中古物件は新築物件と異なり、事前に建物の状態を内覧できるメリットがあります。
売主や不動産会社の担当者に気になる点を聞き、現状を確認することで、後悔のない住まいを選ぶことができるでしょう。
それでは、中古物件の内覧時には、具体的に何をチェックすればいいのでしょうか。
本記事では、中古物件の内覧時のチェックポイントと注意点のほか、必要な持ち物や、売主・担当者に確認すべき項目などについて解説します。
中古物件の内覧を行う際の基礎知識
中古物件に足を運んで内覧をする際にはマナーを守り、必要な持ち物を持参しましょう。ここでは内覧の2つのポイントについて解説します。
- 内覧の際に必要な持ち物
- 内覧時に気をつけたいマナー
それぞれ確認しましょう。
内覧の際に必要な持ち物
内覧の際に持参したい持ち物は、以下の3つです。
- スマートフォン
- 間取り図
- 筆記用具
最近はスマートフォンの機能に、カメラやメジャー、メモ、懐中電灯といった、内見に必要なものが搭載されているためスマートフォンがあると便利です。
見取り図と筆記用具については、不動産会社から借りることも可能なため、スマートフォンがあれば足りますが、スマートフォンのスペックが低い場合などは次の持ち物も持参すると良いでしょう。
- カメラ
- 方位磁石
- メジャー
- 懐中電灯
室内各所の写真や、寸法を細かく記録しておくと、後で確認する際に便利です。また、360度パノラマ写真などを撮れる機能がある場合も活用すると良いでしょう。
内覧時に気をつけたいマナー
中古物件は所有者にとっては大切な資産のため、内覧時にマナー違反があると、売主に良くない印象となってしまう可能性があります。
内覧の際に売主が立ち会う場合は、必ずあいさつをし、写真の撮影時には許可を取ったり、小さなお子さんが一緒の場合には目を離さず注意したりするなど、売主の迷惑とならないよう心がけましょう。
また、売主に直接条件交渉や値引き交渉などを行うのも避けた方が良いです。条件や価格の交渉については、仲介する不動産会社の担当者に相談するとスムーズです。
中古物件内覧時の7つの注意点・チェックポイント
中古物件の内覧に際しての注意点、チェックポイントは次の7つです。
- 水回り
- 部屋の向き・間取り
- 収納スペース
- 眺望・風通し
- 内装・設備
- 屋根・外壁
- ガス・排水の種類
これらのポイントについて、具体的に解説します。
水回り
最も注意したいのは、キッチン・トイレ・浴室などの水回りの部分です。
水回りは住宅設備の中でも劣化しやすく、リフォームや修繕に高額な費用がかかる箇所です。水回りは10年~20年ごとの交換が目安となるため、一度も交換されていない場合や、前回の交換から時期が空いている場合には注意が必要でしょう。
また、水回りにカビやシミが発生している場合や、床が浮いている場合などは水漏れの疑いもあります。もし水回りに不具合がある場合には、売主に修理を依頼する必要があるため、重点的に確認しましょう。
部屋の向き・間取り
部屋の向きや間取りはリフォームで変更しにくい部分のため、注意しましょう。家具や家電のサイズ、レイアウトによっては、日当たりが良すぎる・もしくは当たらないことで、不便さを感じることもあります。事前に家具や家電のサイズを測り、設置後のイメージをしっかり持っておくと失敗を防げるでしょう。
また、部屋の向き自体は南の方角だったとしても、付近に樹木や別の物件がある場合には日差しが遮られる可能性もあります。遮蔽物のチェックや奥まった部屋、戸建ての2階にある部屋の方角なども忘れずに確認しましょう。
眺望・風通し
物件の眺望と風通しも、後から改善が難しいため、しっかりと確認しておきましょう。窓が少ないと通気性が低下し、カビの原因となり物件の劣化につながります。内覧の際には窓を開放して、実際の風通しをチェックすると良いでしょう。
周辺に高い建物がないか、騒音や臭いは気にならないか、向かいの物件や道路からの視線が気にならないかなども、併せて確認すると安心です。
収納スペース
収納スペースは間取り図にも記載されていますが、引き戸か開き戸か、内側に不便な柱や梁が通っていないか、湿気によるカビがないかなどの点は実際に内覧をしてみないとわかりません。
扉を開閉して立て付けや使い勝手を試したり、収納の内側を見て雨漏りやシミなどを調べておく必要もあるでしょう。キッチンシンクの下や靴箱なども忘れずに確認しましょう。
