相続人に未成年者がいる場合の相続登記の方法は?相続の流れも解説

相続人に未成年者がいる場合の相続登記の方法は?相続の流れも解説

相続においては、相続人が自分と未成年者の子どもだけというケースも珍しくありません。

このような場合では、「不動産などの名義人を未成年者が相続することができるのか」について疑問に思われている方も多くいらっしゃるかと思います。

そこで本記事では、以下のようなテーマについて詳しく解説しています。

  • 未成年者は不動産を相続できるのか
  • 未成年者の不動産相続では特別代理人が必要
  • 未成年者が不動産を相続する流れ
  • 不動産相続における未成年者控除とその要件

ご自身や親族が受け継ぐ大切な遺産を、スムーズに相続するための一助となれば幸いです。

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「まずは不動産売却の基礎知識を知りたい」という方は、こちらの記事をご覧ください。

不動産売却の超基礎知識!よくある売却理由やはじめて売る時の心構え

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未成年者は不動産を相続できるのか

本章では、未成年者が不動産を相続できるのかについて詳しく解説します。

未成年者でも不動産は相続できる

結論、未成年者でも不動産の相続は可能です

遺産を相続できるのかどうかは、相続人の年齢によって決まるものではありません。また、相続人の年齢ごとに相続できる遺産の種類が決められているわけでもありません。

つまり、相続人が未成年者であっても、不動産を含む全ての遺産を相続することができるということです。もちろん、遺産分割協議を行う際は、未成年者も含めての話し合いが必要となります。

しかし、未成年者は遺産分割協議に参加することができません。これは一体どういうことでしょうか。次項で詳しく解説します。

未成年者は遺産分割協議に参加できない

18歳未満の未成年者は、賃貸契約やクレジットカードの契約といった法律行為を親権者の同意なく行うことができません。遺産分割協議も法律行為となるため、未成年者は協議に参加できないということになるのです。

しかし、遺産分割協議は相続人全員で行わなければなりません。そこで、相続人のなかに未成年者がいる場合は、原則は親権者が未成年者を代理し、親権者と子供が利益相反する場合には特別代理人を選任する必要がある、ということになります。
未成年者の特別代理人については、次項で詳しく解説します。

未成年者の不動産相続では特別代理人が必要

未成年者の不動産相続では特別代理人が必要

本章では、不動産相続における未成年者の特別代理人について詳しく解説します。

不動産相続における未成年者の特別代理人とは

未成年者は遺産分割協議に参加できません。親権者と子供の利益が相反する場合には、特別代理人が代わりに遺産分割協議に参加して未成年者の相続分を決めていきます。

特別代理人については誰がなってもよいのですが、未成年者との間に直接の利害関係があると特別代理人になれないため注意しましょう。また、特別代理人の決定には家庭裁判所による審判が必要です。

特別代理人が不要な3つのケース

相続人が未成年者である場合でも、以下のケースに当てはまるときは特別代理人を立てる必要がありません。

  • 遺言書による相続手続を行う場合
  • 法定相続分で相続手続を行う場合
  • 親権者が相続放棄する場合

あらかじめ相続の内容が決まっている遺言書と法定相続分では、遺産分割協議を行う必要がないので特別代理人は不要となります。

そのため、相続人のなかに未成年者がいる場合でもまずは遺言書の有無を確認するとスムーズです

相続放棄に関しては、親権者と未成年者との間で直接の利害関係はないので同じく特別代理人は不要となります。

ただし、未成年者の相続放棄に関しては、親権者が放棄しない場合など場合によっては特別代理人を立てる必要があるため注意してください。

遺言書がない場合は誰が不動産を相続する?そしてどうやって相続する?

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流れ①:特別代理人を決める

未成年者が不動産を相続するときは、まず特別代理人を決める必要があります。

本章では、特別代理人とは何かや、その決める際の注意点について詳しく解説します。

特別代理人とは

特別代理人とは、親権者と未成年者の利益が相反する場合に、未成年者に代わり法律行為を行う人のことです。

未成年者は、各種契約やその解除といった法律行為を行うことができません。不動産相続では、遺産分割協議が法律行為となります。

相続においては、親権者と未成年の子供の利益が相反するケースが多いです。そのため、不動産の相続において相続人の中に未成年者がいる場合には、特別代理人を選ぶ必要があるケースが多いのです。

特別代理人を決める際の注意点

不動産の相続で特別代理人を決める時には、法定相続人以外で未成年者と直接の利害関係のない人から選ぶ必要があります。

例えば、未成年者の祖父母や成人してる友人の他にも、弁護士に特別代理人となってもらうことも可能です。

ただし、申し立てられた特別代理人が適切がどうかについては、最終的に家庭裁判所が判断することになります。

流れ②:家庭裁判所に特別代理人の選任を申し立てる

特別代理人候補者が決まったら、家庭裁判所に選任の申し立てを行います。

申立先と申立人になれる人

特別代理人の選任申立では、未成年者の住所地を管轄している家庭裁判所で行います。被相続人や申立人の住所地ではないので注意してください。

申立てる際は、後でご紹介するいくつかの書類が必要になるので、漏れがないように取得しておきましょう。

また、選任の申立ては親権者の他、法定相続人などの利害関係人が行います

住所地ごとの家庭裁判所については、以下より調べることができます。

裁判所の管轄区域|裁判所

申立てに必要な書類と費用

特別代理人の選任申立てで必要になる書類は、以下の通りです。

  • 申立書
  • 未成年者の戸籍謄本
  • 親権者又は未成年後見人の戸籍謄本
  • 特別代理人候補者の住民票もしくは戸籍附票
  • 遺産分割協議書案、登記簿謄本等の利益相反に関する資料

