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不動産会社を通さずに不動産の個人間売買をしたいけど、そもそも不動産の個人間売買は可能なのか、不安に感じる方もいるでしょう。
結論からいうと、不動産の個人間売買は可能です。
この記事では、不動産の個人間売買の流れや手続きについてご紹介をしたいと思います。
「まずは不動産売却の基礎知識を知りたい」という方は、こちらの記事をご覧ください。
不動産の個人売買はできる
親戚や隣人と不動産の売買を行いたいけれど、不動産会社を通さずに個人売買できるのか心配な方もいるでしょう。
結論から申し上げますと、不動産の個人売買は誰でも行うことができます。
不動産会社が売主の代理・媒介をする場合は国の資格となる宅建士の資格を所有する人が必要となりますが、代理などを挟まない個人間では資格は必要ありません。
また、法律で個人間での不動産の売買をしてはいけないといった決まりもないので、法律的にも問題なく個人売買を行うことが可能です。
不動産の個人売買をするメリット・デメリット
不動産会社を利用しないことで、個人間売買には費用などの面でメリットがあります。反対に手間がかかるといったデメリットもあります。
個人売買のメリット・デメリットをよく理解して個人売買を行いましょう。
【メリット】仲介手数料・消費税がかからない
個人売買の1番のメリットは仲介手数料や消費税がかからないことです。
仲介手数料とは不動産会社に仲介を依頼し、不動産が売れた時に発生する費用です。不動産会社を利用して不動産を売らないと発生しないので、不動産会社を通さない個人売買で仲介手数料が発生することはありません。
仲介手数料の上限は法律で決められており、400万円を超える部分は売買価格の3%まで。400万円以上の場合は以下の計算式で出せる費用を抑えられます。
仲介手数料=(売買価格×3%+6万円)+消費税
また、消費税もかかりません。消費税は「事業者」が事業として行うものであること、対価を得て行うものであることというようなルールがあるので、個人間売買の場合は消費税を支払わなくて良いのです。
不動産を売るにあたって、多くの人が負担となる仲介手数料を支払わなくてよくなるので、売却費用を抑えたい人によっては大きなメリットとなるでしょう。
【メリット】自由度が高い
不動産の個人間売買なら何においても売主と買主の自由です。
どのような売買契約を結んで不動産を売るのか、売却金額をいつどのような形で振り込んでもらうのかも自由に決められます。
買主が応じてくれるのであれば、不動産の名義変更などを行う前に売却金額を買主からもらい、その費用を手続きの費用にすることも可能です。
売買契約を早く結ぶことを急かされることもないので、買主と納得いくまで話し合いを行うこともできるでしょう。
【メリット】スケジュール調整が楽
個人間売買であれば、売却活動中のスケジュール調整が楽です。
不動産を売却する際に最も一般的な売却方法「仲介」では、内覧時に売主・買主・不動産会社の都合を会わせる必要がありますし、住宅ローンを完済して不動産を売却するのであれば引渡し日には売主・買主、双方の不動産会社の担当者と合わせて、金融機関の担当や司法書士の同席が必要となります。
そうなると、それぞれの予定を合わせるのは難しく、不動産の売買が頻繁に行われる2、3月などの繁忙期にはなかなかスケジュールが合わせづらくなるでしょう。
その点個人間売買であれば、売主と買主の都合がつけば、いつでも何時でも問題ありません。
【デメリット】手間・時間がかかる
不動産を個人間売買する際はメリットだけでなくデメリットも把握しておかなければなりません。ここからはデメリットをご紹介します。
個人間売買を行う際には手間と時間がかかります。
個人間売買を行うとなるともちろん不動産会社にサポートしてもらえないので、すべてのことを自分で行わなくてはなりません。
買主候補探しに必要書類の収集などがあり、不動産会社に依頼するよりもずっと手間がかかります。また、売却活動が初めてであれば、何をすればよいか分からないので、都度調べることが多くなり時間もかかります。
法務局なども平日でないと対応してくれないので、平日勤めている方は貴重な有給を利用したり、次の休みまで待たないと活動できなこともあるので、余計時間はかかってしまうでしょう。
【デメリット】トラブルに発展しやすい
個人間売買はプロが介入しないためトラブルに発展しやすいです。
買主と売主だけで取り決めがなされ不動産の売買契約が行われるので、売却後に◯◯だと思っていたと認識のズレが生まれてしまったり、プロでないと気がつかない問題を取りこぼしてしまう恐れがあります。
売主は不動産を手放してしまうのでいいのですが、買主は購入した不動産を利用します。そのため問題も発見しやすく、買主からの連絡で問題が発覚することも多々あるでしょう。
【デメリット】住宅ローンが利用できない
個人間売買の場合、住宅ローンを利用するのは難しいでしょう。
住宅ローンの審査には重要事項説明書の提出が必要となります。重要事項説明書とは売買契約を行う際に重要である契約の条件や不動産の権利関係などを記載したもので、宅地建物取引士による説明が必要になります。
個人間売買の場合は宅地建物取引士が介入しないので、必要書類が用意できません。したがって、ローン審査を受けることができないということになります。
買主は住宅ローン以外の方法で資金を調達するか、売主への支払いの取り決めを別途する必要があるでしょう。
不動産個人売買で起こるトラブル
前章で不動産個人売買にはメリットもあれば数多くのデメリットもあることをお伝えしました。
不動産個人売買のデメリットとして「トラブルに発展しやすい」が挙げられていましたが、どのようなトラブルが起こってしまうのでしょうか?
