マンションを購入しようと考えている人の中には、自分に合った理想の間取りの見つけ方がわからないという方も少なくないと思います。
自分に合った理想の間取りを見つけるには、間取り図の見方から部屋ごとのチェックポイント、それから間取りのタイプなどを知っておく必要があります。
そこで今回の記事では、自分に合ったマンションの間取りの見つけ方から人気の間取りまで解説していきます。
マンションの間取りの基礎知識
まずは、マンションの間取りを見る時の基礎知識について解説していきます。基本的な見方から、生活動線・廊下のタイプなど別の切り口から間取りを読み解くにはどうしたらいいかについて解説していきます。部屋の向き・広さを確認する
まずマンションの間取りでまずチェックしたいのは部屋の向きです。
南向きであれば日当たり良好で冬も室温を高く保つことができるというメリットがありますし、価格を意識するなら北向きも選択肢に入ってくるでしょう。間取り図に入っている方位記号はNの方が北側、その反対が南です。
次に、間取り図から部屋の広さを確認しましょう。間取り図に示された部屋の広さを表す単位としては「㎡(平米)」と「畳(帖)」の2つが存在しています。1畳は1.62㎡という決まりがあるので、居室の平米数がわかったら1.62で割ることで算出することができます。
マンションの向きの選び方について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
マンションの方角を選ぶときのメリットとデメリットを比較!
部屋のタイプを確認する
チラシやインターネットに掲載されている間取り図には「1K」や「3LDK」などの表記が記載されています。以下の表は間取り図の名称の一覧表です。
間取りの名称 | スペースの内容 |
---|---|
最初の数字 | 居室の数を表しています。3LDKなら、「3つの居室と、LDKの間取り」ということになります。 |
L:リビング | リビングルームで、居間のことです。 |
D:ダイニング | リビングとは違い、主に食事をするスペースを示します。 |
K:キッチン | キッチン、台所です。 |
S:サービスルーム | フリースペース(物置など)として使えます。「洋室」などとしてカウントされない理由は、建築基準法の採光条件などを満たさないため、サービスルームと記載されています。 |
CL:クローゼット | 収納棚。衣類や家具などを収納することができる空間です。 |
UB:ユニットバス | 浴室。よく「トイレと風呂が一緒になった浴室」と勘違いされますが、本来の意味はあらかじめできたパーツを現場で組み立てるバスルームという意味です。 |
DEN:デン | 書斎など趣味を楽しむための部屋。特に広さや形、最高の基準はありません。 |
WIC:ウォークインクローゼット | 歩いては入れるほど広いクローゼットスペース。 |
例えば、以下の間取りなら4つの居室とリビング・ダイニング(L・D)、そしてキッチンが一つついている間取りなので、4LDKの間取りということになります。
「1R」と「1K」の違い
1Rはワンルームのことで、キッチンとの間に仕切りがなく、居室と一体になっている間取りのことをいいます。
一方、1K(ワンケー)の場合は部屋とキッチンの間に壁や扉で仕切りがあり、居室は別で丸々使うことができるので、1Rと比べてゆとりのある間取りになっています。
1Rの方が1Kと比べて安いケースが多く、いずれもコンパクトな間取りとして一人暮らしの方に人気です。
「DK」と「LDK」の違い
DKはダイニングキッチンの略で、LDKはリビング・ダイニング・キッチンの略となります。1DKの場合、台所と食事スペースを兼ね備えた1部屋に寝室1部屋がついた間取りとなります。
1LDKでは、1DKにプラスしてリビングが1室あるので、収納スペースや間取りによっては夫婦と小さい子供の3人暮らしも十分可能でしょう。
1DKは4.5〜8畳、1LDKは8畳以上となり、1DKの方が価格が安い傾向にあります。
「SLDK」「LDK+S」のSはサービスルーム
LDKに加えて「S」と表記がある場合があります。この「S」はサービスルームのことを指し、リビング・ダイニング・キッチンに加えてもう一室サービスルームが付いているパターンの間取りです。
サービスルームは「納戸(なんど)」などと呼ばれることもあり、居間として認められないものの収納スペースなどに使用できる部屋のことを指します。
サービスルームの大きさはまちまちで、クローゼット程度のものから通常の今程度のものまで種類は様々。中にはロフトをサービスルームとして記載している物件もあります。
一口にサービスルームといっても物件ごとに仕様が大きく異なるため、検討する際は内容をしっかり確認するようにしましょう。
廊下のタイプから間取りを確認
