マンションをマイホーム、もしくは投資物件として購入しようと考えている方は多いのではないでしょうか。
マンションの中でも「大規模マンション」は特に人気の物件となっており、多くのメリットが享受できる一方で、あらかじめ把握しておかなければいけない情報もあります。
本記事では大規模マンションの定義を確認したうえで、入居した場合のメリット・デメリットや中規模マンションとの比較、代表的な物件について詳しくご紹介します。
タワーマンションについて詳しく知りたい人は、こちらの記事も参考にしてください。
タワーマンションに住んでみて気づいたことを解説【タワマンに住みたい人必見】
大規模マンションとは?
一般的に大規模マンションとは、総戸数100戸以上のマンションのことをいいます。
大規模マンションは、好立地なエリアに広大な土地を確保して建設を行うため、大手の建設会社と不動産会社が、共同で建設と分譲を行います。
また大規模マンションは以下の2タイプに大きく分かれます。
- タワー型
- 多棟型
タワー型は20階以上の高層マンションを意味し、駅の近くや商業エリアに建設されることが多いです。
ターゲットは様々で、シングルからファミリーまで幅広い年齢層の入居者がいることも特徴です。
一方、多棟型は駅や街から距離がある閑静な地域に建設されることが多く、ファミリー世代が多く入居する傾向にあります。
ゆとりのある広大な土地を利用して、緑の多い公園や保育施設や託児所などの設備が整えられている場合も多いです。
総戸数100戸以上のマンションを指す
大規模マンションという定義が明確に定められているわけではありません。ただし、一般的にはおおよそ総戸数100戸以上のマンションのことを大規模マンションと呼ぶ場合が多いです。
「タワー型」と「多棟型」の2種類がある
大規模マンションは「タワー型」と「多棟型」の2種類に分類されます。おおよそ20階以上の高層マンションのことをタワー型、複数の練から成るマンションのことを多練型と呼びます。
大規模マンションのメリット
大規模マンションのメリットは以下の4つが挙げられます。
- 管理費や修繕費が安くなる
- 共用施設が充実している
- 資産価値が下がりにくい
- 日照条件が良い
- 多棟型では敷地内に遊び場や緑も
以下ではそれぞれ具体的に解説します。
管理費・修繕費が安くなる
大規模マンションは圧倒的に入居者数が多いので、スケールメリットが働き、1戸あたりの管理費や修繕費が安くなる、というメリットがあります。
共用施設の運営費や維持費、管理人の人件費、共用部分の水道光熱費などは、管理費として家賃とは別に入居者の共同負担となります。また、建物の維持のための外壁塗装費用や設備の交換費用などの修繕積立金に関しても1戸当たりの負担額があらかじめ定められています。
マンションやアパートなどの複数の住民がいる形態の住居に住む場合、管理費や修繕費は毎月の固定費として必ずかかってきます。この固定費が抑えられるという点は大規模マンションならではのメリットと言えるでしょう。
マンションの修繕積立金について詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
マンションの修繕積立金とは?管理費との違いや相場の目安を解説!
共用施設が充実している
大規模マンションには、タワー型と多棟型のそれぞれに入居者に有益な共用施設が完備されています。多くの年齢層が入居者として住んでいるタワー型マンションには、以下のような施設が完備されていることがあります。
- パーティールーム
- シアタールーム
- 展望台
- バーカウンター
- フィットネスジム
一方で、ファミリー世代が多く住んでいる多棟型マンションには、以下のような共用施設が完備されていることがあります。
- 運動公園
- 中庭
- キッズルーム
- 託児所
- 保育園
これらの施設は入居者であれば基本的に無料で利用できます。また、人間関係の希薄化が問題視されている大規模マンションですが、これらの共用施設を利用することでコミュニティが形成されるきっかけにもなります。
マンションの共用施設についてさらに知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
マンションの共用施設で人気の施設とあまり使わない施設を紹介!
資産価値が下がりにくい
タワー型の大規模マンションは、好立地の場所に建設されます。近年、タワーマンションの取引価格は上昇し続けており、購入価格を上回る金額で売却できる可能性が高くなります。
また多棟型マンションは一般的に郊外に建設され、開発が進んでいなかったエリアに一斉に多くの住民が入居することになります。そのため、地域に新しい需要が生まれ、そのマンションを中心に開発が進んでいきます。
結果として土地の値段が上がり、マンションの価値そのものが上がる可能性もあります。このように、大規模マンションは資産価値が下がりにくいため、投資の観点から見てもメリットがあります。
また、入居希望者・投資家など複数の目的で購入が検討されているため、売却時に相手がいないなどといったケースも少なく、出口戦略が立てやすいという特徴があります。
マンションの資産価値については、こちらの記事も参考にしてください。
資産価値の落ちないマンションの特徴ベスト3!20年後どうなる?