この章では、不動産個人売買でよく起こるトラブルを解説します。
収入印紙を貼り忘れてしまう
不動産個人売買でよく起こるトラブルの1つ目は、売買契約書の収入印紙の貼り忘れです。
収入印紙を貼り忘れると、印紙税の納付を怠ったとして過怠税が徴収されます。
過怠税は、納付しなかった印紙税の額とその2倍に相当する金額の合計額、つまり当初に納付すべき印紙税の額の3倍に相当する額となります。
例えば、納付しなければならない印紙税が1万円だった場合、過怠税は3万円になるのです。
印紙税は不動産売買を行う際に、必ず支払わなければならない税金です。売買契約書に収入印紙を貼り付けることによって納付する税金となっているため、忘れずに収入印紙を貼り付けるようにしましょう。
事前の約束と違う取引が行われる
不動産個人売買でよく起こるトラブルの2つ目は、事前の約束と違う取引が行われてしまうことです。
個人売買では、売買の条件交渉を売主と買主が直接行うことになります。この際、事前の交渉では○○と言っていたのに実際に引き渡してみると違ったということが起こってしまうのです。
例えば、家具家電をすべて撤去して引き渡すという約束をしていたにも関わらず、エアコンがついたまま家を引き渡してしまうといった事例が考えられます。
不動産会社が間に入らない個人売買では、トラブルが起こった際も自分たちで解決しなければならず、最悪の場合、成約の解消になってしまうでしょう。
売買の約束事を行う際は、口約束はせずに必ず取り決めた条件を売買契約書に明記するように注意しましょう。
登記手続きで不備が起こる
不動産個人売買でよく起こるトラブルの3つ目は、登記手続きで不備が起こることです。
不動産を売却する際は、抵当権抹消登記の手続き、所有権移転登記といった登記手続きを行う必要があります。
登記の手続きは多くの書類を集めたり法務局に行ったりと、慣れていない方が行うには複雑で難しい手続きとなっており、不備が起こることが多いです。
用意した書類に不備があった場合は、何度も法務局に行かなければならず、手間がかかってしまいます。
登記手続きの不備を防ぐためには、司法書士への依頼も検討しましょう。プロに登記手続きを依頼することによって、滞りなく手続きを行うことが可能です。
不動産の個人売買の流れ
個人間売買で不動産を売却する場合の一般的な流れは下記のようなものになります。不動産の売買は売主と買主がいて成立するものですが、ここでは売主の目線で解説していきます。
- 家の売却相場を確認する
- 売却の事前準備を行う
- 買主を見つける
- 売買契約書を作成する
- 売買契約を締結する
- 代金の入金を確認する
- 物件の引き渡しをおこなう
- 不動産の名義変更をおこなう
それぞれの段階についてここで簡単に解説します。
STEP1:家の売却相場を確認する
不動産を売却する際には、相場をしっかりと把握しておくと良いでしょう。不動産の相場価格を調べる方法は、「実勢価格」「公示地価/基準地価」「相続税評価額」など様々ありますが、まずは実際に世の中で売買された金額である、「実勢価格」を調べます。
実勢価格は「国土交通省の土地総合情報システム」で調べることがでます。
STEP2:売却の事前準備を行う
売却相場を把握することができたら、売却の準備に取り掛かりましょう。
行うべき事前準備は以下のようになります。
- 必要書類を収集する
- 土地の境界線が確定しているか確認する
- 建物と土地の名義人を調べる
特に、建物と土地の名義人は必ず確認しましょう。
不動産を売買することができるのは、不動産の名義人のみとなります。そのため相続した家の個人売買を行う場合は、事前に名義変更がされているか必ず確認することが重要です。
また、一戸建てや土地を売却する場合は、土地の境界線が確定しているかどうかも確認しましょう。