また、マンションの共用廊下は大きく分けて外に廊下が面している外廊下と、ホテルのように両サイドに部屋が並んでいる中廊下の二つのタイプがあります。
外廊下の間取りは、廊下側の居室の窓とベランダ側の窓を開ければ、部屋の中を風が通り抜けやすくなります。また、廊下側の窓を開ければ外の光も入ってくるため日当たりという面でもメリットがあるでしょう。
一方で、外廊下に面した窓を開けると同じマンションの住民が外を通る可能性もあるのでプライバシーの観点で若干でメリットにはなるでしょう。
中廊下の間取りは断熱性が高いことやプライバシーが守られやすいなどのメリットがあげられます。人が通る廊下の窓を開けることに強い抵抗感がある方は、中廊下のタイプのマンションを選びましょう。
風通しのなどの観点で見るとやはり外廊下タイプのマンションに分があるので、風通しや日当たりを重視したいなら外廊下を、また断熱性やプライバシーを重視したいなら中廊下を検討してみてはいかがでしょうか。
マンションの外廊下と内廊下についてはこちらの記事をご覧ください。
【ライフステージ別】マンションの間取りの考え方
続いて、マンションの間取りの考え方についてみていきましょう。ここでは、4つのライフステージ別にそれぞれ解説します。
- 子どものいない夫婦のマンション生活
- 小学生までの子育て期のマンション生活
- 中学生〜大学生の子どもがいるマンション生活
- 子どもが独立した後のマンション生活
子どものいない夫婦のマンション生活
子どものいない夫婦がマンションで生活する場合、1LDKもしくは2LDKの間取りがおすすめです。
1LDKでも十分快適に暮らすことが可能ですが、リビングと寝室以外に仕事部屋などの作業スペースが欲しい場合や、よりゆとりを持って生活したい場合は2LDKを選ぶと良いでしょう。
3LDK以上になると、大人2人で暮らすにはやや広くなりすぎてしまうパターンが多いようです。
小学生までの子育て期のマンション生活
小学生までの子育て期のマンション生活には、2LDKの間取りがおすすめ。1LDKでも物件によっては十分暮らせますが、場合によってはやや狭く感じてしまうケースもあります。
小学生に上がる前までは目の届く範囲で子供の面倒を見る必要があるため、リビングやダイニングの一角に子供用のスペースを作る家庭が多いようです。
子供が2人以上いる場合は、人数に合わせて2LDKよりも広い間取りで検討しても良いでしょう。
中学生〜大学生の子どもがいるマンション生活
ある程度子どもが大きくなると、子ども部屋が必要になるケースが多いです。
中学生〜大学生の子どもがいるマンション生活では、2LDK〜3LDKがおすすめ。3人家族のスタンダードな間取りは2LDK、4人家族のスタンダードな間取りは3LDKであるといわれています。
2LDK以上であれば、リビングのほかに子供部屋として1室、夫婦の寝室として1室を充てることができるでしょう。
子どもが独立した後のマンション生活
子どもが独立した後のマンション生活では、1LDKもしくは2LDKの間取りがおすすめです。
2LDKや3LDKのマンションで、子供が独立した後も同じ部屋を使い続ける場合には、かなり広々と暮らすことができるようになります。
広すぎると感じる場合は再度引っ越したり、2人用の住まいとして新たなライフスタイルに合わせてリノベーションしたりすると良いでしょう。
理想のマンションの間取りの探し方
間取り情報を収集するには大きく分けて3つの方法があります。- 折り込みチラシなどの広告
- モデルルームに行く
- インターネットを使って探す
それぞれ具体的に解説していきます。
折り込みチラシなどの広告を集める
1つ目の方法は、折り込みチラシや新聞広告などを集めて間取り情報を収集する方法です。
折り込みチラシや新聞広告は、現在住んでいる地域でマンションを探しているなら、新着物件の役立つ情報源として使えるでしょう。
一方で、折り込みチラシや新聞広告などは無差別に配布されるため、内容が自分に合っているかわからないのと、件数が多くゴミが増えるデメリットもあります。
モデルルームに行く
2つ目の方法は、モデルルームなどを直接見学に行く方法です。
実際に足を運んでみることで、間取り図を見ているだけではわかりづらい実際の広さや居心地などを体感することができます。内装や造りなどを実際の肌感覚で掴むことで、理想の間取りを探しやすくなるメリットがあります。
一度に見学できる件数は限られている場合が多いため、絞り込みの場として利用すると良いでしょう。
インターネットを使って探す
3つ目の方法は、物件ポータルサイトやディベロッパーサイトなどのインターネットを使って間取り情報を収集することです。
しかし、物件ポータルサイトが現在売りに出ている物件しか閲覧できないのと同様に、ディベロッパーサイトも自社の物件しか掲載されていません。
