マンションの購入は人生のなかでも大きな買い物ですよね。特に新築マンションはここ数年相場が上がっていることもあり、できることなら少しでも安く購入したいところ。
とはいえ何も考えず値引き交渉をしても、売り主が首を縦に振ってくれないことも少なくありません。値引き交渉のポイントを理解し、賢く新築マンションを購入しましょう。
新築マンションの値引き相場
新築マンションの購入価格を値引いてもらうこと自体は決して無理な話ではありません。ただし、あまりにも無茶な値引きを要求してしまうと「それはさすがに……」ということで断られてしまう可能性も。
値引き交渉をする前に、どのくらいが相場なのかを知っておくようにしましょう。
値引き相場は平均で0.5割〜1割
実際にどの程度値引いてもらえるのかは不動産会社や物件によって異なりますが、一般的には元の価格の0.5割〜1割程度が相場であるといわれています。
ただし不動産会社や物件によっては値引きが難しい場合も多く、3人に1人程度は交渉を行っても値引きしてもらえない現状があるのも事実です。
値引き額は最大で2割〜3割程度
一方で、最大で2割〜3割程度の値引きが可能なケースもあります。
人気のない物件や売れ残っている物件の場合は、販売会社側としても早く売り切ってしまいたい背景があるので、多少無理を言っても耳を傾けてもらえる可能性が高いようです。
景気によって値引きのしやすさは変わる
また、景気状況によっても値下げ交渉のしやすさや、どのくらい値引いてもらえるかは変わります。景気が良いときは住宅購入者が増え、新築マンションも売れやすくなるため値引きをする必要はないと考える業者が多くなります。一方で景気が悪くなると人々の財布の紐も固くなり、売れ行きが悪くなるため値下げが起こりやすいのです。
新築マンションの値引き交渉しやすいタイミング
1章で紹介した条件のほかにも、不動産会社的に「値引きしてでも売りたい」というタイミングがあります。
決算月である3月
決算日は、値引き交渉がしやすい時期の1つです。一般的に不動産業者は3月が決算月となります。この決算日を狙うことを考えれば、2月の末ぐらいのタイミングで購入希望の交渉をはじめたほうがよいでしょう。業者の営業マンもノルマに追われている可能性があります。プレッシャーにより、決算日のタイミングで値引き交渉に対応してくれることがあるのです。
ただし、どの業者でも通じるわけではありません。担当者の考え方や会社の方針によって左右されるので気をつけましょう。また、引渡日が決算日より後日になれば意味がないので注意が必要です。
残っている戸数が少ない
残っているのがわずかの戸数なら、業者も一気に販売してすっきりしたいと考えるものです。ただ、なかなか売れなければジレンマに陥ります。そのタイミングで値引き交渉をすれば、普段は応じない条件であったとしても完売を優先させて値下げしてくれる可能性が上がるでしょう。狙っているマンションがあれば、戸数の状況を逐一チェックしておくことをおすすめします。
完成してもうすぐ1年が経過する
一般的に、マンションは時間が経過すると価値が下がります。売り手も、売りに出したばかりの時はまだ余裕があるでしょう。しかし、建物が完成して1年以上経過すると「新築マンション」としての販売ができなくなってしまうため、不動産会社としてはできれば新築のうちに売っておきたいというのが正直なところです。
したがって、完成してからもうすぐ1年が経つ……というタイミングなら、値引きに応じてもらいやすくなるでしょう。
新築マンションの販売の仕組みについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
マンション販売の仕組みは?価格に影響するポイントや流れを分かりやすく解説
狙った新築マンションの値引きに失敗しない極意
本気度を示す
マンションの値引き交渉を成功させたいなら本気度を示すことが大切。具体的には、仲介業者の営業マンに「少し値下げをすれば絶対に買ってくれるだろう」と思ってもらえることが重要です。そのとき、ただ、言葉だけではなく態度で示しましょう。たとえばローンの事前審査を済ませていることも本気度を示せます。せっかく値引き交渉が成功したのに、ローン審査で落ちてしまえば契約はなくなります。売り主も仲介業者も安心できる人にマンションを売りたいと考えているのです。
