不動産売却は大きく分けて、不動産会社が買主との間に入って取引を進める「仲介」と、不動産会社が直接物件を買い取る「買取」の2つの方法があると説明される場合と、「個人売買」を含めた3つの方法で説明されるときがあります。本記事では、その中の「買取」について詳しく解説します。
しかし買い取った不動産はその後転売を目的としているため、不動産会社側の「できるだけ安く買いたい」というところから、騙しや詐欺などのトラブル発生が増えてきています。
国土交通省によると、令和2年度の住宅に関する相談件数は33,069件、そのうち11,158件がトラブルに発展しています。
不動産買取業者の中には「嘘をついて契約させる」「高額な請求をしてくる」「代金を支払わない」という詐欺まがいな行動をする悪質な業者も存在しているようです。
本記事では、悪質な不動産買取業者の代表的な手口とその狙いをご紹介します。
また、悪質な業者の見分け方にも触れているので、不動産買取で失敗したくない方はぜひ最後までご覧ください。
「まずは不動産売却の基礎知識を知りたい」という方は、こちらの記事をご覧ください。
不動産買取は悪質業者が多いの?
不動産買取において、悪質な業者が存在することは確かですが、必ずしも「多い」というわけではありません。
不動産買取は、不動産会社が直接買取りを行うため、早く確実に売る方法として魅力的です。
しかし、早さだけを重視してしまい準備が不足していたり、比較検討をせずに売却を進めてしまい売買に失敗する方が多いのも事実です。
悪質な業者に引っかかるリスクがあるため、慎重に業者を選ぶことが重要です。まずは抑えておくべき不動産買取の基礎情報から解説していきます。

不動産買取の仕組み
先述した通り、不動産買取とは、買取業者が家や土地などの不動産を直接買い取る方法です。この仕組みでは、売り手が不動産を業者に売却し、業者がそれを再販売することで利益を得ます。
不動産買取の買取にかかる期間は平均7日間から1ヶ月ほどであるため、売り手が早急に現金を手に入れたい場合、不動産買取が適しています。
また、不動産を業者に直接売却するため、仲介手数料が発生しません。
一方で、買取業者は購入した不動産を再販売することで利益を得る仕組みになっています。
そのため、リスクを考慮して、通常は市場価格よりも低い価格で買取を行います。市場の売却価格の7割~8割り程度の価格で取引されることがほとんどです。

悪質な不動産買取業者が存在する理由
不動産買取の仕組みでも説明した通り、買取業者は不動産を買取り、再販することで利益を得ます。
ということは不動産買取業者ははじめに不動産を購入するというリスクを追うことになります。
そのため、買取業者は少しでも安く買い取って、少しでも高く売りたいと考えるようになり、それが行き過ぎた結果売主や買主を騙して自分たちが得をするように手回しをする企業がいるのです。
2013年以降不動産市場は右肩上がりに成長し続けているため、買取を利用する方も多くなっています。
その中で、不動産買取業者絡みのトラブルが増えたことで、不動産買取業者には悪質な業者が多いと噂されるようになったのでしょう。
しかし、悪質な業者が行う代表的な手口や悪質な不動産会社を見分ける方法を理解することで、被害を未然に防ぐことができます。しっかり対策を行いましょう。

悪質な不動産買取業者の代表的な詐欺手口とは?
物件の売却を検討しているとき、「絶対に売れます」など根拠のない説明を受けた経験はありませんか。国土交通省によると、近年消費者を狙った不動産の売買を持ちかける悪質な業者が増えているようです。
まずは、不動産買取業者が行う詐欺の代表的な手口についてご紹介します。

手口①:初めに高額な査定価格を提示する
悪質な不動産買取業者ははじめ、売主に対して仲介での高額な査定価格を提示します。これは、その価格で売れないことを理由に自社の買取につなげるためです。特に、物件に買い手がつかないことを根拠として相場を大きく下回る金額での買取を提示してくる場合は、自社が儲かるように仕組んだ悪質なケースである可能性が高いでしょう。
不動産買取業者は、自社で買い取った物件にリフォームなどの手を施すことで、なるべく高い売却益を得るビジネスを行っています。つまり、できる限り安く不動産買取を行うことが利益につながるのです。根拠が明確でない状態で他の不動産会社より高額な価格を提示された際には、悪質な不動産買取業者である可能性を疑いましょう。
手口②:高額な測量費を請求する
悪徳な不動産買取業者の手口として、高額な測量費の請求もあげられます。測量とは土地を計測することを指し、土地の価格は条件によって大きく異なるため、物件を売買するためには正確な測量が必要となります。測量費を決める条件は以下のとおりです。
- 土地の面積
- 土地の形状
- 隣地の所有者の数や種類
- 地域性
- その他特殊要素