そのため、インターネットを使って間取り情報を収集するならHousii(ハウシー)がおすすめです。
ここでは参考までに具体的な使い方を簡単に紹介します。
ステップ①:興味のあるエリア・路線を選ぶ
まずは、興味のある都道府県もしくは路線をお選びください。
ステップ②:こだわり条件から自分に合った間取りを検索
探すエリアを検索したらこだわり条件から希望の間取りを検索することができます。
上記のようなマンション一覧ページが表示されますので、一番下までスクロールしてください。
ステップ③:間取りごとの広さや価格もチェック
物件一覧から気になるマンションを選ぶと、過去の成約事例から間取りごとの価格や広さを閲覧できます。
また、気になる物件があれば間取り情報を問い合わせることも可能です。
その他にもみられる情報は以下の通り。
- 交通事情
- 近隣エリアとの比較
- 選択エリアでのマンション購入のコツ
マンションの間取りを提案してもらうこともできる
理想の間取りを見つけるには、自分で探すだけではなく不動産会社に代わりに探してもらうという選択肢もあります。
まだ不動産会社に問い合わせるのはまだ早いという方は、匿名で希望の間取りを伝えれば専用チャットで間取り情報が届くHousii(ハウシー)がおすすめです。希望条件を登録しておくと提携している不動産会社から条件に合った物件を提案してもらえるので、待っているだけで理想の間取りを見つけることができます。
Housiiの使い方は以下の4ステップです。
- 無料会員登録をする
- 基本の希望条件を選ぶ
- 築年数などのこだわり条件があれば選択
- あとは物件提案を待つだけ
ポータルサイトでは入力できない細かい希望条件も自由に入力することができるので、理想の間取りがどんな間取りかわからないという方にもおすすめです。
部屋・スペースごとの間取りのチェックポイント
自分や家族のライフスタイルに合った間取りを考える際には、家族構成やライフスタイルに合った動線や部屋と部屋のつながりなどを具体的にしていく必要があります。
そこで第3章では、玄関からベランダまでそれぞれの部屋のスペースごとの見るべきポイントについて紹介していきます。それぞれの間取りでどのような点に注目していけばいいかについて確認していきましょう。
玄関はスペースに余裕があるかが大事
多くの時間を過ごすわけではないものの、毎日必ず使うスペースである玄関は大人二人が立っても余裕ができる広さであるかどうかを見ておきましょう。理想的な広さは、玄関に収納したいものの種類や量に合ったスペースがあるかどうかや靴やコートを脱ぐスペースがあることです。
また、ファミリー世帯でのマンション購入を検討している場合は、家族全員分の靴が収納できるかどうかも重要なポイントでしょう。
家族のライフスタイルに合ったリビング・ダイニング
家族の毎日の食事や団らんの場となるダイニングは、家族のライフスタイルや考えられる使用目的と合っているかどうかで判断しましょう。
例えば、夫婦それぞれの時間を尊重したいDINKS世帯ならリビング・ダイニングはそこまで広くなくても問題ありませんが、逆にお客さんを招くことが多い場合や子度がいる過程ではコミュニケーションの場として広さが重要になります。
また、キッチンや浴室、それぞれの居室への動線が悪くないかも重要なポイント。間取り図を見ているなら、線を引いてみて動線が悪くないかをシミュレーションしてみましょう。
浴室・洗面所は動線を工夫しよう
浴室や洗面所について考えるなら、朝などの家族が集まる時間帯に動線がつぶれないかをチェックしておくことが重要です。ベランダやリビングダイニングに行きやすい間取りかどうかチェックしておくようにしましょう。
また、脱衣室のスペースやタオルや下着などを収納できるスペースがあることも重要です。
キッチンのタイプで家事動線が変わる
キッチン周りを見る時は、ワークトライアングルを見ておきましょう。水まわり・火まわり・冷蔵庫の3点を結ぶとできる三角形(トライアングル)が正方形に近いほど、使いやすいキッチンと言われています。
また、リビングダイニングと対面しているオープンキッチンは家族とのコミュニケーションをとりながら家事ができる間取りと言えるでしょう。
収納スペースも忘れずに
間取り図を見ていると普段生活するスペースにだけ目が行きがちですが、家族の衣服やものが収納できるスペースがあるかどうかも重要です。
クローゼットだけではなく、サービスルームなどがあれば収納スペースの多い間取りと言えるでしょう。
毎日を充実させるベランダ・バルコニー
間取りというと室内だけを意識してしまいがちですが、室外のベランダ・バルコニーも重要です。違いは屋根があるかないか(屋根があるのがベランダ)ですが、ルーフバルコニーという下の階の屋根(ルーフ)をバルコニーとして使う場合もあります。
