一軒家の購入は人生の中でも大きな買い物になるため、ほとんど場合は住宅ローンを利用して購入することが多いでしょう。
購入予算は年収の3~5倍までが適切な範囲と言われていますが、実際世の中の人はいくらくらいの物件を購入しているのでしょうか?
今回は、一軒家購入に必要な初期費用の内訳や維持費などについて、詳しく解説します。後半では一購入の流れや購入会社の選び方についてもご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
また、初めて家を購入するという方はこちらの記事もご覧ください。
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一軒家の平均購入価格・相場
住宅金融支援機構の調査による、2019年度フラット35建売住宅融資利用者、中古戸建て融資利用者の住宅購入価格は次の通りです。全国平均 | 首都圏平均 | |
---|---|---|
建売住宅 | 3,494万円 | 3,915万円 |
中古戸建て | 2,574万円 | 3,162万円 |
フラット35を利用した建売住宅の平均購入価格は、全国平均で3,494万3,000円となっています。一方、首都圏の住宅購入価格の平均は3,915万1,000円で、全国平均よりも420万8,000円高いという結果が出ています。[注1]
続いて、中古戸建ての住宅購入価格を見てみると、全国平均2,574万円、首都圏平均3,162万7,000円と、全国と首都圏でおよそ588万円もの価格差がありました。
[注1]住宅金融支援機構:2019年度フラット35 注文住宅融資利用者のの主要指標
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一軒家を購入する人の平均年収は717万円
国土交通省「令和元年度 住宅市場動向調査」によると、一軒家を購入する世帯の平均年収は、注文住宅で744万円、分譲戸建て住宅で688万円、中古戸建て住宅で720万円となっています。注文・分譲戸建て・中古戸建てすべてを合わせた全体的な全国平均は、およそ717万円です。[注2][注2]国土交通省:令和元年度 住宅市場動向調査「2.3.3 世帯年収」
年収の3~5倍までの価格で購入しよう
一軒家を購入するときに考えばければいけないのが、収入に見合った購入可能価格を設定することです。一般的に、一軒家の適切な予算は年収の3~5倍までといわれています。年収700万円の世帯なら、年収の3倍で2,100万円、5倍で3,500万円ということになります。年収の3倍なら支払い負担を減らし、無理のない生活を送れますが、2,100万円で購入できる一軒家となると、首都圏では選択肢が狭くなるでしょう。一方、年収の5倍である3,500万円まで予算を上げれば、支払い負担は大きくなりますが、選べる家のグレードも上がります。
無理をして年収の6倍、7倍もする一軒家を購入した場合、その後の生活が苦しくなり、最終的に家を手放さなくてはいけなくなるケースもあります。反対に、予算を切り詰めすぎるのもよくありません。部屋が狭い、立地が悪いなど、住み始めてからさまざまな不便を感じ、「もっと良い家にすればよかった」と後悔する可能性があるからです。
自分の収入から、適切な購入価格を計算しましょう。
一軒家購入で必要な頭金と初期費用
物件価格だけでなく、頭金や購入に際して必要となる初期費用も抑えておきましょう。ここでは、一軒家を購入する際の頭金の目安や、一般的な初期費用の相場についてご紹介します。
購入価格の25~30%が必要
一軒家の購入は高額な買い物になるため、ほとんどの人は住宅ローンを利用します。全額住宅ローンを借りるケースは少なく、基本的には物件価格の何割かを「頭金」として支払い、残りを月々のローンで返済していきます。
また、一軒家を購入する際は、頭金のほかに手付金や仲介手数料、印紙税など、さまざまな初期費用が必要です。
頭金、初期費用あわせて、購入価格の25~30%かかると把握しておきましょう。
必要な初期費用とその内訳
一軒家を購入する際に必要な初期費用は、建売住宅や中古戸建てで購入価格の6~8%、注文住宅で10~12%程度かかります。その内訳は次のとおりです。手付金 | 物件価格の5~10% |
---|---|
印紙税 | 物件価格1,000万~5,000万円以下で1万円※ |
登記費用 | 固定資産税評価額×0.4%(新築住宅の場合) |
仲介手数料 | 物件価格×3%+6万円+消費税※(売買価格400万円以上) |
その他 | 住宅ローン諸費用など |
※軽減措置後の金額
手付金とは、住宅の売買契約の際、売主へ支払うお金のことです。売買契約後には物件の購入費用に充てられますが、契約をキャンセルした場合は戻ってこないため、注意が必要です。
印紙税は、不動産購入の際にかかる税金の1つです。購入する物件の価格によって金額が異なります。