土地の境界線が確定していないまま売却してしまうと、買主と隣人がトラブルになる恐れがあり、買主がなかなか見つからないといった事態になる可能性もあるため、土地を売買する際は、土地の境界線を確定して売却するようにしましょう。
STEP3:買主を見つける
調査した相場価格を参考にしながら「このくらいなら売れそうだ」という売り出し価格を設定します。少し強気な価格で設定されることも多いです。
売却価格を決めたら、買主の候補となる人に打診するか、個人間売買で使えるサイトに不動産情報を掲載して購入希望者を募りましょう。
使えるサイトについては、7章で紹介しています。
STEP4:売買契約書を作成する
個人間で不動産売買を行うとトラブルが起きやすいです。不動産の売買には高額なお金が動くため後から揉め事が起こらないように契約の内容を売買契約書に記載します。
個人間で売買する際にはこの売買契約書を自分で作成する必要があります。
不動産売買契約書の書式は基本的に自由ですが、インターネットで検索するとテンプレートを見ることができるため作成時に参考にすることも可能です。
しかしテンプレートを利用する際は最新のテンプレートであるか確認して利用しましょう。不動産の売買についての法改正が行われているため古いテンプレートでは改正後の内容に対応していないことがあります。
また、不動産を売買する際に記載する主な事項は以下のものがあります。
- 売買物件の表示(土地の所在や面積など)
- 売買代金や手付金・保証金の額
- 売買物件の引き渡し条件
- 危険負担(地震や火災などで物件の引き渡しができない場合の定め)
- 瑕疵の修復(雨漏り、シロアリ被害などの負担について)
- 公租公課(税金)の精算基準(固定資産税などの負担に関する取り決め)
- 契約違反による解除
- 特約について
契約にあたって特に要望した事項があれば「特約について」の部分に記載してもらい、要望が明確に伝わるようにします。
売買契約書には後々トラブルにならないように今回記載した事項以外にも細かい部分まで記載しましょう。
STEP5:売買契約を締結する
買主が見つかったら、売買契約を締結します。ここでは必要な書類を揃える必要があります。売主と買い主で合意がとれていたとしても、必要な書類がないと売買の手続きを進めることができません。
取引における資料は、特に決まった形式などは存在していませんが、抑えるべきポイントがあります。
例えば、売買物件の表示、売買代金・手付金当の額・支払期日、土地の実測及び土地代金の精算などです。
STEP6:代金の入金を確認する
チラシを配ったり、不動産情報ポータルサイトに物件を掲載することで買い手を探します。不動産会社に仲介を依頼する場合、販売活動は基本的に担当者の方が進めてくれますが、ちゃんと販売活動が行われているか自分でもチェックすることが大切です。
また、買い手の候補の方が見つかった場合、物件の内覧をしてもらうことになります。家の中を清掃したり、汚れや破損のある箇所は修繕をしておくようにしましょう。
STEP7:物件の引き渡しをおこなう
買主との条件が合えば、売買契約を締結します。売買契約書や重要事項説明書も自分自身で準備をする必要があります。
個人間売買では、瑕疵担保責任や金銭的な問題などが後々問題になりやすいです。契約時に必ずしっかりと確認をして契約を締結するようにしましょう。
STEP8:不動産の名義変更をおこなう
買主から残金の支払いを受けた後は、物件の引き渡しと所有権移転登記申請を行います。また、引き渡す物件がローンの支払中であり抵当権が設定されている場合には、残債を返済し抵当権を抹消する必要があります。
引き渡しは所有権移転登記申請によって完了となり、晴れて売買が完了となります。また、売却した不動産で利益を得た場合には、確定申告が必要になりますので、注意しましょう。
- なるほど、個人売買はこんな風に進むんだね!
