結婚や子供の進学で家を購入しようと思ったときに迷うのが「マンションか戸建てか」という問題ですよね。
コロナウイルスによるリモートワークの増加や「おうち時間」が増えたことがきっかけで今よりも広い家に住み替えることを検討した人も少なくないと思います。
マンションと戸建てにはそれぞれメリット・デメリットがあるため絶対にこっちを選んだ方がいいという答えはありません。したがって、「何を優先するのか」によってマンションか戸建てかの判断は変わってきます。
そこで今回の記事では、マンションと戸建てそれぞれの住みやすさの違いから維持費などのランニングコストの違いまで、マンションか戸建てかを選ぶ際の判断材料を網羅的に解説していきます。
マンションと戸建ての特徴を比較
まずはマンションと戸建ての特徴を項目ごとに比較しました。
マンション | 戸建て | |
---|---|---|
立地 | 駅から近い物件が多く、商業施設の近くに住めるのが特徴 | 駅から離れるごとに増えていくのが特徴 |
風通し/日当たり | 窓の向き・数が限られるため、部屋によって大きく変わる | 全方位に窓を付けられるので、風や日当たりが良い物件が多い |
セキュリティ | エントランスとの二重のセキュリティがあることから充実している | 公道と面している他、自主管理のためセキュリティ対策が必要 |
騒音 | 外の音は遮断できることが多いが、上下階からの足音が響くケースもある。 | 独立しているため他の世帯からの騒音はないが、外部からの音は入ってきやすい。 |
管理 | 管理費を支払う代わりに、ゴミ出し・清掃・修繕もすべて管理会社が代行。 | 全て自主管理しなくてはならない |
リフォーム | 管理規約の制限がある場合もある。 | すべて自由にリフォームできる |
資産価値 | 耐用年数が長く、ゆっくりと資産価値は落ちていく | 耐用年数が短いが、土地代は必ずのこる |
維持費 | 管理費・修繕積立金が毎月2~3万ほどかかる | 約15年に一度、塗装・防水工事が必要になる |
第2章からは、マンションと戸建てのそれぞれのメリット・デメリットを紹介していきます。
マンションのメリット・デメリット
マンションのメリット・デメリットは以下の通りです。
マンションのメリット | マンションのデメリット |
---|---|
利便性の高い物件が多い | 面積が狭い |
セキュリティ対策が万全 | 住宅以外にかかる費用が高い |
設備管理や物件の清掃をしなくて良い | 生活音やプライバシーに注意が必要 |
家事の動線をコンパクトにできる | リフォームがしにくい |
第2章ではマンションのメリット・デメリットをそれぞれ解説していきます。
マンションのメリット
マンションのメリットとしてまず挙げられるのは、利便性が高い物件が多いことです。戸建てほど多くの土地面積を要しないため、駅の近くや商業施設の近くに住むことができます。条件がよくなるほど価格は上がってしまいますが、利便性を求める人にとっては非常に住みやすいでしょう。
また、マンションにはオートロックや監視カメラ、常駐の管理人などがいるため、セキュリティ対策が手厚い点が特徴です。戸建てにはもちろん管理人はいないため、その分空き巣に狙われるリスクも増えます。
間取りの観点で言えば、マンションの多くはワンフロアになっているため、家事の動線がコンパクトになる点もメリットです。洗濯や掃除などの家事から、小さい子供がいる場合は育児をするにあたってワンフロアで完結しているので、動線をコンパクトにすることができます。
そして、戸建てと違っている点としてマンションでは、管理費を支払う代わりに設備管理をすべて任せることが可能です。例えば、エントランスの清掃やエレベーターの定期点検、ゴミ捨て場の清掃や管理なども任せることができるのがメリットと言えるでしょう。
利便性の高い物件が多い
セキュリティ対策が万全
設備管理や物件の清掃をしなくて良い
家事の動線をコンパクトにできる