内装・設備
壁紙や天井などの内装にヒビやシミがあると、雨漏りなどの可能性があるためチェックが必要です。また、ペットの臭いやタバコのヤニなどの汚れがある場合は、内装のリフォームが必要になることもあります。
ドアや窓などの建具や設備も、内覧の際にサイズを測っておくと、カーテン選びや家具の搬入時に役立つでしょう。
加えて給湯器や換気扇、エアコンなども、可能であれば実際に使用して、正常に稼働するかを確かめると良いでしょう。
屋根・外壁
内覧の際には物件の中だけではなく、屋根・外壁・基礎などの外観もチェックしましょう。外壁や基礎部分に幅0.5mm以上、長さ1m以上の目に留まるヒビが入っていると、内側の鉄筋や木材が腐食する原因となります。
購入後に修繕工事やリフォームが必要となるケースもあるため、目視できる部分は注意して確認しましょう。屋根や軒裏などの確認が難しい部分は、可能であればホームインスペクター(住宅診断士)に相談するなど、専門家によるチェックを依頼すると安心です。
ガス・排水の種類
購入後のランニングコストを検討するためにも、ガス・排水の種類もチェックしておきましょう。ガスには都市ガス・プロパンガスの2種類があり、使用できるガスコンロが変わるほか、料金も異なります。
排水の種類にも、下水道・浄化槽の2タイプがあり、どちらのタイプかによって費用やメリット・デメリットも変わります。
内覧する物件ではどちらのタイプを採用しているのか、将来の生活をイメージしながら確認しましょう。
中古物件の内覧で売主・担当者に確認すべき項目
中古物件の内覧では、不動産の営業担当者や売主に直接聞くべき項目がいくつかあります。具体的には以下の4つのポイントが挙げられます。
- 設備の不具合・リフォーム歴
- 売却理由
- 周辺環境
- 交通の利便性
それぞれ詳しく解説します。
設備の不具合・リフォーム歴
売主や営業担当者が把握している設備の不具合はないか、内覧時によく確認しましょう。売主に直接尋ねることが難しい場合には、営業担当者を介して聞いてもらうと良いでしょう。また、過去のリフォームや修繕の履歴も必ず問い合わせましょう。
築古の中古物件であれば、複数箇所の修繕を行っている可能性があります。その際に、誰が・いつ・どこを(何を)・なぜ・どのように(5W1H)リフォームしたのかを把握できると、今後の修繕計画の目安となります。
売却理由
売主に必ず質問したいポイントは、物件の売却理由です。直接尋ねにくい場合には、営業担当者に代わりに問い合わせてもらうことをおすすめします。
売却理由が、転勤や離婚、実家への出戻りなどであれば特に気にする必要はありませんが、住環境や近隣施設に不満があって売却するのであれば、その売却理由も大きな判断材料となります。
周辺環境
物件の周辺環境は、実際に住まないとわからない部分であるため、地域に詳しい営業担当者や売主の意見を参考にしましょう。
駅近などの好立地の物件でも、夜になると騒音や臭いが発生するケースなどもあります。また、便利だと思った商業施設が撤退する可能性や、お子さんがいる場合には、学校からの距離や通学路、公園などの遊び場や小児科医院があるかどうかなども判断基準となるでしょう。
交通の利便性
交通事情も売主や担当者に聞いて購入前にチェックしましょう。最寄駅までの距離や、ご自身の職場までの路線、ラッシュ時の混雑具合なども事前に確認しておきましょう。クルマ移動の多い方であれば、周辺の道路の渋滞や道幅の広さなども生活に影響する可能性があります。通学・通勤・買い物は毎日の暮らしの中で必要になるため、交通の利便性も検討しましょう。
中古物件の内覧には、注意点・チェックポイントを押さえてから予約を
中古物件の内覧の際には、写真・メジャー・懐中電灯・メモ機能などのついたスマートフォンを持参すれば特に支障はありません。訪問の際には、売主や営業担当者に失礼のないようマナーを守って内覧をしましょう。これまでの解説の通り、内覧時に注意して確認する点は次の通りです。
- 水回り
- 部屋の向き・間取り
- 収納スペース
- 眺望・風通し
- 内装・設備
- 屋根・外壁
- ガス・排水の種類
そのほか、以下の項目を売主や営業担当者に問い合わせましょう。
- 設備の不具合・リフォーム歴
- 売却理由
- 周辺環境
- 交通利便性
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