登記費用は「登録免許税」と、司法書士への支払い(10万円程度)です。新築の一軒家を購入する場合は、土地家屋調査士報酬がかかるケースもあります。
仲介手数料は、中古住宅など不動産会社の仲介を通して物件を購入した場合にかかるお金です。一般的には、売買契約締結時に半額、残りは物件の引き渡し完了後に支払います。
頭金は購入価格の2割が理想
物件価格の一部を最初に支払う頭金は、購入価格の1~2割が目安と言われています。住宅ローンの借入額を減らしたいのであれば、2割は支払っておきたいところです。購入価格3,000万円の物件なら、600万円の頭金を支払うことになります。最近では、条件次第で「頭金ゼロ」で物件が購入できる住宅ローンもありますが、その分借入額が増え、先々の返済負担も増えてしまいます。
一軒家購入後にかかる維持費
一軒家購入後は、家を維持管理するために、次のようなランニングコストがかかります。それぞれ詳しく見ていきましょう。毎年かかる固定資産税などの税金関連
建物や土地を所有していると、毎年必ず固定資産税がかかります。年1回の一括支払いか、4回に分割して支払う方法のどちらかを選択できます。固定資産税の計算方法は「固定資産税評価額×1.4%」です。
このほか、一軒家を購入した地域が市街化区域に属している場合は、毎年の固定資産税とともに、都市計画税として固定資産税評価額×0.3%がかかります。
固定資産税評価額は、土地や建物の所在地や形状、広さ、建物の建材(木造、鉄筋コンクリートなど)によって、各自治体が定めた評価のことです。
固定資産税については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
固定資産税はいくら? 自分で計算する方法や税金を安くする方法まとめ
築年数の経過・劣化による修繕費用
建物は経年とともに外壁や屋根、内装などが劣化していくため、定期的な修繕が必要です。新築の場合、築年数10年を過ぎたあたりから、キッチンや浴室、トイレなどの水回りをはじめ、少しつづ修繕が必要な箇所が出てくるでしょう。修繕費用で最もお金がかかる場所は外壁です。修繕の目安は築年数15~20年で、およそ130万~150万程度かかります。このほか、屋根塗装やフローリングの張替え、給水管、給湯器の交換など、一軒家を30年所有したときの修繕費用は、大体600万~800万円程度です。
地震保険・火災保険などの保険料
購入した一軒家が地震や火災などの被害に遭ったときのために、地震保険や火災保険に加入しましょう。義務ではありませんが、一軒家を所有するのであれば、必要な費用といっていいでしょう。地震保険料は満期5年でおよそ10万円程度、火災保険は満期5年でおよそ3万円程度です。加入する保険の種類や保証内容によって金額は変わってきますが、5年間で大体13万~20万円程度かかるのが一般的です。
一軒家購入の注意点
一軒家とマンションにはそれぞれの良さがありますが、一軒家ならではのデメリットを押さえた上で購入を検討するようにしましょう。
ここでは、一軒家を購入する際に注意しておきたいポイントについてご紹介します。
アクセスがよい物件が少ない
土地を有効活用できる集合住宅やマンションは比較的好立地な物件が多く、駅チカや商業施設の周辺の便利な場所に住めるというメリットがあります。対して戸建ては1軒1軒にある程度の土地を必要とするため、建てられる場所が限られてしまいます。したがって、一軒家の場合は郊外や駅から離れたアクセスの悪い物件が多くなりがちなのです。
もちろん、駅チカや商業施設周辺にも一軒家がないわけではありません。しかし、集合住宅と比べて数が限られ、すでに住人が入居してしまっているため、好アクセスな一軒家を手に入れることはなかなか難しいのです。
階段の昇降が大変
近年は平屋の一軒家も多いですが、一軒家というとやはり2階建てや3階建ての物件が人気です。
2階建てや3階建ての一軒家は、フロアごとに使い分けられたり土地を有効活用できたりとメリットが豊富ですが、洗濯物や掃除などの家事動線がストレスになりやすい点がデメリットです。また、高齢になったときに階段の上り下りが難しくなり、2階や3階がデットスペースになってしまう可能性もあります。
維持管理が自己責任で負担が大きい
マンションであれば管理会社がやってくれる維持管理が自己責任になるため、大変。200
セキュリティ対策が必要
独立して建っていて窓が多い一軒家は、集合住宅のマンションと比べると犯罪のターゲットとして狙われやすくなることがあります。また、「2階の窓を締め忘れたままでかけてしまった」などといったうっかりミスも生じやすく、空き巣などに狙われてしまう恐れがあるのです。
マンションは集合住宅でほかの住人の目がありますし、もともと監視カメラやオートロックなどがついている物件も多いです。しかし、一軒家はセキュリティ対策を自分で行わないといけないため、コストが割高になりやすい傾向にあります。
一軒家購入の流れ
一軒家購入の全体の流れと必要な期間はおおよそ以下のとおりです。
- 住宅購入の希望条件を洗い出す(2,3日間)