ベランダ・バルコニーは洗濯物を干すのに必要なスペースがあるかや、リビングとの動線にも配慮しながらチェックしてみましょう。また、広さに余裕のあるルーフバルコニーはお茶をしたり読書をしたりと生活を充実させてくれます。
遮光や通風にも影響するスペースと言えるため、家事だけではなく普段の生活を充実させてくれるのがベランダ・バルコニーと言えるでしょう。
最後に、上で紹介してきたチェックポイントを一覧表にしましたので、間取り図や内覧に行く際は以下のポイントに注意して間取りを見てみましょう。
マンションで人気の間取り7選
何となく自分に向いているマンションの間取り図をイメージ出来始めている方も中に入るかもしれませんが、第4章では人気のマンションの間取り例7選を紹介していきます。
ほとんどのマンションがこの5つのパターンに当てはまる間取り図なので、自分好みのマンションの間取り図が何かあらかじめはっきりとさせておきましょう。
広いルーフバルコニーのある間取り
下の階の屋上を屋外スペースとしてとっているルーフバルコニーのある間取りは、いすやテーブルを置いて屋外での時間を楽しんだり、洗濯物なども干しやすいことから人気の間取りとなっています。
また、日当たりや眺望の良さも魅力の一つで、開放感抜群の間取りと言えるでしょう。
(イエナカ手帖より広いルーフバルコニーのある分譲マンションの間取り画像を引用)
アイランドキッチンのある間取り
その名の通り島のように独立しているキッチンであるアイランドキッチンのある間取りも人気の間取りとなっています。リビングに面しているアイランドキッチンは料理をしながらでも家族とのコミュニケーションが取れるため人気の間取りとなっています。
(イエナカ手帖よりアイランドキッチンのある分譲マンションの間取り画像を引用)
全居室がリビングと面した間取り
マンションの四方のうち2面がバルコニーに面していて、間取り図でみると三部屋が縦につながっていることが多いタイプの間取りです。り全居室がリビングと通じているので、家族間のコミュニケーションがとりやすい間取と言えるでしょう。
イエナカ手帖より全居室がリビングと面した分譲マンションの間取り画像を引用
ファミリークローゼットのある間取り
ファミリークローゼットのある間取りは、趣味や仕事の影響で広めのクローゼットを探している人や世帯人数の多い家庭に人気の間取りです。場合によってはサービスルームを物置として使うこともありこちらも人気の間取りとなっています。
浴室がバルコニーに面した間取り
浴室がバルコニーに面している間取りであれば、夜空を見ながら入浴出来たり開放感を味わうことができます。また、観葉植物などでバルコニーを囲めば、入浴時によりリラックス出来るということもあり、浴室がバルコニーに面した間取りも人気の間取りとなっています。
イエナカ手帖より浴室がバルコニーに面した分譲マンションの間取り画像を引用
玄関に土間のある間取り
マンションでも玄関部分に自転車や子供の遊び道具などを置くスペースである土間のついている間取りは人気の間取りとなっています。玄関にちょっとしたスペースがあることで、趣味などで物を置くスペースが必要な方には便利な間取りです。
リビング・ダイニングが全面バルコニーに面した間取り
タワーマンションに多く見られる間取りではバルコニーに面した部屋が多く設けられており、外への眺望が開けている部屋のタイプの間取りです。
間取り図だと見づらいですが、リビングダイニング含めたすべての部屋が窓やバルコニーに面していて、採光性・眺望ともに高いのが特徴となっています。
イエナカ手帖より全居室がバルコニーに面した分譲マンションの間取り画像を引用
中古マンションを購入する際の注意点を知りたい方はこちら
理想のマンションの間取りを見つけよう
ここまでマンションの間取り図の読み方から人気の間取りまで紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。マンションの間取りを考える時に意識しておきたいポイントは、ライフスタイルだけではなく自分の年齢や年収、その他の希望条件とマッチしている間取りはどれかという視点を持つことです。
しかし、自分の目だけで自分にピッタリの物件を探し出すのはなかなか簡単ではありません。
そのため、物件探しをするなら自分の感覚で物件ポータルサイトを見るのではなく、プロからの提案をもらうことが重要です。Housii(ハウシー)なら匿名で利用出来て、戸建て・マンション含めて複数の不動産会社からあなたにピッタリの物件提案が届きます。匿名だから、電話がくる心配もありません。
また、自分ならどっちが向いているかチャットで気軽に相談することもできるので、初めての家探しを安心して進められます。自分に合った物件を探すなら、まずはHousiiでどんな物件提案が届くのか確かめてみませんか。
※本文中に掲載している間取り図は「イエナカ手帖」より引用してきています。
記事のおさらい