人気があり、新しい物件の建設が続いているタワーマンションですが、価格相場がいくらか分からず、購入をためらっている方もいるのではないでしょうか。
タワーマンションに限らず、マンションを購入する際は、相場を把握しておくことが重要です。相場を把握していることで、様々な条件で交渉できたり、相場に対して割安な物件が手に入る可能性が上がります。
この記事では、タワーマンションの物件の価格相場に加えて、初期費用や税金など購入にかかる諸費用と内訳を解説します。タワーマンションの購入を検討している方はぜひ参考にしてください。
タワーマンション相場の目安
タワーマンションの相場は地域によって異なります。新築・中古のタワーマンションの相場を地域ごとにまとめたので参考にしてください。
新築タワーマンションの相場
新築タワーマンションの相場について東京・大阪・名古屋別に紹介します。
東京都内の人気の地域は、中央区・渋谷区・港区・品川区です。人気エリアの新築タワーマンションの価格相場をまとめたのがこちらの表です。
地区 | 価格相場 |
---|---|
中央区 | 5,000万円~1億円 |
渋谷区 | 1億3,000万円~2億円 |
港区 | 7,000万円~2億6,000万円 |
大阪で人気の地域は、梅田・難波・ミナミエリアが人気です。人気エリアの新築タワーマンションの価格相場は以下のとおりです。
地区 | 価格相場 |
---|---|
福島区 | 4,000万円~1億円 |
中央区 | 4,500万円~1億3,000万円 |
西区 | 5,000万円~1億3,000万円 |
名古屋の人気の地域は、名古屋や新栄街、伏見、丸の内などがあります。人気エリアの新築タワーマンションの価格相場は以下のとおりです。
地区 | 価格相場 |
---|---|
名古屋 | 4,000万円~2億8,000万円 |
新栄街 | 4,000万円~8,000万円 |
伏見 | 7,500万円~1億3,800万円 |
中古タワーマンションの相場
次に中古タワーマンションの相場を紹介します。
【東京】
地区 | 価格相場 |
---|---|
中央区 | 4,000万円~2億4,000万円 |
渋谷区 | 5,000万円~3億9000万円 |
港区 | 1億3,000万円~2億円 |
【大阪】
地区 | 価格相場 |
---|---|
福島区 | 7,000万円 |
中央区 | 8,000万円 |
西区 | 8,000万円 |
【名古屋】
地区 | 価格相場 |
---|---|
名古屋 | 4,000万円~2億8,000万円 |
新栄街 | 4,000万円~8,000万円 |
伏見 | 7,000万円~1億2,000万円 |
先に紹介した新築マンションと比較しても、価格相場が大きくは下がっていないことがわかります。
賃貸タワーマンションの家賃相場
次に賃貸タワーマンションの同地区がどれくらいの家賃相場なのか紹介します。
【東京】
地区 | 価格相場 |
---|---|
中央区 | 21万8,000円 |
渋谷区 | 25万円 |
港区 | 22万8,000円 |
【大阪】
地区 | 価格相場 |
---|---|
福島区 | 23万円 |
中央区 | 23万7,000円 |
西区 | 20万2,000円 |
【名古屋】
地区 | 価格相場 |
---|---|
名古屋 | 18万円 |
新栄街 | 16万円 |
伏見 | 17万円 |
タワーマンション初期費用の相場・内訳
タワーマンションを購入する場合、主に以下の初期費用が発生します。
- 仲介手数料
- 登記費用
- 固定資産税・都市計画税
- 不動産取得税
- 印紙税
物件にもよりますが、タワーマンションの初期費用は購入価格の5~7%ほどがかかることが多いです。内訳を紹介します。
仲介手数料
物件を紹介してくれた不動産会社に対して、仲介手数料を支払う必要があります。この仲介手数料は、宅地建物取引業法で上限額が決まっており、おおよそこれに近い料金が請求されます。
【仲介手数料の上限金額】
200万円以下の部分:5%
200万円超400万円以下の部分:4%
400万円超:3%
こちらの上限を超えることはありません。
登記費用
登記費用は不動産取得の登録をする際に必要な実費に加えて、登録を依頼する司法書士への報酬も含まれます。司法書士への報酬は50,000円~100,000円前後のことが多いです。
土地や建物を取得するにあたって必要な登記簿謄本代は600円で、法務局への支払いです。また、不動産取得時に土地代の1.5%と建物評価額の2%が登録免許税としてかかります。
固定資産税・都市計画税
タワーマンションに限らず、マンションを購入すると固定資産税・都市計画税が毎年発生します。初年度分は、初期費用として一緒に徴収されるケースが多いです。