マンションのそれぞれのメリットについて知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
マンションのデメリット
マンションのデメリットとして一番初めに挙げられるのが、戸建てよりも面積が狭い点です。また、平均価格も戸建てよりも高く坪単価が高いというのがマンションのデメリットとして言えるでしょう。
また、マンションに住むと毎月のローン以外にも「管理費」や「修繕積立金」「駐車場代金」などがかかります。そのため、毎月の支払額が割高に感じてしまう人も多いかもしれません。平均して管理費は12,480円(月)、修繕積立金は11,071円(月)かかることがわかっています。(東日本不動産流通機構「首都圏中古マンションの管理費・修繕積立金(2020年度) 」より)
そして、集合住宅であるマンションは、生活音やプライバシーに配慮が必要です。古いマンションの場合、足音だけではなく少し大きなテレビの音なども聞こえてしまうことがあるため、生活をするうえで注意が欠かせません。
最後に、マンションには管理規約というものが存在しており、そこにはリフォームやリノベーションについてのルールが設けられている可能性があります。内容によっては、自由にリフォームやリノベーションができない可能性があることを理解しておきましょう。
面積が狭い
住宅以外にかかる費用が高い
生活音やプライバシーに注意が必要
リフォームがしにくい
マンションのそれぞれのデメリットについて知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
戸建てのメリット・デメリット
戸建てのメリット・デメリットは以下の通りです。
戸建てのメリット | 戸建てのデメリット |
---|---|
プライバシーを守りながら生活できる | 家事動線が複雑になる |
騒音を気にせず生活できる | 希望の立地にならないことがある |
管理費や修繕積立金が不要 | セキュリティ面に不安がある |
近隣住民との関係を築ける | メンテナンスがすべて自己責任 |
第3章では、戸建てとマンションそれぞれのメリット・デメリットについて解説していきます。
戸建てのメリット
戸建ては建物自体が独立しているので、周囲のことを気にすること無く、プライバシーに配慮した生活ができる点が大きなメリットでしょう。
また、マンションのように上下階の騒音に悩まされることがなくなります。子どもやペットによる騒音を気にして生活する必要もなくなるでしょう。もちろん完全に音が漏れなくなるわけではないため、ある程度の配慮は必要です。しかし、マンションに比べれば大幅に過ごしやすくなることは確実です。
また、マンションの場合は管理規約の制限がかかる場合がありますが、戸建ての場合は管理規約などは無いので、自由に建て替えやリフォームができます。将来的に世帯人数の変化に応じて間取りの変更を検討している場合や、終の棲家として住む場合は将来的にバリアフリー設計にリフォームすることもできます。
最後に、戸建てはマンションと比べて近隣住人と関係性を築きやすいのもメリットです。戸建てが多い住宅街では、自治会やゴミ当番など、住人同士で暮らしやすい環境を整えていきます。そのため、どこに誰が住んでいるのかを把握しやすく、近所との関係性が濃厚になりやすいのです。
子どもの見守りやちょっとした近所付き合いなど、温かい人間関係は一戸建てならではのメリットです。なかには仲を深めて一緒にバーベキューをしたりと、近所付き合いを楽しんでいる人もいます。
プライバシーを守りながら生活できる
騒音を気にせず生活できる
管理費や修繕積立金が不要
近隣住民との関係を築ける
戸建てのデメリット
戸建ては2階以上のフロアから構成されているため、家事の動線が複雑になりやすいのがデメリットの1つ目です。「洗濯機は1階でベランダは2階だから面倒」「広すぎて掃除が大変」など、家事をするうえで不便に感じることも多いでしょう。
また、一概にはいえませんが戸建ては駅から離れた場所に建てられることが多いです。とくに分譲一戸建ては開発エリアに建てられることが多いため、車やバスがないと生活できないケースも少なくはありません。
