「災害援護資金が返せない」が起こる理由をくわしく解説

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災害はいつどこで自分自身に起こるかは分かりません。そんな時に多くの人たちが利用できる公的貸付制度が「災害援護資金」です。しかし今、その災害援護資金が返せないという状況が起こっています。それがどんな状況で何が理由なのかを考えてみます。

先読み!この記事の結論
  • 災害により生活がたち行かなくなってしまった場合国から災害援護資金を借り受けることができる
  • 年間の返済額が50万を超えるようなことも

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「まずは不動産売却の基礎知識を知りたい」という方は下記記事がオススメです。

災害援護資金の貸付とは

災害援護資金の要綱について

災害援護資金の貸付とは、災害救助法が適用された市町村が都道府県内で1つ以上あった災害について行われます。災害救助法とは、救助を誰が主体となって行い、どんな救助をどの程度、どんな方法で行うのかなどを定めた法律です。
災害援護資金の貸付を受けることができるのは負傷または住居、家財に被害を受けたもので、貸付限度額はその受けた被害の場所や程度によって下記のように最大で350万円までとなっています。

被害の種類 災害援護資金の貸付限度額
A.世帯主の1か月以上の負傷 150万円
B.家財の1/3以上の損壊 150万円
C.住居の半壊 170万円(250万円)
D.住居の全壊 250万円(350万円)
E.住居全体の滅失・流出 350万円
A+B 250万円
A+C 270万円(350万円)
A+D 350万円
※「災害弔慰金の支給等に関する法律」(昭48法82)より
※()内は家屋を取り壊す必要が発生した場合の限度額

また、災害援護資金の貸付を受けるためには下記のような所得制限があります。

家族の人数 所得
1人 220万円以下
2人 430万円以下
3人 620万円以下
4人 730万円以下
5人以上 730万円+1人につき30万円以下
住居が滅失した場合 1,270万円以下

以上の条件をクリアした場合に年利3%、だが据置期間3年(特別な場合には5年)は無利子で貸付が行われます。返済期間は据置期間を含めて10年、返済方法としては1年ごと、もしくは半年ごとにまとめての返済となります。
また、その資金については国から2/3、都道府県や指定都市から1/3を出資する形です。

災害援護資金の問題点

今、この災害援護資金の貸付が大きな問題となっています。
なぜなら、実際にこの災害援護資金の貸付を受けるのは何らかの大きな災害によってケガを負ったり、家財や家自体に大きな損害を負った方です。さらに言えば、ほとんどの場合、自力で家の修繕等を行う貯えがなく、高齢者が多くの割合を占めています。
そういった状況の中で、次第に年老いていき、場合によっては病を抱えて高額の医療費を払うようになってしまった年金暮らしの高齢者には、返済の目処が立たず、期日になって返したくても返せないという現実が起こってしまっているのです。
ここで問題となってくるのは、災害という非常時の出来事を前にして、基本的に年利3%の付く「貸付」という制度が本当に適切なのかどうかということです。
そこでここからは、その現状について詳しく見ていきます。
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東日本大震災での災害援護資金の現状

阪神淡路大震災での災害援護資金の経過

1995年(平成7年)1月17日、最大震度7の当時では最悪の地震といわれた阪神淡路大震災が起こったのです。その中でも大きな被害を受けた兵庫県では、1995年10月末日までに56,422世帯に対して、約1308億7000万円という災害援護資金が貸付けられました。
当時はそれが被災者がまとまったお金を手にすることのできる唯一の公的資金でもあったのです。阪神淡路大震災の場合は、特別措置として据置期間5年が適応され、その後3%の年利で貸付が行われるという形が取られました。
しかし、返済期限である10年を過ぎても返済できない人が多く、2006年に1度目の返済期間の延長がなされました。その後、震災から16年経った2011年にも再度返済期間を延長しましたが、兵庫県では2012年3月末で、全体の約2割に当たる1万2210世帯が返済途中であり、未返済額が約183億円にものぼっていました。

借主の状態 対象世帯数
返済不可能(※1 1,030世帯
返済困難(※2 971世帯
少額返済者(※3 10,291世帯
合計 12,210世帯

(※1 借主が破産状態か行方不明でさらに保証人も死亡してしまったり重度の障害を負ってしまった状態
(※2 借主が死亡または重度障害を負い保証人も低所得などで返済能力のない
(※3 月々に千円単位といったの状態の人
そのような中での2011年3月11日、東日本大震災は起こりました。