また、法定相続人など利害関係にある方が申立てを行う場合、利害関係を証する資料(戸籍謄本など)が追加で必要になります。

申立てににかかる費用については、以下の通りです。

  • 戸籍謄本の取得費用:450円
  • 住民票の取得費用:300円程度
  • 収入印紙代:800円
  • 連絡用切手代:数百円程度

以上から、特別代理人の申立てにかかる費用は、未成年者一人につき2000円前後が目安となります。

ただし、ケースによって書類の必要枚数が異なること、住民票は地域によって取得費用が異なることに注意してください。

連絡用切手代とは、裁判所との郵便で連絡を行う際に必要となります。

流れ③:家庭裁判所から選任審判がなされる

特別代理人として問題がなければ、家庭裁判所で特別代理人の選任審判がなされ遺産分割協議を行う準備が整います。

家庭裁判所への申立てから審判までは1か月ほどかかります

特別代理人の選任から相続登記までを司法書士に任せることもできますので、必要に応じて検討することもおすすめです。

流れ④:遺産分割を行い相続登記をする

特別代理人の選任申立てが終わったら、不動産の相続登記に向けて遺産分割協議や登記申請を行います。

遺産分割協議をする

家庭裁判所により未成年者の特別代理人の申し立てが認められたら、遺産分割協議を行います。

話し合う内容や進め方については、通常の遺産分割協議と変わりありません。

ただし、署名や捺印については特別代理人が行うこと、遺産分割協議書に特別代理人選任審判書を添付する必要があることに注意が必要です。

登記申請をする

不動産を相続したら、相続登記を行います。

2024年4月1日から相続登記が義務化されており、相続の開始を知った日から3年以内に登記申請をしなければなりません。正当な理由なく怠った場合、過料が科される可能性もあります。期限内に遺産分割協議がまとまらない場合は、簡易的な「相続人申告登記制度」を利用することも可能です。

相続登記は法律行為ではないので、未成年者でも意思能力が備わっていれば行うことができます。また、親権者が代理で行っても問題ないです。

ただし、相続登記の手続きはやや複雑です。そのため、未成年者が不動産を相続する場合は、親権者や他の方が相続登記を手伝った方がスムーズなケースも多いかと思います。

不動産相続における未成年者控除とその要件

不動産相続における未成年者控除とその要件

本章では、未成年者控除の中身とその要件について詳しく解説します。

未成年者控除とは

未成年者が不動産などの遺産を相続する場合、未成年控除を適用して相続税を節税できる場合があります。

未成年者控除とは、未成年者にかかる養育費が相続税の負担で圧迫されないようにするための控除です。

控除額は、以下の計算式で求めることができます。

控除額=(18-未成年者の年齢)×10万円

たとえば、相続時点で未成年者が15歳だった場合の控除額は30万円となります。

参考:No.4164 未成年者の税額控除|国税庁

未成年者控除の要件

未成年者控除には、以下の要件があります。

  • ①:遺産を取得したときに日本国内に住所がある(一時居住者で、かつ、被相続人が外国人被相続人または非居住被相続人である場合を除きます。)
  • ②:遺産を取得したときに18歳未満である
  • ③:遺産を取得した人が法定相続人である

①については、国内に住所がない人でも以下の条件に当てはまるときは未成年者控除が受けられます。

  • Ⅰ:日本国籍で相続開始前10年以内の間に日本国内に住所があったことがある
  • Ⅱ:日本国籍かつ相続開始前10年以内に日本国内に住所がなかった
  • Ⅲ:日本国籍を有していない

ただし、Ⅱについては、被相続人が、外国人被相続人または非居住被相続人である場合を除きます。Ⅲについては、被相続人が、 外国人被相続人、非居住被相続人または非居住外国人である場合を除きます。

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不動産の相続は未成年者も可能

不動産の相続は、未成年でも可能です。

ただし、未成年者が相続を進める場合は特別代理人を選任する必要がある場合があります。

遺産分割協議による相続の際には、未成年者との間で直接の利害関係がある人は特別代理人となれない点に注意してください。

不動産の売却を検討しているなら、特別代理人が不要な法定相続分で相続する方法があります。その後、親権者が代理で売却するとスムーズです。

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保坂 真世
監修者:保坂 真世(ほさか まよ)
中央大学法学部卒業。横浜市内の司法書士事務所勤務を経て、2014年に横浜で独立開業。2018年に法人化し平塚支店を設置。
個人向けに終活サポート・相続手続・障がい者の法的支援、法人向けに企業の法務手続等幅広く取り扱っております。特に相続案件は年間100件以上受任する実績がある。
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