するのであれば築26年~35年頃の中古マンションが買い時と言えるでしょう。

中古マンションの相場は築30年頃で底値を迎えるため、そこから値下がりしづらいという理由のほかに、もう1つおすすめの理由があります。それは、新耐震基準を満たしている物件が多いことです。

耐震基準とは、建築物の設計において地震に耐えるのに適しているかどうかの構造の基準を指し、1981年6月に定められたものを新耐震基準、それ以前のものを旧耐震基準といいます。

新耐震基準では「震度6強以上の揺れでも倒壊・崩壊しない構造」の検証が基準として定められていますが、旧耐震基準では震度5程度の中規模地震に対する基準しか定められていません。

築35年前後の物件であれば新耐震基準が適用されているケースが多いため、築古にはなるものの耐震性の面では安心です。

築36年以上の中古マンション

レインズのデータによると、築31年以上の物件が最も売り出し件数は多く、全体の43.2%となっています。

価格が安く、中古市場での流通量も多いので手に入りやすいのが特徴です。ただし築40年を超えると旧耐震基準の物件も出てくるので、購入時に確認するようにしましょう。

築36年以上のマンションは将来的に売れるのか?という点に関しては、こちらの記事をご覧ください。

【築40年マンション】いつまで住める?チェックポイントと売り方とは
中古マンション購入で失敗して後悔しないために!12個の失敗例と対策


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築古の中古マンションを購入するメリット

築30年前後の物件が買い時であるとお伝えしましたが、築30年と聞くと、人によっては古いマンションという印象を受けるかもしれません。

築古の中古マンションの購入を検討する方に向けて、知っておくべきメリット・デメリットを解説します。

まず、メリットは以下の3つです。

  • 購入費用を抑えられる
  • 売却時に値下がりしにくい
  • 立地を自由に選びやすい

1つずつ見ていきましょう。

購入費用を抑えられる

築年数が経過した中古マンションを購入する最大のメリットは、なんといっても価格が安いことでしょう。

レインズのデータで見ると、築26年~30年のマンション価格は築0~5年と比べて約3割程度まで値下がっています。

仮に購入後にフルリノベーション(相場600~1000万円程度)をしたとしても、新築と比べて2000万円以上安く購入することができます。「予算が限られているけどマンションを買いたい」という方にとって、築古の中古マンションは希望条件に合えば良い選択肢と言えるでしょう。

売却時に値下がりしにくい

一度マンションを購入をしても、家族構成が変わったり、老後に備えて拠点を移すことになったりといった理由で住み替えることになる可能性は十分あります。

いずれ売却することを視野に入れるのであれば、マンションの資産価値はとても重要です。

マンションに限らず建物は築年数が経つにつれて価値が下落していくものですが、築古のマンションであればすでに価格が低くなっているため、それ以上の値崩れが起こりにくいのがメリットです。

立地を自由に選びやすい

新築と比べて、立地の選択肢が多いのも築古マンションのメリットです。

当然のことですが、土地の数は限られているため立地が良い場所から埋まっていきます。また、新築マンションの数は年々減ってきているため、希望するエリアで新築~築浅の物件を探すとなるとその時点でかなり数が絞られることになります。

立地を優先させるのであれば、築古の中古マンションの方が選択肢が多く、条件に合致する物件を見つけやすいでしょう。

条件通りの中古マンションが見つからないという方はこちらの記事もご覧ください。
中古マンションの効率的な探し方は?失敗しないコツを紹介!


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築古の中古マンションを購入するデメリット

一方で、築古マンションのデメリットは次の3つです。

  • 設備や配管の劣化
  • 耐震性が新築・築浅よりも劣る
  • 住宅ローン控除が受けられない可能性がある

設備や配管の劣化リスク

エアコンや水回りの設備、床下の給水配管などはどうしても劣化していきます。

適切に大規模修繕工事が実施されていれば良いですが、古いマンションの場合、建設時に修繕計画が作成されていない、もしくは計画されていたが予算が集まらず実施されないまま放置されていたという物件もなかにはあります。

購入時に必ず修繕履歴を確認し、劣化が気になる場合はリフォームを検討することをおすすめします。

ただし、規約で設備機器の設置の制約が規定されていることもあります。そもそも共用部は単独で補修ができないため、雑排水管等は洗浄・清掃の記録を修繕履歴とともに確認しておくと安心です。

耐震性が新築・築浅よりも劣る

1981年以前に建てられた物件の場合、旧耐震基準の可能性があります。

旧耐震基準の住宅は、震度6強以上の揺れがきた場合の耐震性が確保されていないため、そのリスクを踏まえて購入するか、出来る範囲で耐震補強工事を実施するなどの対策が必要です。