独立した住宅である戸建ては、周囲の目があるマンションと比べてセキュリティ面のリスクが高いのもデメリットです。窓や勝手口の侵入対策をしておかないと、空き巣の被害に遭ってしまう危険性があるでしょう。
最後に戸建てには管理費や修繕積立金などの費用負担が必要ない代わりに、住宅の修復が必要になった際は費用が全額自己負担になる点に注意しましょう。株式会社アットホームの実施した調査によると、築30年以上住んでいる人を対象にしたアンケートでは平均556万円の修繕費用をかけているということがわかっています。(株式会社アットホーム実施「―新築一戸建て購入後 30 年以上住んでいる人に聞く「一戸建て修繕の実態」調査」より)
家事動線が複雑になる
希望の立地にならないことがある
セキュリティ面に不安がある
メンテナンスがすべて自己責任
戸建てかマンションか迷って決められないという方はこちらの記事もご覧ください。
マンションと戸建ての住みやすさを比較
第4章からは、マンションと戸建ての住みやすさについての以下の5つの比較軸ごとに改めて整理していきます。
- 広さ
- 日当たり・暖かさ
- 設備の充実度
- 立地
- セキュリティ・安全性
- 地震・耐震性
- 防音性
自分だったらどんな観点を重視したいか、その観点ならマンションと戸建てのどちらが自分に向いているのかを意識しながら見ていきましょう。
より広いのはどっち?
マンションと戸建てでより広いのはやはり戸建てと言えるでしょう。以下の表は、新築マンション、中古マンション、新築戸建て、中古戸建ての価格と広さの一覧表です。
平均価格 | 平均専有面積 | 坪単価(万円/㎡) | |
---|---|---|---|
新築マンション | 6304万円 | 61.79㎡ | 102.0 |
中古マンション | 3715万円 | 58.94㎡ | 63.0 |
新築戸建て | 3997万円 | 98.9㎡ | 40.4 |
中古戸建て | 3258万円 | 100.1㎡ | 32.5 |
(東京カンテイ「マンションデータ白書 2021」、「一戸建て住宅データ白書 2021(首都圏)」よりイエウール編集部が表を作成。戸建てマンションともに数値は一都三県の首都圏のデータを抜粋)
上の一覧表からもわかるように中古新築ともにマンションの場合の専有面積は58~60㎡、戸建ての専有面積は98~100㎡程度になっていることがわかります。また、坪単価で比較してもマンションの方が高くついているため、広いマンションが欲しい場合はやはり予算を増やす必要がありそうです。
日当たりや暖かさが優れているのはどっち?
マンションと違い戸建ては独立した住宅なので、全方位に窓を開けることができ光や風を取り込みやすいのが特徴です。そのため良くも悪くも外気の影響を受けやすく、暖かさという観点で見ると夏場は暑く冬場は寒くなりがちです。
一方でマンションは外気と面しているのは多くとも2~3面だけなので、冬場は上下階や隣の住戸の暖房で暖かさを保ちやすく、逆に夏場は涼しいという特徴があります。一方で、物件によって異なりますが戸建てほどは日当たりや風通しの良さは実感できないでしょう。
暖かさが保たれるという観点では気密性が高いマンションの方が優れていますが、日当たりという点でみるとマンションは物件によっては同等もしくは戸建ての方が優れていると言えるでしょう。
設備が充実しているのはどっち?
設備の充実度で比較すると、マンションも戸建てもほとんどの設備はオプションで付けることができるので簡単な比較は難しいと言えます。
しかし、マンションの場合は戸数が多くスケールメリットが働くためディスポーザーや宅配ボックスなどが最初から備わっていることが多いと言えるでしょう。また、管理費を支払う代わりに設備管理をすべて管理会社に任せることが可能なので、清掃やもちろん、共用設備に不具合が起きたときもすべて管理会社に対応してもらえます。
立地が良いのはどっち?