手口③:仲介手数料を要求する
よくある手口の3つ目は「仲介手数料を要求する」です。
不動産仲介を利用した際、売り手は不動産会社に仲介手数料を支払う必要があり、この費用は、売却が成立した際に支払われる成功報酬型の手数料です。
一方で、不動産買取は、買取業者が直接買取を行い仲介が介在しないため仲介手数料は発生しません。
そのため、不動産買取を選んでいるのに、仲介手数料を請求するような場合は詐欺の可能性があるので注意が必要です。
手口④:小切手で支払おうとする
不動産売買の取引や金銭の授受を小切手で行うことも詐欺手口のひとつです。 小切手は一見、信用の高い有価証券です。
しかし、支払先の口座に現金がなければ不渡りとなるため、悪徳業者はわざと不渡りを起こすことで物件をだまし取ります。
不動産を取引するときには高額な金銭移動が発生します。そのため、銀行を通して着金が確認できてから物件の引き渡しを行うのが一般的です。
小切手を用いての支払いを提示された場合には必ず詐欺を疑うようにしましょう。万が一小切手での取引を行うことになった場合でも、確実に換金できたことが確認できたタイミングで引き渡しを行うようにしてください。手口⑤:囲い込みで売主と買主それぞれに仲介手数料を請求
不動産買取の買い手が個人だった場合、悪質な不動産買取業者とトラブルになる点として、「囲い込み」をされたというものがあります。
囲い込みとは、売主と買主からそれぞれ仲介手数料をもらうことで自社の利益を増やすために、他の不動産会社からの依頼があっても嘘をついてでも売却させない行為のことを指します。このように、個人の買主および売主の両者と直接契約を行いたい不動産買取業者は、物件購入を希望する不動産会社が現れても契約を行いません。
囲い込み自体に違法性はありませんが、不動産売買において、自社が有利になるよう持ちかける悪質な手口です。この行動には注意! 悪質な不動産買取業者がよく取る行動特徴
「うまい話には裏がある」と言われるように、悪質な不動産買取業者は、一見利用者に利益が出るよう上手い話を持ちかけてくるため、不動産買取業者についてきちんと下調べをすることは大切です。
悪質な不動産買取業者には、どのような特徴があるのでしょうか。
ここでは具体例とあわせて、悪質な不動産買取業者のよく取る5つの行動特徴を紹介していきます。

- おとり広告を使う
- 売却や契約を急かす
- アポなし訪問
- しつこく営業電話をしてくる
- レインズに登録をしない
行動特徴①:おとり広告を使う
おとり広告とは、実際にはないサービスや提示価格をあたかも実在するかのように表記した広告のことです。よくある手口としては分譲マンションに投函されるチラシがあげられます。公正取引協議会によると売約済みの物件を長期掲載していたり、あたかも相場より高く売れるように見せかけている広告があると報告されています。
上手い話ほど裏があるというように、気を引くようなおとり広告を見た際は悪質な不動産買取業者である可能性を疑いましょう。
行動特徴②:売却や契約を急かす
売却を急かすような行動も自社利益を優先している業者の特徴の一つです。
売主が良いと思ったうえでスピーディーに対応してくれる場合だと良いのですが、不必要に売却のタイミングを急かしてくるようなケースであれば、自社利益のために有利に事を運ぼうとしている可能性が考えられます。
このような不動産買取業者に会った時にはその場で売却はせず、一度持ち帰って業者の評判をしっかりと調べるようにしましょう。
行動特徴③:アポなし訪問
突然訪問をしてくるのも悪質な不動産買取業者の特徴です。アポなし訪問は消費者庁が注意喚起を行うほど多発しているトラブルとなっています。
売却を考えているタイミングでいい業者に出会えたと感じても、適切な手続きなくアポなし訪問をしてくる場合は悪質な不動産業買取業者の可能性が高いため注意をしてください。
行動特徴④:しつこく営業電話をしてくる
悪質な不動産買取業者の特徴として、営業電話がしつこいことがあげられます。前提として、しつこい営業電話は宅地建物取引業法で禁止されています。そのため、きちんと法に則った業者であればこのような行動をすることはまずないと言えるでしょう。
また、知らない番号から電話がかかってきて驚くことがあるかもしれません。これは電話番号を流出させる企業が世の中に存在するため起きています。知らない不動産買取業者が電話をかけてきたら電話番号の入手先を聞き、流出元の企業に電話番号を削除させるのも1つの手です。