固定資産税の税額は建物評価額にから特例措置による差引を行った課税標準額に1.4%をかけて算出します。
また、都市計画税は各市町村によって定められており、最大で建物評価額の0.3%までです。都市計画税は住んでいる市町村によって異なるので、公式HPなどで確認しておきましょう。
不動産取得税
不動産取得税は、タワーマンションだけでなく土地や家屋の贈与、相続、購入によって発生する税金です。有償・無償や登記の有無にかかわらずかかります。令和6年3月31日までに取得した土地の課税標準額は評価額の1/2となっており、税率は土地や家屋の場合で3%、家屋以外の建物は4%です。
印紙税
印紙税は不動産に関する契約に対して、証明書としての役割を持ちます。タワーマンションを購入する場合、以下の金額が発生するケースが多いです。
購入額 | 印紙税額 |
---|---|
5,000万円を超え1億円以下 | 6万円 |
1億円を超え5億円以下 | 10万円 |
5億円を超え10億円以下 | 20万円 |
タワーマンション維持費用の相場・内訳
タワーマンションの維持費用の相場・内訳は以下の通りです。
- 管理費
- 修繕積立金
- 固定資産税
- 駐車代
上記が毎月または毎年発生するので、生活費の計算にいれておきましょう。把握しておくと家計の管理をしやすくなります。
管理費
管理費はタワーマンションの住人が快適な生活を送るための費用です。月に1~2万円程度が相場で毎月発生します。
管理費は共用施設の充実度に比例するため、事前に希望する設備に対してどれくらいが相場か把握しておきましょう。
修繕積立金
修繕積立金はマンションが経年劣化した部分を修繕するための費用です。タワーマンションは外観にこだわり、特殊な工事を行っている分、修繕も特殊になり費用が高くなります。
金額は物件によって異なりますが、物件の価格に比例して高くなることが多いです。また、中古の場合は、修繕状況や空室状況などによっても変動します。購入前に修繕積立金の金額も確認しておきましょう。
固定資産税
前述の通り、固定資産税はマンションを購入した場合に毎年発生します。税額は、建物評価額にから特例措置による差引を行った課税額に1.4%の税率です。
評価額は一定ではなく、3年ごとの評価額見直しや減価償却などによって変動します。評価基準を知っていると税額を算出できるので、予備知識として把握しておきましょう。
駐車代
駐車代は自動車を所有している場合、保管のためにスペースを占有する目的で支払います。タワーマンションが建設されている土地は地価が高いケースが多く、月に数万円かかるケースも多いです。
自動車を保有している人は、事前にタワーマンションにある駐車場代も確認しておきましょう。
タワーマンションの相場が高い理由
タワーマンションは通常のマンションと比較して、相場が高い傾向にあります。主な理由は以下の通りです。
- 共有の設備・施設が充実しているため
- 耐震強度の高い造りになっているため
- メンテナンスや修繕費用がかかるため
- 人気の物件が多いため
それぞれ理由を解説します。
共有の設備・施設が充実しているため
タワーマンションは住人専用のジムを併設するなど、設備が充実している物件が多いです。一方で充実した設備を維持・管理するにはそれだけお金が必要です。設備が充実していると、マンションから出ることなく便利に生活を送れますが、使わない設備があるマンションに入居していると、それだけ損になるとも考えられるので注意しましょう。
タワーマンションで生活を送るために必要な設備を決めておくと無駄になりにくいです。
耐震強度の高い造りになっているため
タワーマンションは階層が高い建物である性質上、耐震強度を高めなければいけません。耐震強度を高めるには、高い技術や資材が必要となり工事費用がかかります。タワーマンションは通常のマンションやアパートよりも工事にお金がかかる分、相場も高くなると考えましょう。
メンテナンスや修繕費用がかかるため
建物は経年劣化するため、定期的な修繕が必要となり、住人から積立金を徴収します。タワーマンションは建物として規模が大きく、設備も充実しているため、多くの場所をメンテナンスしなければなりません。
必要なメンテナンスが多いということは、修繕に必要な金額も大きくなるため、修繕積立金の設定が高くなります。タワーマンションを購入する際は、修繕積立金がどれくらいかも確認しておきましょう。
人気の物件が多いため
家賃や購入費用の相場は、需要にも左右されます。タワーマンションは利便性の高い地域に立っており、人気の物件が多いです。