全体の流れを把握したうえで、個人間売買ではなくプロに依頼したいという方もいらっしゃるでしょう。仲介を不動産会社に依頼するときは、まずは一括査定のイエウールで複数の不動産会社に対象の不動産を査定してもらうのが便利です。
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不動産個人売買の必要書類
不動産の個人間売買を行う場合、通常は不動産会社が用意してくれる書類でも自分達で用意をしなくてはなりません。個人売買を無事終わらせることができるように、必要な書類を確認しておきましょう。
不動産の個人間売買に必要な書類は契約方法や契約する物件によって異なりますが、主に必要書類は以下になります。
書類名 | 入手場所 |
---|---|
不動産売買契約書 | 個人で作成 |
権利証(登記済証) | 購入時に発行 |
登記事項証明書 | 法務局 |
建築設計図書など | 購入時に入手 |
固定資産評価証明書 | 法務局 |
契約時にはこの他に実印や本人確認をできる運転免許証など必要になる場合も。また司法書士などに依頼する際には委任状なども必要になるでしょう。
個人間の売買ですが、不動産の所有者を変更する名義変更などの手続きで、書類は必要になります。
書類の発行には1つ300円~500円程度の費用が発生するので覚えておくと良いでしょう。
不動産売買契約書
不動産を売買する際に、どのような条件で不動産を売買するのか買主と取り決めた内容をまとめた書類です。
不動産の売却価格はもちろん、いつどのような状態で引き渡すのか、残りの固定資産税はどちらが支払うのかなども記載します。売買契約書は売主と買主がそれぞれ所有するので、2部必要となります。
権利証(登記済証)
権利証とは不動産の名義を自分自身に変更した際に発行されるもの。登記手続きの完了後にもらえるもので、現在は12桁の暗号で登記識別情報というものになっています。
不動産を購入し名義変更をした際に受け取っているはずですが、紛失した場合は法務局で登記識別情報通知書を取得できます。その際には登記申請書に押印した印鑑や身分証明書が必要となります。
登記事項証明書
登記事項証明書とは不動産の情報が書かれたもの。現在の所有者や今までの所有者。そのほか土地の面積や建物の構造などが記載されています。
登記事項証明書と登記謄本がありますが、名称が異なるだけでいずれも証明内容は同じものとなります。登記事務をコンピューターで処理しているか否かによって異なるので、利用する法務局によって呼び名が異なる可能性があります。
建築設計図書など
建築設計図書などは家などを建築した際にどのような工事を行ったのか記載された書類のこと。建築設計図書などの他に物件の図面や設備の仕様書、境界線の位置などが記載されている境界確認書なども合わせて用意しておきましょう。
固定資産評価証明書
固定資産評価証明書とは土地や建物の固定資産の評価額を証明する書類です。土地や建物の評価額が分かるので、名義変更をする際に登録免許税をいくら支払うのか計算する際に使用します。
固定資産評価証明書は市区町村の役所で取得が可能ですが、取得できるのは所有者及び所有者と同居する家族。それ以外では委任状を持った人でないと取得できません。
本人確認書類
不動産売却を行う際は、本人確認書類が必要となります。
運転免許証やパスポートといった公的身分証明書を用意しておきましょう。
また、共有不動産を売却する際は、所有者全員の身分証明書が必要となります。
相続不動産の売却などで複数人所有者がいる場合は、漏れがないように全員の身分証明書を収集するようにしましょう。
実印・印鑑証明書
実印と印鑑証明書は、所有権移転登記を行う際に必ず必要となるため、忘れずに用意するようにしましょう。
印鑑証明書の有効期限は3か月となっているため、期限を確認して用意しましょう。
印鑑証明書は、市区町村の窓口に申請することで取得が可能です。しかしマイナンバーカードを所有している方は、コンビニエンスストアで取得することもできます。
不動産の個人売買の注意点
不動産の個人売買は、不動産会社に仲介してもらうケースと比較すると、トラブルが発生しやすい売買方法となります。
問題なく個人売買を行うために、以下の注意点を意識して個人売買の手続きをすすめましょう。
必ず相場を把握して売りに出す
個人売買をする際は、必ず売却相場を把握して売りに出すようにしましょう。