- 資金計画を立てる(2週間)
- 情報収集をする(2週〜2ヶ月間)
- 住宅購入相談をする(2週間)
- 物件見学を行う(3週間)
- 購入申し込みをする(1日)
- 住宅ローンの事前審査を申込む(2週間)
- 重要事項説明を受ける(1日)
- 不動産売買契約を締結する(1日)
- 住宅ローンの本審査を申込む(2週間)
- 住宅の引き渡しを受けて登記手続きを行う(1日)
あらかじめ流れを確認しておけば物件探しや契約手続きをスムーズに進めることが可能となるので、ぜひ把握しておきましょう。
こちらの記事でも詳しく解説しているので、あわせてチェックしてみてください。
一軒家を購入する会社の選び方
新築の一軒家を探したり購入したりする際には、2つの選択肢があります。1つは、建物の設計・施工は外部委託し、仲介会社として販売窓口になっている不動産会社から購入する方法です。物件を購入した際は、不動産会社に仲介手数料を支払います。もう1つは、建物の設計・施工・販売までを行う、次のような会社から購入する方法です。それぞれ詳しく見ていきましょう。
ハウスメーカー
地場工務店
パワービルダー
メリット
・施工にかかる期間の見通しが付きやすい
・品質が均一化されてる
・最新技術やアフターメンテナンスが充実している
・設計に関する自由度が高い
・比較的安価に購入しやすい
・トラブル時などにすぐ駆けつけてもらいやすい
・手頃な価格で土地付きの一軒家を購入できる
・工期が短い傾向にある
デメリット
・オーダーメイドや自由設計には不向き
・やや物件価格が高い傾向にある
・品質やアフターサービスなどの充実度にバラつきがある
・オーダーメイドや自由設計には不向き
ハウスメーカーの特徴
ハウスメーカーは、住宅に使用される部材を規格化し、大量に工場生産する住宅会社です。効率的なシステムとマニュアル化された工程で、施工にかかる期間などの見通しが付きやすいところ、品質が均一化されてるところが特徴です。独自の最新技術を取り入れていたり、アフターメンテナンスが充実している点もメリットです。一方で、企画内住宅が主流のため、住宅のデザインがある程度決められていることが多いという側面もあります。完全オーダーメイドの自由設計に対応しているハウスメーカーもありますが、通常より建築部材が高くつくことが多いでしょう。
全国展開している大手ハウスメーカーほど莫大な宣伝費や研究費を使用しているため、物件価格が高い傾向にあります。
地場工務店の特徴
地場工務店とは、地域に根ざした事業展開をしている建設会社・工務店のことです。ハウスメーカーに比べて設計に関する自由度が高いところが特徴です。設計は設計会社の建築家に依頼し、出来上がった設計図をもとに工務店が施工するといった方法も可能です。また、宣伝費をかけず、施工も全て自社で行うことから、ハウスメーカーで一軒家を購入するよりも比較的安価な傾向です。地域密着型の工務店であれば、何かあったときにすぐに駆けつけてもらうことも可能でしょう。
公式HPなどで施工実績やアフターサービスの内容をしっかり確認するほか、口コミなどで地元での評判が良い工務店を選ぶのがポイントです。
パワービルダーの特徴
パワービルダーとは、初めて住宅を購入する人を主なターゲットにしている建売住宅の分譲会社です。ハウスメーカー同様、注文住宅よりも企画住宅を中心に展開していることが多く、2,000万~3,000万円の土地付きの一軒家を年間で1,000戸以上分譲するのが特徴です。ハウスメーカーや工務店よりも、手頃な価格で土地付きの一軒家を購入できます。時間や人件費を抑えた施工システムが出来上がっているため、施工体制に無駄がなく、工期が短い点もメリットです。一般的なハウスメーカーの新築戸建て住宅は、工期に90日程度かかります。一方、パワービルダーの標準の工期は49日です。パワービルダーに依頼することで、ハウスメーカーのおよそ半分まで工期を短縮できます。
また、少しでも安く購入したい方はこちらの記事もご覧ください。
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一軒家購入に必要な頭金やそのほかの初期費用は、物件価格のおよそ25~30%かかります。たとえば、3,000万円の物件を購入する場合、750万~900万円の初期費用が必要です。一軒家を購入する際は、世帯収入に見合った購入予算を計算し、無理のない資金計画を立てることが大切です。先々の支払い負担のことを考慮し、購入予算は年収の3~5倍までとしておきましょう。
一軒家の購入方法には、不動産業者を仲介するほか、ハウスメーカーや地場工務店、パワービルダーなど、設計から施工、販売までを行う業者から購入する方法があります。それぞれの特徴を把握し、マイホームへの希望や予算に合わせた業者選びをしましょう。購入をスムーズに進めるために、手続きの流れを把握しておくことも大切です。
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