先程も紹介しましたが、立地が良い物件が多いのはマンションと言えるでしょう。以下のグラフは、マンションと戸建ての駅からの徒歩時間別の戸数分布を表したグラフです。
(出典:東京カンテイ「一戸建て住宅データ白書 2021(首都圏)」より編集部で独自作成。横軸が駅からの徒歩時間、縦軸が物件数。駅からの徒歩時間がかかるに取れて戸建て比率が高くなっていくことがわかる)
マンションの方が駅から近い立地の良い物件が多い理由は、土地価格にあります。駅から距離が近い立地は当然人が多くなるので住宅に限らず商業施設などの建設需要が高くなります。そのため、一区画当たりの土地を集合住宅として住民で分割できるためマンションは必然的に立地の良い物件が多くなるのです。
したがって、立地が良いのは戸建てよりもマンションの方であると言えるでしょう。
セキュリティや安全性が優れているのはどっち?
セキュリティや安全性という観点で比較すると、オートロックや監視カメラ、管理人がいることを踏まえるとマンションの方が安全性が高いと言えるでしょう。
実際に警視庁の統計によると、2020年の侵入窃盗の認知件数では住宅の内約73%が戸建て、約18%が3階以下のマンション、残りの約8%が4階建て以上のマンションとなっており、戸建てとの比較ではマンションのセキュリティの高さがうかがえます。(警察庁「住まいる防犯110番」より)
もちろん戸建ての場合もホームセキュリティを導入することによってセキュリティ・安全性を担保することは可能ですが、追加で費用が掛かることも頭に入れておきましょう。
地震に強く耐震性が優れているのはどっち?
マンションも戸建ても1981年に改正された建築基準法に則って建てられており、震度6強~7程度の地震でも倒壊しない建物を建てることが義務付けられているので一定程度の地震にはともに耐えることが出来ます。
一方で、建物構造の観点から地震への強さを考えると、マンションは鉄筋コンクリート造で建てられているので火災に強いという特徴があります。したがって、地震そのものの揺れによる倒壊リスクは戸建てとマンションで同程度と言えるかもしれませんが、二次被害としての火災などの観点も踏まえると地震に強いのはマンションといえるかもしれません。
戸建てとマンションの地震への強さについて詳しくはこちらの記事もご覧ください。
防音性が高いのはどっち?
戸建ては建物が独立しているため、マンションのように上下階の騒音に悩まされることがなくなります。また、逆に言えば子どもやペットによる騒音を気にして生活する必要もなくなるでしょう。
コロナウイルスの影響で家で過ごす時間が長くなった人も多いと思いますが、休日でリラックスしたい時などに音漏れがないことはメリットと言えるでしょう。実際に警視庁によると騒音に関する通報が2021年9月現在、都内で1万7000件に上り、過去5年間で最も多くなったことがわかっています。
もちろんマンションも防音対策はしてありますが、まったく騒音が無くなるわけではありません。外からの騒音に悩んだり、音を気にして生活をしなくて良いという点では戸建ての方が優れていると言えるでしょう。
広さで比較すると戸建ての方が広い
日当たりが良いのは戸建て、暖かさが保たれやすいのはマンション
設備が充実しているのはマンションだが、管理費を支払う必要がある
立地が良いのはマンション
セキュリティや安全性がすぐれているのは設備が充実しているマンション
地震への強さは同じだが、二次災害を含めるとマンションの方が強い
防音性が高いのは戸建て
マンションと戸建ての資産価値の特徴
マンションも戸建ても築年数を経るごとに資産価値は下がっていきますが、下がり方に違いがあります。マンションの資産価値は築年数を経るごとに徐々に下がり、戸建ての資産価値は築20年ほどで建物価値は無くなりますが土地代は減価しません。第4章では、マンションと戸建ての資産価値を比較していきます。
寿命が長いのはどっち?
鉄筋コンクリート造のマンションは国土交通省の調査によると寿命(耐用年数)は120年越えとされているため、適切な管理がされていれば急激に資産価値が下がることはありません。そのため、築50年のマンションでも市場で取引されている物件も少なくありません。
一方で木造が主な戸建ての場合は、建物価値は寿命(耐用年数)である20年程度で急激に下がることが一般的です。とはいえ、土地も所有している場合は土地代は残り続けるため、建物の価値がなくなってから数年後にマンションと資産価値が逆転することもあります。
したがって、何年住み続けられるかという寿命の観点で言うと戸建てよりもマンションの方が優れていると言えるでしょう。
売りやすいのはどっち?