相場を確認せずに売りに出してしまうと、本来の価値より低すぎる価格で売却してしまい、損をしてしまう可能性があります。
反対に、相場より高すぎる価格で売りに出してしまうと、いつまでも売れ残ってしまうことも考えられます。
早く損せずに売るためには、相場に適した価格で売却することが重要です。
相場を確認する際には、不動産会社に会わずに査定ができる査定シミュレーションか、正確な相場価格が確認できる不動産一括査定を利用することをおすすめします。
親族間での個人売買は贈与税に注意する
不動産の個人売買を検討している方の中には、親族間での売買を行う予定の方もいるでしょう。
親族間で売買する場合に、相場よりも低すぎる価格で売却してしまうと、贈与税の対象となってしまうため、注意しましょう。
一般的に、不動産売買で贈与税は発生しませんが、個人間で相場より低すぎる価格で売買が行われた場合は、買主に贈与税が発生します。
「兄弟だから家を安く売りたい」と考えていた方も、贈与税が発生しないためにも相場を確認して適正価格で売却できるようにしましょう。
契約不適合責任に問われないように対策する
契約不適合責任とは、売買契約書に記載されば内容と違う家を引き渡した場合に、売主が買主に対して負う損害賠償などの責任を言います。
空き家や築年数の古い家を売る場合、雨漏りやシロアリ被害など、売買後に売主が把握していなかった欠陥が発覚し、トラブルに発展することが多くあります。
不動産会社を通さない個人売買の場合、不動産のプロに家を確認してもらわないため、売買後に欠陥が発覚する可能性も高くなるため、契約不適合責任を問われないように対策して売却することが重要です。
契約不適合責任を問われないようにする対策として、売却前にホームインスペクション(住宅診断)を行い、家の欠陥を事前に把握しておくことをおすすめします。
個人売買でも購入・売却にかかる費用がある
不動産を個人売買した場合、仲介手数料を支払う必要はありませんが、そのほかの購入・売買にかかる費用は通常通り支払う必要があります。
不動産購入にかかる費用
費用 | 費用の目安 |
---|---|
印紙税 | 5,000円~30,000円 ※購入価格によって異なる |
登録免許税 | 物件種別・購入価格によって異なる。 |
不動産取得税 | 固定資産税評価額によって異なる。 |
不動産売却にかかる費用
費用 | 費用の目安 |
---|---|
印紙税 | 5,000円~30,000円 ※売却価格によって異なる |
抵当権抹消費用(住宅ローンを借りていた場合) | 5,000円~20,000円 ※司法書士に依頼した場合 |
住宅ローン一括返済費用(住宅ローンを借りていた場合) | 10,000~30,000円 ※借入金融機関によって異なる |
このほかにも、状況によっては、固定資産税や都市計画税(購入時)、譲渡所得税(売却時)といった費用の支払いが必要となります。
個人売買は仲介手数料がかからない売却方法ですが、そのほかの費用の支払いを忘れないように注意しましょう。
不動産の個人売買トラブルを回避するなら司法書士
トラブルに発展しやすい個人間売買ですが、トラブルを回避するには契約まわりを司法書士に依頼するという手があります。
司法書士がやってくれること
司法書士とは個人や企業からの依頼で法的な書類の作成や手続きの代行を行ってくれる専門家です。
商業登記や遺言書の作成なども行ってくれますが、不動産においては売買契約書の作成や不動産の名義変更の手続きなどを行ってくれます。
不動産の個人間売買においてトラブルに発展したりこじれてしまう要因として多いのが売買契約書です。司法書士にこの売買契約書の作成を依頼することで、買主と売主の認識を揃えたり、契約書の記載漏れなどを防ぐことができます。
書類も正しく作成してくれるので、万が一トラブルになってしまった時も売買契約書が無効になるという心配も少ないでしょう。
司法書士にかかる費用
司法書士に依頼する際いかかる費用は実費と報酬です。
実費
実費は名義変更を行う際に発生する登録免許税。書類の調達も依頼するのであれば、登記事項証明書や固定資産税評価証明書などの書類代になります。
依頼内容や書類の枚数によりますが、主な実費は以下になります。
項目 | 費用 |
---|---|
登録免許税(土地) | 固定資産税評価額×1.5 % |
