日常的に車を利用している人にとって、駐車場があるかどうかはマンションを選ぶ際の重要な判断基準のひとつです。
いざマンションの契約をしたあとで、駐車場関連の不備やネックに気付くことのないように、マンションに備わっている駐車場に関しては事前にしっかりと確認しておかなければなりません。
本記事では、マンションによく見られる駐車場のタイプや、駐車場の賃貸方式と分譲方式の違い、マンションの駐車場事情などについて解説します。マンションの購入の際に知識としてお役立てください。
マンション駐車場は必ず利用できるの?
マンションの駐車場は必ずしも利用できるとは限りません。マンションの駐車場について、建築基準法上では駐車場の設置義務はないとされています。しかし、自治体によって多くのマンションが条例で駐車場の設置や駐車台数が規定されています。マンションの駐車場の利用が必ずしも利用できない理由は以下の2点です。
- 駐車場の台数が少ない都市部では利用できないこともある
- 駐車場利用を1戸1台と制限してるマンションもある
駐車場の台数が少ない都市部では利用できないこともある
都市部は土地の価格が高いこともあり、戸数に対して駐車台数が少なくなるケースも少なくありません。一方で地方は都市部と違い、戸数に対して100%以上の駐車台数を設けているマンションが多くあります。地方の市区町村は100%以上の駐車台数を設けるよう指導されていることが多いからです。そのため、都市部ではマンションの駐車場を利用できない可能性もあるため事前に利用可能か調べておきましょう。
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駐車場利用を1戸1台と制限してるマンションもある
車を複数台所有している場合はマンションによっては1台しか契約できないとこもあります。たとえ、駐車場に空きがあった場合でも複数契約ができない可能性があるため、車を複数台所有している方は、マンションを購入する前に複数契約が可能か確認しておきましょう。マンション駐車場の空き事情問題
マンションを購入する際の条件として、駐車場の利用が必須としている方もいるかもしれません。しかし、近年では車を所有せずにレンタカーの利用増加や車離れの理由などから、マンションの空き駐車場問題がでてきています。この章では、新築マンションにおける駐車場の設置率の状況や車離れなどによる空き駐車場の問題点についてお伝えします。
地域別でみるマンション駐車場の設置率
東京カンテイの調査によると2015年の新築マンションにおける駐車場の設置率は以下のとおりです。【新築マンションの駐車場の設置率上位10位】
地域 | 駐車場設置率 |
---|---|
東京都 | 24.5% |
京都府 | 33.0% |
神奈川県 | 52.0% |
埼玉県 | 54.7% |
大阪府 | 56.6% |
兵庫県 | 63.3% |
和歌山県 | 64.3% |
千葉県 | 64.8% |
奈良県 | 73.3% |
滋賀県 | 77.1% |
東京カンテイの調査によると、新築マンションにおける駐車場の設置率で最も低いのは東京都の24.5%です。次いで京都府の33.0%、神奈川県の52.0%となっています。
【新築マンションの駐車場の設置率下位10位】
地域 | 駐車場設置率 |
---|---|
沖縄県 | 136.6% |
山口県 | 123.5% |
鳥取県 | 120.0% |
島根県 | 118.0% |
大分県 | 115.4% |
宮崎県 | 114.4% |
佐賀県 | 114.0% |
三重県 | 113.1% |
岐阜県 | 111.7% |
群馬県 | 111.6% |
引用元:東京カンテイ
一方、最も駐車場の設置率が高いの沖縄県の136.6%です。次いで山口県123.5%、鳥取県の120.0%となっています。首都圏や近畿圏の駐車場の設置率が低い理由は駐車場代が高いことや移動手段が車でなくJRや各私鉄などの公共交通機関を利用している人が増加しているからです。
車社会が根付いている県や公共交通機関が都市部と比べて整備されていない県などは駐車場の設置率は100%を超える傾向があります。
マンションの空き駐車場の問題点
駐車場がマンションの共用部分に所属する場合は、駐車場利用者は毎月管理組合に駐車場代を支払います。支払った駐車場代はマンション管理費や修繕積立金に充当されます。つまり、マンションの駐車場代は管理組合の収益なため、駐車場が埋まらないと大規模修繕をする際に修繕積立金の費用が足りなくなる可能性があるのです。