そもそも、不動産の売りやすさとはすなわち買い手がつくかどうかです。買い手がつくかどうかは、住宅に資産価値が残っているかどうかと紐づいているので、その観点では住宅としての寿命が長く資産価値が長年にわたって保たれるマンションの方が売りやすいと言えるでしょう。
ただし、戸建ての場合は住宅としての寿命が無くなった後も土地価格は残り続けるので、立地が良く土地としての資産価値があるときは場合によってはマンションよりも売りやすいということもあります。
(マンションの価値の減少率は、東日本不動産流通機構「レインズデータライブラリー」を参考に作成。戸建ての資産価値は築20年までは、10年ごとに75%減で作成)
いずれにせよ資産価値は立地や都市開発など様々な要因によって決まるため断言はできませんが、同じ条件であると想定すると住宅としての寿命が長いマンションの方が売りやすいと言えるでしょう。
戸建てとマンションの資産価値について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
戸建てよりもマンションの方が住宅の寿命が長く、売りやすいのはマンション
一方で戸建ては土地代が残るため資産価値が0にはならない
マンションと戸建てにかかる維持費の特徴
まず最初にマンションと戸建ての30年間の維持費ではどちらが多いのかについて紹介していきます。
戸建て | マンション | |
---|---|---|
固定資産税・都市計画税 | 300万円 | 360万円 |
保険料 | 26万4000円 | 13万170円 |
管理費 | — | 449万2800円 |
修繕費用(修繕積立金) | 300万円 | 398万5560円 |
駐車場代 | — | (360万円) |
合計費用 | 626万4000円 | 1220万8530円(1580万8530円) |
一年間あたりの費用 | 20万8800円 | 40万6951円(52万6951円) |
※管理費・修繕積立金は東日本不動産流通機構「首都圏中古マンションの管理費・修繕積立金(2020年度) 」の数値を適用。また、マンションの駐車場代は月1万円として試算。
マンションと戸建ての30年間の維持費を比較したところ、マンションが1220万8530円(1580万8530円)、戸建てが626万4000円となることがわかりました。年間費用で割ると、マンションが40万6951円(52万6951円)、戸建てが20万8800円となります。
第6章では維持費という観点で見た時のマンションと戸建てについて比較していきます。具体的には、
- 税金
- 修繕費用
- 光熱費
の3つの観点で比較していきます。
税金が高いのはどっち?
固定資産税・都市計画税の税額で比較すると、一般的にはマンションの方が高くなりがちであると言えます。理由は、戸建てよりもマンションの方が減価償却期間が長いため固定資産税を算出する際の評価額が高くなる他、戸建ての方が広いため軽減措置の恩恵を受けやすいことなどが挙げられます。
そもそも、固定資産税は土地・建物を別々にして算出します。土地は国税庁が定めた固定資産税路線価×税率の1.4%、建物は再建築価格(同じ建物を再び建てたときに想定される建築費)×経年限定補正率(築年数が古くなればなるほど安くするための補正率)をかけて算出します。
そこで、まず建物の場合は戸建てよりもマンションの方が寿命が長い(法定耐用年数が長い)ため、戸建てが22年で0になるのに対して、47年まで固定資産税が掛かります。また、土地の場合も戸建ての方が土地が広いため固定資産税路線価×1/6で適用される軽減税率の恩恵を受けやすく結果的にマンションの方が高くなりがちなのです。
詳しい解説はこちらの記事で行っているのでご覧ください。
修繕費が高いのはどっち?