登録免許税(建物) | 固定資産税評価額×2% |
書類費用 | 1通につき500円程度 |
報酬
名義変更のみを依頼するのであれば、4万円~7万円程度となり、売買契約書の作成を依頼する場合は15万円程度からが相場となります。
報酬額はあくまで相場であり、司法書士の所属する事務所や行う業務の難易度などによって費用は変わるので注意しましょう。司法書士事務所では不動産の売却額の数%と定めているところも多く、価格は一概には決まっていません。
司法書士の選び方
司法書士といってもさまざまです。司法書士を選ぶ際は複数人を比較して決めるようにしましょう。
前述の通り、費用は司法書士事務所で異なりますし、どこまでの業務を依頼できるのかも異なります。知り合いに司法書士を紹介してもらう手もありますが、知り合いに合う司法書士が自分の望む司法書士とは限らないので、司法書士を比較して自分が最も良いと思える人を選ぶようにしましょう。
司法書士を選ぶ際には費用や依頼できる業務内容の他に、相性や事務所へのアクセスのしやすさなども重要です。
売買契約となると司法書士と相談することも何度もあるでしょう。その時、すぐに伝えたいことを汲んでくれるか否かは相性も重要です。また、司法書士が来てくれる場合もありますが、事務所を訪れることもあるかと思いますので、あまり遠いところなどは避けた方が良いでしょう。
不動産の個人売買ができるサイト4選
不動産の個人間売買をする際はサイト選びも慎重に行いましょう。特におすすめのサイトは以下の4つです。
サイト名 | 掲載物件数 |
---|---|
ジモティー | 250,000件 |
家いちば | 500件 |
e-物件情報 | 240件 |
不動産直売所 | 110件 |
多くの人の目に留まる「ジモティー」
掲載物件数がダントツで多いのが「ジモティー」です。不動産以外の分野でも個人間の売買をサポートするサービスとして知名度も高く、サイトの名前を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。
買主を見つけるためには不動産を買いたい人・買いたいとは思っていない人、多くの人の目に触れることが大切です。不動産を購入することが決まっていない人であっても、あなたの広告を見て家を買いたいと思う可能性があるでしょう。
こんな家でも売れるの?「家いちば」
不動産に特化した情報サイトの中でも物件掲載数が多いのが「家いちば」です。古民家やビル、別荘地・海・農家などのカテゴリーが用意されており、一戸建てやマンション以外の種別の不動産も多く掲載されています。
空き家や古ビルなど、訳アリ物件を自分で探したい人が閲覧するサイトでもあります。「こんな家でも売れるの?」というような家でも買いたい人を見つけられる可能性が高いです。
不動産のプロのサポートも受けられる「e-物件情報」
不動産取引では、難解な専門知識を必要とします。個人売買では物件の調査や書類の作成も自分で行う必要がありますが、いざとなったらサポートを依頼できるのは心強いです。
買主と出会える「不動産直売所」
また、引き取りサービスも同じサイトにあります。個人売買を検討する方の中には、市場では売れないもののどうしても手放したい山林や広大な土地をお持ちの方もいるでしょう。「不動産直売所」なら、林業をされている方や不動産会社の方に引き取ってもらうことができます。
不動産個人売買以外で費用を抑えて売る方法
費用を抑えたいために、個人売買を検討されている方も多いかと思います。
しかし、個人売買はすべての人に最適な方法ではなく、場合によっては個人売買を選ばない方がいい場合も。
ここでは、個人売買以外の方法で費用を抑えて不動産を売却する方法をご紹介します。以下の方法も検討してみてください。
仲介手数料の安い不動産会社に依頼する
不動産売買にかかる費用の中で金額が高いものの1つに仲介手数料があります。
仲介手数料は売買価格によって金額が異なり、売買価格1000万円の場合は最高で39.6万円の支払いが必要です。
仲介手数料にかかる負担を減らすためには、仲介手数料無料・半額といった割引サービスを行っている不動産会社に依頼することがおすすめです。
仲介手数料割引サービスを行っている不動産会社を探す際は、ホームページ等に掲載されている提供サービス一覧に記載がないか確認しましょう。
不動産会社に仲介手数料の値下げ交渉をする