東日本大震災での災害援護資金の特別措置

東日本大震災では2011年5月2日付で各都道府県知事、指定都市長にむけて災害援護資金貸付の特例措置に関する特別法と政令が公布、施行されています。
特別措置の大きな内容としては、下記のようになります。
1.返済期間が13年でそのうち6年または特段の理由がある場合は8年の据置期間を置くこと。
2.利率については保証人を立てた場合は無利子、保証人を立てない場合には年利1.5%とする。
3.借主が死亡または重度障害の場合だけでなく、10年経過後に返済能力がない場合にも返済免除となる。

新しく作られた給付制度

被災者生活再建支援金

災害によって住居が著しく損壊された場合に50万から最高で300万円まで支給される支援制度です。給付なので、当然返済義務はありません。ただし、原子力災害によって避難した人は対象となっていませんでした。

災害弔慰金

死亡者の遺族に支給され、生計維持者が死亡した場合は500万円、その他の場合は250万円支給される制度です。実際に東日本大震災では20,055件の災害弔慰金が支払われていますが、500万円が支払われるのは生計維持者と認定された場合のみで、500万円が支払われたのは3,828件で全体の19%に過ぎませんでした。
なぜそのようなことが起きたのでしょうか。それはある規定があったことが原因でした。
それは遺族の収入が一定額(103万円)以下である必要があったからです。つまり例えば、夫が生計中心者だとして、妻が共働きで103万円以上収入を得ていると、夫の収入がいくらであるかに関わらず500万円ではなく250万円の支給となってしまったのです。
例えば、

  • 夫の収入 500万円 妻の収入 100万円 ⇒ 500万円給付
  • 夫の収入 500万円 妻の収入 110万円 ⇒ 250万円給付

となり、
これは到底納得のできるものではなく、この制度は新たな給付制度ではあるものの、東日本大震災での一つの課題となりました。

災害障害見舞金

こちらは重度の障害を負った人について、生計中心者であった場合には250万円、その他が125万円の給付を受けることができる制度です。

それでも返せない災害援護資金

東日本大震災では、前述の通り給付制度が新設されました。しかし同時に、岩手、宮城、福島の3県だけで26,399世帯、約460億円(2018年7月31日現在)が、全国にすると約29,500世帯、約520億円が災害援護資金として貸付けられるという状況もありました。
2017年9月、震災から6年半が過ぎ、6年間の猶予が終わって半年ごとの返済計画を組んでいた人々の最初の返済期日が来ました。そして、そこから1年近くが過ぎた2018年7月末、約7,500世帯が返済期日を迎えていましたが、約半数の3,460世帯が滞納しているという状況でした。
返済期日を迎えているのは、まだ貸付を受けた全体の3割弱でしかありません。

返せないケースには高齢者が多い

災害援護資金を返せないというケースには、高齢者が多くなっています。高齢者は年金生活で今後収入が増える見込みがないという人がほとんどです。
世帯ごとの平均年金受給額は、夫婦二人世帯で191,880円、単身世帯で107,171円と平均的な消費支出から考えると、夫婦二人世帯で約54,500円、単身世帯で約40,000円不足しているといわれています。もちろんこれはあくまで平均受給額ですので、この金額よりも受給額が低い低所得の世帯、生活保護受給世帯もあります。
2017年度の統計では、全国的に生活保護受給世帯の半数を高齢者世帯が占めています。母子世帯や障がい者世帯における生活保護受給世帯数が2016年度から2万3,629世帯も減少しているにもかかわらず、高齢者世帯では2万7,679世帯も増えています。
つまり、これらの数字から高齢者世帯の貧困の傾向が顕著になってきているといえます。
実際、1995年の阪神淡路大震災で見ると、2012年3月の段階で災害援護資金貸付の返済滞納者の6割が60代以上が占めていました。東日本大震災の被災地においても同じような状況が起こりつつあります。
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借り入れをした時と据置期間後の状況の変化