行動特徴⑤:レインズに不動産情報を登録しない
不動産売却にあたり買取と併せて仲介の利用を検討している売主の方は、業者がレインズに不動産情報を登録しているか必ず確認してください。
レインズとは、国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営している「不動産物件情報交換のためのコンピューターネットワークシステム」のことです。レインズに登録することで不動産業者間で広く情報交換がなされるため、不動売却を希望している売主にとっては買主が早く見つかるというメリットがあります。
本来、不動産会社は媒介契約を交わしたときから期日内にレインズへ登録する義務があります。売主が不動産仲介を希望しているにもかかわらず期日内にレインズへの情報登録が行われていないようであれば、敢えて仲介による売却成立を阻止している可能性があります。
このような場合、業者は仲介では売却ができない ということを理由にして、安値での自社買取を持ち掛けようとしているケースが考えられるでしょう。
注意点としては、媒介の種類によってレインズの登録をしなくてもよいケースもあります。媒介契約種類には3種類あるため、それぞれの条件を確認しておきましょう。
- 一般媒介契約
- 専属専任媒介契約
- 専任媒介契約
一般媒介契約
一般媒介契約とは、依頼者がさまざまな不動産会社に依頼できる契約です。また、依頼者が自ら見つけた相手とも取引を行えます。一般媒介契約ではレインズへの登録が任意であるため、登録をしなくても問題ありません。
複数の不動産仲介会社に売却を依頼できる一方、複数の不動産仲介会社とやり取りをしなければならず、手間が増えてしまうのがデメリットです。

専属専任媒介契約
専属専任媒介契約とは、複数の不動産仲介会社に依頼することができず、依頼者が自ら見つけた相手方とも売買できない契約です。そのため1つの業者としか取引ができませんが、業者によってはさまざまなサービスを受けられます。
専属専任媒介契約の場合、レインズには契約締結の翌日から5日以内に登録されます。専任媒介契約
専任媒介契約は専属専任媒介契約と同様、複数の不動産仲介会社に依頼ができない契約です。
しかし依頼者が自ら見つけた相手方と売買はできるので、買ってもらえそうな相手に心あたりのある方は専任媒介契約がおすすめです。レインズには、媒介契約締結の翌日から7日以内に登録されます。

悪質な不動産買取業者を見分ける方法
ここまで悪質な不動産買取業者の手口や行動特徴を紹介してきましたが、詐欺に遭うリスクを減らすために売主自身ができることがあります。
最後に悪質な不動産買取業者を見分けるための方法を紹介します。
契約前に口コミ情報をチェックする
不動産買取業者を見極めるには、業者の名前で口コミ情報をチェックしてみることが大切です。オンラインの口コミサイトや、不動産関連の掲示板で、業者の評判が確認できます。
過去に詐欺被害の事例がないか確認することで、悪質な業者である可能性を把握することができます。特に、過去に利用した人たちの体験談は参考になりますが、偽の口コミもあるため、情報源の信頼性も確認しましょう。
国土交通省検索システムで宅建士の資格保有を確認する
不動産業界は広く、管理・契約・調査など多くの分野に分かれ、それぞれ必要となる資格も違います。
不動産買取業者は宅建士(宅地建物取引士)の資格が必須なので、不審な業者に関しては資格保有の状況確認を行うようにしましょう。国土交通省が運営している「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」では、宅建士の取得番号を検索できます。
システムを使ってヒットしなかった場合は、資格保有と嘘をついている可能性が高く、会社は悪徳な不動産業者かもしれません。不審に思ったら、契約前に確認するようにしましょう。

不動産一括査定を利用する
不動産一括査定とは、サイトを通して複数の不動産会社に査定を依頼できるインターネットサービスです。
一括査定を利用すると、複数の不動産会社の査定結果を比較したうえで所有物件の適正な売却価格を知ることができます。さらに、不動産一括査定の中でも人気のある、「イエウール」を利用すると、全国の不動産会社から条件を満たす優良な会社2,000社を選出しており、その中からあなたにぴったりな不動産会社を選択してくれます。
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査定価格はいくら?
不動産買取業者の言動に少しでも違和感を感じたら
本記事では、悪質な不動産買取業者の手口や行動特徴を紹介しました。
先述のような手口は、宅地建物取引業法にて禁止行為にあたる場合もあります。言動に少しでも違和感を感じたら、消費者センターや国土交通省の無料相談センターに相談してみてもよいかもしれません。
そして不動産一括査定サイト「イエウール」では、安心実績のある不動産業者を取り揃えています。ぜひご活用ください。
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