不動産会社に仲介手数料の値下げ交渉をして仲介手数料にかかる負担を減らすこともできます。
特に買主や売主が決まっている方は仲介手数料の値下げ交渉がおすすめです。
仲介手数料は、費用の上限は決まっていますが下限は決まっていないため、不動産会社が自由に値下げをすることが可能です。
仲介手数料には査定や売却活動にかかる広告費用、売買契約書の作成といった業務に対する報酬が含まれています。もし買主や売主が決まっている場合は不動産会社が販売活動といった業務を行う必要がないため、値下げ交渉を行いやすいです。
査定依頼時に「買主/売主が決まっているため仲介手数料を値下げしてもらうことは可能ですか?」など交渉してみましょう。
買取を選択する
費用を抑えるのであれば、買取という売却方法もあります。
買取とは不動産会社に不動産を売る方法です。不動産会社が買主となり価格を交渉し売却となります。不動産会社に仲介をしてもらうわけではないので、仲介手数料がかかりません。
また、仲介だと買主を探すので、家が売れるまでに3ヶ月~6ヶ月かかると言われていますが、買取なら買主を探す必要がないので、1ヶ月~2ヶ月程度で売却が可能。なかなか売れずにまたもう1年固定資産税を支払うということも少ないでしょう。
リフォーム・解体をしない
仲介手数料の他に高くなる費用といえばリフォーム代や解体費用です。
売却したい不動産が古い場合、リフォームしたり古い家を解体して更地で売るという選択肢があります。しかし、売却費用を抑えたいのであれば、多少売れづらくてもこのような選択をしないようにしましょう。
リフォーム費用の相場はトイレで30万円~50万円、外壁で50万円~200万円。解体費用なら100万円~200万円程度が相場です。
いずれも不動産を売却する際に費用を売り出し価格に全額上乗せできるとは限りませんし、これらの費用は不動産が売れる前に一括払い。自己資金の中から費用を出さなくてはならないので、人によっては売却後に支払う仲介手数料よりも負担が大きいこともあるでしょう。
費用を抑えるのであれば、なるべく工事などは避けた売却方法を選択すると良いでしょう。
ちょっと高めに不動産を売り出す
費用を抑えるわけではありませんが、費用をカバーするために売り出し価格を少し高めに設定するというのも手です。
不動産は基本的に最初に決めた売り出し価格より高く売れることはありません。不動産が売れなければ売り出し価格を下げて再度売却活動を行うことになりますし、予定期間内で売れたとしても買主は必ずと言っていいほど最後に価格交渉をしてきます。
価格交渉をされたら売主も多少なりとも値下げをするのが不動産売買では一般的で、人気エリアの不動産でもなければ、最後の価格交渉を拒否するのは得策ではないでしょう。
そこで、価格交渉の際対応できるように最初の売り出し価格を少し高めに設定しておくのです。そうすれば、不動産を安く売ってしまう心配もありませんし、手元に残るお金も多くなります。
ただし、売り出し価格が高すぎるのも危険です。売り出し価格が高すぎると売れ残ってしまい、結果値下げで安くなってしまう場合も。
どこまで値段を高くして良いかは査定書を参考にしましょう。不動産会社の査定結果は不動産会社によって異なります。つまり、1社だけはその価格が高いか安いか分からないということ。
複数社の査定を受けることで売却相場、そして最も高く売れる価格と安く売れる価格、不動産の売り出し価格の幅がわかります。この幅から大きく外れるような売り出し価格を設定しなければ、高く設定しすぎることはないでしょう。
不動産の査定を複数社に依頼するのであれば、一括査定サイトを利用するのが賢明でしょう。一括査定サイトなら、一度の申し込みで複数社に依頼できるので、何度も査定依頼を出す必要がありませんし、無料で利用できるので、無駄な費用もかかりません。
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まとめ
不動産の個人間売買にはメリットとデメリットがあり、売却したい不動産や売りたい相手によっては個人間売買を行わない方が良い場合もあります。
個人間の売買を行うべきか否かはその特徴やデメリットをよく理解した上で行うようにしましょう。
不動産は高額な資産なため、後々トラブルにもなりやすいです。
個人間売買を行う際には注意点を確認したり、専門家などに適度に頼るようにすると良いでしょう。
記事のおさらい