現在、車離れの理由などからマンションの駐車場が埋まらないと悩む管理組合が増えてきてます。管理組合はコインパーキングなどの外部貸しの対策をとってたりしますが、マンションの敷地に外部の人の出入りが多いと入居者にとってセキュリティ面で不安視されているのが現状です。
マンション駐車場の空きがない場合の対処法
マンション駐車場の空き状況については、前述したとおり車離れの理由からマンションの駐車場が埋まらないと悩む管理組合が増えてきているのが現状です。しかし、地域やタイミングによっては駐車場に空きがない可能性もあります。この章では、マンションを購入して駐車場に空きがない場合の対処法について紹介します。周辺付近の駐車場を探す
マンションを購入して駐車場に空きなかった場合は周辺付近の駐車場を歩きながら探してみることです。たとえば、周辺付近のマンションで月極駐車場として貸し出しているマンションもあります。駐車場を歩いて探してみるということはインターネットには載っていない駐車場を見つけることができる可能性があるのです。また万一、周辺付近で駐車場を見つけたとしても管理会社がわからない可能性もあるので契約はすぐにはしないようにしてください。
そのため、駐車場を見つけた際はどこの管理会社かを確認してから契約するようにしましょう。
不動産会社に相談する
最寄り駅の不動産会社に相談することで周辺付近の駐車場の空き情報を得ることができます。特に大手の不動産会社であれば、不動産会社自体が駐車場を取り扱っている可能性もあります。そのため、マンション購入後に駐車場に空きがなかった場合は不動産会社に相談するようにしましょう。インターネットで探す
インターネットで一時的に月極駐車場を探すこともできます。インターネットで駐車場を探す理由としては安い駐車場を探すことができる、不動産会社に相談しに行かなくてもすぐに駐車場を見つけることができる可能性があるからです。また、不動産会社を通して駐車場を契約してしまうと仲介手数料が発生するため、安く一時的に駐車場を探す場合はインターネットで探すのがよいでしょう。
マンション駐車場には2つの方式がある
マンションには賃貸と分譲がありますが、同様に駐車場にも賃貸方式のものと分譲方式のものがあります。
それぞれの方式の特徴について詳しく解説していきます。
賃貸方式では駐車場を借りて利用する
賃貸マンションでは部屋を借りて住むように、賃貸方式の駐車場でも住民がマンションの管理組合から駐車スペースを借りて利用します。そもそも賃貸方式とは、駐車場はマンションの共用部分に所属することになり、区分共有者全員の共有となるので、駐車場利用者が毎月管理組合に支払っている管理費や修繕積立金で維持される形となります。
もちろんマンションによって駐車場を借りるための金額は異なり、なかには駐車場代が無料のマンションもあります。また、在庫証明書が欲しい人は管理組合に申請して管理組合理事長に記名押印が必要です。
分譲方式では駐車場を購入して利用する
分譲方式では駐車場を実際に購入して利用する形になり、賃貸方式の駐車場がマンションの共用部分に所属するのに対して、分譲方式の駐車場は区分所有者の専有部分に所属します。賃貸方式とは異なり、管理組合から借りるという形で利用しているわけではないため、毎月の利用料を支払う必要はありません。
ただし、マンションを購入する際の費用に駐車場の購入代金や登記費用などが上乗せされることになり、毎年税金として駐車場部分の固定資産税や都市計画税を支払う必要があります。
駐車場を自分のものとして利用できるため、車を停めるスペースの心配をしなくてもよくなるというメリットと、毎年税金を支払う必要があるというデメリットを天秤にかけたうえで、利用するかどうかを決めるようにしましょう。
なお、最近では分譲マンションでも分譲方式の駐車場を備えているところはあまりなく、ほとんどが賃貸方式の駐車場となっています。
マンション駐車場は3種類
マンションに設置されている駐車場のタイプは、大きく分けて3種類あります。- 平面駐車場
- 自走式立体駐車場
- 機械式立体駐車場
東京カンテイの調査では、マンションにおける駐車場の種類の普及状況は以下のとおりです。
引用元:東京カンテイ
