マンション買取の流れ
マンションを売却する際に最も一般的な売却方法は仲介ですが、その他の売却方法として、「買取」があります。
マンションの買取とは、不動産会社が直接所有者からマンションを買い取ることで、市場に出さず迅速に現金化できる取引方法です。
買取でマンションを売る場合は何をやれば良いのでしょうか。まずこの章では、マンション買取の流れについて解説していきます。
マンション買取の流れは以下のようになります。
買取の査定依頼
まず買取ってもらえるのか、買取価格はいくらになるのか調べるために査定を依頼します。
買取業者はどこにでもいるわけではないので、最寄り駅の不動産会社を探すのではなくWEBなどで近くの買取業者を探しましょう。買取が決まれば仲介のように時間がかからず、あっと言う間に売却となってしまいますので、買取などで気になる点があれば、査定依頼をする段階から聞いてみるのも手でしょう。
査定を受ける
買取業者に査定依頼をし、日程を決めたら査定してもらいます。
査定方法は実際の物件を訪問し、内見も確認する訪問査定。室内の状態などはもちろんのこと、エントランスやエレベーターなど共有部分や周辺の雰囲気などもチェックし、査定額に反映させます。
家の中をチェックすることになるので、売主は査定に立ち合います。部屋の広さや不動産会社にもよりますが、査定にかかる時間は30分~1時間程度になります。
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売買契約内容をすり合わせる
買取ってもらう業者を決めたら売買契約のすり合わせを行います。
売買契約で決めるのは価格だけでなく、引き渡し日やどのような状態で引き渡すのかも記載します。引っ越しをする際に不用品を残して行って良いのか、諸費用にはいくらかかり誰が支払うのかなど売却の際には細かいところまで決めていきます。
買取業者と売主で1つ1つ合意が取れれば、売買契約書の作成となります。契約書を作成するのは買取業者になるので、完成するまでは待機となります。
売買契約を結ぶ
売買契約者が出来たら、買取業者と売買契約を結びます。
売買契約書にサインを行い、印紙税を納めるために収入印紙を売買契約書に張ります。不動産会社によって受け渡す金額は異なりますが、売買契約を結んだら当日に手付金として売却額の10%をもらいます。
売買契約日には契約書にサインするために、実印や印鑑証明書、身分証明書などが必要となるので、事前に準備しておきましょう。
引き渡し
売買契約書に記載した日付が来たら、買取業者にマンションを引き渡します。
当日は売買契約書に記載した通りの状態にし、マンションの鍵などを買取業者に渡します。引き渡し日は部屋を引き渡すだけでなく、売却金額の残りのお金をもらったり、マンションの名義変更を売主から買取業者へ変更します。
名義変更は多くの場合司法書士が代理でやってくれるので、必要書類などを準備しておきましょう。
確定申告
マンションの売却は部屋を引き渡して終わりではありません。最後に確定申告を行います。
マンションを売却した際、購入金額よりも売却金額が上回った場合には利益を得たとして、譲渡所得税が発生します。買取の場合は売却相場より7~8割の価格での取引になりますが、マンションの価格は年々上がっているので、マンションによっては譲渡所得税が発生する場合もあるでしょう。
確定申告を行うのはマンションを売却した年の翌年2月16日~3月15日まで。上半期に売却を行うなどして確定申告までに時間が空いてしまうと忘れてしまう恐れがあるので、注意しましょう。
マンション買取と仲介を比較
マンションの売却方法として「買取」と「仲介」がありますが、それぞれにメリットとデメリットが存在します。
比較する項目 | 買取の場合 | 仲介の場合 |
売却期間 | ~1ヶ月ほど ※より短い | 3-6ヶ月以上 ※より長い |
価格 | 市場の6-9割程度 | 市場価格 |
売却の確実性 | 非常に高い | 条件次第 |
売却の手間 | 手間ほとんどなし | 媒介契約次第 |
仲介手数料 | なし | 売買価格の3-5% |