人気の物件は価格を高く設定しても入居希望者が現れるため、管理者側も値下げはなかなかしません。このように、タワーマンションは人気が高く、購入したいと考えている人が多いため、相場が高くなっています。
タワーマンションを相場より安く購入するコツ
タワーマンションを相場より安く購入するには、以下のコツを意識しましょう。
- 必要な設備・施設を絞り込む
- 低階層の物件から探す
- 売れ残りの物件を値引き交渉する
上記のポイントを意識して物件を選ぶと、相場より安くタワーマンションを購入しやすくなります。
必要な設備・施設を絞り込む
タワーマンションは他の物件と比較して設備や施設が充実しています。マンション内でも生活に必要な物やサービスをそろえやすい一方、維持・管理のために費用が高くなりやすいです。
タワーマンションに入居する際は、購入・賃貸を問わず必要な設備や施設を絞り込んでおきましょう。たとえばジムやスーパーは、マンション内部になくても近場を利用した方が総合的に見てお得なケースがあります。自分にとって本当に必要な設備・施設は何かを事前に絞り込んでおきましょう。
低階層の物件から探す
タワーマンションは購入・賃貸にかかわらず、低階層の方が相場が安くなる傾向にあります。 もちろん景観に差はありますが、高い階層と低い階層では、設備などに大きな差があるわけではなく、生活の利便性は変わりません。同じ物件であっても、サイト等で調べてみると低階層の物件が安くなっているケースは多いです。タワーマンション選びの際は、階層も意識してみてください。
売れ残りの物件を値引き交渉する
売れ残りの物件は需要がないと判断され、売り手側が値段の引き下げ交渉をしやすくなります。売り手側にとって最悪の状況は物件がいつまでも売れ残って買い手がつかない状況なので、交渉の成功率は高いです。相場より安い価格でタワーマンションを購入するには、値引き交渉が成功しやすい物件を選びましょう。
タワーマンションの相場に関するよくある質問
タワーマンションの相場に関して、よくある質問として以下があげられます。
- 無理のない住宅ローン返済計画の考え方は?
- 購入か賃貸かどちらを選ぶべき?
- タワーマンションは資産として持つのに向いている?
タワーマンションを購入・賃貸する前に疑問のない状態にしておきましょう。
無理のない住宅ローン返済計画の考え方は?
タワーマンションは他の物件と比較して、相場が高い傾向にあるため余裕のある返済計画を立てた方がよいです。目安として、住宅ローン返済額を年収の7倍程度、中古であれば5〜6倍に設定するとスムーズに返済できるでしょう。
住宅ローンには審査があるので、少しでも不安がある人はなるべく住宅ローンの借入額は小さくすることをおすすめします。年収が少ない場合も、時間をかけて頭金を多めに用意するなどの対策をとりましょう。
購入か賃貸かどちらを選ぶべき?
長く住みたい物件であれば購入、住んでから利便性などを判断したい人は賃貸がおすすめです。賃貸の場合、物件が合わなくても引越しの選択肢をとれるので、まだタワーマンションに居住したことがない人は、一度賃貸で試してみるのもよいでしょう。ただ、購入するよりも月々の支払い額が大きくなることがほとんどであることがデメリットです。
一方で、購入であれば引越ししにくい一方、売却のタイミングで評価額が値上がりして利益につながる可能性があります。そのため、長期保有でも、住み替え・売却前提でも、資産価値が下がりづらいと考えられる物件を選びましょう。
賃貸・購入の両方にメリット・デメリットがあるので、自分に合った方を選びましょう。
タワーマンションは資産として持つのに向いている?
タワーマンションは駅近で設備が整っており、管理もしっかりしている人気の物件が多く、資産価値が下がりにくい傾向にあります。売買のタイミングが良ければ利益が出る可能性も十分あり、資産として持つのに向いています。
一軒家の新築住宅などは購入後に資産価値が上がることは少ないので、資産として持つことを考えるとタワーマンションはおすすめです。ただし、資産価値が上がることが保証されているわけではないので、リスクもあることを理解しておきましょう。
タワーマンション相場のまとめ
以上、タワーマンションの相場を紹介し、主な初期費用や住居費用なども解説しました。
タワーマンションは人気の物件が多く、設備が充実しているため購入費用や住居費用が高くなりやすいです。
相場より安く購入するには、必要な設備の絞り込みや低階層の物件購入、売れ残りの値下げ交渉など工夫しましょう。タワーマンションは評価額が落ちにくいので、売買のタイミングや方法が良ければ、利益が出る可能性もあります。
タワーマンションを購入し、生活をより豊かにしたい方はぜひこの記事を参考に相場をしり、最適な物件を選びましょう。