住宅ローン控除が受けられない可能性がある

中古住宅に対する住宅ローン控除の適用条件は以下のようになっています。

・家屋が建設された日からその取得の日までの期間が20年(マンションなどの耐火建築物の建物の場合には25年)以下であること。

・地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準、又はこれに準ずるもの (耐震基準)に適合する建物であること。

・取得の日から6か月以内に居住の用に供し、適用を受ける各年の12月31日まで引き続いて住んでいること。 ・この特別控除の適用を受ける年分の合計所得額が、3,000万円以下であること。

・取得した住宅の床面積が50平方メートル以上(※)であり、床面積の2分の1以上の部分が専ら自己の居住の用に供するものであること。

(※)条件に適合すれば床面積40㎡以上の住宅も控除可。

もともと、中古マンションで住宅ローン控除を受けられるのは築25年以内の物件でした。しかし2005年に税制改正が行われ、築25年以上の物件であっても新耐震基準に適合していることを証明すれば控除が受けられるようになりました。

逆に言えば、築25年以上で、かつ耐震基準に適合しない物件は住宅ローン控除を受けられないため注意しましょう。

中古マンションの住宅ローン控除について興味がある方はこちらの記事をご覧ください。
「住宅ローン控除は中古マンションの場合も適用可能!条件から必要書類まで解説」

また、築40年以上の中古マンションを購入する際のポイントについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。中古マンションの築年数は何年目が狙い目?物件選びの基準


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中古マンション購入に関する注意点

最後に、中古マンションを購入する際の注意点について買い時以外にも覚えておくべき注意点をご紹介します。

「不動産は3月がお得」は関係ない

賃貸では、大学の入学前や就職の時、転勤時期など、賃貸物件は春に大きく動く傾向です。では、マンションの購入ではどうなのでしょうか。

答えは、「中古マンションにはあまり関係が無い。」というのが回答になります。転勤だからといってマンションを手放すかというと、そもそも転勤の多い人は、住宅を購入しません。賃貸で住み替えていくのが通常です。

他にマンションが中古で出回る理由はというと、家族構成の変化(子供が増えたとか、独立したとか)相続、介護、地方又は都市への移住、ローンの破綻による売却などで、あまり季節に関係ある事ではないのです。

マイナス金利政策下での購入は「あり」

2020年1月~2月に住宅金融支援機構がファイナンシャルプランナー55名に行ったアンケートによると、最も多い47.3%が「これから1年(2020年4月~2021年3月)において、昨年よりも買い時感がある」と答えています。

その要因として多かったのは「マイナス金利政策の導入後、住宅ローン金利が依然として低水準だから」といった理由でした。その他には2021年11月末までに家を購入した場合、住宅ローン減税の期間が10年から13年に延長となるといった点も買い時となる理由の1つ。

これは新型コロナ流行前のアンケートにはなりますが、参考にしてはいかがでしょうか。将来の金利予測は誰にもできませんが、現在の金利が低金利水準であることは確かです。金利が低い間に固定金利型の住宅ローンを利用すれば、金利の上昇リスクは避けられます。一方、変動金利型も非常に低い水準です。金利の変動リスクに対する許容度に応じて、金利タイプを選ぶことが大切です。

参考:2020年度における住宅市場動向について

条件が良い物件は早めに判断する

相場状況などから買い時を見極めるのは堅実にマンション購入を進めるうえで重要ですが、買い時を待っていつまでも購入に踏み切れない…ということになっては本末転倒。

中古マンションは同じ物件が出回ることはほとんどないため、条件に合う物件に出会えたらそのときに買うのが一番です。

特に人気エリアや駅近の物件など、条件が良い物件は購入希望者が集中しやすい傾向にあります。

あらかじめ希望条件を明確にしておき、条件に合致する物件があればできるだけ早めに決断する方が後悔せずに済むでしょう。

また、マンションの購入を検討している方はこちらの記事もご覧ください。
「マンションの間取りの理想は?基礎知識から間取りの選び方まで解説」
低層マンションならではの魅力や購入時に注意することを解説


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住み替えを検討しているならまずは査定から

中古マンションの買い時について、新型コロナの影響も見ながら解説してきました。

もしもあなたが今所有している物件を売却して、新たに中古マンションの購入を検討しているのであればいくらで売れるのか不動産会社に査定してもらうことをおすすめします。

今の家を想像よりも高値で売却することができれば、その分新しく購入するマンションの選択肢も広がります。

過去に査定してもらった人も、別の不動産会社ではそれ以上の査定額を提示してもらえる可能性もあるので住み替えの前にもう一度受けてみると良いでしょう。

新築マンションの購入を検討している方はこちらの記事もご覧ください。
分譲マンションとは?購入するメリットや方法を詳しく解説

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