マンションを買い取ってもらうメリットとは
マンションの売却方法の中で買取を選ぶメリットを紹介していきます。
仲介手数料がかからない
マンションを買取で売却する場合は仲介手数料がかかりません。
仲介手数料とは、不動産会社に買主を探してもらうなど売却のサポートを依頼した際に発生する報酬です。買取の場合は不動産会社に仲介を依頼せず、直接売買のやり取りを行うので仲介手数料の支払いは不要になります。
仲介手数料は家を売却した際に最も高額になる費用の1つ。諸費用を抑えてマンションを売却したい場合には仲介より買取の方が良いでしょう。
売却期間が短い
買取は仲介に比べてで売却期間が短いです。
一般的に仲介でマンションを売る場合にかかる時間は3ヶ月~6ヶ月と言われていますが、タイミングなどが悪く買主が見つからない場合はそれ以上かかる場合もあります。仲介は買主が見つからない限り売却活動が終わらないので、いつ終わるのかも予測が立てづらくなっています。
一方、買取は買取業者が買取ってくれるので買主を探す必要がありません。そのため1ヶ月~3ヶ月程度で売却が完了します。
転勤などの理由でいつまでにマンションを売却したいなど期限が決まっている場合は、仲介より買取の方が確実でしょう。
必ず売れる
買取を選んだ場合、マンションは必ず売れます。前述の通り、仲介の場合はマンションを買ってくれる買主を探さないといけないので、必ず売れる保証はありません。しかし、買取の場合は買取業者が価格を提示してくれれば買取ってくれるということになるので、マンションを手放すことができます。
ただし、買取でも再販売して売れる可能性のないマンションは買取業者も買取ってくれません。あまりに需要のないエリアや数年で解体が決まってるマンションなどは難しい場合もあるでしょう。
相続などで取得したが、住む予定はなく管理費をかけたくないので手放したいといったマンションは仲介より買取を選ぶのも手です。一度買取業者に相談してみると良いでしょう。
マンションをそのまま引き渡すことができる
買取の場合、マンションを「現状のまま」で売却できるため、売却前にリフォームや大掛かりな清掃を行う必要がありません。
これは、特に引っ越しに伴う整理や不要品の処分に時間とコストがかかることを考えると、大きな利点です。また、個人の思い出が詰まったままの物件を手放す際の心理的な負担も軽減されます。
「引っ越しや売却に際して、余計な手間や費用をかけたくない人」や「急いで物件を手放したいが、物件の片付けに時間をかけられない人」にとって大きなメリットになるのではないでしょうか。
築年数が経っていても売却できる
築年数が経過したマンションでも、買取ならば売却が可能です。市場での需要が低い、あるいはリフォームが必要な物件でも、不動産会社が直接買い取るため、売却のチャンスが広がります。
仲介では買い手が見つかりにくい場合でも、買取ならば確実に売却できるため、古い物件の売却を考えている人にとっては大きなメリットとなります。
「売るつもりがなく、一定期間所有して築年数が古くなってしまった、市場での需要が不透明な物件を持っている人」や、「リフォームや修繕を行う前に手放したい人」にとって買取は魅力的に見えるかもしれません。
早く現金化できる
買取は、仲介に比べて売却プロセスが迅速です。不動産会社が直接買い手となるため、市場で買い手を探す時間が不要で、契約から決済までの期間が短く、速やかに現金化することが可能です。これは、資金が急に必要になった場合や、新しい住まいへの移転が迫っている場合、またの投資への資金転換を急いでいる人など、時間的な制約がある場合に特に有効です。
まとめ
マンションは高額となる資産。売却するとなるとどのような方法が良いのかしっかり検討してから売却を行いたいですよね。
売却価格は安くなってしまいますが、買取も早く売りたい、必ず売りたいといった方にはおすすめの売却方法です。
買取の流れを把握し、仲介と買取どちらがより自身の売却に合っているか検討してみてはいかがでしょうか。
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