修繕費で比較するとマンションの場合は管理費・修繕積立金という形で毎月支払う代わりにまとまった修繕費用が不要である一方で、戸建ては毎月の支払いは無い一方で15年に1度などの周期でまとまった修繕費用が必要となります。
東日本不動産流通機構「首都圏中古マンションの管理費・修繕積立金(2020年度) 」によると、毎月の管理費の相場は12,480円、修繕積立金は11,071円かかります。また、アットホーム株式会社実施「―新築一戸建て購入後 30 年以上住んでいる人に聞く「一戸建て修繕の実態」調査」によると、外壁・屋根などの戸建て飲みにかかる費用は30年間で360万円程度であるとわかっています。
もちろん物件によって異なりますが、上のデータをもとに1カ月当たりの修繕費用を比較するとマンションが23,551円、戸建てが10,000円となるためマンションの方が高いと言えるでしょう。
戸建てとマンションの維持費について、詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
光熱費が高いのはどっち?
もちろん住んでいる人や家族構成によって異なりますが、建物の構造上平均床面積が狭く、気密性・断熱性が高く冷暖房効率が良い点でマンションの光熱費の方が安くなりがちと言えるでしょう。
また、戸建ての方が部屋数が広いことが一般的であるため、その分エアコンやトイレなどの電力消費を伴う設備が増えていくのも理由として考えられます。
光熱費を抑える手段として「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」という選択もあります。住まいの断熱性・省エネ性能が高いだけではなく太陽光発電で蓄電もできるので、住宅によっては戸建ての方が光熱費が安いということもありうるでしょう。
固定資産税・都市計画税などの税金はマンションが高い
修繕費用もトータルが高くなるのはマンションだが、戸建ては一気に支出が増えるのが特徴
建物構造から光熱費が高くなりがちなのは戸建て
マンションと戸建ての割合はどっちが多い?
最後に、戸建てとマンション住居比率を紹介します。実際の戸建てとマンションの購入割合はどちらの方が多いのでしょうか。
住居比率で比較すると戸建てが8割を超える
総務省統計局の「平成30年住宅・土地統計調査」によると、全国では戸建て比率が81.4%、共同住宅比率(マンション)が17.4%と戸建ての割合が圧倒的に多くなっています。以下のグラフは同調査から独自に作成したグラフとなります。
日本の戸建て信仰の強さや近年のマンション価格高騰が背景にあると考えられます。マンションは賃貸を含めると割合が大きくなると考えられますが、購入先の選択肢としてはやはり戸建てが多いと言えるでしょう。
年齢によってマンションと戸建ての購入割合は異なる
戸建てとマンションは年齢によっても変わることがわかっています。25歳未満の所有比率を見ると戸建てが37.70%、マンションが61.3%とマンションが多くなっていますが、25~34歳では戸建てが77.96%、マンションが21.39%と割合が逆転しています。
※総務省の平成30年住宅・土地統計調査より独自に作成
25歳未満と独身世帯が多い年代ではマンションの割合が60%以上を占めていますが、25歳以降で結婚や出産を控えている年代に差し掛かると戸建ての割合が逆転していることがわかります。
それぞれのライフステージによっても戸建てにするかマンションにするかの選択が異なるため、将来的にどのようなライフプランを見据えているかによって戸建てかマンションか検討していきましょう。
戸建てとマンションの割合について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
住居比率で比較すると戸建てが多い
20代など特定の年代ではマンションの方が多い
戸建てかマンションかどっちか決められない場合は?
本記事では戸建てとマンションでどちらを選ぶべきか解説してきました。戸建てもマンションもそれぞれメリットやデメリットがあり、自分がどこの優先順位を置くかによって住宅の選び方は変わってきます。
したがって、戸建てかマンションかを考える時に最も意識しておきたいポイントとして、自分の年齢や年収、世帯人数や希望条件とマッチしている物件はどれかという視点を持つことです。しかし、自分の目だけで自分にピッタリの物件を探し出すのはなかなか簡単ではありません。
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戸建てとマンションについてもっと踏み込んで比較したい方はこちらの記事もご覧ください。
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