2011年3月11日に東日本大震災が起こってから、災害援護資金の貸付が始まり、6年または8年の据置期間がありました。
それは通常規定された3年という据置期間の倍ということになります。あまりにも大きな災害であった分だけ、生活再建までの時間として6年という時間が取られたわけです。
もちろんその分返済の猶予がされたわけで、助かったという人もおいでだったでしょう。しかし、その期間が長かったがゆえに返済のための状況が大きく変化してしまった人たちもいました。
それは、高齢化や病気、障害を新たに負ってしまうということであったり、職を失い、再就職もままならなくなってしまったという状況であったりと様々な理由からでした。

ケース① 高齢化に伴う病気

菅まさ子さん
「借用金額は250万円。
借りたいという一心だった、借りられるものなら。」

菅昌義さん
「すごくありがたい。
しんどいから、お金がなくて。」

菅さん夫婦の年金は月20万円余り。
当初、年金から返済できると考えていました。
しかし、震災から6年がたつ間に状況は一変。
予想外の支出が増えていったのです。
菅さんは心臓を患い、夫の昌義さんも大腸ガンを発症しました。
入院や薬代などで、医療費は多い時で月に6万円近くに上るようになりました。
NHKニュース おはよう日本 2017年12月8日放送分

高齢化に伴って病気を負ってしまった76歳の菅まさ子さんの例ですが、現在は災害公営住宅で夫の昌義さんとともに生活しています。東日本大震災当時、津波のため家屋は全壊し、家財道具の一切が流されてしまったといいます。
そのため生活資金にも困って災害援護資金の貸付を受けることになったわけです。しかし、現在、必要最低限の生活をして手元に残るのは約2万円。その返済ができるのかどうか、不安な日々を送っています。

ケース② 仕事をしていても収入が減少

水産加工会社でパートとして働く、60代の男性です。
災害援護資金、170万円を借りています。

60代男性
「大金です、170万。
今の生活でぎりぎりなんで…。」
震災前、この男性は妻と子どもと3人暮らし。
電機設備会社の正社員として家計を支えていました。
しかし、震災で会社が倒産し、失業。
収入が途絶えたため、災害援護資金を借りました。
その後、仕事を探しましたが、50代の後半だったこともあって、安定した収入を得られる仕事は見つかりませんでした。
今働いているのは、地元の水産加工会社。
時給800円のパート従業員です。
現在、収入は夫婦合わせて20万円余り。
家賃や光熱費、食費などを支払うと、年間26万円の返済にあてるお金を捻出するのは難しいといいます。
60代男性
「仕事はやっていても、収入がなかなか上がらない。
果たしてこの金額が払えるかなと。
いずれは払わなきゃいけない額なんですけど。」
NHKニュース おはよう日本 2017年12月8日放送分

このように予期せぬ出来事によって、状況が変化してしまい、返済のための収入が事実上減少してしまったケースは少なくはありません。そして、そのような借主たちは、返済が困難な状況に陥ってしまっていることに大きな不安と負担を感じながら生活をしているのです。
こういった人たちにとって、震災から7年半経った今でも何も終わってはいないのです。
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最大の350万円を借りると年50万円の返済

東日本大震災の災害援護資金の返済期間は据置期間6年を加えて13年です。そうすると、実質的な返済期間は7年ということになり、最大の貸付額である350万円を借りた人で、保証人付きの無利子の返済額は単純計算で年50万円ということになります。
しかし、実際は年利1.5%かかっても、もしもの時に迷惑をかける保証人をつけたくないという借主が多く、返済金額は50万円よりも多くなっているのが現状です。それが困難という借主にはすでに月々の少額返済が始まっています。
それでも、少額返済は決して返済免除というわけではないので、その返済は借主家族に重くのしかかっています。
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地震だけじゃない災害援護資金

災害援護資金は地震だけでなく、その他の自然災害、例えば自然災害とは、暴風、豪雨,豪雪、洪水、高潮、地震、津波その他異常な自然現象により被害が生じた場合にも貸付けられる可能性があります。
実際に、平成 26 年の御嶽山噴火災害、平成28年度台風第10号、平成30年7月豪雨でも災害援護資金の貸付が行われています。
つまり、災害援護資金の適用はどこにでもあり得る、誰にでもあり得ることなのです。
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生活基盤である住居の再建は不可欠

災害はいつ来るのか、どこに来るのか、誰の上に来るのかは全く予想できないものです。そして、誰にとっても住居は必要不可欠なものであり、どんな災害であろうと、生活基盤である住居の再建は避けて通れないものでもあります。
それに対する準備、備えは常にするべきものと言えるでしょう。

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