日照条件が良い
大規模マンションは日照条件が良いというメリットも備えています。小規模マンションや中規模マンションでは、近隣地域に大規模マンションや高層マンション、ビルなどが建設されることによって日照条件が大きく変化する可能性があります。
しかし、大規模マンションは周辺環境による日照条件の変化がほとんどありません。特にタワー型マンションでは、下層階にテナント、上層階に住居という設計になっていることが多いため、住居スペースで日光が遮られることも少ないです。
また多棟型マンションでは、マンション以外にも公園や駐車場の建設が行われます。そのため、隣接する土地にマンションが建設されても建物と建物の距離が空いているため、日照条件に影響がない場合が多いです。
多棟型では敷地内に遊び場や緑も
広い敷地に複数の練が連なる多棟型では、遊び場や緑のスポットが備わっているなど、子育て世帯にとって暮らしやすい環境であることが多いです。
中には敷地内にスーパーや病院などを併設しているマンションもあり、敷地内から出ずとも暮らしを完結できる魅力があります。
大規模マンションのデメリット
大規模マンションは、多くのメリットがある一方でデメリットもあります。
デメリットとしては、通勤ラッシュの渋滞、住民同士のつながりの希薄化、住民集会で意見がまとまらないといったものがあります。
マンションの敷地外に出るまでに時間がかかる
大規模マンションでは敷地外に出る必要に迫られる機会が少ない分、外に出るまでに時間がかかるデメリットがあります。
タワー型ではエレベーターの乗り降りに時間がかかったり、多棟型では敷地が広く外に出るまでに歩く距離が長かったりと、なにかと労力のかかるケースが多いです。
通勤ラッシュの渋滞
大規模マンションは総戸数が多く、そのエリアには当然多くの人が住むことになります。そのため、生活パターンが被ることで、最寄駅などでの混雑が起こりやすくなります。
例えばタワー型マンションでは、通勤・通学の時間帯にエレベーターがなかなか到着しないなどの問題が発生します。また、最寄駅が混雑し、乗車までに行列に並ばなければいけない場合もあります。
多棟型マンションでは、郊外に建設されていることが多いため、入居者のほとんどが車で出勤することが主流です。通勤時間帯には、マンション周辺の道路で渋滞を起こすなどの問題も出てきます。
これらの問題に対処するため、通勤時間より大幅に早く家を出るなど対策が必要になるケースもあります。
住民同士のつながりの希薄化
大規模マンションは別の地域から移住してきた方の割合が圧倒的に多いです。そのため、中小規模のマンションに比べて地域の行事や自治体の活動に積極的に参加する人は少ない傾向にあります。
また、大規模マンションでは隣近所との関わり以外には交流や面識がない場合が多いです。共用施設の利用者や同世代でコミュニティが築けることもありますが、小規模マンションや戸建て住宅のような深い関係性になる機会は少なく、断片的で一過性のつながりになってしまう可能性があるでしょう。
住民集会で意見がまとまらない
住民集会では、マンションの維持や修繕のための改良、共用部分のルールや新しい設備の導入など、住民の意見を取り入れながら生活の満足度を上げていくために重要な議論が交わされます。
大規模マンションには様々な年齢層の方が居住しており、マンションの設備や共用部分の使い方や要望は人それぞれです。そのため、大規模マンションでは住民集会が開かれたときに参加者が限定されたり、意見がまとまりにくくなったりするというデメリットがあります。
マンションの管理組合とは?理事会役員の業務内容から管理会社との関係性まで解説
駅から遠い物件も多い
大規模マンションというと立地の良いイメージがあるかもしれません。さほど面積が大きくなくても建てられるタワー型の場合は駅チカの物件も多いですが、広大な敷地が必要となる多棟型では駅から長距離の場所に建てられた物件も多く存在します。
自分や家族のライフスタイルと照らし合わせて、駅から遠くても問題ないかどうか検討してみてください。
大規模マンションと中小規模マンションを徹底比較
大規模マンションと中小規模マンションのどちらを選ぶべきかお悩みの方も多いでしょう。ここでは、大規模マンションと中小規模マンションを比較してご紹介します。
それぞれのメリットやおすすめの人についても解説するので、参考にしてみてください。
中小規模マンションのメリット・デメリット
中規模マンションの主なメリットとデメリットは以下の通りです。
【メリット】
- 他の居住者と仲良くなりやすい
