不動産個人売買について調べていると、「登記手続きは司法書士へ依頼しましょう」とおすすめしているホームページを見かけたことがある方もいるでしょう。
本記事では、不動産個人売買で司法書士に依頼するべきか迷っている方に向けて、司法書士の依頼が必要なケース・不要なケースや費用相場について解説しました。
「まずは不動産売却の基礎知識を知りたい」という方は、こちらの記事をご覧ください。
不動産個人売買で司法書士への依頼が必要なケース
不動産個人売買時には、司法書士への依頼が必要なケースと不要なケースがあります。
不動産個人売買で司法書士への依頼が必要となるケースは主に以下の3つです。
- 買主が住宅ローンを組む場合
- 自分で登記手続きができない場合
- 売買に関する様々なサポートが必要な場合
買主が住宅ローンを組む場合
買主が住宅ローンを組む場合は、司法書士への依頼が必須となります。
住宅ローンを組む場合、抵当権の設定を行う必要があります。
抵当権設定の登記が行わなければ、不動産を担保として扱うことができず、買主が住宅ローンを滞納した際に銀行が貸付金を回収することができません。
登記の手続きになれていない方が登記を行うと、不備があり登記が完了しない可能性があります。
銀行はこの抵当権設定登記が正しく行われないことを危惧して、登記のプロである司法書士に登記を行うように指定するのです。
そのため、買主が住宅ローンを利用して家を購入する場合は、必ず司法書士への依頼が必要となります。
自分で登記手続きができない場合
不動産個人売買を行う際に、自分で登記手続きを行うことができない場合は、司法書士への依頼が必要となります。
先ほどご紹介した抵当権設定登記をはじめ、所有権移転登記や抵当権抹消登記など、不動産売買では多くの登記を行う必要があります。
登記手続きは様々な必要書類を集めたり、登録免許税の計算を行ったりと、登記手続きを初めて行う方には難しく感じる作業が多いです。
登記手続きを正確に行うことに自信がない方は司法書士に依頼することをおすすめします。
売買に関する様々なサポートが必要な場合
登記手続き以外にも、売買契約書の作成や売買後に支払う税金対策など、売買に関するサポートが必要な場合は司法書士に依頼しましょう。
司法書士事務所によっては、個人売買時の登記手続き以外にもサポートサービスを提供しています。
そのため登記手続き以外にも相談事項や依頼したい手続きがある場合は、まとめて司法書士に依頼することによって安心して売買を行うことができるでしょう。
しかし、重要事項説明書の作成などすべての業務を司法書士が行えるわけではありません。司法書士に依頼する際には、どのようなサポートを行っているのか詳しい中身を確認して依頼するようにしましょう。
不動産個人売買で司法書士への依頼が不要なケース
反対に、以下の条件に当てはまる場合は、司法書士への依頼が不要であると言えるでしょう。
- 買主が住宅ローンを利用しない
- 司法書士への依頼費用をかけたくない
- 時間がかかってでも自分で登記手続きをしたい
司法書士への依頼が必須となるのは、買主が住宅ローンを利用した場合のみです。そのため住宅ローンを利用しない売買を行う場合は、司法書士への依頼なしでも不動産個人売買を行うことは可能です。
しかし、繰り返しにはなりますが、登記手続きは複雑な作業が多く、自分で行うことはおすすめできません。特別な事情がない限り司法書士へ依頼することをおすすめします。
不動産個人売買で司法書士の依頼にかかる費用
不動産個人売買で司法書士に依頼するか迷っている方の中には、負担することになる費用によって依頼するか決めたいと考えている方もいるのではないでしょうか。
この章では、司法書士の依頼費用について詳しく解説しました。
司法書士の依頼費用の相場
司法書士への依頼費用の相場は、5万円~20万円となっています。
所有権移転登記のみ依頼する場合は10万円以下で依頼できる司法書士事務所が場合が多いですが、抵当権設定登記や抵当権抹消登記など複数の登記手続きを依頼した場合は、20万円弱の費用が必要となる場合が多いようです。
司法書士への依頼費用は事務所によって異なるため、複数の司法書士事務所に問い合わせて料金の相談をすることをおすすめします。
司法書士の依頼費用は誰が払うのか
不動産個人売買時における司法書士の依頼費用は、依頼した登記手続きの種類によって支払う人が変わります。
例えば、所有権移転登記(不動産の名義を買主に変更する)や抵当権設定登記(住宅ローン借入時の抵当権を設定する)のために司法書士に依頼した場合の依頼費用は買主が負担します。
抵当権抹消登記(売却不動産に設定されている抵当権を抹消する)のために司法書士に依頼した場合は、売主が司法書士依頼費用を負担することになります。
このように、依頼した内容によって負担する人は変わります。当事者間で負担すべき人が分からない場合は、司法書士に質問してみましょう。
不動産個人売買で司法書士に依頼する際の注意点
不動産個人売買で司法書士に依頼する場合は、以下の2点に注意して司法書士を選びましょう。
依頼費用の比較をする
不動産個人売買で司法書士に依頼する際は、必ず依頼費用の比較を行いましょう。
不動産会社が介入しない個人売買では、自分で依頼する司法書士を見つけなければなりません。
司法書士の依頼費用は、地域や事務所によって異なります。そのため、依頼する際は必ず依頼費用の比較を行って、自分の希望に適した司法書士を選ぶようにしましょう。
司法書士は日本司法書士会連合会のサイトで検索することができます。
提供サービスも確認する
不動産個人売買で司法書士を依頼する際は、提供サービスの確認も忘れずに行いましょう。
司法書士によっては、登記手続きだけでなく売買契約書の作成や事務手続きの代行など不動産売買に必要な手続きのサポートを行っている場合もあります。
初めて不動産の売買を行う場合は、思うように手続きが進まないことも多いです。そのようなとき司法書士に頼れるように提供サービスが豊富な司法書士を選ぶようにしましょう。
特にあった方がよい提供サービスは、売買契約書の作成です。売買契約書が正しく作成されていないと、条件と違った不動産を取引することになってしまい、後ほどトラブルになってしまう可能性があります。重要な書類となるため、司法書士に作成依頼をすることも検討しましょう。
ここまで、不動産個人売買における司法書士について解説しました。
買主が住宅ローンを利用しない限り、司法書士に依頼をしなくても登記手続きを行うことはできます。
しかし、慣れていない人が登記手続きを行うことは難しいため、可能な限り司法書士へ依頼することをおすすめします。
また、不動産の売買について疑問や不安な点がある場合は、不動産会社に相談することも検討しましょう。
不動産一括査定サイト「イエウール」は、全国の優良不動産会社と提携しています。親身に相談に乗ってくれる不動産会社を見つけて、不動産売買を成功させましょう。
あなたの不動産、
売ったら