この章では、各駐車場のメリットやデメリットについて解説します。
平面駐車場はマンションに最も多い駐車場
平面駐車場は、マンション内の敷地を舗装して作られているもっとも一般的な駐車場であり、平置き駐車場とも呼ばれます。マンションの入居者の多くが車の出し入れが楽な平面駐車場を選択する傾向があります。平面駐車場のメリットやデメリットをまとめると以下のとおりです。平面駐車場のメリット | 平面駐車場のデメリット |
---|---|
車の出し入れが簡単 | 被害に遭いやすい |
車高に左右されにくい | 地域によっては駐車台数が少ない |
平面駐車場のメリット
平面駐車場は車種や車高などによらず、どのようなタイプの車でも利用できるのが大きなメリットです。また、後述する機械式立体駐車場にあるような操作盤がなく簡単に車の出し入れができることや、メンテナンス費用がほとんどかからない分、利用料も低めに設定されていることもメリットの一つです。
平面駐車場のデメリット
マンションの1階部分の一部を駐車場スペースとして利用しているところもあるものの、平面駐車場は屋外で屋根がないことが大半なので、雨風によって車が汚れやすいことは、デメリットと考えられます。また、広いスペースがなければ平面駐車場は作れないので、都市部のマンションが平面駐車場を採用している場合、駐車場の設置台数は少なめになっていることが多いです。
マンションによっては、平面駐車場と機械式立体駐車場の両方を設けて、入居者が好きなほうを選択できるようにしているところもあります。
しかし、車の出し入れが楽な分だけ入居者からの人気が高い平面駐車場のほうが、利用料は高めに設定されていることが多いです。
自走式立体駐車場は大型マンションに多い駐車場
自走式立体駐車場は、大型のショッピングモールなどでよく見るような、自分で車を運転しながらスロープを上り下りして駐車スペースに向かうタイプの駐車場です。自走式立体駐車場のメリットやデメリットは以下のとおりです。自走式立体駐車場のメリット | 自走式立体駐車場のデメリット |
---|---|
車の出し入れが簡単 | 車高制限がある |
屋根付きなので車体が汚れにくい | 利用料が高い |
自走式立体駐車場のメリット
自走式立体駐車場は地下に作られる場合もあればマンションとは別の棟として建設される場合もありますが、いずれのタイプにせよ、屋根があるというのが自走式立体駐車場の大きなメリットです。雨風に直接さらされにくいので車体が汚れにくいですし、荒天時の車の乗り降りも行いやすいです。駐車スペースまで直接車を運転していくので、入庫や出庫がすぐに行えることや、平面駐車場よりも駐車台数を確保しやすいことも、自走式立体駐車場の特徴と言えるでしょう。
自走式立体駐車場のデメリット
自走式立体駐車場は天井の高さによっては車を停められない可能性があります。また、屋根があることが自走式立体駐車場の大きなメリットではあるのですが、最上階には肝心の屋根がないので、平面駐車場と同じ条件での駐車になってしまいます。建設費などの関係から、平面駐車場よりも利用料金が高めに設定されていることが多いです。高めの利用料金を支払っておきながら平面駐車場と同じ条件で駐車しなければならないため、納得いかない方もいるかもしれません。
機械式立体駐車場は都市部でよくみる駐車場
機械式立体駐車場は自走式立体駐車場と同じく立体型の駐車場ですが、駐車場まで自走せずに機械を利用して車の出し入れを行います。また、機械式立体駐車場は地上二段式、ピット二段式、昇降式などさらに細かく分類されます。機械式立体駐車場のメリットやデメリットは以下のとおりです。機械式立体駐車場のメリット | 機械式立体駐車場のデメリット |
---|---|
被害に遭いにくい | 車の出し入れに時間がかかる |
車体が汚れにくい | 利用料が高い |
機械式立体駐車場のメリット
機械式立体駐車場はどのタイプでも自走式立体駐車場のように屋根があって雨風の影響を受けにくいことが大きなメリットです。また、車を出し入れするのに自走する必要がないので、ほかの車にぶつけたりぶつけられたりする心配がないことや、械を操作しなければ車を出し入れすることができないので、盗難やいたずらなどの被害にあいにくいということも見逃せません。
機械式立体駐車場のデメリット