資金を準備して支払いができることを示す
先述の意思表示に加えて、さらに資金準備が整っていれば、交渉時の説得力をより増すことができるでしょう。実際に支払い能力があることは販売会社への強いアピールとなります。
また、「資金として〇〇万円を用意していますが、少し予算が飛び出てしまうため▲▲万円の端数部分を値引きしていただけないでしょうか」といったように、自分の希望も伝えやすくなります。
エリアの相場を事前にチェックしておく
マンションの値段にも相場があります。同じエリアに似たようなマンションがあれば、どれだけの売却価格なのかチェックしましょう。売りに出されているマンションが極端に高ければともかく、大体他の物件と同じなら、よほどの事情がなければ値引きは困難です。かろうじてできたとしても、期待する金額の値引きはむずかしいでしょう。
相場を知れば、値引きを頼む根拠にもなります。また、相場より高い価格で売られている場合は、その理由を業者に聞いてみましょう。住宅ローンが残っているなど、理由がある場合も少なくありません。「端数切り」なら応じてもらいやすい
不動産業界でよくある価格交渉のパターンとしては、下二桁をカットしてもらう「端数切り」が有名です。3980万のマンションであれば、80万円を引いてもらって3900万円なら買う、などの交渉なら比較的通りやすいでしょう。場合にもよりますが、このような端数分の交渉は不動産会社側としてもある程度想定内なのです。
値引き理由を具体的に主張する
また、値引き理由を具体的に主張することも大切です。
ただ漠然と「もう少し安くしてもらえませんか?」と言うだけでは、相手としてもこちらがどのくらいの値引きを望んでいるのかわからず、交渉に応じづらくなってしまいます。
「〇〇万円予算オーバーのため少し値引きしていただけませんか?」等、値引きが必要な理由をできるだけ具体的に説明するようにしましょう。
理由が上手く思い浮かばない場合は、後述する理由や条件を参考にしてみてください。
新築マンションの値引き交渉に使える理由・条件
結論から言うと、新築マンションでも値引きをしてもらえる可能性はあります。とはいえどんな物件でも可能なのではなく、値引きをしてもらいやすい条件はいくつかあります。値引きしてもらえる物件を見極めるポイントは以下の3つです。
- 完成間近~完成後の物件である
- 竣工後モデルルームとして使われていた
- 不人気な要素がある
それでは、1つずつ解説していきます。
完成間近~完成後の物件である
中古住宅が増えてきているとはいえ新築マンションは未だに人気があるため、価格交渉は簡単ではありません。新築の場合竣工前から宣伝が始まりますが、狙い目は完成している物件です。完成しているのに未入居の状態が続いている物件は在庫扱いになり、業者としても早く売却してしまいたいからです。未入居の状態のまま近隣に競合他社の新築マンションが販売されたとしたら、ますます売れない可能性が出てきます。そのため業者は在庫を嫌い、値引きを行うことが多いのです。
竣工後モデルルームとして使われていた
竣工後、売れ残った部屋をモデルルームとして活用している業者も少なくありません。モデルルームは多くの人が出入りし、玄関や窓などもたくさん開け閉めされるでしょう。純粋に新築のままではありません。このような物件は、広告などにモデルルーム価格と紹介されている場合もあります。ただし、値引き交渉以前に値引きされていることも多いので、あらかじめ確認するようにしましょう。
不人気な要素がある
交通アクセスが良かったり商業施設が栄えているエリアは新築でも中古でも人気があります。ほかにも、駅近の物件や角部屋、高層階など、マンションにはある程度人気のある条件が決まっているものです。逆にいえば、都心から離れている駅や、1階、北向きの部屋などの物件は人気のあるマンションに比べると売れにくい傾向があるため、値引き交渉に応じてくれる可能性も高いと言えるでしょう。
ただし、「値引きをしてもらえるマンション」を優先して、本当は住みたくない物件を選ぶのは本末転倒です。人気があってもなくても、住みたいと思える物件を選ぶようにしましょう。
他にも、詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
マンション駐輪場の問題点とは?失敗しない解決策を紹介!