- 駅チカの物件も多い
- 住民集会で意見がまとまりやすい
【デメリット】
- 戸数が少ないため修繕費の負担が大きくなりやすい
- プライバシーに関するトラブルが起こりやすい
- 大規模マンションと比較して共有施設が充実していない
メリット・デメリット比較一覧表
以下に大規模マンションと中規模マンションのメリットとデメリットを一覧表にまとめているので参考にしてみてください。
大規模マンション
中規模マンション
メリット
・管理費・修繕費が安くなる
・共用施設が充実している
・資産価値が下がりにくい
・日照条件が良い
・多棟型では敷地内に遊び場や緑も
・他の居住者と仲良くなりやすい
・駅チカの物件も多い
・住民集会で意見がまとまりやすい
デメリット
・敷地外に出るまでに時間がかかる
・通勤ラッシュ時の渋滞
・住民同士のつながりの希薄化
・住民集会で意見がまとまらない
駅から遠い物件も多い
・修繕費の負担が大きくなりやすい
・プライバシーに関するトラブルが起こりやすい
・共有施設が充実していない
大規模マンションをおすすめしたい人
敷地内の共有施設を活用できる人は大規模マンションでの暮らしに向いているでしょう。また、できるだけ管理費や修繕費を抑えたい人や、隣人と近すぎない距離感で過ごしたい人にも大規模マンションはおすすめです。大規模マンションと中規模マンションではそれぞれ特徴やメリットが異なるので、自分に合った規模のマンションを選ぶようにしましょう。
代表的な大規模マンション
以下からは首都圏の代表的な大規模マンションを紹介します。マンションごとに共用部分の特徴が様々で、入居希望者のターゲットが違います。
どのマンションに住んでみたいかをイメージしながら参考にしてください。
事例1「ザ・東京タワーズ(THE TOKYO TOWERS)」
「ザ・東京タワーズ(THE TOKYO TOWERS)」は、オリックス不動産、 東急不動産、 住友商事が分譲を行っている大型タワーマンションです。2008年、東京都中央区に完成したこのタワーマンションは、1.8㎞圏内に銀座を構える好立地物件です。
共用施設も充実しており、以下のようなものがあります。
- リラクゼーションルーム
- カフェラウンジ
- シアターコーナー
- スポーツスペース
- スーパー
- クリニック
- 保育所
多くの年齢層が共同で入居しているからこそ、多種多様な共用施設が充実しています。中には24時間営業の施設もあるため、利用時間を気にせずにくつろぐことができます。
事例2「ワールドシティタワーズ」
「ワールドシティタワーズ」は、2005年に完成した東京都港区に建設された大型タワーマンション群です。「アクアタワー」、「ブリーズタワー」、「キャピタルタワー」という超高層マンションが3棟あるマンション群で、共用施設には以下のようなものがあります。
- 公園
- プール・ジャグジー
- トレーニングジム・フィットネスルーム
- リラクゼーションルーム
- スカイラウンジ・スカイガーデン
- スーパー
- クリニック
- 保育園
首都圏の中心部に位置しながらも、ゆとりある共用部分を利用できるワールドシティタワーズは、タワー型マンションと多棟型マンションの両方のメリットを組み合わせたマンションであると言えるでしょう。
事例3「レイディアントシティ横浜」
「レイディアントシティ横浜」は、総戸数1805戸を誇る超大型コミュニティマンションです。2004年、日本綜合地所によって開発され、総面積146,500m²という広さを誇ります。
マンションの敷地内には以下のような共用施設が完備されています。
- コミュニティールーム
- キッズルーム
- プール・サウナ
- スタジオ
- 託児スペース
- 公園
ライフスタイルにあったマンション選びを
大規模マンションは、多くの入居者がいることから管理費や修繕費が安く、共用施設などが充実しています。
しかし、小規模マンションや中規模マンションと比較して住民同士のつながりが希薄になったり、出勤時間帯の渋滞を引き起こす可能性があったりするデメリットが存在します。
マンション選びをする際は、どのような条件・価値観を大切にしているのかを意識して、自分のライフスタイルに合った物件を購入してください。
なお、マンション選びでお悩みの方はHousii(ハウシー)がおすすめです。完全登録制となっており、複数の業者から、未公開物件を含むあなたにぴったりの物件提案を受けることができます。マンションの購入を検討されている方は是非利用してみてはいかがでしょうか?