マンションを売却する際の方法の１つ買取。買取という売却方法を知っているという方はそう多くはないでしょう。
実はマンション買取には「売却額が安くなってしまう」「想定外の費用が請求される」「すべてのマンションが買い取ってもらえるわけではない」などのデメリットがあります。
ここでは買取の3つのデメリット、買取業者の選び方、買取向きのマンションの特徴について解説します。
マンション売却で買取はデメリットだらけ？
仲介より諸費用がかからず、売却活動も早くに終了する買取ですが、メリットばかりではありません。買取だからこそ起きてしまうデメリットもあるので、買取を選択する前にチェックしておきましょう。
主なデメリットは以下になります。
売却額が安くなってしまう
マンションを買取で売ると得られる売却額は少なくなってしまいます。
不動産会社や買取業者に買い取られたマンションは買取後にリフォームを行います。リフォーム代などを上乗せして再度販売しますが、そのままマンションの売却相場にリフォーム代を上乗せして販売してしまうと、近隣のライバルとなる物件よりはるかに高い価格に。
物件は高すぎるので買い手がつきません。そのため、買取業者は高く売るのではなく、マンションを安く買い取り利益が出るようにするのです。
そのため、マンションの買取価格は売却相場の7割程度。売主は楽に短期間で売れる代わりに得られる売却額は安くなってしまうということです。
ただし、これはあくまで一般的なケースで、実際にはマンションの広さや立地など様々な条件によって異なります。人気エリアの場合は相場の90%程度で売れることもある一方で、そうでない場合は相場の60%以下になることもあるそうです。
想定外の費用が請求される
すべての買取で起こるというわけではありませんが、買取のよくあるトラブルとして、想定外の費用が請求されることがあります。
特に注意したいのが不用品処分費用です。買取業者の中には不用品をそのままにして売却ができるものがありますが、買取後に不用品処分費用を請求され思わぬ出費になるということがあります。
買取業者が処分する場合、一般家庭のゴミのようには出せず産業廃棄物の扱いになります。そのため、一般家庭なら無料で捨てられるような物でも費用がかかってしまうのです。
買取業者と契約を結ぶ前に費用はどれくらいになるのかしっかりと確認しておくと良いでしょう。
すべてのマンションが買い取ってもらえるわけではない
買取の場合、そもそも買い取ってもらえない場合もあります。
買取はどのようなマンションでも行ってもらえるわけではなく、買取業者や不動産会社が売れると判断した物件のみです。もちろん、買取後にリフォームなどを行うのでそのままでも売却するよりも売れやすくなりますが、リフォームなど手を入れても難しいと判断されたマンションは拒否されてしまいます。
マンションの状態や周辺地域の環境などさまざまな要因が混ざり判断されるので、一概には言えませんが築年数が経っているマンションや住みづらい場所にあるなど、需要が著しく低いマンションは買い取ってもらえない恐れがあるでしょう。
買取業者を選ぶ際のポイント
そもそもマンションを売る経験も少ない中でマンションを買取で売却するとなると、不動産会社や買取業者に騙されるのではないかと不安に思われる方もいらっしゃると思います。
そこで、ここでは買取業者を安心して選べるように、買取業者を選ぶ際にチェックしておきたい主なポイントを解説します。
買取業者の実績
買取業者の実績を確認しましょう。
どのようなマンションを買い取っているのか、今までにどれくらいマンションを買い取っているのか。買取実績だけでは判断は難しいですが、買取実績を確認することで今までどのような買取を行ってきたのか確認することができます。
あまりにも実績が少なかったり、最新の買取実績が数年前などの場合は注意した方が良いでしょう。担当者に買取実績を聞いてみて違和感はないか確認してみるのも手です。
買取価格を比較する
複数社に買取のための査定を依頼し、買取価格を比較しましょう。
仲介を行うための査定でも同じですが、不動産会社や買取業者が行う査定には法律などで定められた明確なルールはありません。そのため、買取業者などによって買取価格は異なります。
つまり、1社に依頼しただけはその買取価格が適正であるか判断できないということ。いくつかの買取業者に査定を依頼し、査定結果を比較して買取価格を比較しましょう。
比較することで、買取の中で高く売ることができますし、買取の相場価格よりも大きく低い場合に気がつくことができます。
交渉できるか否か
買取業者と交渉できるかもチェックしたいポイント。
複数の物件が並ぶマンションであっても、部屋の位置や間取り、状態などによって異なり、1つとして同じ物件はありません。そのため、同じマンションの別部屋がこの価格だったからと同じ価格を提示して決まりきった評価をするような買取業者には注意しましょう。マンションを安く売ってしまい損してしまう可能性があります。
提示された価格でも、他の部屋より良い点をアピールするなどして交渉をすることで買取価格を変更してくれたり、諸費用を安くしてくれる可能性もあります。柔軟に交渉に対応してくれる買取業者を選んだ方が満足いく結果になりやすいでしょう。
買取が向いているマンション
買取のデメリットなどを知り、マンションを売却する際に買取にするべきか仲介にするべきか、より迷い始めてしまった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここでは、買取に向いているマンション向いていないマンションをご紹介します。
【買取が向いている】売却期限が決まっている
いつまでにマンションを売りたいと売却期限が決まっている場合は買取がおすすめです。
いつ売れるか分からない仲介に比べて、買取はいつまでに売れるかが分かりやすいです。さらに、売却期間も仲介よりも短くできるので、売却期限が迫っている場合も間に合う可能性が高いでしょう。
転勤やお子さんの進学に合わせて住み替えを終わらせたい、相続したマンションを期限までに売りたいといった方に良いでしょう。
【買取が向いている】マンションの築年数が古い
マンションの築年数が古い方も買取を検討してみると良いでしょう。
築年数が古いマンションは売れづらいです。特に法定耐用年数が近づいている築45年以降のマンションなどは資産価値も低く、売却に時間がかかったり売れない可能性が高いでしょう。
築年数が古いマンションであれば売却額は期待できませんが、それは仲介でも同じ。法定耐用年数に近いマンションや過ぎているマンションの購入を検討している買主はその後フルリノベーションをしようと考えてる場合が多いです。
リノベーションを考えてマンションを購入する買主は物件の購入費用はできるだけ安く抑えたいので、売買契約を結ぶ前に値下げ交渉を行う可能性は高いです。そうなると、買取価格をそう大差ないという場合もあるでしょう。
【買取が向いていない】住宅ローンが多く残っている
売却したいマンションの住宅ローンが多く残っている方は買取をおすすめできません。
マンションを売却する際、残っている住宅ローンは一括完済しなくてはなりません。住宅ローンを完済できないと、抵当権を抹消することができないので買主の名義に変更できませんし、売却後に月々返済となると、金融機関は無担保でお金を貸すことになるので売却までに一括で完済することを求めます。
そのため、ローン残債が多くて自己資金などで補填しても完済できない場合はそもそも売却が難しくなります。
住み替えであれば、住み替えローンを利用する方法もありますが、住み替えるということは新しい住宅を購入するので、頭金が必要ということ。得られる売却金額が少なくなる買取を選択するのは賢明とは言えないでしょう。
まとめ
マンションを買取で売却することはメリットがあればデメリットもあります。
マンションを高く売りたいのか、早く売りたいのか…売主がどのようにマンションを売りたいのか優先順位を決めて売却方法を検討してみると良いでしょう。
まずはマンションを査定してみるというのも手です。マンションを査定してみることで売却相場が分かるので、買取価格も算出できより判断しやすくなります。
あなたの不動産、
売ったらいくら？
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