機械式立体駐車場は機械を用いる分だけ車の出し入れに時間がかかることをデメリットに感じる方もおられるようです。また、駐車できる車のサイズに制限があるので、車を買い替える場合は駐車場に停められるサイズのものにしなければなりません。機械で操作するという特徴上、どうしても管理やメンテナンスの費用はほかの駐車場よりもかかってしまうので、利用料金が高めに設定されていることも、ネックになる可能性があります。
マンションの駐車場代の料金相場
マンションにおける毎月の駐車場代は、地域や種類ごとに料金が異なります。都市部は駐車場代の相場は約2万円から3万円程度です。特に東京都の港区や中央区などは約5万円と駐車場代が高いとこもあります。一方、郊外の駐車場代の相場は2千円から5千円程度です。マンションの駐車場代は前述したとおり、駐車場の種類で大きく変わります。平置き駐車場は人気があるため駐車場代は高めに設定されており、自走式立体駐車場は階によって料金が変わってきます。
マンション駐車場のよくあるトラブル例
マンションを購入してから後悔しないためにも事前にマンションの駐車場でよくあるトラブルを知っておくことも大切です。あなぶきハウジンググループの調査によるとよくあるトラブル例は以下のとおりです。- 無断駐車によるトラブル
- 機械式立体駐車場でのトラブル
- 駐車場内でのトラブル
- ライト点灯によるトラブル
- 犯罪や防犯によるトラブル
参考元:あなぶきハウジンググループ
また、国土交通省の「マンション総合調査」においても居住間同士のトラブルで最も多いのが違法駐車によるトラブルとなっています。
引用元:国土交通省
この章ではマンションの駐車場でよくあるトラブル例と対応策について解説していきます。
無断駐車によるトラブル
無断駐車は車両データを管理会社で所持していないため該当車両の特定ができません。もし無断駐車を見付けた場合は車両ナンバー等の情報をメモして管理組合に相談してみてください。マンションによっては無断駐車のトラブルを避けるために来客専用駐車スペースやポールの設置などの対策をとっているとこもあります。機械式立体駐車場でのトラブル
機械式立体駐車場では機械操作ができなくなるといったトラブルが多いです。機械操作ができなくなる理由としては感知センサーが作動して操作ができなくなるからです。そのため、機械式立体駐車場のマンションはメンテナンス費用や修理代が発生することもあり、管理費が高く設定されている傾向があります。マンション選びで駐車場のタイプは見落としがちです。
機械式立体駐車場でのトラブル
平置き駐車場でよくあるトラブルで白線内つまり区画内にうまく駐車することができず、極端に左右どちらかに駐車してしてしまって隣接車両が出れずトラブルになるケースが多いです。また、白線を出て駐車してしまうと隣接車両にドアをぶつけてしまったり、車を出すさいにぶつけてしまう可能性もあります。そのため、トラブルになる前にマンション管理組合や管理会社に相談するようにしましょう。
マンションを買うなら駐車場事情もチェック
マンションの駐車場は、平面駐車場・自走式立体駐車場・機械式立体駐車場の3つのタイプがあり、それぞれでメリット・デメリットが異なります。自分にとって使いやすい駐車場を備えているマンションを選ぶのが、おすすめです。ただし、住戸数に対して駐車台数が少ないと駐車場を利用できない場合がありますし、複数台の駐車ができずに外部の駐車場を契約しなければならないような場合もあります。
駐車場に関わる決まりはマンションごとに異なります。とくに駐車スペースをシェアして貸し出したい場合などは、マンションの管理規約に違反しないかどうか、必ず確認しておきましょう。
また、マンション購入時に考えておくべきことは、駐車場についてだけではありません。間取りや室内設備、周辺環境についてもしっかりと考慮したうえで選ばないと、後悔の残るマンション購入となってしまうかもしれません。
さらに、マンションを購入しようと思っている方の中には、
- 物件が多すぎてどれを選んだらいいのかわからない
- 不動産会社に連絡したら電話営業されそうで嫌だ
- 自分の個人情報が不動産会社に知られたら営業されそう
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他にも、詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
ペントハウスとはどういう意味?間取りや購入のメリットとデメリットを徹底解説!