マンションの値引きを断られたときの代替策
これまで新築マンションを値引きするためのコツをお伝えしてきましたが、すでに値引きを織り込んだ状態で価格設定をしている場合などは断られてしまうことももちろんあります。どうしても値引きしてもらえない場合、そのほかに価格を抑える方法をご紹介します。
オプションをつけてもらう
マンションによっては、ある程度の値引きを想定した価格設定をしているものもあります。その場合、金額を値引くことは難しくてもオプションをつけてもらう、モデルルームなら家具をつけてもらうなど金額以外のところでサービスしてくれる不動産会社もあります。交渉を持ち掛けてみて、「これ以上値下げしてもらうのは難しそうだな……」と思ったらオプションの方でサービスをお願いできないかどうか聞いてみるのも手ではないでしょうか。
初期費用を安く抑える
新築マンションの購入時にかかる費用は物件代だけではありません。一般的に購入価格の3~5%ほどの初期費用が別途かかると言われており、初期費用を節約することで結果的に購入費用を抑えることが可能です。たとえば、住宅ローンを借りる際の手数料。不動産会社から紹介された金融機関をそのまま使う人もいるかもしれませんが、金融機関によって手数料の金額が変わってくるので自分で調べておき、手数料の安い金融機関を利用するのがおすすめです。
新築マンションの購入費用については、こちらの記事もご覧ください。
⇒新築マンション購入の初期費用ってどれぐらい?
住み替えなら、今の家を高く売る方に注力する
今住んでいる家を売って新築マンションの購入を検討している場合、今の家を高く売却することで住み替え全体にかかる支出を減らすことが可能です。高く売るためには複数の不動産会社に査定してもらうことが重要。1社だけの査定だとその価格が適正かどうか判断がしにくく、「本当はもっと高く売れたのに……」と泣きを見てしまうこともあります。
査定をするなら、不動産一括査定サービスの利用がおすすめです。インターネット上から無料で複数の不動産会社に査定申し込みができ、あなたにぴったりの不動産会社に出会うことができます
一括査定をするなら、提携会社数No.1の「イエウール」をぜひ一度使ってみてはいかがでしょうか?
新築マンションの値引きの注意点・失敗談
値引きの失敗談を知ることで、交渉時に気をつけるべき注意点がわかります。ここでは、新築マンションの値引きの注意点や失敗談をご紹介するので、参考にしてみてください。
不動産会社が値引き対応していない
「できるだけ値切ろうと張り切って交渉を切り出してみたものの、そもそも不動産会社が値引き対応不可と言われてしまいました…。」
不動産会社によっては、会社が設けているルール等により、値引きの理由に関わらず値引きそのものに対応してもらえない場合があります。不動産会社へ問い合わせる前に、ネットの口コミや詳しい人に話を聞くなどして、交渉の余地があるかどうかを見極めると良いでしょう。
営業担当者に交渉力がない
「交渉を打診したが、若手の担当者に権限がなかったようで話がなかなか先に進まなかった。結局なあなあになってしまい、そのまま購入することに。今思えばもう少し強気になって店長に相談するなりしてみてもよかったかもしれない。」
営業担当者の権限によっては、交渉しても通らないケースもあります。また、権限があっても交渉力がなければスムーズに進まないため、状況次第では担当者変更を依頼してみるのもひとつでしょう。ホームページや折込チラシの確認を怠った
「そもそも値引きは難しいだろうと思い込んでいた。ホームページを見たら同エリアの値下げ物件が出ていてとても悔しい。」
値引き交渉のヒントが掲載されている可能性があるため、ホームページや折込チラシの確認は怠らないようにしましょう。常に最新の情報を押さえた上で交渉することが重要です。
値引き前提の価格から値引きされただけだった
「「やった!値引きしてもらえた!」と当時は主人と喜んでいたのですが、どうやら値引き前提で販売されていた物件だったと後から知りました。まあ、気分よく購入できたのはよかったかもしれません。」
すべてのケースに当てはまるわけではありませんが、あまりにも値引きの話がスムーズに進む場合は、そもそも値引き前提で価格が設定されているパターンもあります。その場合は、さらに値引きしてもらえそうなポイントがないか探ってみましょう。
新築マンション購入で値引きに失敗しないか不安な場合は?
今回は、新築マンション購入で値引きするときのポイントについてご紹介しました。
家を買いたいと思っている人の中には、
- 不動産会社からのしつこい営業が心配で気軽に連絡しづらい
- 自分の条件にマッチした物件がなかなか見つからない
- ポータルサイトに欲しい物件が出てこない
という悩みを抱えている方も少なくないと思います。
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そして何より、Housiiなら気になる物件に一番手で申し込みやすくなります。
というのも、不動産売却プラットフォーム業界1位のイエウールが運営しているため、まだポータルサイトに載っていない物件を含めて紹介してもらえるのです。
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